転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました

空飛ぶひよこ

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ハルクイベント3

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「どう? 美味しい?」

「……こないだ食った奴より、美味い」

「なら良かった! 自分でも今回のはなかなか傑作だと思ってるんだよね」

 格好つけているのか、敢えて仏頂面で言い放っているようだが、それでも隠しきれない口もとの緩み。
 ……ハルク、本当に甘いもの好きねー。分かりやすくていいわー。

「あ、口にクリームついてるよ」

 シュークリームは美味しいけど、噛むとクリームが飛び出て、なかなか美しく食べれないのが決定だ。さっきラドにあげた時も顔中ベタベタにして、大惨事だった。

「…………ん」

「違う。違う。反対側。そこじゃなくて、こっち。それに、服で拭わない!」

 汚れるにも関わらず、そのまま服の袖で口もとを拭おうとしたハルクの行動に、思わず手が伸びた。
 ああ、もう。現世私よりずっと年上の癖に、相変わらず子どもみたいな人だなあ。

「……ほら、取れた」

 口の端についていたクリームをその前指で拭いとり、もったいないのでそのまま指についた舐める。
 ……うん、やっぱり、コカトリスの卵で作るカスタードクリームは最高だな! 鶏卵とは、コクが違うよ、このまったりとしつつそれでいて癖のない、爽やかなコクが!

 一人、自らの傑作カスタードクリームにうっとり悦に浸っている脇で、何故かハルクは顔を真っ赤に染めて体をぷるぷる震わせていた。

「……っお前っっっ」

「え?」

「だから、そういうとこだぞっっっ!!!」

 ……そういうところって、どういうところ?
 人の口についたクリームすら舐めてしまう、意地汚さか?

 ハルクが何をそんなにショックを受けているのか分からず、一人??を飛ばしていると、ハルクはさそのまま私から背を向けた。(あれ。なんか、この光景めちゃくちゃデジャブ)

「…………帰る」

「ああ、うん」

「……シュークリーム、ごちそう様。……うまかった」
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