処刑された王女は隣国に転生して聖女となる

空飛ぶひよこ

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聖女の日々18

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「……ディアナ様。どうか、貴女の憂いをはらう手助けをさせて下さい。私が持てる全てを使って、貴女を苦しみから救ってみせます」

 確かな恋慕の情を込めて告げられた言葉を、私はどこか醒めた気持ちで聞いていた。

 シャルル王子の想いが幻想だとか、そんな風に疑いを掛けるつもりはない。
 だけど、彼が抱く熱を目の当たりにしても、先程予言者に初代聖女に重ねられた時以上に、私の心は揺れなかった。

 シャルル王子の熱は、自分と妹を癒やしてくれた【聖女】に向けられたもの。

 ーーそれは私の一部かもしれないが、けして私の全てではないのだから。

「……予言者様の言葉が本当ならば、救えない相手から私が憎まれることが必要だと、王と兄様は判断したのでしょう」

 ゆっくりと首が横に振りながら、私はシャルル王子に微笑みかける。

「ならば、私はこのまま、この苦しみを抱き続けることとします。……お気遣い、どうもありがとうございます」

 自らの力を全て駆使して、万人を救おうとした初代聖女の話を聞くという目的は果たした。もう、用事は済んだ。
 ……父様をあまり待たせるのも申し訳ないし、今日はもう戻ろう。

「……予言者様。今日はお話をうかがわせて頂いて、ありがとうございました。おかげで、少し憂いが軽くなった気がします」

「……ディアナ様。貴女様なら、いつでも大歓迎です。また何かあったら、お気軽にお立ち寄り下さい」

「ありがとうございます。……それでは」

 ぺこりと頭を下げて、その場から離れようとした瞬間、シャルル王子の手が私の腕を掴んだ。

「……待って下さい! ディアナ様。話はまだ、終わってません」

「……お話することは、ありません」

 なおも何かを言い募ろうとするシャルル王子に、再び首を横に振った。

「私の為に何かして下さるというのなら……先に、ライオネル王の許可をお取り下さい。そうしなければ、不要な混乱を産むことになるでしょう」
 
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