乙女ゲームの悪役令嬢に転生したら、ヒロインが鬼畜女装野郎だったので助けてください

空飛ぶひよこ

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ダーザ・オーサムというショタキャラ

ダーザ・オーサムというショタキャラ26

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「聞いてくださいっ、トリエットさん! 僕今回のテストで首席をとったんです! どうです? 意外じゃないですか? 僕のこと、見直しませんか?」

 きらきらと目を輝かせて自身の快挙を報告するダーザに、トリエットは大きくため息をついて呆れたような視線を投げる。

「意外も何も……貴方は元々学業が優秀だから飛び級で授業習っているのでしょう。神童だなんだ言われて。そんな貴方が主席をとったところで、別段何の驚きもないわ」

「!? ……い、言われてみれば、確かに……そんな……だったらちょっと本気を出して見たりなんかしないで、わざと全教科赤点叩きだせばよかった……」

「……貴方、テスト舐めてんの? いや、自分天才だと思って、世の中舐めてんだな、この糞ガキ。……必死で勉強して、それでも21位な私に謝れや、ゴラァ」

 テンションがいきなり急降下して、心底絶望したように肩を落とすダーザの姿にトリエットのこめかみに青筋が浮く。

「テストで首席とっても、トリエットさんから見直されなければ意味がないじゃないですか!!」

「そんなの知るか! ……大体貴方は、学業が優秀だからこそ許されている飛び級でしょうが! 成績ガタ落ちした時点で、元の学年に戻されること、分かって言ってるんでしょうね!?」

「……!?」

「何、その『今初めて気づきました』みたいな、驚いた顔……!? 普通に想定できることでしょう! なんなの、貴方っ!? アホなの? 頭いいの? どっちなの?」

「……そんな僕の意外性に、トリエットさんはときめいてくれましたかっ!?」

「誰がときめくか!」

 身を乗り出して迫るダーザを鬱陶しそうに押しやりながら、トリエットは大きく舌打ちを漏らす。

「――確かに私は、意外性のある人が好きだわ」

 再び吐き出した溜息と共に、トリエットは真っ直ぐにダーザを見据えた。

「見た目も中身も、まんま一致している単純な人間も、一致することを強要する人間も、大嫌いだわ。だってそんな人間、大抵は付き合っていてもつまらないもの。……特に、見た目も中身も子供な奴は最悪ね」

 吐き捨てるように言われた言葉に、ダーザはビクリとみじろく。自分のことを指されている自覚はあるのだろう。
 そんなダーザをトリエットは鼻で笑った。

「だけど、意外性がありさえすればいいってもんでもないのよ……私にだって、好みはあるわ」


 チラリと向けられる、トリエットの視線。

 視線に熱が篭っているように思うのは、気のせいだろうか。

 ……なんか、今、ぞくりと冷たいものが背筋に走ったんだが、ブリザードの影響で風邪でもひいてしまったんかな……?

「私は、一見完璧に見える人が、うっかり完璧でない人間らしい部分を見せてしまうような、そういう意外性が好きなの。――たとえば、全くテスト勉強なんかしなくても、簡単に成績上位に入れるように見える人が、陰では必死に勉強していたりとか」

 ……うん、まぁ、分かるな。そう言うのって、ギャップ萌え展開では王道的なシチュエーションだよね。
 人ってどうしても、努力しないで得た先天的才能よりも、努力で得た後天的才能の方を評価するからね。
 天才型に見える人が、努力の人だと判明したら、ときめくよね。

「高嶺の花扱いされて当然だと思っているように見える人が、気軽に接してくれる相手がいないこと、密かに気にしていたりとか」

 孤高の存在が抱える孤独。
 これもまた王道的ギャップ萌えと言ったら王道的だよね。うんうん。分かるよ。

「……何もないところで足がもつれて転びそうになったりとか、うっかり物にぶつかったりとか、忘れ物をしたりとか、ちょこちょこ小さい間抜けなドジをしている人が、それを周囲に気付かれないように高い演技力で即座に取り繕っていたりとか」


 ……ん?

 なんか、無性にそういうシチュエーション、覚えがある様な……。

 ……いやうん。そう言うのもまた王道だよね。うん。気のせい、気のせい…。
 
「――そう。例えば才色兼備で一見完璧に見える人が、お昼に食べたハンバーグをうっかり落して、白い制服に大きな染みを作ってしまったのを、扇やら手やらでそれとなく隠して、周囲に自身の失敗を悟られないように必死に取り繕っていたりするとか、そう言った類いの意外性に、私はとてもときめくの。そう言った意外性を持つ人が、大好きなの」
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