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第二章
フィクスはめちゃくちゃ複雑である
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「・・・・ハイト。大丈夫か?」
「何の事?僕はいつも通りだけど?」
・・・・皆さん御機嫌よう。フィクスです。
まず、話を整理してもいいでしょうか?
俺は最近陛下の命でサウジスカルから西側にあるオスカール帝国に行っていたんだ。うちの国とオスカリタはとても親交が深い。今回はオスカリタの春の祭典に国の代表として参加してきたんだけど、それを終えて帰って来たら魔物襲来騒ぎに出くわしました。
それでね?
その魔物がとても美味しくてさ?
討伐した甲斐があったぜ!とか、呑気に思ってたら実は俺が居ない間にティファがギャドと付き合ってると聞いてね?俺は頭真っ白になりました。何故あの筋肉と。
でも、実は付き合う振りだったんだよ。
まぁそこはいい。あえて突っ込まなかった。問題はその後、ギャドがティファに状況を説明に来てたんだけど。
「おう!ティファ、この前は悪かったな。一人で帰らしちまって。あの後、ヨシュアと合流して無事セラ嬢見つけられたぜ?ありがとな」
「いいえ!セラさん怪我などはしてませんでしたか?」
「ああ、お陰様で。それでさ、こっちから頼んでおいて悪いんだが、更にややこしい事になっちまってな?俺セラ嬢と婚約する事になったんだ」
コレを聞いてた俺とハイトは呆れて目を合わせちまったんだけどさ?その頃から、ハイトの様子がおかしいとは、思ってたんだ。でも、まだその時はいつものハイトだった。
「そうなんですね?では、私との事は?」
「おう。正直に話そうと思う。フェアじゃねぇだろ?だから、恋人のフリはコレで終わりにしてぇんだ」
「そうですか。分かりました!あ、ギャドさんご飯どうします?」
「あ、いや、俺この後、用事がまだあるんだ、悪い。また今度ご馳走になるわ」
絶対セラ嬢と会う約束があるなアイツ。
あれか?顔合わせか何かか?それにしても、なんでいきなり婚約?ティファと恋人の振りする必要なかったじゃないか?ギャドの分際で図々しい。
「・・・そう、ですか。じゃあしょうがないですね。また今度作って待ってます」
ティファさん?なんでそんなガッカリした顔しているんだ?ギャドなんて忙しくてたまにしか顔出さないだろ?
いつもは平気な顔してるじゃないか。
そんな事を考えていた俺は隣の存在をすっかり忘れてたんだ。きっとここからすでに始まっていたんだと思う。
「すまん。もしかして俺の分作ってあったか?勿体無いから他の奴にやってくれ」
「・・・はい。そうします」
その後。ハイトブチギレ事件が起こる訳なんだが。
やはりコレはそういう事だと捉えていいんだよな?
「もうティファに謝ってご飯食べさせてもらえよ」
「断る。僕は今ティファと距離を置いてるんだ。なのに食べちゃったら意味がないだろ?」
「あれから3週間。明らかにやつれてるよな?」
「・・・・ちゃんと食べてる。ただ食が細いだけだよ」
お前。なんでこんな時だけ意固地なんだ。
前はそんな人間じゃなかったよな?
確かに昔から食事に関してうるさい奴ではあったけど、他人の事でこんなに揉めたことないだろ?
そもそも興味がなかったよな?他人に。
「ティファも流石に心配してるぞ?もう許してやれよ」
「・・・僕は何を許せばいいのかな?」
何だそれ。俺が聞きてぇよ。お前何がしたいんだよ。
「ハイト。お前ティファが特別なのか?」
「フィクスはどうなの?」
質問に質問で返すんじゃねぇよ!相変わらず捻くれてやがる。
「まぁ。気になる子、ぐらいには」
ただ、付き合いたいか?と聞かれたら、どうだろうか?
今まで出会った女性の中では一番気になっている。
でもティファから色恋沙汰を匂わせるものは感じられないんだよなぁ。笑顔は可愛いし綺麗だなとは思う。これは正直な気持ちだ。
「そう。じゃあ僕の答えは聞かない方がいいよ」
「言えよ。お前と俺の仲だろ?」
酷い顔だなお前。
ティファが来る前より酷ぇ。
「正直、戸惑ってる。こんな筈じゃなかったのにな」
もう俺答えは分かってるんだけど、敢えて黙ってるぞ。
俺もどうしたらいいのかわかんねぇしな。
「馬鹿だな僕は」
複雑だ。
俺やっともしかしたら本気で好きになれるかな?程度にはティファの事気にしていたわけで、多分ギャドが俺のライバルになる予定だったんだよ。
実際ティファは俺よりギャドに懐いてたし、ちょっと不利かとは思ってたんだけど、それでもまだ負ける気はしなかった。だってギャドもそこまで本気じゃなかったから。
なんて表現したらいいんだろう。
ティファは、あの宿舎の癒しなんだよな。
だから、いつまでもあの場所にいて欲しい。
皆で馬鹿言いながら、美味しいご飯を食べたい。
でも、ハイトは違うんだな。思い返せばそうだった。
ハイトは最初から・・・・。
「これじゃ、まるで子供だな」
お前がはっきり言うまで俺も口には出さないぞ。
俺だって、自分の事、まだ分からないんだからな。
敵に情けをかける程、俺大人じゃないからな?
・・・・・・・・今回だけだからな!!
「何の事?僕はいつも通りだけど?」
・・・・皆さん御機嫌よう。フィクスです。
まず、話を整理してもいいでしょうか?
俺は最近陛下の命でサウジスカルから西側にあるオスカール帝国に行っていたんだ。うちの国とオスカリタはとても親交が深い。今回はオスカリタの春の祭典に国の代表として参加してきたんだけど、それを終えて帰って来たら魔物襲来騒ぎに出くわしました。
それでね?
その魔物がとても美味しくてさ?
討伐した甲斐があったぜ!とか、呑気に思ってたら実は俺が居ない間にティファがギャドと付き合ってると聞いてね?俺は頭真っ白になりました。何故あの筋肉と。
でも、実は付き合う振りだったんだよ。
まぁそこはいい。あえて突っ込まなかった。問題はその後、ギャドがティファに状況を説明に来てたんだけど。
「おう!ティファ、この前は悪かったな。一人で帰らしちまって。あの後、ヨシュアと合流して無事セラ嬢見つけられたぜ?ありがとな」
「いいえ!セラさん怪我などはしてませんでしたか?」
「ああ、お陰様で。それでさ、こっちから頼んでおいて悪いんだが、更にややこしい事になっちまってな?俺セラ嬢と婚約する事になったんだ」
コレを聞いてた俺とハイトは呆れて目を合わせちまったんだけどさ?その頃から、ハイトの様子がおかしいとは、思ってたんだ。でも、まだその時はいつものハイトだった。
「そうなんですね?では、私との事は?」
「おう。正直に話そうと思う。フェアじゃねぇだろ?だから、恋人のフリはコレで終わりにしてぇんだ」
「そうですか。分かりました!あ、ギャドさんご飯どうします?」
「あ、いや、俺この後、用事がまだあるんだ、悪い。また今度ご馳走になるわ」
絶対セラ嬢と会う約束があるなアイツ。
あれか?顔合わせか何かか?それにしても、なんでいきなり婚約?ティファと恋人の振りする必要なかったじゃないか?ギャドの分際で図々しい。
「・・・そう、ですか。じゃあしょうがないですね。また今度作って待ってます」
ティファさん?なんでそんなガッカリした顔しているんだ?ギャドなんて忙しくてたまにしか顔出さないだろ?
いつもは平気な顔してるじゃないか。
そんな事を考えていた俺は隣の存在をすっかり忘れてたんだ。きっとここからすでに始まっていたんだと思う。
「すまん。もしかして俺の分作ってあったか?勿体無いから他の奴にやってくれ」
「・・・はい。そうします」
その後。ハイトブチギレ事件が起こる訳なんだが。
やはりコレはそういう事だと捉えていいんだよな?
「もうティファに謝ってご飯食べさせてもらえよ」
「断る。僕は今ティファと距離を置いてるんだ。なのに食べちゃったら意味がないだろ?」
「あれから3週間。明らかにやつれてるよな?」
「・・・・ちゃんと食べてる。ただ食が細いだけだよ」
お前。なんでこんな時だけ意固地なんだ。
前はそんな人間じゃなかったよな?
確かに昔から食事に関してうるさい奴ではあったけど、他人の事でこんなに揉めたことないだろ?
そもそも興味がなかったよな?他人に。
「ティファも流石に心配してるぞ?もう許してやれよ」
「・・・僕は何を許せばいいのかな?」
何だそれ。俺が聞きてぇよ。お前何がしたいんだよ。
「ハイト。お前ティファが特別なのか?」
「フィクスはどうなの?」
質問に質問で返すんじゃねぇよ!相変わらず捻くれてやがる。
「まぁ。気になる子、ぐらいには」
ただ、付き合いたいか?と聞かれたら、どうだろうか?
今まで出会った女性の中では一番気になっている。
でもティファから色恋沙汰を匂わせるものは感じられないんだよなぁ。笑顔は可愛いし綺麗だなとは思う。これは正直な気持ちだ。
「そう。じゃあ僕の答えは聞かない方がいいよ」
「言えよ。お前と俺の仲だろ?」
酷い顔だなお前。
ティファが来る前より酷ぇ。
「正直、戸惑ってる。こんな筈じゃなかったのにな」
もう俺答えは分かってるんだけど、敢えて黙ってるぞ。
俺もどうしたらいいのかわかんねぇしな。
「馬鹿だな僕は」
複雑だ。
俺やっともしかしたら本気で好きになれるかな?程度にはティファの事気にしていたわけで、多分ギャドが俺のライバルになる予定だったんだよ。
実際ティファは俺よりギャドに懐いてたし、ちょっと不利かとは思ってたんだけど、それでもまだ負ける気はしなかった。だってギャドもそこまで本気じゃなかったから。
なんて表現したらいいんだろう。
ティファは、あの宿舎の癒しなんだよな。
だから、いつまでもあの場所にいて欲しい。
皆で馬鹿言いながら、美味しいご飯を食べたい。
でも、ハイトは違うんだな。思い返せばそうだった。
ハイトは最初から・・・・。
「これじゃ、まるで子供だな」
お前がはっきり言うまで俺も口には出さないぞ。
俺だって、自分の事、まだ分からないんだからな。
敵に情けをかける程、俺大人じゃないからな?
・・・・・・・・今回だけだからな!!
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