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連載2
ある騎士の渇望4
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もう、間違わない。
もう、迷わない。
俺の剣はただ、ディアナを守るためだけに振るう。
騎士だからでもなく。
兄だからでもなく。
何者でもない俺自身が、それを望んでいるから。
「……っ」
次の瞬間、手の中の【黎明】がまぶしいほどの光を放ちはじめた。
光はそのまま、俺の全身を包み込む。
「……俺を認めてくれて、ありがとう。【黎明】」
恐れはなかった。
ディアナを守れないこと以上に、怖いことなんて何もない。
目をつぶり、【黎明】が放つ光に身を任せる。
ーー次に目を開けた瞬間、俺は以前足を踏み入れたトリアスの神殿とよく似た場所で、まがまがしい雰囲気を纏ったルイス王と対峙していた。
「大丈夫か!? ディアナ!」
一瞬だけ後ろを振り返り、ディアナの無事な姿を確認する。
「兄様、【黎明】に主として認められたんだね……」
恐らく今の状況は、けして安心できるようなものではない。
【黎明】に主として認められたことで、この場に駆けつけることはできたが、挨拶をした時とは別人のように異様な雰囲気のルイス王が、目の前に佇んでいて一瞬即発な眼差しでこちらを睨みつけている。
この場所から脱出できる方法だってわからないし、今のルイス王を俺が確実に倒せる保証はない。
それなのに……。
「……話すことをできるくらいは、元気そうだな」
いつ攻撃されても受けられるように【黎明】を構え、再びルイス王に向き直る。
「ディアナ。お前が無事でよかった」
まだ、何も安心できるような状況ではない。
けれど今、確かにディアナは生きて、俺の後ろにいる。
ーーそんな普段なら当たり前のことが、どうしようもなく、嬉しくて。
思わず少し泣きそうになった。
「ーーくそっ! 護衛騎士風情が、我の作った亜空間にどうやって侵入した? あり得ぬ、あり得ぬぞ……!」
ぎりぎりと歯ぎしりをするルイス王に、私を守るように立ち塞がった兄様が、剣を向ける。
……そうだ。兄様に、今の状況を説明しておかないと。
「兄様! ルイス王がトリアスだったの! あの神殿から脱出したトリアスの一部が、ルイス王の体を神体にしようとして、同化したらしいの!」
「……なんだって?」
もう、迷わない。
俺の剣はただ、ディアナを守るためだけに振るう。
騎士だからでもなく。
兄だからでもなく。
何者でもない俺自身が、それを望んでいるから。
「……っ」
次の瞬間、手の中の【黎明】がまぶしいほどの光を放ちはじめた。
光はそのまま、俺の全身を包み込む。
「……俺を認めてくれて、ありがとう。【黎明】」
恐れはなかった。
ディアナを守れないこと以上に、怖いことなんて何もない。
目をつぶり、【黎明】が放つ光に身を任せる。
ーー次に目を開けた瞬間、俺は以前足を踏み入れたトリアスの神殿とよく似た場所で、まがまがしい雰囲気を纏ったルイス王と対峙していた。
「大丈夫か!? ディアナ!」
一瞬だけ後ろを振り返り、ディアナの無事な姿を確認する。
「兄様、【黎明】に主として認められたんだね……」
恐らく今の状況は、けして安心できるようなものではない。
【黎明】に主として認められたことで、この場に駆けつけることはできたが、挨拶をした時とは別人のように異様な雰囲気のルイス王が、目の前に佇んでいて一瞬即発な眼差しでこちらを睨みつけている。
この場所から脱出できる方法だってわからないし、今のルイス王を俺が確実に倒せる保証はない。
それなのに……。
「……話すことをできるくらいは、元気そうだな」
いつ攻撃されても受けられるように【黎明】を構え、再びルイス王に向き直る。
「ディアナ。お前が無事でよかった」
まだ、何も安心できるような状況ではない。
けれど今、確かにディアナは生きて、俺の後ろにいる。
ーーそんな普段なら当たり前のことが、どうしようもなく、嬉しくて。
思わず少し泣きそうになった。
「ーーくそっ! 護衛騎士風情が、我の作った亜空間にどうやって侵入した? あり得ぬ、あり得ぬぞ……!」
ぎりぎりと歯ぎしりをするルイス王に、私を守るように立ち塞がった兄様が、剣を向ける。
……そうだ。兄様に、今の状況を説明しておかないと。
「兄様! ルイス王がトリアスだったの! あの神殿から脱出したトリアスの一部が、ルイス王の体を神体にしようとして、同化したらしいの!」
「……なんだって?」
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