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セルドアイベント?12
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……それって、サイエンスフィクションっていうか、普通に前世で私が生きた世界……え?
「ある日、晩年のタヌアのもとに憤怒した女性がやって来ました。『この世界は私の前世の世界であり、この主人公は前世の私そのものだ。何故、誰にも話したことのない、私の前世を知っているのだ。貴方は前世の私のなんなのだ』、と」
……ああ、そうか。タヌアさんは、前世でその女性の関係者だったのか。フィクション銘打って、ノンフィクション書いてたなんて、勝手に書かれた方はたまんないよなあ。
私なら恥ずかしさで憤死する。
「タヌアは、驚きました。--何故なら、タヌアは転生者でも何でもなく、全て想像で物語を書いていたからです」
「え」
「タヌアは彼女を被害妄想の狂人であると判断しましたが、女性の口から小説にしたためていなかった設定が語られたことに驚きました。女性は、まさに今タヌアが書いていた途中の続編の内容を、まるのまま当てたのです」
……え? それ、どういうこと?
タヌアさんにとっては、小説はフィクションだけど、女性にとっては事実で。
え?
「……タヌアさんは、前世の記憶がないだけで、実は転生者で女性の関係者だったってこと? 無意識で女性の人生を覚えていたの?」
「そういう説を信じるものもいます。……けれど、私はタヌアが、女性が前世でも誰にも語ったことがないことを知っていたことから、別の説を支持します」
そう言ってセルドアは、まっすぐに私を見た。
「世界は無数にあり、そして無数にある世界全てが何らかの形で繋がっているのです。それは小説や絵のような人の想像の産物だったり、はたまた両方の世界に存在する同一の木だったりします。故に、人の魂は世界を超えて、転生することが可能なのではないでしょうか。……これならば、貴女が前世のげえむとやらで描かれた世界に転生したとしても、おかしくないでしょう?」
「ある日、晩年のタヌアのもとに憤怒した女性がやって来ました。『この世界は私の前世の世界であり、この主人公は前世の私そのものだ。何故、誰にも話したことのない、私の前世を知っているのだ。貴方は前世の私のなんなのだ』、と」
……ああ、そうか。タヌアさんは、前世でその女性の関係者だったのか。フィクション銘打って、ノンフィクション書いてたなんて、勝手に書かれた方はたまんないよなあ。
私なら恥ずかしさで憤死する。
「タヌアは、驚きました。--何故なら、タヌアは転生者でも何でもなく、全て想像で物語を書いていたからです」
「え」
「タヌアは彼女を被害妄想の狂人であると判断しましたが、女性の口から小説にしたためていなかった設定が語られたことに驚きました。女性は、まさに今タヌアが書いていた途中の続編の内容を、まるのまま当てたのです」
……え? それ、どういうこと?
タヌアさんにとっては、小説はフィクションだけど、女性にとっては事実で。
え?
「……タヌアさんは、前世の記憶がないだけで、実は転生者で女性の関係者だったってこと? 無意識で女性の人生を覚えていたの?」
「そういう説を信じるものもいます。……けれど、私はタヌアが、女性が前世でも誰にも語ったことがないことを知っていたことから、別の説を支持します」
そう言ってセルドアは、まっすぐに私を見た。
「世界は無数にあり、そして無数にある世界全てが何らかの形で繋がっているのです。それは小説や絵のような人の想像の産物だったり、はたまた両方の世界に存在する同一の木だったりします。故に、人の魂は世界を超えて、転生することが可能なのではないでしょうか。……これならば、貴女が前世のげえむとやらで描かれた世界に転生したとしても、おかしくないでしょう?」
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