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ルクレア・ボレアという女
マシェル・メネガという眼鏡2
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いけ好かねーマジメガネ野郎こと、マシェル・メネガ。
水色の髪に、青色の目といった、全体的に寒々しい色をした、氷魔法の使い手だ。
常に「クール」で、「冷静」なマシェルが学園で称されるあだ名は、【氷の貴公子】(ここ、笑うところ。指差して、はーずかしいあだ名つけられてやんのーぷくくと馬鹿にするところ)
マシェルは氷魔法はもちろん、学園のテストというテストでトップクラスの成績をおさめる、秀才だ。彼の家であるメネガ家は、私達が住むメトオーゲ王国(突っ込むまい……突っ込んだら製作者側の思う壺だ……)の現宰相が当主も兼任している、生粋の文官の家系だ。一族に連なるもの皆が皆優秀らしいが、そのなかでも、頭一つ分飛び抜けているマシェルは、次期宰相だと言われているらしい。
まあ、そんなことはどうでもいい話だ。勝手に宰相にでも愛唱にでもなって、裏側から国を支配するなり何なりするといいさ。
私と関わりがない場所でなっ!
マシェルは私の言葉に、器用に片眉をあげた。
「――貴様に私の名前を呼び捨てにされる筋合いはないんだが」
私は思わずひくりと、口端がひきつらせてしまった。
聞きました? 二言目がこれですよ?
はーらー立ーつわー!
しかし、私とて負けちゃあいない。売られた喧嘩は買ったるさ。
「――あら、ごめんなさい」
にっこりと満面の笑みで微笑んでやる。
大貴族の令嬢らしく、上品に、美しく。
「どうも私ったら、尊敬に値しない人物と対峙すると、敬称を忘れてしまうようですの。そのような演技も出来ないなんて、ボレア家の娘として恥ずかしいですわ」
こちとらな、甘やかされながらも、ボレア家の令嬢として16年間生きてきたんだ。それ相応の教育は受けている。
お嬢様言葉も、遠回しの嫌みも、使おうと思えば、いくらでも上手く使いこなして、相手の精神を抉る武器に出来るんだ。
「……でもあなたこそ、口の聞き方に気をつけるべきじゃないかしら?」
浮かべる笑みは嘲笑に代えて。
向ける目は、刺すように冷たく尖らせ。
嘗めんじゃねーぞ。マジメガネ。
さあ、大貴族令嬢ルクレア・ボレアにして、サディストな私の本気にひれ伏すがいい!
「あなたはメネガ家のものとはいえ、分家筋。私はボレア家の本家直系。どちらの方が身分として上なのかは火をみるより明らかでないこと?」
マシェルの顔が苛立たしそうに歪む。
そう、優秀で次期当主としてもふさわしいと言われている男だが、こいつは分家の血筋だ。才覚が一番とされるメネガ家で、分家のものが当主に襲名することは希ではないが、当然すんなり綺麗にとはいかない。嫌がらせだって起きる。
マシェルイベント上で明らかになっていくお家事情。マシェルのコンプレックス。
ヒロインがマシェルを攻略するには大事な一要素。だけど、今、それはこいつを傷つける武器になる。
――あらん。いい顔するじゃない?マシェル。その、お綺麗な顔が歪む様
ぞ く ぞ く しちゃうわ。
「……身分、身分、身分。貴様はそればかりだな。生まれつき与えられた、お前の実力でもないものを笠にきて、恥ずかしいとは思わないのか」
「あら、それは持たざるものの、妬みと思って良いのかしら? 身分は大切ですわよ。貴族に生まれた以上、一生ついて回る問題ですもの」
「っ少なくとも、学園内では全ての生徒は平等だっ! 平等であることが、校則で定められているっ!」
「表向きは、ね。いくら校則でどのように定められていようが、学園を出たら関係がない話ですわ。そして、学園で起こったことは学園で起こったことと、完璧に切り替えられる生徒なぞいるのかしら? 学園は社会の縮図。身分低い生徒は、身分が高い私達に従うべきだわ」
「っだから、罪無き一般生徒を傷つけて良いというのかっ!」
あ、切れた。
完全にぷっつんきた。
堪え症がないねー。青い青い。
「貴様がしていることは知っているぞ! 一般庶民出身の生徒に嫌がらせを繰り返しているらしいではないかっ! 身分ではなく、その性根こそが真実賎しい! 醜い! 貴様は……」
激高していたマシェルが、不意に言葉を飲んで固まった。
見開かれた目が一点に注がれる。はて、どうしたのだろうか。
視線の先を辿ると、そこは、前世よりかなりボリューミィになっている、私の自慢の胸元。(おっぱいって本当に水に浮くのね。実体験させてくれた神様まじ感謝)
……あら、ま。
ブラジャー透けてらあ。
水色の髪に、青色の目といった、全体的に寒々しい色をした、氷魔法の使い手だ。
常に「クール」で、「冷静」なマシェルが学園で称されるあだ名は、【氷の貴公子】(ここ、笑うところ。指差して、はーずかしいあだ名つけられてやんのーぷくくと馬鹿にするところ)
マシェルは氷魔法はもちろん、学園のテストというテストでトップクラスの成績をおさめる、秀才だ。彼の家であるメネガ家は、私達が住むメトオーゲ王国(突っ込むまい……突っ込んだら製作者側の思う壺だ……)の現宰相が当主も兼任している、生粋の文官の家系だ。一族に連なるもの皆が皆優秀らしいが、そのなかでも、頭一つ分飛び抜けているマシェルは、次期宰相だと言われているらしい。
まあ、そんなことはどうでもいい話だ。勝手に宰相にでも愛唱にでもなって、裏側から国を支配するなり何なりするといいさ。
私と関わりがない場所でなっ!
マシェルは私の言葉に、器用に片眉をあげた。
「――貴様に私の名前を呼び捨てにされる筋合いはないんだが」
私は思わずひくりと、口端がひきつらせてしまった。
聞きました? 二言目がこれですよ?
はーらー立ーつわー!
しかし、私とて負けちゃあいない。売られた喧嘩は買ったるさ。
「――あら、ごめんなさい」
にっこりと満面の笑みで微笑んでやる。
大貴族の令嬢らしく、上品に、美しく。
「どうも私ったら、尊敬に値しない人物と対峙すると、敬称を忘れてしまうようですの。そのような演技も出来ないなんて、ボレア家の娘として恥ずかしいですわ」
こちとらな、甘やかされながらも、ボレア家の令嬢として16年間生きてきたんだ。それ相応の教育は受けている。
お嬢様言葉も、遠回しの嫌みも、使おうと思えば、いくらでも上手く使いこなして、相手の精神を抉る武器に出来るんだ。
「……でもあなたこそ、口の聞き方に気をつけるべきじゃないかしら?」
浮かべる笑みは嘲笑に代えて。
向ける目は、刺すように冷たく尖らせ。
嘗めんじゃねーぞ。マジメガネ。
さあ、大貴族令嬢ルクレア・ボレアにして、サディストな私の本気にひれ伏すがいい!
「あなたはメネガ家のものとはいえ、分家筋。私はボレア家の本家直系。どちらの方が身分として上なのかは火をみるより明らかでないこと?」
マシェルの顔が苛立たしそうに歪む。
そう、優秀で次期当主としてもふさわしいと言われている男だが、こいつは分家の血筋だ。才覚が一番とされるメネガ家で、分家のものが当主に襲名することは希ではないが、当然すんなり綺麗にとはいかない。嫌がらせだって起きる。
マシェルイベント上で明らかになっていくお家事情。マシェルのコンプレックス。
ヒロインがマシェルを攻略するには大事な一要素。だけど、今、それはこいつを傷つける武器になる。
――あらん。いい顔するじゃない?マシェル。その、お綺麗な顔が歪む様
ぞ く ぞ く しちゃうわ。
「……身分、身分、身分。貴様はそればかりだな。生まれつき与えられた、お前の実力でもないものを笠にきて、恥ずかしいとは思わないのか」
「あら、それは持たざるものの、妬みと思って良いのかしら? 身分は大切ですわよ。貴族に生まれた以上、一生ついて回る問題ですもの」
「っ少なくとも、学園内では全ての生徒は平等だっ! 平等であることが、校則で定められているっ!」
「表向きは、ね。いくら校則でどのように定められていようが、学園を出たら関係がない話ですわ。そして、学園で起こったことは学園で起こったことと、完璧に切り替えられる生徒なぞいるのかしら? 学園は社会の縮図。身分低い生徒は、身分が高い私達に従うべきだわ」
「っだから、罪無き一般生徒を傷つけて良いというのかっ!」
あ、切れた。
完全にぷっつんきた。
堪え症がないねー。青い青い。
「貴様がしていることは知っているぞ! 一般庶民出身の生徒に嫌がらせを繰り返しているらしいではないかっ! 身分ではなく、その性根こそが真実賎しい! 醜い! 貴様は……」
激高していたマシェルが、不意に言葉を飲んで固まった。
見開かれた目が一点に注がれる。はて、どうしたのだろうか。
視線の先を辿ると、そこは、前世よりかなりボリューミィになっている、私の自慢の胸元。(おっぱいって本当に水に浮くのね。実体験させてくれた神様まじ感謝)
……あら、ま。
ブラジャー透けてらあ。
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