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16歳③
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水族館からの電車に乗り込むと、秒でソフィアは夢の中へと落ちていった。
どうやら昨夜のうちに今日の衣装をプレゼントしたのが、いけなかったらしい。
お姫様にあるまじき夜更かしをしていたらしく、はしゃいだ結果、子供のように充電が切れた。
幸い、帰宅ラッシュよりは少し早い時間なため、まだ電車内は空いていて、ソフィアを挟み込むように三人は座ることが出来た。
「いよいよ十六歳…っていうことは、向こうに帰ったらすぐに結婚式ですか?」
「いや、仮に来年八月の頭に帰還しても、婚礼衣装の直しがあるからな…直しの日数と、更にそこから神官に挙式の最良日の選定が行われてだから…多分、次の誕生日も過ぎてしまうのではないかと思う」
意外と大変な王族の結婚。
祭事・祝日になる場合もあるわけだから、適当な日取りも無理だろうし、ドレスもそれはそれは豪華絢爛なのだろうが、一般人の知花には想像もつかない。
「きっとソフィアちゃんのウエディングドレス姿…すっごい綺麗なんだろうなぁ。そういえばヒューズさんは、ソフィアちゃんの結婚式で何かお仕事あるんですか?」
「あぁ。護衛の仕事が入っている。皆が宴で盛り上がる中、近衛だけは常に王族達の護衛だ」
「ずっと…?大変じゃないですか?」
「…いや。彼等は護符やら魔術具を常に大量に持ち歩いているからな。実際、護衛なんかそれ程必要無いんだ。それよりも、式典の最中ずっと国民の前に晒されるのが疲れるな…。近衛騎士は会場の装飾の一つに近い」
こちらも意外とハードそうである。
居眠りどころか欠伸すら許されないのだろう。
しかし、会場の装飾とまで言い切ってしまう近衛騎士…ふと知花はあることがきになり聞いてみることにした。
「…もしかして、騎士服とかも変わるんですか?」
「あぁ、式典用の最礼装がある」
「…さ、最礼装!?見たかったです…」
こちらに来た時に着ていた白い騎士服もそれは格好良く、ヒューズによく似合っていた。
けれど、どうやらあれは普段着ているもので、装飾具も最低限らしい。
では最礼装ともなるとどれだけ美しいのか…そして、それを着こなすヒューズが見ることが出来ない絶望的状況に、知花はしおしおと小さくなった。
「……知花は…ひょっとして、騎士服が好きなのか?」
「え?そっちの世界でも、騎士服で出歩けば、女の子から黄色い声援飛んだりしません…?」
「……………飛ぶ」
ヒューズの間の長さから、男性が喜ぶ状況を遥かに通り越した声援が飛ぶと知花は予想した。
何となく予想はしていたが、きっと近衛騎士は此方の世界でいう、アイドルに近い存在かもしれない。
「だって格好良いですもん…もう一度、ヒューズさんの騎士服姿…拝みたかった…」
崇拝する神でもなければ、まだ生きている人物だというのに、失礼にも知花はつい両手を合わせ拝んだ。
しかし、次の瞬間飛びこんできたのは耳を疑う台詞だ。
「……言ってくれたら、いつでも着るが?」
少し照れたような声に、知花は前のめりになって反応した。
「え!?毎日拝み倒しても良いんですか!?」
「え!?毎日着せる気なのか…!?」
ソフィアが眠っていることを忘れ、いつもの声の大きさになった知花は慌てて口を塞いだが、ヒューズが間抜けな表情をしているのが可笑しく、堪え切れずまた笑った。
「……楽しいなぁ」
知花が呟くとヒューズは穏やかに笑う。
(ヒューズさんの瞳、本当に綺麗…)
夕焼けが彼の瞳に射し込み、エメラルドグリーンの瞳がより美しく輝いて、知花は思わず見惚れた。
「私もそう思う。…知花に出逢えて、本当に良かった」
どうやら昨夜のうちに今日の衣装をプレゼントしたのが、いけなかったらしい。
お姫様にあるまじき夜更かしをしていたらしく、はしゃいだ結果、子供のように充電が切れた。
幸い、帰宅ラッシュよりは少し早い時間なため、まだ電車内は空いていて、ソフィアを挟み込むように三人は座ることが出来た。
「いよいよ十六歳…っていうことは、向こうに帰ったらすぐに結婚式ですか?」
「いや、仮に来年八月の頭に帰還しても、婚礼衣装の直しがあるからな…直しの日数と、更にそこから神官に挙式の最良日の選定が行われてだから…多分、次の誕生日も過ぎてしまうのではないかと思う」
意外と大変な王族の結婚。
祭事・祝日になる場合もあるわけだから、適当な日取りも無理だろうし、ドレスもそれはそれは豪華絢爛なのだろうが、一般人の知花には想像もつかない。
「きっとソフィアちゃんのウエディングドレス姿…すっごい綺麗なんだろうなぁ。そういえばヒューズさんは、ソフィアちゃんの結婚式で何かお仕事あるんですか?」
「あぁ。護衛の仕事が入っている。皆が宴で盛り上がる中、近衛だけは常に王族達の護衛だ」
「ずっと…?大変じゃないですか?」
「…いや。彼等は護符やら魔術具を常に大量に持ち歩いているからな。実際、護衛なんかそれ程必要無いんだ。それよりも、式典の最中ずっと国民の前に晒されるのが疲れるな…。近衛騎士は会場の装飾の一つに近い」
こちらも意外とハードそうである。
居眠りどころか欠伸すら許されないのだろう。
しかし、会場の装飾とまで言い切ってしまう近衛騎士…ふと知花はあることがきになり聞いてみることにした。
「…もしかして、騎士服とかも変わるんですか?」
「あぁ、式典用の最礼装がある」
「…さ、最礼装!?見たかったです…」
こちらに来た時に着ていた白い騎士服もそれは格好良く、ヒューズによく似合っていた。
けれど、どうやらあれは普段着ているもので、装飾具も最低限らしい。
では最礼装ともなるとどれだけ美しいのか…そして、それを着こなすヒューズが見ることが出来ない絶望的状況に、知花はしおしおと小さくなった。
「……知花は…ひょっとして、騎士服が好きなのか?」
「え?そっちの世界でも、騎士服で出歩けば、女の子から黄色い声援飛んだりしません…?」
「……………飛ぶ」
ヒューズの間の長さから、男性が喜ぶ状況を遥かに通り越した声援が飛ぶと知花は予想した。
何となく予想はしていたが、きっと近衛騎士は此方の世界でいう、アイドルに近い存在かもしれない。
「だって格好良いですもん…もう一度、ヒューズさんの騎士服姿…拝みたかった…」
崇拝する神でもなければ、まだ生きている人物だというのに、失礼にも知花はつい両手を合わせ拝んだ。
しかし、次の瞬間飛びこんできたのは耳を疑う台詞だ。
「……言ってくれたら、いつでも着るが?」
少し照れたような声に、知花は前のめりになって反応した。
「え!?毎日拝み倒しても良いんですか!?」
「え!?毎日着せる気なのか…!?」
ソフィアが眠っていることを忘れ、いつもの声の大きさになった知花は慌てて口を塞いだが、ヒューズが間抜けな表情をしているのが可笑しく、堪え切れずまた笑った。
「……楽しいなぁ」
知花が呟くとヒューズは穏やかに笑う。
(ヒューズさんの瞳、本当に綺麗…)
夕焼けが彼の瞳に射し込み、エメラルドグリーンの瞳がより美しく輝いて、知花は思わず見惚れた。
「私もそう思う。…知花に出逢えて、本当に良かった」
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