【改稿版】微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~

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微笑み46

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浜辺でのワイワイと楽しく食べる海の幸は格別だった。

「このスープ、すごく美味しい♪」
「ありがとよっ!いっぱいあるからたくさん食べてくれっ!」

シオンは静かにパクパク、ゴクゴクと堪能していると、アルカがふと気になって尋ねた。

「このスープの出汁は何から取っているんですか?」
「ああ、騎士団と君たちが倒した魔物から出汁を取ったんだ。身も具材として入っているぞ」

ブハッと心配性のアルカが吹き出した。

「ゴホゴホッ!!!ふ、不覚!シオンお嬢様、大丈夫ですか!?」

「美味しいよ?」

首を傾げるシオンにアルカは深いため息をついた。

「よく煮込んであるし、足は入れてないから大丈夫だ。昔からタコとイカはこの街では名物料理なんだぜ?」

いや、あの気持ち悪いタコイカもどきの魔物を食べるのかよ。
常識人のアルカは叫びたいのを我慢して、そうですかと答えた。

シオンは食べ終わると、1人で海を見ていた騎士団の隊長さんの所に行った。

「あの、先ほどはろくに挨拶もできずごめんなさい。今、大丈夫ですか?」
「あ、ああ、大丈夫だ」

少し詰まりながらも答えた。

「先ほどの隊長さんの魔法すごかったです。それに隊の皆さんにも慕われている様ですね」
「そんなことはない。シオン嬢の方が二重魔法で凄かった」

隊長は言葉を区切ると振り返って言った。

「見ると良い。この人々の笑顔を。この人々の笑顔は君のおかげだ」

ドキッ!

シオンは隊長の言葉に胸の高鳴りを感じた。隊長さんはずっとフルフェイスの兜で表情は見えないが、とても素敵だとシオンは思った。

「あ、ありがとうございます」
「こちらこそ。妙に縁があるようだ」

どちらともなく握手を交わして他愛もない話を楽しむ2人だった。

コソッと
「シオンお嬢様、本当に気づいてないですよ?」
「まぁ、偶然とはいえ、あのヘタレは運だけは良いみたいだ。アイツ顔を隠していると、まともに話せるのか?」
「なんか良い感じになってる?」

シオンの従者達は遠くから仲良くデガバメしているのであった。

シオン達はそれから一泊して、次の朝に帰る予定にしていたが・・・

「シオンお嬢様!大変です!」

朝一番でアルカが飛び込んで来た。

「ふわぁぁぁ、おはよう。どうしたの?」
「海に魔物の群れが現れています!」

!?

一気に目の覚めたシオンは急いで身支度を整えると岸の方へ向かった。

「被害状況は?」
「まだ特にありません。しかし一部の魔物が上陸してくるのは時間の問題です」

海には見渡す限りの白い物体が浮かんでいた。一部は透明っぽいやつもいたが。

「・・・なんだクラゲじゃん。じゃ、お休み」

シオンはそう言って引き返そうとしたがアルカが止めた。

「待って下さーーーい!!!!」
「ええい!止めるな!私はまた夢の世界へ飛び立つの!」
「何を某◯◯ランド的なキャッチフレーズを言っているんですか!あれは魔物です!しかも、結構凶悪な!!!」

うん?そうなの?本当に???

「まだ騎士団は来てない様ですね。昨日あれだけ騒げば無理もありませんが」
「ならさっさと倒しちゃおう!えい、いきなりの雷撃!」

バチバチと空から雷を海に落とした。

「流石はシオンお嬢様!そこに痺れる憧れるーーー!!!!!!!!」

いつの間にか側に来たナイカがはしゃぎながら叫んだ。

「バカなことを言っていないで海を見なさい」

冷静なアルカが指さすと白い物体のクラゲ?はほとんどそのまま浮いていた。

「マジで?」

シオンも目を丸くして二度海をみた。

「あの魔物は海の白い悪魔と呼ばれて、触れると体が痺れて動けなくなるんです。さらに大量に現れ、高い魔法耐性も持っています」

やっぱりクラゲじゃん!
ってか、なんで魔法耐性あるのよ!?

「アルカ、対処方法は?」
「漁師の道具のモリで一匹づつ射止めて、カゴに入れて捨てるしかない様です。アイツの素材は価値がないので」

うわぁ!なんて迷惑なヤツなの!?
やっぱり綺麗に終わらないトラブルメーカーのシオンだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「近年、クラゲの有効活用が注目されているんだよねー」

シオン
「でもこの世界では難しいのではなくって?」

愚者の声
「そうなんだよねーなんかいい知恵ないかな?」

シオン
「そうね~何かないかしら?」

愚者の声&シオン
う~~~ん???






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