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ダーザ・オーサムというショタキャラ
ダーザ・オーサムというショタキャラ1
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泣けば必ず、誰かしら慰めてくれた。
優しい言葉を掛けられ、甘やかされるのが当たり前だった。
そんな僕に、彼女は言った。
「――意外性が無い、つまらない男ね」
ひどく愛らしい顔から、出された不似合いな冷たい言葉に、思わず涙も引っ込んだ。
「私、見た目のまんまの意外性が無い人間って、大嫌いなの。……その点あの子はいいキャラしているわね。まさか本を奪い取るとは思わなかったわ。……まぁ、それでも私の一番は、あの方だけど」
そう言って、僕から完全に興味を失ったように去る、彼女。
ーー待って。
思わず引きとめても、彼女は振り返りもしない。
君にとって、僕は、まったく興味を抱けないような、そんな男ですか?
つまらない、記憶に止める価値もない、そんな存在ですか?
甘やかされ、可愛がられている現状に、不満は無かった。僕は臆病で、変化を嫌っていたから。
だけど、彼女に会って、生れて初めて変わりたいと思った。
彼女に興味を持たれるような、そんな男になりたいと思った。
――毒舌で、残酷な、僕の天使。
「……ダーザ・オーサムと言えば、やっぱり図書館だよね~」
ルクレア・ボレア。次なるターゲットと接触を図る為、現在入学してこの方ろくに足を運んでいない図書館に潜入しています。
先だって接触を図ったオージンは、今のところ本物のエンジェちゃんと絶賛文通中である。定期的なデイビッドからオージンへの手紙の橋渡しは、当然ながらぱしりの私めがさせて頂いている。手紙を渡す度、背景に薔薇背負って、大げさな感謝の表現をしてくるオージンが、とてもキモい。
てっきりデイビッドが代筆して誤魔化すのかと思っていたが、どうやら手紙は本物のエンジェちゃんによるものらしい。話を聞く限り、オージンと関わりたくないだろうから、エンジェちゃんは絶対拒否すると思ったんだが……。
おそらく、デイビッドが脅したんだろうと、私は睨んでいる。悪魔な弟に強要されれば、敵わないもんな。お察しします。
そして手紙を重ねるごとに、オージンの恋の炎は一層燃え上がっている次第だ。隙あらばのろけようとして来るのが、とてもウザい。手紙を渡したら、さっさと帰らせて欲しい。
デイビッド曰く
「皇太子に恩は売れているし、もし愚姉が最終的にオージンの嫁になれば、王族とのコネクションは出来るから、これはこれでありだな」
とのこと。
……ねぇ、結婚のときは、必ずエンジェちゃんの意志、尊重してあげてね?
強引なオージンと、権力欲が強い悪魔な弟に押し切られて……とかなったら、とてもとてもかわいそうだからさぁ!
……まぁ、そんなこんなでオージンの件は取りあえず一件落着したわけだが。
結果的に、デイビッドの持ち駒である下僕の数は増えていない。私だけ。オンリーワン。
……こ、これで解放への道は一歩遠のいたぞ。あかん……。
そんなわけで、次なるターゲット、ダーザ・オーサム。今度こそ、彼をデイビッドにメロメロにさせて、下僕化させねばなるまい。
しかし、残念ながら、皆さんも知っての通り、彼は好感度マイナススタート。しかも-30という大穴である。
……い、いや、ほら好意と悪意は紙一重というし? 吊り橋効果というかなんというか、何とかして、カツアゲ魔に対する恐怖のドキドキを恋だと錯覚させれば、ね? ね?
……うん。無謀なのは100も承知さ。それでも女にはやらなければならない時があるんだよ……。
「……さて、ダーザがいるポジションは、と」
ダーザは、文学少年らしく、常に図書館に入り浸っている。彼のイベントは、故にもっぱら図書館が舞台だ。
最初から、デイビッドと接触させても拒絶されるのは分かっているから、まずは第三者な私が様子見と行こうじゃないか。さてさて、ダーザが好きな本のコーナーは、と……。
「……珍しいな。貴様が図書館に足を運ぶなんて」
……うん。何でいつも君は、同じようなタイミングで声を掛けて来るかな。デジャブどころじゃないぞ。
まさか、私が攻略キャラと接触を図ろうとする度、話しかけてくるパターンですか? そうですか?
「……たまには私だって、本を読みたくなる時くらいありますわ。――マシェル」
振り返った先には、想像通りのマジメガネ。
心なしか、前回よりも、視線に棘が無くなっている。
――てかよく考えなくても、これ、マシェルの図書館イベント発生してんじゃね?
優しい言葉を掛けられ、甘やかされるのが当たり前だった。
そんな僕に、彼女は言った。
「――意外性が無い、つまらない男ね」
ひどく愛らしい顔から、出された不似合いな冷たい言葉に、思わず涙も引っ込んだ。
「私、見た目のまんまの意外性が無い人間って、大嫌いなの。……その点あの子はいいキャラしているわね。まさか本を奪い取るとは思わなかったわ。……まぁ、それでも私の一番は、あの方だけど」
そう言って、僕から完全に興味を失ったように去る、彼女。
ーー待って。
思わず引きとめても、彼女は振り返りもしない。
君にとって、僕は、まったく興味を抱けないような、そんな男ですか?
つまらない、記憶に止める価値もない、そんな存在ですか?
甘やかされ、可愛がられている現状に、不満は無かった。僕は臆病で、変化を嫌っていたから。
だけど、彼女に会って、生れて初めて変わりたいと思った。
彼女に興味を持たれるような、そんな男になりたいと思った。
――毒舌で、残酷な、僕の天使。
「……ダーザ・オーサムと言えば、やっぱり図書館だよね~」
ルクレア・ボレア。次なるターゲットと接触を図る為、現在入学してこの方ろくに足を運んでいない図書館に潜入しています。
先だって接触を図ったオージンは、今のところ本物のエンジェちゃんと絶賛文通中である。定期的なデイビッドからオージンへの手紙の橋渡しは、当然ながらぱしりの私めがさせて頂いている。手紙を渡す度、背景に薔薇背負って、大げさな感謝の表現をしてくるオージンが、とてもキモい。
てっきりデイビッドが代筆して誤魔化すのかと思っていたが、どうやら手紙は本物のエンジェちゃんによるものらしい。話を聞く限り、オージンと関わりたくないだろうから、エンジェちゃんは絶対拒否すると思ったんだが……。
おそらく、デイビッドが脅したんだろうと、私は睨んでいる。悪魔な弟に強要されれば、敵わないもんな。お察しします。
そして手紙を重ねるごとに、オージンの恋の炎は一層燃え上がっている次第だ。隙あらばのろけようとして来るのが、とてもウザい。手紙を渡したら、さっさと帰らせて欲しい。
デイビッド曰く
「皇太子に恩は売れているし、もし愚姉が最終的にオージンの嫁になれば、王族とのコネクションは出来るから、これはこれでありだな」
とのこと。
……ねぇ、結婚のときは、必ずエンジェちゃんの意志、尊重してあげてね?
強引なオージンと、権力欲が強い悪魔な弟に押し切られて……とかなったら、とてもとてもかわいそうだからさぁ!
……まぁ、そんなこんなでオージンの件は取りあえず一件落着したわけだが。
結果的に、デイビッドの持ち駒である下僕の数は増えていない。私だけ。オンリーワン。
……こ、これで解放への道は一歩遠のいたぞ。あかん……。
そんなわけで、次なるターゲット、ダーザ・オーサム。今度こそ、彼をデイビッドにメロメロにさせて、下僕化させねばなるまい。
しかし、残念ながら、皆さんも知っての通り、彼は好感度マイナススタート。しかも-30という大穴である。
……い、いや、ほら好意と悪意は紙一重というし? 吊り橋効果というかなんというか、何とかして、カツアゲ魔に対する恐怖のドキドキを恋だと錯覚させれば、ね? ね?
……うん。無謀なのは100も承知さ。それでも女にはやらなければならない時があるんだよ……。
「……さて、ダーザがいるポジションは、と」
ダーザは、文学少年らしく、常に図書館に入り浸っている。彼のイベントは、故にもっぱら図書館が舞台だ。
最初から、デイビッドと接触させても拒絶されるのは分かっているから、まずは第三者な私が様子見と行こうじゃないか。さてさて、ダーザが好きな本のコーナーは、と……。
「……珍しいな。貴様が図書館に足を運ぶなんて」
……うん。何でいつも君は、同じようなタイミングで声を掛けて来るかな。デジャブどころじゃないぞ。
まさか、私が攻略キャラと接触を図ろうとする度、話しかけてくるパターンですか? そうですか?
「……たまには私だって、本を読みたくなる時くらいありますわ。――マシェル」
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――てかよく考えなくても、これ、マシェルの図書館イベント発生してんじゃね?
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