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聖女の日々31
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「兄様……」
「……だけど、俺の理性が蒸発しない保障なんか、どこにもないからな。何度も言うが、俺にとってお前は特別な『女の子』なんだよ。ただの妹だなんて、そんな風には思えない」
兄様は苦い表情でそう付け足すと、静かに私の額に口づけを落とした。
「本当……お前は、困ったねんねさんだよ。どんな悪女よりも、俺にとっては性質が悪い」
掠れた声で呟かれた言葉は、どこか切なげで苦しそうで。
ちくりと胸が痛んだ。
……兄様が私に向ける感情を、未だに私はちゃんと理解できていない自覚はある。
アシュリナの記憶をさかのぼってなお、私が恋心らしきものを抱いたのは、幼い日のライオネル王に向けたあれの、ただ一度きりで。
人の二倍の生を生きてなお、私は異性に対する恋愛感情がよく分からないのだ。
兄様は、大好きだ。
叶うならば、ずっと傍にいて欲しいし、傍にいたい。
その手段の一つが、兄様と結婚なら、私はそれはそれで構わないと思っている。
だけど……兄様は、私が「ディアナ」になった時から、ずっと兄様で。真実を父様に知らされるまで、異性として見たことなんかなかった。
どこまでが家族愛で、どこまでが恋愛感情なのかなんて、区別できない。
「……こら、ディアナ。そんな難しい顔をするな。俺は、お前の苦しみを和らげる為にここに残っているであって、お前の悩みを増やす為にいるわけじゃないぞ」
兄様は苦笑いをしながら、布団ごと私の体を抱き締めた。
「お前が望む限り、ただの『兄様』で居続ける努力はするよ。だから、馬鹿なことで悩んでないで、さっさと寝てろ。……自分の使命にいっぱいいっぱいな今のお前に、想いを返すことなんて求めやしないから」
……ああ、本当に。兄様は、どこまでも私に優しい。
「……兄様」
「うん?」
「ごめん……ありがとう」
「……だけど、俺の理性が蒸発しない保障なんか、どこにもないからな。何度も言うが、俺にとってお前は特別な『女の子』なんだよ。ただの妹だなんて、そんな風には思えない」
兄様は苦い表情でそう付け足すと、静かに私の額に口づけを落とした。
「本当……お前は、困ったねんねさんだよ。どんな悪女よりも、俺にとっては性質が悪い」
掠れた声で呟かれた言葉は、どこか切なげで苦しそうで。
ちくりと胸が痛んだ。
……兄様が私に向ける感情を、未だに私はちゃんと理解できていない自覚はある。
アシュリナの記憶をさかのぼってなお、私が恋心らしきものを抱いたのは、幼い日のライオネル王に向けたあれの、ただ一度きりで。
人の二倍の生を生きてなお、私は異性に対する恋愛感情がよく分からないのだ。
兄様は、大好きだ。
叶うならば、ずっと傍にいて欲しいし、傍にいたい。
その手段の一つが、兄様と結婚なら、私はそれはそれで構わないと思っている。
だけど……兄様は、私が「ディアナ」になった時から、ずっと兄様で。真実を父様に知らされるまで、異性として見たことなんかなかった。
どこまでが家族愛で、どこまでが恋愛感情なのかなんて、区別できない。
「……こら、ディアナ。そんな難しい顔をするな。俺は、お前の苦しみを和らげる為にここに残っているであって、お前の悩みを増やす為にいるわけじゃないぞ」
兄様は苦笑いをしながら、布団ごと私の体を抱き締めた。
「お前が望む限り、ただの『兄様』で居続ける努力はするよ。だから、馬鹿なことで悩んでないで、さっさと寝てろ。……自分の使命にいっぱいいっぱいな今のお前に、想いを返すことなんて求めやしないから」
……ああ、本当に。兄様は、どこまでも私に優しい。
「……兄様」
「うん?」
「ごめん……ありがとう」
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