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第三章
エルハドは少し後悔している
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「ハイトが、大樹の一部?」
「はい。私も先程ギャドから聞き、ヨシュアもその情報を別の所から手に入れていました。ハイト本人に確認していないので、確実ではありませんが、恐らくは」
何故そんな大事な情報、私にまで隠していたのか。
ゼクトリアム家はそうとう皇家に不信感を抱いていたのだな。まぁ、過去を遡れば当たり前なのかも知れないが。
「もし、これを他の者や他国などに知られたら皆ハイトを手に入れようとするでしょうね?まぁそちらは問題ないとしても、セルシス様の件いかが致します?」
「襲われたら逃げるしかないんじゃない?ハイトだって黙ってやられたくは、ないだろうしね?ヨシュアの考えもいい線いってると思うよ?ハイトが言うことを聞くとは思えないしね?逃げて済むなら何故今まで逃げなかったのかは、気になる所だけど・・・・」
それは私も気になっている。
ハイトは何故自分が人ではなくなるリスクを負ってまでこの国のしかも大樹の近くで過ごしていたんだ?
ゼクトリアム家に何かあるのか?
「あれ?それ何ですか?鏡?」
「あー?メリル。駄目だよ女の子が不用心に男の部屋に入って来たら。危険だよ?」
「え?男性の部屋には入らないよ?叔父さんの部屋だからいいでしょ?」
「・・・・・もう、本当君、大した度胸してるよね?」
いや、お前の姪だからな?私は驚かんぞ?私はカスバールに来て改めて思った。お前の血筋は皆おかしい。どこがおかしいかは、言わないでおくが。
「デズロ様?その子がティファの義妹の?」
「そうそう!カスバールの王様を足蹴にしている超天才薬師のメリルちゃんでーす!」
「あ、どうも?こんばんわ?」
「否定しない所がデズロ様の血も感じさせますね?私はササラ、デズロ様の養子でサウジスカルの宮廷魔術師として働いています。よろしくメリル」
「宜しくするかは、分かりませんけど、よろしくです」
メリルはティファとは違う意味で大物だな。
本当に薬と植物と治療技術の事しか考えてないな。君。
「そうそう。ベロニカ治ったよ伯父さん」
「メリル、伯父さんはやめてってば。最初はデズロさんって名前で呼んでくれたのにぃ」
「だって、お父さんに伯父さんを甘やかすなって言われたんだもん。私はどっちでもいいけど見つかると面倒なの。あの人頭の後ろにも目が付いてると思う」
真面目な顔で怖い事言うな?本気でそう思ってるだろ?
それはないからな?ただ四六時中メリルを監視体制で見張っているだけだぞ?アイツはただの親バカだ。
「チッ!やっぱりアイツ途中で捨てて来るんだった」
「随分簡単に治ったのですね?厄介な状態だったのでは?」
「そりゃそうよ!聞いて下さいよササラさん!アレはお姉ちゃんの身体の構造を知り尽くした私が作った、お姉ちゃんの為だけの薬だったんですよ?それも今まで作った中でも最・高・傑・作だったんです!!アレを本人が使えば一瞬で身体の傷が回復して飲む前以上の身体能力を発揮できるという、二度と作らないであろう逸品です!!」
「あ、はぁ?」
そうだよな。初めて、これを見たらそういう感想になるな?分かるぞ?だが安心しろ慣れれば日常風景として溶け込む。慣れって本当に恐ろしい。
「あんなに、あんなに口酸っぱく注意して、念を押したにも関わらず結果コレなの。あの人本当に人の言うこと聞かないんだから腹の立つ。あーイライラしてきたぁ」
「で?天才メリルちゃんは、それをすぐ治しちゃったんだよね?流石!!よ!天才!!」
「でへへ!それほどでもぉ?」
「え。チョロ・・・・ごほん。そうなんですね?素晴らしい」
ササラ。今危うく本心が口から出たな。そう、この子結構チョロいぞ?そしてすぐ調子に乗ってヘマする。
「ごほん。冗談は置いといて、お父さん達が先にベロニカを治療してくれてたから、あとは私がベロニカにあった解毒薬と回復薬を作るだけだったんで。あの人が治ったのは皆んなのお陰だと思うよ?」
「それでも、ありがとうメリル。助けてくれて」
「いいえ!お姉ちゃんがお世話になった人ですから!」
カスバールもリディとメリルの影響なのか、かなり過ごしやすくなっている。この子の魔力の影響なのか。リディもいい出会いに巡り会えたな。本人達は毎日のように喧嘩してるが。
「それで、話を戻すけど大樹にハイトを諦めさせる方法はないのかなぁ?」
「デズロ、お前大樹と話が出来るとか言ってなかったか?前は真に受けていなかったが、本当なんだろ?」
「話っていうかぁ。一方的に囁いて来るんだよね。僕は慰めてあげるだけ」
「え?木が喋るの?精霊付き?」
「そうだね。しかもかなり大物。神様の次ぐらいの」
アレを精霊呼ばわりするのはお前くらいだぞデズロ。
そもそも私がお前に出会ったきっかけだってアレが原因だからな。まんまと大樹に誘き出された。
「ん?まてよ?メリルって植物にはとても詳しかったよね?それは薬草以外でも?例えば今話してた樹木とか」
「うん。私この世界の植物に結構詳しいと思う」
「ねぇ、じゃあメリルの意見を聞かせてほしい。ある種類の木に核というものが存在して、それを切り離されても生きていけると思う?それも何年も」
「無理じゃない?だって人間で言う心臓でしょ?それが失くなったら枯れちゃうんじゃない?あ、でもぉ弱点を隠す為に擬態して切り離した方を本体みたいに見せてるって場合があるけどね?」
「つまり?」
「核の方が本体だから、核が壊れなければ、また幾らでも新しい芽がでるのでは?それが一番自然だと思うけどな?」
そうなると、ハイトがセルシスを操っている事になるが、そんな事をしてもハイトは何の得もしない。そもそもそれならセルシスを操りハイトを探す理由がない。つまり。
「残留思念?」
「誰のだ?・・・・・まさか」
「恐らく、そ・れ・はハイトだ。ハイトになる前の大樹だった頃の」
それは、中々、面倒だぞ。
「どうする?本人に言ったとして、どうにかなる物なのか?」
「・・・・ハイトに決めさせるしかないね。きっとその時になれば分かる」
そうか。でも私は少し後悔しているぞ。
ティファのあの顔をみたらな。お前もだろ?デズロ。
「はい。私も先程ギャドから聞き、ヨシュアもその情報を別の所から手に入れていました。ハイト本人に確認していないので、確実ではありませんが、恐らくは」
何故そんな大事な情報、私にまで隠していたのか。
ゼクトリアム家はそうとう皇家に不信感を抱いていたのだな。まぁ、過去を遡れば当たり前なのかも知れないが。
「もし、これを他の者や他国などに知られたら皆ハイトを手に入れようとするでしょうね?まぁそちらは問題ないとしても、セルシス様の件いかが致します?」
「襲われたら逃げるしかないんじゃない?ハイトだって黙ってやられたくは、ないだろうしね?ヨシュアの考えもいい線いってると思うよ?ハイトが言うことを聞くとは思えないしね?逃げて済むなら何故今まで逃げなかったのかは、気になる所だけど・・・・」
それは私も気になっている。
ハイトは何故自分が人ではなくなるリスクを負ってまでこの国のしかも大樹の近くで過ごしていたんだ?
ゼクトリアム家に何かあるのか?
「あれ?それ何ですか?鏡?」
「あー?メリル。駄目だよ女の子が不用心に男の部屋に入って来たら。危険だよ?」
「え?男性の部屋には入らないよ?叔父さんの部屋だからいいでしょ?」
「・・・・・もう、本当君、大した度胸してるよね?」
いや、お前の姪だからな?私は驚かんぞ?私はカスバールに来て改めて思った。お前の血筋は皆おかしい。どこがおかしいかは、言わないでおくが。
「デズロ様?その子がティファの義妹の?」
「そうそう!カスバールの王様を足蹴にしている超天才薬師のメリルちゃんでーす!」
「あ、どうも?こんばんわ?」
「否定しない所がデズロ様の血も感じさせますね?私はササラ、デズロ様の養子でサウジスカルの宮廷魔術師として働いています。よろしくメリル」
「宜しくするかは、分かりませんけど、よろしくです」
メリルはティファとは違う意味で大物だな。
本当に薬と植物と治療技術の事しか考えてないな。君。
「そうそう。ベロニカ治ったよ伯父さん」
「メリル、伯父さんはやめてってば。最初はデズロさんって名前で呼んでくれたのにぃ」
「だって、お父さんに伯父さんを甘やかすなって言われたんだもん。私はどっちでもいいけど見つかると面倒なの。あの人頭の後ろにも目が付いてると思う」
真面目な顔で怖い事言うな?本気でそう思ってるだろ?
それはないからな?ただ四六時中メリルを監視体制で見張っているだけだぞ?アイツはただの親バカだ。
「チッ!やっぱりアイツ途中で捨てて来るんだった」
「随分簡単に治ったのですね?厄介な状態だったのでは?」
「そりゃそうよ!聞いて下さいよササラさん!アレはお姉ちゃんの身体の構造を知り尽くした私が作った、お姉ちゃんの為だけの薬だったんですよ?それも今まで作った中でも最・高・傑・作だったんです!!アレを本人が使えば一瞬で身体の傷が回復して飲む前以上の身体能力を発揮できるという、二度と作らないであろう逸品です!!」
「あ、はぁ?」
そうだよな。初めて、これを見たらそういう感想になるな?分かるぞ?だが安心しろ慣れれば日常風景として溶け込む。慣れって本当に恐ろしい。
「あんなに、あんなに口酸っぱく注意して、念を押したにも関わらず結果コレなの。あの人本当に人の言うこと聞かないんだから腹の立つ。あーイライラしてきたぁ」
「で?天才メリルちゃんは、それをすぐ治しちゃったんだよね?流石!!よ!天才!!」
「でへへ!それほどでもぉ?」
「え。チョロ・・・・ごほん。そうなんですね?素晴らしい」
ササラ。今危うく本心が口から出たな。そう、この子結構チョロいぞ?そしてすぐ調子に乗ってヘマする。
「ごほん。冗談は置いといて、お父さん達が先にベロニカを治療してくれてたから、あとは私がベロニカにあった解毒薬と回復薬を作るだけだったんで。あの人が治ったのは皆んなのお陰だと思うよ?」
「それでも、ありがとうメリル。助けてくれて」
「いいえ!お姉ちゃんがお世話になった人ですから!」
カスバールもリディとメリルの影響なのか、かなり過ごしやすくなっている。この子の魔力の影響なのか。リディもいい出会いに巡り会えたな。本人達は毎日のように喧嘩してるが。
「それで、話を戻すけど大樹にハイトを諦めさせる方法はないのかなぁ?」
「デズロ、お前大樹と話が出来るとか言ってなかったか?前は真に受けていなかったが、本当なんだろ?」
「話っていうかぁ。一方的に囁いて来るんだよね。僕は慰めてあげるだけ」
「え?木が喋るの?精霊付き?」
「そうだね。しかもかなり大物。神様の次ぐらいの」
アレを精霊呼ばわりするのはお前くらいだぞデズロ。
そもそも私がお前に出会ったきっかけだってアレが原因だからな。まんまと大樹に誘き出された。
「ん?まてよ?メリルって植物にはとても詳しかったよね?それは薬草以外でも?例えば今話してた樹木とか」
「うん。私この世界の植物に結構詳しいと思う」
「ねぇ、じゃあメリルの意見を聞かせてほしい。ある種類の木に核というものが存在して、それを切り離されても生きていけると思う?それも何年も」
「無理じゃない?だって人間で言う心臓でしょ?それが失くなったら枯れちゃうんじゃない?あ、でもぉ弱点を隠す為に擬態して切り離した方を本体みたいに見せてるって場合があるけどね?」
「つまり?」
「核の方が本体だから、核が壊れなければ、また幾らでも新しい芽がでるのでは?それが一番自然だと思うけどな?」
そうなると、ハイトがセルシスを操っている事になるが、そんな事をしてもハイトは何の得もしない。そもそもそれならセルシスを操りハイトを探す理由がない。つまり。
「残留思念?」
「誰のだ?・・・・・まさか」
「恐らく、そ・れ・はハイトだ。ハイトになる前の大樹だった頃の」
それは、中々、面倒だぞ。
「どうする?本人に言ったとして、どうにかなる物なのか?」
「・・・・ハイトに決めさせるしかないね。きっとその時になれば分かる」
そうか。でも私は少し後悔しているぞ。
ティファのあの顔をみたらな。お前もだろ?デズロ。
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第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
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