103 / 191
ルカ・ポアネスという不良
ルカ・ポアネスという不良20
しおりを挟む
「ほな、おーきにー。ルクレア様」
約束通り、通常の二倍の情報料を受け取り(仲良くなった? のに、一ラウだってまけようとしない辺りしっかりしてやがる)ホクホク顔で部屋を出ていくキエラを、黙って見送る。
私とキエラが取引をしていることは、バレたらバレたでさして問題はないけれど、それでもあまり広めたい事実ではない。
キエラと取引をしている=誰かに恋をしている、という認識がこの学園では普通なのだ。取引が誰かに見られれば、「ルクレア・ボレア嬢、熱愛発覚!? 気になるその、お相手は!?」といった噂が学園に出回ることは間違いない。
ゴシップはカリスマの宿命とは言え、あんまり嬉しい事態でもないので、避けるに越したことはない。……どうせ、疑惑の相手として候補にあげられるのは、どこぞの腹黒王子か、氷の貴公子のどちらかだろうし。
前者はひたすら不愉快だし、後者は……何て言うか その……困る。別に前みたいに顔をしかめたりはしないけど、絶対に嫌だとかそう言うわけではないんだけど……とにかく、困るんだ。
だから、間違っても噂になんかならないよう、敢えて時間差をつけて部屋を出なければならない。最低でも10分くらいは。
「――はぁ……」
キエラが完全に退室したのを見届けると、私は溜め息を吐きながら、近くにあった机に突っ伏す。
……あぁ。なんてか精神的に色々削られた感じがする。いろんな意味で。
「……しかし、ゲームに出てたキャラ、皆裏表ありすぎじゃないか……」
可憐なヒロインは、鬼畜女装野郎。
ベッタベタ&キラキラな王子は、腹黒。
きゅるるん可愛い友人は、ひねくれてる&色々黒い。
明るいサポートキャラは、腹黒その2。
……思い返して見れば何だ、この濃すぎる裏設定。ゲームでは出なかった設定ばっかだぞ。
チョロくて分かりやすいと思ってたダーザですら、トリエットが関わると何か色々未知の闇のオーラ出しだすし。ぶっちゃけ、私を見る目が最近(色っぽい意味でなく殺意的な意味で)怖すぎるし。
今のところゲームに出演したキャラで一番裏表なく健全なのが、マシェルだという衝撃の真実に気が付いて、思わず恐れおののく。
……いやひっきーなエンジェちゃん本人も、ある意味裏表ないけどさ。でも私と同じ転生者って時点で、ゲームの影響薄いから除外かな。会ったことはないから、詳しいとこは分からないし。
……なんてかさ。最早世界全てが、ゲームのバグによって形成されていると言われても信じられるレベルだよね。
せっかくゲームの知識を備わって生まれて来たというのに、この先何が起こるのか全く先が読めん……。まぁ、この世界が現実である以上、そうであることが一番望ましいんだろうけど……。でもせっかくなら未来に起こることを先に知っているからこその、予言型チートを体感したかった……っ! だって、その方が楽だもん!
それが敵わないなら、せめて一刻でいいから癒しが欲しい。
具体的に言うならば、分かりやすくてチョロくて、手のひらで簡単に転がされてもそれに気づかないような、単純な人間と分かりやすい交流したい。
腹の探り合いをしなくて済むような、想定のまんまな人間と交流して、一息つきたい。
……僕もう、腹黒合戦に疲れたよ…なんだか、とっても眠いんだ……。
そんなアホなことを考えているうちに、いつの間にか10分ほど経過していた。
……そろそろ頃合か。もう流石に出ても大丈夫だろう。
再び大きく息を吐き捨てて、座っていた席を正しつつ立ち上がる。
扉付近の結界は、結界を製作している所を見られてしまわないよう内側から形成されている。
扉の前に立つと、一帯に張り巡らせていた式を、指先で弄って破壊し、結界を解除する。
「――え」
巡らせていた結界が消滅した途端、扉が音を立てて勝手に開いた。
唖然とする私の視界に映ったのは…
「……何だ、てめぇ。こないだ糞女の傍にいた奴じゃねぇか」
切れ長な目から発せられる、剣呑な色を帯びた鋭い眼光。
見上げる程に高い背。
改造され、着崩されている制服。
そして銀色の髪の上に、ぴょこんと生えた、ふさふさのわんこ耳。
……間違い様がない。
「てめぇに、聞きたいことがある」
――ルカ・ポアネス……。なんで、こんなところに、いきなり出てくんの!?
約束通り、通常の二倍の情報料を受け取り(仲良くなった? のに、一ラウだってまけようとしない辺りしっかりしてやがる)ホクホク顔で部屋を出ていくキエラを、黙って見送る。
私とキエラが取引をしていることは、バレたらバレたでさして問題はないけれど、それでもあまり広めたい事実ではない。
キエラと取引をしている=誰かに恋をしている、という認識がこの学園では普通なのだ。取引が誰かに見られれば、「ルクレア・ボレア嬢、熱愛発覚!? 気になるその、お相手は!?」といった噂が学園に出回ることは間違いない。
ゴシップはカリスマの宿命とは言え、あんまり嬉しい事態でもないので、避けるに越したことはない。……どうせ、疑惑の相手として候補にあげられるのは、どこぞの腹黒王子か、氷の貴公子のどちらかだろうし。
前者はひたすら不愉快だし、後者は……何て言うか その……困る。別に前みたいに顔をしかめたりはしないけど、絶対に嫌だとかそう言うわけではないんだけど……とにかく、困るんだ。
だから、間違っても噂になんかならないよう、敢えて時間差をつけて部屋を出なければならない。最低でも10分くらいは。
「――はぁ……」
キエラが完全に退室したのを見届けると、私は溜め息を吐きながら、近くにあった机に突っ伏す。
……あぁ。なんてか精神的に色々削られた感じがする。いろんな意味で。
「……しかし、ゲームに出てたキャラ、皆裏表ありすぎじゃないか……」
可憐なヒロインは、鬼畜女装野郎。
ベッタベタ&キラキラな王子は、腹黒。
きゅるるん可愛い友人は、ひねくれてる&色々黒い。
明るいサポートキャラは、腹黒その2。
……思い返して見れば何だ、この濃すぎる裏設定。ゲームでは出なかった設定ばっかだぞ。
チョロくて分かりやすいと思ってたダーザですら、トリエットが関わると何か色々未知の闇のオーラ出しだすし。ぶっちゃけ、私を見る目が最近(色っぽい意味でなく殺意的な意味で)怖すぎるし。
今のところゲームに出演したキャラで一番裏表なく健全なのが、マシェルだという衝撃の真実に気が付いて、思わず恐れおののく。
……いやひっきーなエンジェちゃん本人も、ある意味裏表ないけどさ。でも私と同じ転生者って時点で、ゲームの影響薄いから除外かな。会ったことはないから、詳しいとこは分からないし。
……なんてかさ。最早世界全てが、ゲームのバグによって形成されていると言われても信じられるレベルだよね。
せっかくゲームの知識を備わって生まれて来たというのに、この先何が起こるのか全く先が読めん……。まぁ、この世界が現実である以上、そうであることが一番望ましいんだろうけど……。でもせっかくなら未来に起こることを先に知っているからこその、予言型チートを体感したかった……っ! だって、その方が楽だもん!
それが敵わないなら、せめて一刻でいいから癒しが欲しい。
具体的に言うならば、分かりやすくてチョロくて、手のひらで簡単に転がされてもそれに気づかないような、単純な人間と分かりやすい交流したい。
腹の探り合いをしなくて済むような、想定のまんまな人間と交流して、一息つきたい。
……僕もう、腹黒合戦に疲れたよ…なんだか、とっても眠いんだ……。
そんなアホなことを考えているうちに、いつの間にか10分ほど経過していた。
……そろそろ頃合か。もう流石に出ても大丈夫だろう。
再び大きく息を吐き捨てて、座っていた席を正しつつ立ち上がる。
扉付近の結界は、結界を製作している所を見られてしまわないよう内側から形成されている。
扉の前に立つと、一帯に張り巡らせていた式を、指先で弄って破壊し、結界を解除する。
「――え」
巡らせていた結界が消滅した途端、扉が音を立てて勝手に開いた。
唖然とする私の視界に映ったのは…
「……何だ、てめぇ。こないだ糞女の傍にいた奴じゃねぇか」
切れ長な目から発せられる、剣呑な色を帯びた鋭い眼光。
見上げる程に高い背。
改造され、着崩されている制服。
そして銀色の髪の上に、ぴょこんと生えた、ふさふさのわんこ耳。
……間違い様がない。
「てめぇに、聞きたいことがある」
――ルカ・ポアネス……。なんで、こんなところに、いきなり出てくんの!?
0
あなたにおすすめの小説
嫁ぎ先は悪役令嬢推しの転生者一家でした〜攻略対象者のはずの夫がヒロインそっちのけで溺愛してくるのですが、私が悪役令嬢って本当ですか?〜
As-me.com
恋愛
事業の失敗により借金で没落寸前のルーゼルク侯爵家。その侯爵家の一人娘であるエトランゼは侯爵家を救うお金の為に格下のセノーデン伯爵家に嫁入りすることになってしまった。
金で買われた花嫁。政略結婚は貴族の常とはいえ、侯爵令嬢が伯爵家に買われた事実はすぐに社交界にも知れ渡ってしまう。
「きっと、辛い生活が待っているわ」
これまでルーゼルク侯爵家は周りの下位貴族にかなりの尊大な態度をとってきた。もちろん、自分たちより下であるセノーデン伯爵にもだ。そんな伯爵家がわざわざ借金の肩代わりを申し出てまでエトランゼの嫁入りを望むなんて、裏があるに決まっている。エトランゼは、覚悟を決めて伯爵家にやってきたのだが────。
義母「まぁぁあ!やっぱり本物は違うわぁ!」
義妹「素敵、素敵、素敵!!最推しが生きて動いてるなんてぇっ!美しすぎて眼福ものですわぁ!」
義父「アクスタを集めるためにコンビニをはしごしたのが昨日のことのようだ……!(感涙)」
なぜか私を大歓喜で迎え入れてくれる伯爵家の面々。混乱する私に優しく微笑んだのは夫となる人物だった。
「うちの家族は、みんな君の大ファンなんです。悪役令嬢エトランゼのね────」
実はこの世界が乙女ゲームの世界で、私が悪役令嬢ですって?!
────えーと、まず、悪役令嬢ってなんなんですか……?
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
お掃除侍女ですが、婚約破棄されたので辺境で「浄化」スキルを極めたら、氷の騎士様が「綺麗すぎて目が離せない」と溺愛してきます
咲月ねむと
恋愛
王宮で侍女として働く私、アリシアは、前世の記憶を持つ転生者。清掃員だった前世の知識を活かし、お掃除に情熱を燃やす日々を送っていた。その情熱はいつしか「浄化」というユニークスキルにまで開花!…したことに本人は全く気づいていない。
そんなある日、婚約者である第二王子から「お前の周りだけ綺麗すぎて不気味だ!俺の完璧な美貌が霞む!」という理不尽な理由で婚約破棄され、瘴気が漂うという辺境の地へ追放されてしまう。
しかし、アリシアはへこたれない。「これで思う存分お掃除ができる!」と目を輝かせ、意気揚々と辺境へ。そこで出会ったのは、「氷の騎士」と恐れられるほど冷徹で、実は極度の綺麗好きである辺境伯カイだった。
アリシアがただただ夢中で掃除をすると、瘴気に汚染された土地は浄化され、作物も豊かに実り始める。呪われた森は聖域に変わり、魔物さえも彼女に懐いてしまう。本人はただ掃除をしているだけなのに、周囲からは「伝説の浄化の聖女様」と崇められていく。
一方、カイはアリシアの完璧な仕事ぶり(浄化スキル)に心酔。「君の磨き上げた床は宝石よりも美しい。君こそ私の女神だ」と、猛烈なアタックを開始。アリシアは「お掃除道具をたくさんくれるなんて、なんて良いご主人様!」と、これまた盛大に勘違い。
これは、お掃除大好き侍女が、無自覚な浄化スキルで辺境をピカピカに改革し、綺麗好きなハイスペックヒーローに溺愛される、勘違いから始まる心温まる異世界ラブコメディ。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫
恋愛
異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる