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第二章
フィクスはモヤモヤする
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「貴方も色々と苦労してるわね?」
分かってくれる?
そりゃそうだよな。ベロニカも相当苦労してそうだからね?俺、最近になって君の今までの苦労が分かるようになったよ。最初ちょっと冷たい態度とってごめん。
「ベロニカ程ではないよ。でも、なんで今回ティファに協力的だったんだ?」
「別に。ティファの奇行には慣れてるのよ。それに、ティファのついでとはいえ好待遇で雇ってもらえたから。これぐらいなんて事ないわ」
「・・・・ついでなんて。ベロニカはティファのオマケじゃないだろ?そんな言い方は良くない。卑屈に聞こえる」
ん?何その笑い。なんか変な事言った?
「そうね。でも、しょうがないわよ。ティファは特別な人間だから」
何それ。
訳わかんないな?なんでかな、この子と話してると、とてもイライラする。俺こんなに気が短かったか?
「フィクス。貴方けっこう感情が顔に出るわよね。気にしなくていいのよ?私はもうすぐいなくなるんだから、気に掛けなくて」
「何それ。もしかして気に掛けて貰いたいからそういう事言ってる?」
んん?俺なんでこんな事を?
すげぇ嫌な奴だな?ほっといてって言ってんだからほっておけばいいじゃないか。
「あははは!」
「え?なんでそこで笑う?普通怒らないか?」
これがベロニカじゃなくて、その辺のご令嬢なら物凄く狼狽えると思うぞ?まぁ比べるのもおかしな話だが。
「いや、だって。本当に甘いんだもの。最初は気持ち悪かったけど、最近は流石に慣れたわ。ありがとう、フィクス」
え?だから、なんでそこで御礼を言うの?
「貴方ティファが好きなんでしょ?」
「何?急に」
「ハイトと貴方がどんな関係かは知らないけど、貴方が我慢する必要はないんじゃない?もし、少しでもティファに気持ちがあるなら、悩んでないで頑張ったら?」
おかしいな。これはおかしい・・・・。
俺は偶々外で買い物をしているベロニカに声をかけただけなんだ。なのになんで、こんな突っ込んだ話をしているんだ?それに、今日のベロニカはやけに素直じゃないか?
「ティファ、上手くいくといいわね。やっと借りも返せたし。スッキリしたわ」
「・・・・いくら命の恩人でも、そこまで気にする?」
「それだけじゃないわよ。あの人は私が騎士になってから、ずっと私を守ってくれたわ。ティファの直属の部下だったから、私はあそこで生き残れた」
それが君の本心なの?じゃあティファに言ってやればいいのに。きっと狂喜乱舞するぞ?
「私は、ティファの足枷にはなりたくなかったの。でも、そんな事言ったら絶対に私を手放さないから、私からおもいっ切り蹴飛ばしてやったわ。他人にどう思われても構わないし、後悔してない」
そうじゃないんだよ。俺が言いたいのは。
「ベロニカは誰にも愛されなくていいって事?」
やっぱりおかしいな。
ベロニカといるとモヤモヤするんだよな俺。
ティファの時にも感じた気がするけど、それよりも、もっと嫌な感情な気がする。この感情の正体は一体なんなんだろうな?気持ち悪っ!
「愛はともかく、少なくとも、あんた達は気に掛けてくれてるわね?お節介が多くて困るわ。でも、それで充分よ」
あれ?俺この子がちゃんと笑うところ、見た事なかったっけ?ベロニカってこんな風に笑えるんだな?
「私を雇ってくれてありがとうフィクス。ずっと言いそびれてたから、今の内に言っておくわ」
「・・・・なんだか、永遠の別れみたいだな?」
「そうかしら?まぁ近いうちに出て行くし、そう受け取っていいわ」
「本当に、出て行くのか?」
だーかーらー!!俺しつこいよ。
出て行くって言ってんだから出て行くだろうさ!
「ええ。あ、今日私宿舎に帰るの遅くなるから、ティファに伝えておいて貰える?心配しないでって」
「そうなのか?分かった、気をつけて帰って来いよ?」
これは、あまり長く一緒にいない方がいいな。
思ってもないことが口から出そうになる。
あの子、きっとティファ以外に興味がないんだろうなぁ。不憫。
「・・・・・・・・」
それにしてもあの子なんか、顔色悪かったな。
ずっと用事が済むと部屋から出て来なかったし、最近は出かけてばかりだもんな。疲れてるのかな?
「プキュ~」
「お?ゴルドどうした?お前一人か?」
ティファはどこ行ったんだ?
コイツがここに居るって事はギャドも居るはずなんだけどな?皆どこ行った?
バーーーーーン!!
おっと!び、ビックリした。この扉の開き方は。
「お兄様!!」
「え?アイラ?どうした?」
「ベロニカを見かけませんでしたか?今皆で探しているのです!!」
「え?今さっき街中で会ったけど?どうした?」
おいおい。
また、何か騒動が起きたのか?
「何?またティファが暴走したのか?」
「違います!!べ、ベロニカが・・・・」
ちょっとアイラ?なんで今にも泣きそうになってるのかな?ベロニカが一体どうした?
「もうすぐ、死んでしまうってぇ・・・・・」
「・・・・・・・・アイラ。落ち着いて」
「ゴ、ゴルドが、ベロニカの心臓はもうボロボロだから、もう少しで止まってしまうって・・・・ティファが、それを聞いて飛び出して、皆も、でも、どうすれば」
「大丈夫、アイラはここで待っててくれ。皆とすれ違いになったらいけないからな」
"昔の事は忘れたし消し去りたいの。それに、私もう少ししたら、ここを出るつもりよ。その時は貴方達も、私の事は忘れて欲しいわ"
だからあんな事言ったんだな?
もうずっと前から、自分の身体の事わかってたんだな?
だから。自分を犠牲にしてまでティファを、あの国から逃したんだな?
「必ずひっ捕まえて、速攻で治療してやる」
悪いけど君が貯めた貯金は治療費として全て消え失せるから、そして当分はこの国からも出られない。残念だったな!!
分かってくれる?
そりゃそうだよな。ベロニカも相当苦労してそうだからね?俺、最近になって君の今までの苦労が分かるようになったよ。最初ちょっと冷たい態度とってごめん。
「ベロニカ程ではないよ。でも、なんで今回ティファに協力的だったんだ?」
「別に。ティファの奇行には慣れてるのよ。それに、ティファのついでとはいえ好待遇で雇ってもらえたから。これぐらいなんて事ないわ」
「・・・・ついでなんて。ベロニカはティファのオマケじゃないだろ?そんな言い方は良くない。卑屈に聞こえる」
ん?何その笑い。なんか変な事言った?
「そうね。でも、しょうがないわよ。ティファは特別な人間だから」
何それ。
訳わかんないな?なんでかな、この子と話してると、とてもイライラする。俺こんなに気が短かったか?
「フィクス。貴方けっこう感情が顔に出るわよね。気にしなくていいのよ?私はもうすぐいなくなるんだから、気に掛けなくて」
「何それ。もしかして気に掛けて貰いたいからそういう事言ってる?」
んん?俺なんでこんな事を?
すげぇ嫌な奴だな?ほっといてって言ってんだからほっておけばいいじゃないか。
「あははは!」
「え?なんでそこで笑う?普通怒らないか?」
これがベロニカじゃなくて、その辺のご令嬢なら物凄く狼狽えると思うぞ?まぁ比べるのもおかしな話だが。
「いや、だって。本当に甘いんだもの。最初は気持ち悪かったけど、最近は流石に慣れたわ。ありがとう、フィクス」
え?だから、なんでそこで御礼を言うの?
「貴方ティファが好きなんでしょ?」
「何?急に」
「ハイトと貴方がどんな関係かは知らないけど、貴方が我慢する必要はないんじゃない?もし、少しでもティファに気持ちがあるなら、悩んでないで頑張ったら?」
おかしいな。これはおかしい・・・・。
俺は偶々外で買い物をしているベロニカに声をかけただけなんだ。なのになんで、こんな突っ込んだ話をしているんだ?それに、今日のベロニカはやけに素直じゃないか?
「ティファ、上手くいくといいわね。やっと借りも返せたし。スッキリしたわ」
「・・・・いくら命の恩人でも、そこまで気にする?」
「それだけじゃないわよ。あの人は私が騎士になってから、ずっと私を守ってくれたわ。ティファの直属の部下だったから、私はあそこで生き残れた」
それが君の本心なの?じゃあティファに言ってやればいいのに。きっと狂喜乱舞するぞ?
「私は、ティファの足枷にはなりたくなかったの。でも、そんな事言ったら絶対に私を手放さないから、私からおもいっ切り蹴飛ばしてやったわ。他人にどう思われても構わないし、後悔してない」
そうじゃないんだよ。俺が言いたいのは。
「ベロニカは誰にも愛されなくていいって事?」
やっぱりおかしいな。
ベロニカといるとモヤモヤするんだよな俺。
ティファの時にも感じた気がするけど、それよりも、もっと嫌な感情な気がする。この感情の正体は一体なんなんだろうな?気持ち悪っ!
「愛はともかく、少なくとも、あんた達は気に掛けてくれてるわね?お節介が多くて困るわ。でも、それで充分よ」
あれ?俺この子がちゃんと笑うところ、見た事なかったっけ?ベロニカってこんな風に笑えるんだな?
「私を雇ってくれてありがとうフィクス。ずっと言いそびれてたから、今の内に言っておくわ」
「・・・・なんだか、永遠の別れみたいだな?」
「そうかしら?まぁ近いうちに出て行くし、そう受け取っていいわ」
「本当に、出て行くのか?」
だーかーらー!!俺しつこいよ。
出て行くって言ってんだから出て行くだろうさ!
「ええ。あ、今日私宿舎に帰るの遅くなるから、ティファに伝えておいて貰える?心配しないでって」
「そうなのか?分かった、気をつけて帰って来いよ?」
これは、あまり長く一緒にいない方がいいな。
思ってもないことが口から出そうになる。
あの子、きっとティファ以外に興味がないんだろうなぁ。不憫。
「・・・・・・・・」
それにしてもあの子なんか、顔色悪かったな。
ずっと用事が済むと部屋から出て来なかったし、最近は出かけてばかりだもんな。疲れてるのかな?
「プキュ~」
「お?ゴルドどうした?お前一人か?」
ティファはどこ行ったんだ?
コイツがここに居るって事はギャドも居るはずなんだけどな?皆どこ行った?
バーーーーーン!!
おっと!び、ビックリした。この扉の開き方は。
「お兄様!!」
「え?アイラ?どうした?」
「ベロニカを見かけませんでしたか?今皆で探しているのです!!」
「え?今さっき街中で会ったけど?どうした?」
おいおい。
また、何か騒動が起きたのか?
「何?またティファが暴走したのか?」
「違います!!べ、ベロニカが・・・・」
ちょっとアイラ?なんで今にも泣きそうになってるのかな?ベロニカが一体どうした?
「もうすぐ、死んでしまうってぇ・・・・・」
「・・・・・・・・アイラ。落ち着いて」
「ゴ、ゴルドが、ベロニカの心臓はもうボロボロだから、もう少しで止まってしまうって・・・・ティファが、それを聞いて飛び出して、皆も、でも、どうすれば」
「大丈夫、アイラはここで待っててくれ。皆とすれ違いになったらいけないからな」
"昔の事は忘れたし消し去りたいの。それに、私もう少ししたら、ここを出るつもりよ。その時は貴方達も、私の事は忘れて欲しいわ"
だからあんな事言ったんだな?
もうずっと前から、自分の身体の事わかってたんだな?
だから。自分を犠牲にしてまでティファを、あの国から逃したんだな?
「必ずひっ捕まえて、速攻で治療してやる」
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