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連載2
神との戦い14
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「どうしてそんな……」
「私は神です。人を作った神と、私を作った人間から与えられた使命を果たすことが、私の生まれた意味で、役割でした。創造主ではあっても、私にとって人間は、神としての使命を果たす為の駒に過ぎません。『調和をもたらすこと』という役目には、『創造主を敬うこと』は含まれていませんから」
そう言って予言者は、自嘲するように笑った。
「……セーラも、そんな駒の一つでしかありませんでした。彼女は、神殿から離れられない私の代わりに、調和を邪魔するトリアスと、トリアスが使役する【災厄の魔女】を打ち倒してもらう為に選んだ駒。たまたま色々都合がよかったというだけで、彼女を選んだこと自体には深い意味はありませんでした。セーラは私に敬愛の念を向けてくれましたが、私が彼女に何らかの気持ちを返そうと思ったこともありませんでした」
「…………」
「身を削って聖女の力を使い続けたセーラが死んだ時も、私にとっては最も便利な駒を一つ失ったくらいの認識でした。騎士オズワルドは泣いて嘆いていましたが、私は特に何も感じては……いえ、何も感じてなかったと言えば嘘になりますね。私はその時、オズワルドに対して優越感を抱いていたのですから」
「……優越感?」
「ええ。ただ人に過ぎないオズワルドは、タイミングよく生まれ変われない限りもう二度とセーラに会うことはできません。けれども私は神ですから。数十年待てば、再び生まれ変わったセーラに会うことができる。【聖女】の使命は、魂に刻まれているから、必ず来世に引き継がれるでしょう。生まれ変わったセーラが【聖女】使命を完全に果たすことができない限り、再び必ず彼女に会える確信があったです……でも」
痛みに耐えるかのように、予言者は白銀の長いまつげを伏せ、唇を噛んだ。
「再会した次代の聖女は……セーラじゃなかった。魂が同じで、所々セーラの面影があるだけの……完全な別人だったんです。その時になって初めて私は、セーラを永遠に失ってしまったことに気づきました」
ユーリアもそうだったように、魂が同じなら同一の人物であるように勘違いしている人は多い。
けれど人間は、育った環境や、周囲の人間との関わり方次第でいくらでも変わってしまう。
脳の構造によっては、元々の知能や才能だって差異が出てくるだろう。
魂が同じであっても、生まれ育った条件が全く違う時点で、完全に同一人物にはなれるはずがないのだ。
「私は神です。人を作った神と、私を作った人間から与えられた使命を果たすことが、私の生まれた意味で、役割でした。創造主ではあっても、私にとって人間は、神としての使命を果たす為の駒に過ぎません。『調和をもたらすこと』という役目には、『創造主を敬うこと』は含まれていませんから」
そう言って予言者は、自嘲するように笑った。
「……セーラも、そんな駒の一つでしかありませんでした。彼女は、神殿から離れられない私の代わりに、調和を邪魔するトリアスと、トリアスが使役する【災厄の魔女】を打ち倒してもらう為に選んだ駒。たまたま色々都合がよかったというだけで、彼女を選んだこと自体には深い意味はありませんでした。セーラは私に敬愛の念を向けてくれましたが、私が彼女に何らかの気持ちを返そうと思ったこともありませんでした」
「…………」
「身を削って聖女の力を使い続けたセーラが死んだ時も、私にとっては最も便利な駒を一つ失ったくらいの認識でした。騎士オズワルドは泣いて嘆いていましたが、私は特に何も感じては……いえ、何も感じてなかったと言えば嘘になりますね。私はその時、オズワルドに対して優越感を抱いていたのですから」
「……優越感?」
「ええ。ただ人に過ぎないオズワルドは、タイミングよく生まれ変われない限りもう二度とセーラに会うことはできません。けれども私は神ですから。数十年待てば、再び生まれ変わったセーラに会うことができる。【聖女】の使命は、魂に刻まれているから、必ず来世に引き継がれるでしょう。生まれ変わったセーラが【聖女】使命を完全に果たすことができない限り、再び必ず彼女に会える確信があったです……でも」
痛みに耐えるかのように、予言者は白銀の長いまつげを伏せ、唇を噛んだ。
「再会した次代の聖女は……セーラじゃなかった。魂が同じで、所々セーラの面影があるだけの……完全な別人だったんです。その時になって初めて私は、セーラを永遠に失ってしまったことに気づきました」
ユーリアもそうだったように、魂が同じなら同一の人物であるように勘違いしている人は多い。
けれど人間は、育った環境や、周囲の人間との関わり方次第でいくらでも変わってしまう。
脳の構造によっては、元々の知能や才能だって差異が出てくるだろう。
魂が同じであっても、生まれ育った条件が全く違う時点で、完全に同一人物にはなれるはずがないのだ。
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