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聖女の日々23
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……兄様や、ライオネル王が、そんなことまで想定していたなんて。
つくづく、自分の考えの浅さを思い知らされる。
「今頃、ライオネル王は件の外傷を負った男の動向を見張らせているはずだ。もちろん、そいつに必ずしもユーリアが接触するとは限らない。だからこそ、敢えて同様の事例を複数作って泳がせる為に、ライオネル王はこれからもわざと、お前のもとに『救えない』患者を送ってくるつもりだろう」
「……私が憎まれることは、ユーリアを滅ぼす為に必要なことなんだね」
私の言葉に、兄様はひどく苦しそうな表情で、目を伏せた。
「……あくまで、ディアナが【災厄の魔女の呪い】以外は治せないという体を前提にした上での話だ。もし……ディアナがそれでも全ての患者を癒やしたいと望むというのなら、王は別のアプローチを探すだろう」
「…………」
「お前が、聖女としてあらゆる傷病を癒やしたいというのなら、王は恐らく止めない。以前王はお前自身がその有用性故に後の災いの種になることを恐れていると言っていたが、お前が真なる聖女を目指したら目指したで、上手く制御できる自信はあるのだろう。だからこそ、お前に何の指示も出さないまま、敢えて『救えない』患者を送り込み、治癒するか否かの判断を全て委ねているんだ」
……そうだ。
ライオネル王は、私が【災厄の魔女の呪い】でない病も、その体で治癒することを報告した際も、「治癒の判断は全てそなたに一任する」というばかりで、特別何も言わなかった。
王は、気づいている。
私の悩みも、決意の弱さも、全部。
私はきっと、死に至る怪我を負った人が目の前に現れたらーーきっと、【災厄の魔女の呪い】という言い訳が使えなかったとしても、治癒せずにはいられない。
それを知った上で、王は私に自由に行動させ、その状況で最善のユーリアの対抗策を考えようとしてくれているのだ。
「だけど、王はともかくーー俺は。俺達家族は、嫌なんだ」
「………うん」
「お前があらゆる傷病の人を治癒することで、大きな負担を抱えることも……その結果、他国に狙われるかもしれないことも、嫌なんだ」
つくづく、自分の考えの浅さを思い知らされる。
「今頃、ライオネル王は件の外傷を負った男の動向を見張らせているはずだ。もちろん、そいつに必ずしもユーリアが接触するとは限らない。だからこそ、敢えて同様の事例を複数作って泳がせる為に、ライオネル王はこれからもわざと、お前のもとに『救えない』患者を送ってくるつもりだろう」
「……私が憎まれることは、ユーリアを滅ぼす為に必要なことなんだね」
私の言葉に、兄様はひどく苦しそうな表情で、目を伏せた。
「……あくまで、ディアナが【災厄の魔女の呪い】以外は治せないという体を前提にした上での話だ。もし……ディアナがそれでも全ての患者を癒やしたいと望むというのなら、王は別のアプローチを探すだろう」
「…………」
「お前が、聖女としてあらゆる傷病を癒やしたいというのなら、王は恐らく止めない。以前王はお前自身がその有用性故に後の災いの種になることを恐れていると言っていたが、お前が真なる聖女を目指したら目指したで、上手く制御できる自信はあるのだろう。だからこそ、お前に何の指示も出さないまま、敢えて『救えない』患者を送り込み、治癒するか否かの判断を全て委ねているんだ」
……そうだ。
ライオネル王は、私が【災厄の魔女の呪い】でない病も、その体で治癒することを報告した際も、「治癒の判断は全てそなたに一任する」というばかりで、特別何も言わなかった。
王は、気づいている。
私の悩みも、決意の弱さも、全部。
私はきっと、死に至る怪我を負った人が目の前に現れたらーーきっと、【災厄の魔女の呪い】という言い訳が使えなかったとしても、治癒せずにはいられない。
それを知った上で、王は私に自由に行動させ、その状況で最善のユーリアの対抗策を考えようとしてくれているのだ。
「だけど、王はともかくーー俺は。俺達家族は、嫌なんだ」
「………うん」
「お前があらゆる傷病の人を治癒することで、大きな負担を抱えることも……その結果、他国に狙われるかもしれないことも、嫌なんだ」
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