12 / 71
微笑み12(挿絵あり)
しおりを挟む
さて、Sクラスのクラスメイトもあらかた終わり、残るはユーリとシオンのみとなった。いやはや、魔力測定器に特別な魔法が掛けられているとはいえこれだけの上級魔法を当てても壊れないなんて製法が気になりますね~
「ユーリ君が体調が悪く、クロウ君と一緒に保険室へいったのでシオン君から測定を始めて下さい」
先生から言われて、席を立つシオン。ユーリ大丈夫かな?
「シオン様、ユーリは大丈夫ですわ。あの日なだけですの」
セーラ王女がコソッと教えてくれた。あぁ、仕方ないね……
シオンはちょっと悩んだ。どの魔法を放てば良いのかでだ。色々な上級魔法を既に使えるシオンは逆に在りすぎで悩むのだった。そして本気で放つとまた大変な事になりそうだったから手加減をして余り注目されないようにしようとも考えていた。
「…………どうしよう」
少し考えて、1つの魔法を思い付いた。珍しいし、威力もそこまでないし、派手でもないから大丈夫だろうと言う魔法を………無属性魔法を!
「創造神が産み出せし命を紡ぐ6つの光、本来交わる事のない光を我、力を持って紡がん。導かれし力を束ね、我にただ全てを貫く一条の光を与えん……」
シオンの詠唱に、その場いた全ての者達が息を呑んで見守り一言一句、聞き逃さないように集中していた。
「な、なんの魔法だ!?聞いたことないぞ?」
「私も聞いたことありません。命を紡ぐ6つの光とは……火、水、風、土、光、闇の6属性を表しているのでは……?」
王族として他の生徒達より知識のあるレオン王子とセーラ王女も知らない魔法に衝撃を受けていた。
「……我が手に集いて力となれ!!!ラグナ・ブレイク!」
全ての属性を束ねて放つ魔法。全てを無に変える究極の消滅呪文がそれだった。シオンはセーラ王女やレオン王子のように広範囲に渡る派手な魔法でなく当たったら最後、結界も属性耐性も無関係で消滅させる恐るべき魔法ではあるが、1メールぐらいの球体で大勢にダメージを与える魔法では無かったので、大丈夫だと思っていたのだが………
今までのようにドッカーン!という音はなく、静かにボフッと音がして【的】が消滅したのだった。今までの上位魔法でも壊れることの無かった魔力測定器が消滅したのだ。
辺りの空気がシーンとなり、沈黙が支配した。
「…………あれ?」
シオンだけ、場の状況を理解出来なかった。
「魔力測定器が吹き飛んだ!?」
「い、いや!消滅しているんだ!」
「凄いぞ!!!」
「あんな魔法知らない!」
ワイワイガヤガヤと、一斉に歓声が沸いた!突然の歓声にびっくりしたシオンだったが、セーラ王女に叱られました。
「シオン様!凄い魔法ですが、常識と言うものをわきまえて下さい!なんで伝説上の魔法をさも当然の様に使っているんですか!もっと自重してください!」
周囲がの反応に、セーラ王女が正しい感じシュンとなるシオンでした。魔力測定器が消滅したことでシオンの実績は測定不可として最高ランクの評価を貰ったのだった。
そこへ、保険室で薬を貰い戻ってきたユーリがシオンの魔法を見れなかったと悔しがったのでした。
「もう!私もシオンの魔法が見たかったよー!」
よしよし、次の機会にね。セーラ王女がユーリを慰めていると先生が予備の魔力測定器を用意してくれた。
「ほら、ユーリで最後だよ!頑張ってね!」
「………ユーリ、ガンバ」
うぉぉぉぉぉおおおお!!!!
私、頑張る!!!?
「ユーリはどんな魔法を使うのかしら?」
ユーリは【的】の場所に行くと魔法を唱えた。
「聖なる癒しの光よ、母なる大地の息吹よ、願わくば我が前に傷付きし者を、その大いなる慈悲にて救いたまえ………パーフェクト・ヒール!!!」
眩しい光と共に、癒しの光が降り注いだ。
「パーフェクト・ヒールって、教皇様しか使えない最上級回復魔法じゃないか!!!?」
「死者以外の部分欠損も回復させる、上位魔法でも1番難しい魔法だよ!」
「王族やシオン様以外でもこんな魔法が使えるんだな!」
ユーリの魔法に、シオン以上の歓声が沸いて自分も頑張ろうとクラスメイト達がやる気に満ちたのだ。ユーリの測定は350もあった。
「クロウが魔力を増幅して使った魔法より魔力が高いなんてユーリも大概だな………」
「あら、シオン様の側に居るのですもの。これくらい出来ないと困りますわ♪」
セーラ王女はこっそりと、シオンの側にいても良い人物を調べていた。ユーリは数少ない合格者である。意外にシオンもユーリを友達だと思っているので邪険には出来ない。
こうして、顔見せであったクラスの魔法測定は終了したのでした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「ようやく、シオンのイラストが出来ました!」
シオン
「ふーん………まぁまぁですね」
愚者の声
「ははぁーありがたき幸せでございます」
シオン
「でも、ユーリの方が手が込んでいるのはどうしてかしら?」
愚者の声
「紛いなりにもヒロインですからねー、ピンク髪は外せないよね♪ヒロインパワーで魔力も上乗せで」
シオン
「………私は主人公だよね?」
愚者の声
「シオンの髪が面倒で余り書きたくな………はっ!?」
シオン
「神の力を思い知れ!!私の前に立ちふさがったこと、そして神に牙をむいたこと、地獄で後悔しながら懺悔なさい。
ゴッドブロォォォォッ!!!
ゴッドブローとは女神の怒りと悲しみを乗せた必殺の拳。相手は死ぬーーーー!」
愚者の声
ぎゃぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!
(死んだ!!!?)
「ユーリ君が体調が悪く、クロウ君と一緒に保険室へいったのでシオン君から測定を始めて下さい」
先生から言われて、席を立つシオン。ユーリ大丈夫かな?
「シオン様、ユーリは大丈夫ですわ。あの日なだけですの」
セーラ王女がコソッと教えてくれた。あぁ、仕方ないね……
シオンはちょっと悩んだ。どの魔法を放てば良いのかでだ。色々な上級魔法を既に使えるシオンは逆に在りすぎで悩むのだった。そして本気で放つとまた大変な事になりそうだったから手加減をして余り注目されないようにしようとも考えていた。
「…………どうしよう」
少し考えて、1つの魔法を思い付いた。珍しいし、威力もそこまでないし、派手でもないから大丈夫だろうと言う魔法を………無属性魔法を!
「創造神が産み出せし命を紡ぐ6つの光、本来交わる事のない光を我、力を持って紡がん。導かれし力を束ね、我にただ全てを貫く一条の光を与えん……」
シオンの詠唱に、その場いた全ての者達が息を呑んで見守り一言一句、聞き逃さないように集中していた。
「な、なんの魔法だ!?聞いたことないぞ?」
「私も聞いたことありません。命を紡ぐ6つの光とは……火、水、風、土、光、闇の6属性を表しているのでは……?」
王族として他の生徒達より知識のあるレオン王子とセーラ王女も知らない魔法に衝撃を受けていた。
「……我が手に集いて力となれ!!!ラグナ・ブレイク!」
全ての属性を束ねて放つ魔法。全てを無に変える究極の消滅呪文がそれだった。シオンはセーラ王女やレオン王子のように広範囲に渡る派手な魔法でなく当たったら最後、結界も属性耐性も無関係で消滅させる恐るべき魔法ではあるが、1メールぐらいの球体で大勢にダメージを与える魔法では無かったので、大丈夫だと思っていたのだが………
今までのようにドッカーン!という音はなく、静かにボフッと音がして【的】が消滅したのだった。今までの上位魔法でも壊れることの無かった魔力測定器が消滅したのだ。
辺りの空気がシーンとなり、沈黙が支配した。
「…………あれ?」
シオンだけ、場の状況を理解出来なかった。
「魔力測定器が吹き飛んだ!?」
「い、いや!消滅しているんだ!」
「凄いぞ!!!」
「あんな魔法知らない!」
ワイワイガヤガヤと、一斉に歓声が沸いた!突然の歓声にびっくりしたシオンだったが、セーラ王女に叱られました。
「シオン様!凄い魔法ですが、常識と言うものをわきまえて下さい!なんで伝説上の魔法をさも当然の様に使っているんですか!もっと自重してください!」
周囲がの反応に、セーラ王女が正しい感じシュンとなるシオンでした。魔力測定器が消滅したことでシオンの実績は測定不可として最高ランクの評価を貰ったのだった。
そこへ、保険室で薬を貰い戻ってきたユーリがシオンの魔法を見れなかったと悔しがったのでした。
「もう!私もシオンの魔法が見たかったよー!」
よしよし、次の機会にね。セーラ王女がユーリを慰めていると先生が予備の魔力測定器を用意してくれた。
「ほら、ユーリで最後だよ!頑張ってね!」
「………ユーリ、ガンバ」
うぉぉぉぉぉおおおお!!!!
私、頑張る!!!?
「ユーリはどんな魔法を使うのかしら?」
ユーリは【的】の場所に行くと魔法を唱えた。
「聖なる癒しの光よ、母なる大地の息吹よ、願わくば我が前に傷付きし者を、その大いなる慈悲にて救いたまえ………パーフェクト・ヒール!!!」
眩しい光と共に、癒しの光が降り注いだ。
「パーフェクト・ヒールって、教皇様しか使えない最上級回復魔法じゃないか!!!?」
「死者以外の部分欠損も回復させる、上位魔法でも1番難しい魔法だよ!」
「王族やシオン様以外でもこんな魔法が使えるんだな!」
ユーリの魔法に、シオン以上の歓声が沸いて自分も頑張ろうとクラスメイト達がやる気に満ちたのだ。ユーリの測定は350もあった。
「クロウが魔力を増幅して使った魔法より魔力が高いなんてユーリも大概だな………」
「あら、シオン様の側に居るのですもの。これくらい出来ないと困りますわ♪」
セーラ王女はこっそりと、シオンの側にいても良い人物を調べていた。ユーリは数少ない合格者である。意外にシオンもユーリを友達だと思っているので邪険には出来ない。
こうして、顔見せであったクラスの魔法測定は終了したのでした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「ようやく、シオンのイラストが出来ました!」
シオン
「ふーん………まぁまぁですね」
愚者の声
「ははぁーありがたき幸せでございます」
シオン
「でも、ユーリの方が手が込んでいるのはどうしてかしら?」
愚者の声
「紛いなりにもヒロインですからねー、ピンク髪は外せないよね♪ヒロインパワーで魔力も上乗せで」
シオン
「………私は主人公だよね?」
愚者の声
「シオンの髪が面倒で余り書きたくな………はっ!?」
シオン
「神の力を思い知れ!!私の前に立ちふさがったこと、そして神に牙をむいたこと、地獄で後悔しながら懺悔なさい。
ゴッドブロォォォォッ!!!
ゴッドブローとは女神の怒りと悲しみを乗せた必殺の拳。相手は死ぬーーーー!」
愚者の声
ぎゃぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!
(死んだ!!!?)
13
あなたにおすすめの小説
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
どうして私にこだわるんですか!?
風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。
それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから!
婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。
え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!?
おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。
※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】前提が間違っています
蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった
【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた
【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた
彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語
※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。
ご注意ください
読んでくださって誠に有難うございます。
「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み
そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。
広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。
「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」
震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。
「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」
「無……属性?」
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

