最強騎士は料理が作りたい

菁 犬兎

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第二章

ティファは今日も料理を作る

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「それで?結局あんた、ハイトとはどうなってんのよ?」

「どう、とは?」

「しらばっくれてんじゃないわよ?気付いてるんでしょ?その気がないなら、ちゃんと拒絶しなさいよ」

ベロニカ?いきなり、なんなんです?他人事だと思って。死にかけの癖に。

「中途半端が一番タチが悪いわよ?あんたはどう思ってるの?ハイトの事」

「・・・・どうって、好きですけど。それってベロニカの事好きなのと、どう違うんでしょう?」

「・・・・・どう違うって。あんた・・・・」

あれ?ベロニカなんで項垂れてるんです?眠くなっちゃいました?魔法の副作用ありますもんね?

バーーーーーン!!

「本当に腹が立ちますわ!!なんなのでしょうね!」

「まぁまぁ。アイラ様落ち着いて下さいまし」

「ちょっとアイラ?ドアは静かに開けてって、何度も言ってるでしょ?また、ヨシュアの事で怒ってるの?」

「そうですわ!!聞いて下さいまし!!」

アイラさんヨシュアさんと婚約してから怒ってばかりですね?好きな筈なのに何故でしょうか?あ、この二人に聞けば分かりますかね?

「お二人はどうやってギャドさんやヨシュアさんを好きだと気付いたんです?他の人と何が違いました?」

「「え?」」

おや?何故急に真っ赤に?やはりとても難しい内容なのでしょうか?ぜひ、御教授下さい!!

「そんなの、分かりませんわよ。私だって不思議ですわ」

「私も、だって私達、全然釣り合ってませんから。何度も他の方だったらって考えました」

フムフム?つまり、自分の意思に反した相手を好きになるという事ですか?それは厄介ですね?

「私、ハンバーグが好きですわよね?でも、いつから好きなのか、何で好きになったのか思い出せませんわ。気が付いたらとても好きで、でも私女ですから、お肉をガツガツ頬張るのは正直褒められませんわよね?だから、他の物を頂くのですけど、やはり、あの味が忘れられないのですわ。そんな感じです」

うお!それはとても分かりやすい説明です!確かに自分の好物っていつ好きになったのか、思い出せませんね?

「フフフ。人相手だとそんな単純ではありませんけれど。
ティファ様は誰かに自分だけを見て欲しいと思った事はないのですか?」

「・・・・・ないですね。寧ろほっておいて欲しかったですので。でも、そうですね。気付かなかっただけで、そう思った事はあったかも知れないです」

「ティファ様がその気持ちに気づく事は無いのかも知れないです。でもそれは相手の方がティファ様がそんな気持ちにならないよう気を付けているからですよ。きっと」

・・・・・そうなんでしょうか?
確かにハイトさんは私にとても甘いですから・・・・いえいえ!?ちょっとおかしな流れですよ?それでは本当にハイトさんが私の事・・・。

「もぅ。認めてしまいなさい。逃げ回っても無駄なんだから。それで、言われた時にちゃんと返事が出来る様に考えておきなさい。自分の気持ちを」

そんな事言われましてもーーーー!!
それが分かったら苦労してません!!分からないから困ってるのにぃ。ベロニカの意地悪!鬼!ムキーー!

「なんだか私達。皆んなお相手と微妙な関係ですわよね?」

「そうですね?私なんて期限付きですし?」

「恋ってなんなんでしょう?わかりませんーーーー!」

「前途多難ね?まぁ頑張って?」

他人事ーーー!!でた!ベロニカの放置プレイ!もっと構ってくれないと拗ねますから!フン!!

「皆んな馬鹿ねぇ。なんで両思いだって気付かないのかしら?」

「え?ベロニカ何か言いました?」

「何でしょう?聞いておりませんでした」

「言いたい事があるならハッキリ仰って?」

ちょっと?もう休憩終わりですか?ベロニカちょっと働き過ぎなので座って下さい!さぁ!今日も美味しいご飯、作りますよ!!

「・・・おい。お前先に入れよ」

「は?やだよ!あの中に堂々と入っていけるのなんてラットぐらいしかいねぇよ!一旦引き返そうぜ?アイラ機嫌悪いし」

「お前、またアイラ怒らせたのか?何で婚約した途端、喧嘩が増えるんだよ」

「ねぇ。僕いい加減お腹空いた。もう入るよ?」

「「「勇者がここに!!」」」

もうすぐサウジスカルは夏を迎えようとしています。
去年の今頃は、こんなに騒がしくなるとは、思っていませんでしたが、最近ではこの光景が当たり前です!来年はデズロさんやエルハド様も交えて是非私の料理を食べてもらいたいですね!私、ちゃんと待ってますから!!無事帰って来てくださいね?お二人は無事カスバールに着いたでしょうか?

私?私は、今日も元気です!

「ティファー!ただいまー!お腹空いた」

「もう少しで支度出来ますから。今日はナポリタンにしようと思います!!」

「うぉー!うまそ!俺具多めで!」

「セラも食べていくだろ?」

「はい!是非」

「プキューー!!」

さあ!今日も私はこの食堂で沢山の料理作りますよ?
皆さんどうぞ、たらふく食べて下さいね?

「ティファは料理以外、何かしたい事とかないの?結局ティファの我儘きいてない気がするんだけど?」

料理以外ですか?んーーー。無いですね?

「はい!私は、料理が作りたいです!」

ありゃ?何で皆んな笑うんでしょうか?
変な事、言いましたか?
でも幸せそうなのでいいですよね?

さぁ?出来ましたよ?

どうぞ!召し上がれ!
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