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第三章
ギャドはティファの悩みを考える
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パンパンパンパンパンパンッ!
「・・・・なんの鍛錬だ?あれ」
おう、久しぶりだな?ギャドだ!
今日は早朝から宮廷に向かったフィクスの代わりに俺がベロニカを迎えに来たんだが、ティファはさっきから何してんだ?
謎の布袋を振り回しながら、時折まな板に打ちつけているんだが?え?もしかしてアレ料理作ってんのか?
でもよ?なんか、ティファの顔が、なんつーか。変?
「おかしい!!おかしいですぅ!これはもしや、私の妄想?ハッ!いけないです!料理に集中しなくては!!」
パンパンパンパンパンパンッ!
「・・・・・・・なんだアレ」
「もうずっとあんな感じよ?生地もコネすぎね?きっと今日の温麺はコシが強いわね」
「うお!ベロニカいたのか・・・」
「今は近づかない方がいいわ。ここで声を掛けてまた要らぬ事を考え出しても困るし、暫く一人で考えさせましょう」
いいのかよアレ止めなくて。
あの様子だけ見てたらティファが鈍器を振り下ろしてるようにしか見えないぞ?それは問題では?
「じゃあこのまま行くか。今日は俺がお前を連れて行く」
「聞いてるわ。悪いわね?貴方も忙しいのに。一人で向かえるって何度も言ってるんだけど・・・・」
「あのなぁ?そうやって無理した結果。今お前はこんな面倒なことになってるんだろうが。自重しろ」
「・・・・ええ」
お?なんだか最近ベロニカが素直だな?
いや、前も決して俺達に反発的な態度ではなかったけど、大人しくなったというのか。
「もしかして体、辛いのか?もしそうなら直ぐに言ってくれよ?俺鈍いからな」
「ふふふ。大丈夫よ。ただ未だに慣れなくって」
「慣れない?何に?」
「だって私。人にこんなに甲斐甲斐しく面倒を見られる事なんてなかったもの。恥ずかしいわ」
ベロニカってちゃんと笑えるんだな。
それに、ティファもベロニカも女性なのに酷い扱いを受けてきたんだな。俺でさえ女性には優しくしろって教わったぞ?カスバールのモラルは一体どうなってるんだろうな?
「居心地は悪いだろうが、デズロ様が帰って来るまで頑張ってくれよ」
「死人を完全に生き返らせるのは無理よ」
そこだよなぁ。
医療長いわく、ベロニカの心臓は一度止まっているらしい。
ティファの妹が作った薬を体内に入れた事で息を吹き返したみたいなんだが、それがベロニカの体に合わないものだったらしく徐々に副作用と同時に薬の効果が切れ始めているんだってよ。本当ならベロニカはもうとっくに動けなくなっている筈なんだぜ?
「でもすぐに息を吹き返したんだから、きっとベロニカに合う薬か何かを調合して貰えば良くなるかも知れないだろ?諦めるな」
「ええ。そうね」
・・・・・心配だ。
ベロニカもティファも表面上ではわかった振りをして突然暴走するからな?目が離せないハイトとフィクスの気持ちよく分かるぜ。
「馬車で行くぞ。歩いて行こうとすんな」
「・・・・これくらいの距離、歩けるわよ」
馬鹿言うな!宮廷までは距離もあるし、あの坂を登らないと行けないんだぞ?駄目だコイツ。やっぱ見張りが必要だな。
「それはそうと、ティファの奴どうしたんだ?明らかにおかしかったが?」
「さぁ?きっとまたハイトが何かしたんじゃないの?あの人最近完全に開き直って周りにも隠す気ないものね?」
そう。ハイトのあの堂々とした態度な?
「僕ティファを好きですけど何か?」と、言わんばかりのあからさまな態度。ハイトの奴、ティファがあまりに手強くてやり方を変えてきたな。本人が駄目なら周りから固めていくつもりなんだろ?だって、お前が狙ってるって分かれば誰もティファに変なちょっかい出せないからな?
「妄想だとか、呟いてたぞ?大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。恐らく激しく現実逃避中ね?きっと何かに戸惑ってるんじゃないの?ハイトが自分に気がある事、認めたくないみたいだったから」
「え?そうなのか?なんでだ?」
ん?何でお前まで黙り込むんだよ。もしかして変態王子に言い寄られていたトラウマとか?・・・あり得るな。
「怖いんじゃない?」
そうだな。色んな意味でハイトは怖えな?ティファは中々人を見る目、あるじゃねぇか!
「特別な人を作るのが」
「・・・・それってさ。ティファの村の族長と関係してんのか?」
「族長?何それ」
あれ?ベロニカ知らないのか?
おかしいな?ここに来てからティファの口からしょっ中出てきたからてっきりベロニカは知っていると思ってたんだが。
「ティファの育った村の族長は恐らくティファにとって特別な存在な筈なんだ。どうも俺がその人物に似ているみたいなんだが、知らなかったか・・・」
「へぇ?そうなの?あの人、自分の故郷の事はあまり話したがらなかったから。あ、でも・・・待って?族長って人かどうかは分からないけど、ティファの村には昔カスバールの軍を率いていた有名な軍人がいると聞いた事があったわね?」
「へぇ?じゃあ可能性はありそうだな?」
「名前は確か、デガルド。カスバールの鬼神と呼ばれていたらしいわ」
はぁあああああ!?デガルド!?
今お前デガルドって言ったか?
「お前、そいつがどんな人物か知らないのか?サウジスカルでは史上最強の敵兵として語り継がれてるぞ?」
「え?そうなの?カスバールでは、それ程有名ではなかったわよ?寧ろ城を逃げ出した卑怯者と言われていた覚えがあるもの」
もし俺の考え通り族長がデガルドだったとしてティファがそいつに鍛えられてたなら、そりゃ強くもなるだろうな。
いや、あくまで想像だけどよ?
ティファの実家って実は最強達が集う集落だったとか?
まさかなぁ?あははは!
「・・・・なんの鍛錬だ?あれ」
おう、久しぶりだな?ギャドだ!
今日は早朝から宮廷に向かったフィクスの代わりに俺がベロニカを迎えに来たんだが、ティファはさっきから何してんだ?
謎の布袋を振り回しながら、時折まな板に打ちつけているんだが?え?もしかしてアレ料理作ってんのか?
でもよ?なんか、ティファの顔が、なんつーか。変?
「おかしい!!おかしいですぅ!これはもしや、私の妄想?ハッ!いけないです!料理に集中しなくては!!」
パンパンパンパンパンパンッ!
「・・・・・・・なんだアレ」
「もうずっとあんな感じよ?生地もコネすぎね?きっと今日の温麺はコシが強いわね」
「うお!ベロニカいたのか・・・」
「今は近づかない方がいいわ。ここで声を掛けてまた要らぬ事を考え出しても困るし、暫く一人で考えさせましょう」
いいのかよアレ止めなくて。
あの様子だけ見てたらティファが鈍器を振り下ろしてるようにしか見えないぞ?それは問題では?
「じゃあこのまま行くか。今日は俺がお前を連れて行く」
「聞いてるわ。悪いわね?貴方も忙しいのに。一人で向かえるって何度も言ってるんだけど・・・・」
「あのなぁ?そうやって無理した結果。今お前はこんな面倒なことになってるんだろうが。自重しろ」
「・・・・ええ」
お?なんだか最近ベロニカが素直だな?
いや、前も決して俺達に反発的な態度ではなかったけど、大人しくなったというのか。
「もしかして体、辛いのか?もしそうなら直ぐに言ってくれよ?俺鈍いからな」
「ふふふ。大丈夫よ。ただ未だに慣れなくって」
「慣れない?何に?」
「だって私。人にこんなに甲斐甲斐しく面倒を見られる事なんてなかったもの。恥ずかしいわ」
ベロニカってちゃんと笑えるんだな。
それに、ティファもベロニカも女性なのに酷い扱いを受けてきたんだな。俺でさえ女性には優しくしろって教わったぞ?カスバールのモラルは一体どうなってるんだろうな?
「居心地は悪いだろうが、デズロ様が帰って来るまで頑張ってくれよ」
「死人を完全に生き返らせるのは無理よ」
そこだよなぁ。
医療長いわく、ベロニカの心臓は一度止まっているらしい。
ティファの妹が作った薬を体内に入れた事で息を吹き返したみたいなんだが、それがベロニカの体に合わないものだったらしく徐々に副作用と同時に薬の効果が切れ始めているんだってよ。本当ならベロニカはもうとっくに動けなくなっている筈なんだぜ?
「でもすぐに息を吹き返したんだから、きっとベロニカに合う薬か何かを調合して貰えば良くなるかも知れないだろ?諦めるな」
「ええ。そうね」
・・・・・心配だ。
ベロニカもティファも表面上ではわかった振りをして突然暴走するからな?目が離せないハイトとフィクスの気持ちよく分かるぜ。
「馬車で行くぞ。歩いて行こうとすんな」
「・・・・これくらいの距離、歩けるわよ」
馬鹿言うな!宮廷までは距離もあるし、あの坂を登らないと行けないんだぞ?駄目だコイツ。やっぱ見張りが必要だな。
「それはそうと、ティファの奴どうしたんだ?明らかにおかしかったが?」
「さぁ?きっとまたハイトが何かしたんじゃないの?あの人最近完全に開き直って周りにも隠す気ないものね?」
そう。ハイトのあの堂々とした態度な?
「僕ティファを好きですけど何か?」と、言わんばかりのあからさまな態度。ハイトの奴、ティファがあまりに手強くてやり方を変えてきたな。本人が駄目なら周りから固めていくつもりなんだろ?だって、お前が狙ってるって分かれば誰もティファに変なちょっかい出せないからな?
「妄想だとか、呟いてたぞ?大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。恐らく激しく現実逃避中ね?きっと何かに戸惑ってるんじゃないの?ハイトが自分に気がある事、認めたくないみたいだったから」
「え?そうなのか?なんでだ?」
ん?何でお前まで黙り込むんだよ。もしかして変態王子に言い寄られていたトラウマとか?・・・あり得るな。
「怖いんじゃない?」
そうだな。色んな意味でハイトは怖えな?ティファは中々人を見る目、あるじゃねぇか!
「特別な人を作るのが」
「・・・・それってさ。ティファの村の族長と関係してんのか?」
「族長?何それ」
あれ?ベロニカ知らないのか?
おかしいな?ここに来てからティファの口からしょっ中出てきたからてっきりベロニカは知っていると思ってたんだが。
「ティファの育った村の族長は恐らくティファにとって特別な存在な筈なんだ。どうも俺がその人物に似ているみたいなんだが、知らなかったか・・・」
「へぇ?そうなの?あの人、自分の故郷の事はあまり話したがらなかったから。あ、でも・・・待って?族長って人かどうかは分からないけど、ティファの村には昔カスバールの軍を率いていた有名な軍人がいると聞いた事があったわね?」
「へぇ?じゃあ可能性はありそうだな?」
「名前は確か、デガルド。カスバールの鬼神と呼ばれていたらしいわ」
はぁあああああ!?デガルド!?
今お前デガルドって言ったか?
「お前、そいつがどんな人物か知らないのか?サウジスカルでは史上最強の敵兵として語り継がれてるぞ?」
「え?そうなの?カスバールでは、それ程有名ではなかったわよ?寧ろ城を逃げ出した卑怯者と言われていた覚えがあるもの」
もし俺の考え通り族長がデガルドだったとしてティファがそいつに鍛えられてたなら、そりゃ強くもなるだろうな。
いや、あくまで想像だけどよ?
ティファの実家って実は最強達が集う集落だったとか?
まさかなぁ?あははは!
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