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連載2
神との戦い1
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状況を伝えるには短か過ぎる説明だったけど、兄様はすぐに現状を理解してくれた。
「……そうか。本体から切り離されたトリアスの一部が、人間である王を【神体】にすることで、王自身に向けられる畏怖を信仰の代わりにしようと企んだのか……」
「……なんだ。お前も我のことを知っていたのか」
ルイス王は動揺を押し隠すように、口元に強気な笑みを浮かべた。
「ならば、話は早い。聖女諸共さっさと投降するがいい。土下座して頼むのならば、貴様も配下にしてやってもいいぞ。エイドリーを斬れるだけの剣の腕があるなら、多少は役に立つだろう」
「…………何故、俺がお前なんかに投降しなければならない」
兄様は低い声でそう言い放つと、剣を構えたまま鋭い眼差しでルイス王を睨みつけた。
「一体どういう原理でできているかは知らないが、ここはお前が作りだした空間なのだろう? 逃げ場がないこの空間から脱出する為には、この場所を作りだしたお前を倒すしかない。お前が混沌の神トリアスだと言うのなら、なおさらだ。お前は生かすわけにはいかない」
「……愚か者め。ただ人が神に敵うと思うのか?」
「だが、その器は人間だろう?」
ルイス王の脅しのような言葉にも、兄様は揺らがない。
「ディアナから伝え聞いた【予言者】の言葉を信じるなら、【神体】を失えばお前は神としての力を失うはずだ。【神体】である【器】さえ壊すことができれば、お前は実体化も叶わない脆弱な魂魄に戻る」
「…………」
「お前が神であろうと、神でなかろうと、俺がすべきことは変わらない。……ルイス王を殺す。ただ、それだけだ!」
【黎明】を振りかぶった兄様が、跳躍してルイス王に斬りかかる。
けれど振り下ろした刃がルイス王に当たる前に、兄様の体は見えない結界に当たったかのように弾き飛ばされた。
「っ!」
「兄様!」
「……ふん。拍子抜けだな。我の許可なくこの空間に入って来れたのだから、一体どれだけ特別な力を持っているのかと思えば、ろくに攻撃もできんとはな」
地面にたたきつけられた兄様のもとに、【厄】に侵された体を無理やり引きずって駆け寄る。
そんな私達を、ルイス王は嘲笑を浮かべながら見下ろしていた。
「元の神殿を模して作ったこの空間の中ならば、神の力を行使できると言ったであろう? ただ人の剣が我に届くものか」
「……そうか。本体から切り離されたトリアスの一部が、人間である王を【神体】にすることで、王自身に向けられる畏怖を信仰の代わりにしようと企んだのか……」
「……なんだ。お前も我のことを知っていたのか」
ルイス王は動揺を押し隠すように、口元に強気な笑みを浮かべた。
「ならば、話は早い。聖女諸共さっさと投降するがいい。土下座して頼むのならば、貴様も配下にしてやってもいいぞ。エイドリーを斬れるだけの剣の腕があるなら、多少は役に立つだろう」
「…………何故、俺がお前なんかに投降しなければならない」
兄様は低い声でそう言い放つと、剣を構えたまま鋭い眼差しでルイス王を睨みつけた。
「一体どういう原理でできているかは知らないが、ここはお前が作りだした空間なのだろう? 逃げ場がないこの空間から脱出する為には、この場所を作りだしたお前を倒すしかない。お前が混沌の神トリアスだと言うのなら、なおさらだ。お前は生かすわけにはいかない」
「……愚か者め。ただ人が神に敵うと思うのか?」
「だが、その器は人間だろう?」
ルイス王の脅しのような言葉にも、兄様は揺らがない。
「ディアナから伝え聞いた【予言者】の言葉を信じるなら、【神体】を失えばお前は神としての力を失うはずだ。【神体】である【器】さえ壊すことができれば、お前は実体化も叶わない脆弱な魂魄に戻る」
「…………」
「お前が神であろうと、神でなかろうと、俺がすべきことは変わらない。……ルイス王を殺す。ただ、それだけだ!」
【黎明】を振りかぶった兄様が、跳躍してルイス王に斬りかかる。
けれど振り下ろした刃がルイス王に当たる前に、兄様の体は見えない結界に当たったかのように弾き飛ばされた。
「っ!」
「兄様!」
「……ふん。拍子抜けだな。我の許可なくこの空間に入って来れたのだから、一体どれだけ特別な力を持っているのかと思えば、ろくに攻撃もできんとはな」
地面にたたきつけられた兄様のもとに、【厄】に侵された体を無理やり引きずって駆け寄る。
そんな私達を、ルイス王は嘲笑を浮かべながら見下ろしていた。
「元の神殿を模して作ったこの空間の中ならば、神の力を行使できると言ったであろう? ただ人の剣が我に届くものか」
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