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番外編アツメターノ
かまくらを作ろう③
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「ケイ、今日は随分と機嫌が良いな」
「んふふ、分かる? 良い夢見たから」
アレクと共に昼食を摂りながらご機嫌でフォークを口元へと持っていく。
マリアとの夢の後は、それが現実のことだったように思えるから不思議だ。楽しかった思い出も、美味しかった食べ物も。全てが記憶に鮮明に残っている。
「どんな夢だったんだ?」
「雪遊びする夢。かまくらで餅食った」
「モチ?」
「あ、こっちにはないか。えーっと、すっごい伸びて、たまに人が死ぬ」
母は正月に餅を喉に詰まらせて高齢者が死亡したニュースを見る度、「怖いわねぇ」と言いながら餅を小さく切って雑煮などに入れる。そのため、圭の家ではあまり角餅を食べない。だから、伸びる餅も含めてとても楽しかった。
アレクは圭の話を聞いて、盛大に顔を顰めた。
「人が死ぬような物をケイの世界では食べるのか? 以前、貧しい国ではないと言っていたが、そんな物を食べねばならないほど困窮していたのか?」
「え? 全然? 俺の国の伝統だよ?」
キョトンとしながら小首を傾げるも、アレクは複雑な表情をしたままだった。
「ケイ、今までツラい思いをしてきたのだな……。だが、もう安心しろ。シルヴァリアではそんな目には遭わせない」
「へ?? え、何? どしたの??」
同情混じりの目で見つめられ、圭の頭上に大量の疑問符が並ぶ。
それからしばらくアレクが普段以上に優しくなり、圭は首を捻り続けるのだった。
「んふふ、分かる? 良い夢見たから」
アレクと共に昼食を摂りながらご機嫌でフォークを口元へと持っていく。
マリアとの夢の後は、それが現実のことだったように思えるから不思議だ。楽しかった思い出も、美味しかった食べ物も。全てが記憶に鮮明に残っている。
「どんな夢だったんだ?」
「雪遊びする夢。かまくらで餅食った」
「モチ?」
「あ、こっちにはないか。えーっと、すっごい伸びて、たまに人が死ぬ」
母は正月に餅を喉に詰まらせて高齢者が死亡したニュースを見る度、「怖いわねぇ」と言いながら餅を小さく切って雑煮などに入れる。そのため、圭の家ではあまり角餅を食べない。だから、伸びる餅も含めてとても楽しかった。
アレクは圭の話を聞いて、盛大に顔を顰めた。
「人が死ぬような物をケイの世界では食べるのか? 以前、貧しい国ではないと言っていたが、そんな物を食べねばならないほど困窮していたのか?」
「え? 全然? 俺の国の伝統だよ?」
キョトンとしながら小首を傾げるも、アレクは複雑な表情をしたままだった。
「ケイ、今までツラい思いをしてきたのだな……。だが、もう安心しろ。シルヴァリアではそんな目には遭わせない」
「へ?? え、何? どしたの??」
同情混じりの目で見つめられ、圭の頭上に大量の疑問符が並ぶ。
それからしばらくアレクが普段以上に優しくなり、圭は首を捻り続けるのだった。
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