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セルドアイベント?26
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「え、あ、セルドア?」
絶対ラドに突っかかると思ったセルドアは、存外あっさりその場から離れると、優しく目を細めた。
「それでは、リッカ。また明日。……私が言ったこと、忘れないでくださいね」
それだけ言い残すと、セルドアはいつものように転移魔法で去って行ってしまった。
「……お邪魔虫は、どっちだよ」
私に抱き着いていたラドは、ぼそりとそう呟くと、そのまま私の胸元にぎゅうぎゅうと強くしがみついてきた。
「ちょ、ラド。痛い痛い痛い」
「……約束」
「え?」
「リッカは、僕との約束、守ってくれるんだよね……?」
今にも泣きそうな目で上目遣いに尋ねられ、一瞬言葉に詰まる。
えーと……。
「約束って、どの約束?」
「わかってるでしょ。リッカ」
そう言ってラドはぽすんと、私の胸元に額を埋めた。
「……僕が大人になるまで、誰も選ばず待っていてくれるんだよね」
「当たり前でしょ。こないだ約束したばかりなのに、いきなり破ったりしないって」
「……なら、いい」
そのままだっこお化けのように、ラドは黙ったまま私にしがみついて離れなくなった。
……ちょっと大きくなったとはいえ、やっぱりラドはまだまだお子様だなあ。
ちょっとホッコリした気持ちでラドの背中を撫でながら、先ほどのセルドアとの会話を思い出す。
……あの時、ラドが戻ってこなかったら、私は一体なんていうつもりだったんだろう。
わからないうちは、多分セルドアの言うように、私もまだまだねんねのお子様なんだろうな。
そんなことを思いながら、そっとラドの肩に顎を置いたのだった。
ルートさん。
パックさん。
ハルク。
ラド。
そして、セルドア。
それぞれに対する気持ちは、距離が縮まるうちに確かに変わってきているのに、まだその気持ちに明確な名前をつけることはできないでいる。
この気持ちをなんて呼ぼう。
私は、誰とどういう関係になりたいのだろう。
答えがでなくて、結局めんどくさくなって頭の隅に追いやっていたそんな問答。
そう時間が経たないうちに、その問答に強制的に向き合わされる機会が来るなんて、その時は思ってもみなかった。
「--王様との、面会?」
絶対ラドに突っかかると思ったセルドアは、存外あっさりその場から離れると、優しく目を細めた。
「それでは、リッカ。また明日。……私が言ったこと、忘れないでくださいね」
それだけ言い残すと、セルドアはいつものように転移魔法で去って行ってしまった。
「……お邪魔虫は、どっちだよ」
私に抱き着いていたラドは、ぼそりとそう呟くと、そのまま私の胸元にぎゅうぎゅうと強くしがみついてきた。
「ちょ、ラド。痛い痛い痛い」
「……約束」
「え?」
「リッカは、僕との約束、守ってくれるんだよね……?」
今にも泣きそうな目で上目遣いに尋ねられ、一瞬言葉に詰まる。
えーと……。
「約束って、どの約束?」
「わかってるでしょ。リッカ」
そう言ってラドはぽすんと、私の胸元に額を埋めた。
「……僕が大人になるまで、誰も選ばず待っていてくれるんだよね」
「当たり前でしょ。こないだ約束したばかりなのに、いきなり破ったりしないって」
「……なら、いい」
そのままだっこお化けのように、ラドは黙ったまま私にしがみついて離れなくなった。
……ちょっと大きくなったとはいえ、やっぱりラドはまだまだお子様だなあ。
ちょっとホッコリした気持ちでラドの背中を撫でながら、先ほどのセルドアとの会話を思い出す。
……あの時、ラドが戻ってこなかったら、私は一体なんていうつもりだったんだろう。
わからないうちは、多分セルドアの言うように、私もまだまだねんねのお子様なんだろうな。
そんなことを思いながら、そっとラドの肩に顎を置いたのだった。
ルートさん。
パックさん。
ハルク。
ラド。
そして、セルドア。
それぞれに対する気持ちは、距離が縮まるうちに確かに変わってきているのに、まだその気持ちに明確な名前をつけることはできないでいる。
この気持ちをなんて呼ぼう。
私は、誰とどういう関係になりたいのだろう。
答えがでなくて、結局めんどくさくなって頭の隅に追いやっていたそんな問答。
そう時間が経たないうちに、その問答に強制的に向き合わされる機会が来るなんて、その時は思ってもみなかった。
「--王様との、面会?」
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