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神様の言葉は①
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クリスマスの後、知花は怒涛の年末シフトに駆り出されたが、大晦日から元旦に向けてのぶっ通し営業を乗り切った褒美として、残りの三が日はしっかりと休みを獲得していた。
へとへとで帰ってきた知花を労ってくれるのは、勿論ヒューズの用意してくれた豪華なお節だ。
正月太りなどの悩みはさておき、料理をめいっぱい食べ、元気を取り戻したところで、次に知花が始めたことといえば…
「見よ!!この美しい着物を!!」
知花が自室の床に広げたのは、桜色と藤色の訪問着だ。
それに合わせた帯揚げや帯締め、髪飾りまで用意済みである。
「…これが、着物という日本独特の服なのね。本でしか読んだことが無かったのだけど…四角い布なのに、ちゃんと服になるの??」
たとう紙の上にぴったりと折りたたまれた着物を、ソフィアは訝しみながら観察していた。
「それがなるのです!本当は振袖を着せてあげたかったんだけど、流石に振袖は着付けられなくて…。帯もお太鼓結びしかできないんだけど、せっかくのお正月だから、これを着て初詣に行こう!!」
お洒落をしたらお出掛け。
その大好きな提案に、ソフィアは目を輝かせて頷いた。
***
「見てください!!ヒューズさん!!」
知花が勢いよくリビングの扉を開けると、大人しく正月特番を見て二人を待っていたヒューズが、何度も瞬きをする。
そして感嘆の溜め息を吐いた後、彼には珍しく真っ先に服装を褒めたのだ。
「二人とも良く似合っている…!」
ソフィアは桜色、知花は藤色の着物を着ている。
編み込みにした髪にはドライフラワーと組紐で作られたモダンな髪飾りが、二人の艶やかな髪を彩り、動くたびに組紐の先についた房が可憐に揺れた。
「ありがとうございます!ヒューズさんにも袴着せたかったなぁ!!絶対その黒髪に似合うのに…!!」
知花がふんわりと微笑むと、ヒューズは時が止まったかのように動かなくなってしまった。
彼の前でちょこちょこと動いて見せたり、両手を振ってみるが視線は知花を追うが、それ以外は微動だにしない。
「……ヒューズさん…?どうかしました??」
「……!?あぁ!何でもない!!」
流石に心配になってきた知花がもう一度声を掛けると、ようやく自分が呼ばれていると気付いたようで、びくりと反応した。
「知花が可愛いの可愛くないの?どっちなの」という脅しにも近いソフィアの声に、ヒューズの挙動はおかしくなるばかりだ。
その上、褒める以外の返事は許されない状況に、知花は苦笑いし憐れみの目を向けた。
先程まで青かった顔色が、知花とばっちり視線が合うと途端に赤く染まっていく。
「……ち、知花…その…き…き…」
なかなか言い切ることの出来ない三文字。
その先は知花でも予想できるし、正にご褒美イベントだが、茹で蛸と大差ない顔色になってしまったイケメン騎士様が気の毒である。
しかもソフィアは淑やかさをかなぐり捨てて笑っている。完全に玩具にされている。
(流石に罰ゲームみたいで可哀想だもんね)
「…きれ…」
小声ながら言い切ろうとしたヒューズだが、彼を助けるつもりで発した知花の声がタイミング悪く被さる。
「そんなことよりも、初詣!!お洒落したのですから、初詣です!!!!」
「はっ!!ヒューズが面白過ぎて忘れてたわ!!」
大慌てでリビングを飛び出したソフィアを知花が追う。
「待って、ソフィアちゃん!!履くの普通の靴じゃない!!」
「え!?靴ってこれ!?紐!?紐なの!?」
正月早々、訪れた神様も逃げ出しそうな賑やかさの中、リビングに残されたヒューズが、項垂れ大きく溜め息をつくと「…世辞ならいくらでも言えるのに…」とポツリと呟いた。
へとへとで帰ってきた知花を労ってくれるのは、勿論ヒューズの用意してくれた豪華なお節だ。
正月太りなどの悩みはさておき、料理をめいっぱい食べ、元気を取り戻したところで、次に知花が始めたことといえば…
「見よ!!この美しい着物を!!」
知花が自室の床に広げたのは、桜色と藤色の訪問着だ。
それに合わせた帯揚げや帯締め、髪飾りまで用意済みである。
「…これが、着物という日本独特の服なのね。本でしか読んだことが無かったのだけど…四角い布なのに、ちゃんと服になるの??」
たとう紙の上にぴったりと折りたたまれた着物を、ソフィアは訝しみながら観察していた。
「それがなるのです!本当は振袖を着せてあげたかったんだけど、流石に振袖は着付けられなくて…。帯もお太鼓結びしかできないんだけど、せっかくのお正月だから、これを着て初詣に行こう!!」
お洒落をしたらお出掛け。
その大好きな提案に、ソフィアは目を輝かせて頷いた。
***
「見てください!!ヒューズさん!!」
知花が勢いよくリビングの扉を開けると、大人しく正月特番を見て二人を待っていたヒューズが、何度も瞬きをする。
そして感嘆の溜め息を吐いた後、彼には珍しく真っ先に服装を褒めたのだ。
「二人とも良く似合っている…!」
ソフィアは桜色、知花は藤色の着物を着ている。
編み込みにした髪にはドライフラワーと組紐で作られたモダンな髪飾りが、二人の艶やかな髪を彩り、動くたびに組紐の先についた房が可憐に揺れた。
「ありがとうございます!ヒューズさんにも袴着せたかったなぁ!!絶対その黒髪に似合うのに…!!」
知花がふんわりと微笑むと、ヒューズは時が止まったかのように動かなくなってしまった。
彼の前でちょこちょこと動いて見せたり、両手を振ってみるが視線は知花を追うが、それ以外は微動だにしない。
「……ヒューズさん…?どうかしました??」
「……!?あぁ!何でもない!!」
流石に心配になってきた知花がもう一度声を掛けると、ようやく自分が呼ばれていると気付いたようで、びくりと反応した。
「知花が可愛いの可愛くないの?どっちなの」という脅しにも近いソフィアの声に、ヒューズの挙動はおかしくなるばかりだ。
その上、褒める以外の返事は許されない状況に、知花は苦笑いし憐れみの目を向けた。
先程まで青かった顔色が、知花とばっちり視線が合うと途端に赤く染まっていく。
「……ち、知花…その…き…き…」
なかなか言い切ることの出来ない三文字。
その先は知花でも予想できるし、正にご褒美イベントだが、茹で蛸と大差ない顔色になってしまったイケメン騎士様が気の毒である。
しかもソフィアは淑やかさをかなぐり捨てて笑っている。完全に玩具にされている。
(流石に罰ゲームみたいで可哀想だもんね)
「…きれ…」
小声ながら言い切ろうとしたヒューズだが、彼を助けるつもりで発した知花の声がタイミング悪く被さる。
「そんなことよりも、初詣!!お洒落したのですから、初詣です!!!!」
「はっ!!ヒューズが面白過ぎて忘れてたわ!!」
大慌てでリビングを飛び出したソフィアを知花が追う。
「待って、ソフィアちゃん!!履くの普通の靴じゃない!!」
「え!?靴ってこれ!?紐!?紐なの!?」
正月早々、訪れた神様も逃げ出しそうな賑やかさの中、リビングに残されたヒューズが、項垂れ大きく溜め息をつくと「…世辞ならいくらでも言えるのに…」とポツリと呟いた。
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