【改稿版】微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~

naturalsoft

文字の大きさ
52 / 71

微笑み51

しおりを挟む
学園が始まり、妹弟を残して学校へ向かいました。
なぜかリンとカイの事は学園の友人達に秘密にして欲しいと言われた。

シオンは首を傾げましたが、可愛い妹弟のお願いだ。聞かない訳にはいかないだろう。
いつも通り学園が終わると帰宅しました。

「えっ?出かけているの?」
「はい。王都を見て周りたいと」

私も一緒に行きたかったなぁ~

「あ、でも2人じゃ危険かも」

よし!私も行こう!
シオンが心配して迎えに行こうとした時───

「シオンお嬢様、リン様とカイ様はきちんと護衛を付けて出掛けております」
「えっ?そうなの???」


「勉強で疲れて帰ってくるシオンお嬢様に、迷惑は掛けられないと、先に2人で王都探索してくるとの事です。次の休みの日にはシオンお嬢様と一緒に出掛けたいとの事です」

なるほど。
そういう事なら今日は部屋で読書かな?
ちょっと心配だけどね。

ちなみに、本日は午前だけの授業で時間はタップリあった。


その頃───

「シオンお姉様は自宅に戻った頃ね!」

( ´Д`)=3
「はぁ~~、ねぇリン。本当にやるの?」

妹のリンはシオンそっくりに変装していた。
元々良く似ており、シオンが癖っ毛ある髪質だが、リンはサラサラヘアーのため、薬剤を使ってクルクルドリルヘアーを作った。

「これでシオンお姉様の婚約者候補に近付いて、シオンお姉様に相応しいのか確かめてやるのよ!」
「ため息しか出ないけど、僕もシオン姉(ねぇ)の婚約者には興味があるから手伝うよ」

2人は予め婚約者候補達の情報及び、シオンの交友関係を調べており、顔と名前など頭に入れていた。

「ため息を付きたいのはこちらですよ。まったく。今回だけですからね」

シオンの護衛騎士であるグレイが、深いため息を付きながら言った。

「グレイさん、迷惑をお掛けします」
「カイ様は良いんですが、リン様が暴走しないか心配でね………」

「こらっ!今の私はシオンお姉様なんだからねっ!」

「ならまずは、シオンお姉様とか言わないように」
「おっと、いけない。あーあー、テステス………よし!大丈夫!」

何が大丈夫なのか分からないが、2人は学園に入って行った。

「本当に大丈夫か?」

グレイは護衛騎士のなので入口までしか入れない。
まぁ、本当なら2人も入れないのだが………

シオンは妹弟が来ているので、用事があると言って早く帰っていた為、学園にはまだ多くの生徒が残っていた。

「あれ?シオン?帰ったんじゃ無かったの?」

ユーリと鉢合わせした。
ユーリは転生者であり、貴族、平民関係なく、フランクに話し掛ける人物である。

「あ、えーと………」

コソッ
「リン落ち着いて、友人のユーリさんだよ」

おおっ!そうだった!

「コホンッ、ユーリさん、ちょっと用事があって戻ってきたの」

『ユーリさん?いつもはユーリって呼んでるのに?』

洞察に優れたユーリは違和感を覚えた。そして、側にいる見知らぬ人物に視線をやった。

「シオン、そちらの方は?」
「あっ、こっちは私の弟なの♪」

!?

「シオンの弟!?」

驚くユーリにカイが丁寧に挨拶をした。

「始めまして。シオン姉(ねぇ)の弟でカイ・クロス・フレイムハートと言います。いつも姉がお世話になっています」

カイは深々と頭を下げた。

「今日はカイを学園の案内に連れてきたの」

「…………へぇ?なるほどね。シオン、ちょっと今日【約束】していた学食へ行こうか?」

「えっ、約束?」
「忘れちゃった?この前の御礼にパンケーキ奢るって約束じゃん」

「ああ、そうそう!」

「うんうん、じゃっ行こうかっ!」

ユーリに誘導され、学食へやってきました。

「へぇ~、個別の様になっている場所もあるんだ?」
「何言ってるの?いつも来ているでしょ?」

!?

「そ、そうだね。あはははっ………」

「それより、ここなら他の生徒に話を聞かれる心配はないわ。どうしてシオンの姉妹がシオンの格好で来ているのか教えて♪」

「いきなりバレてるーーーー!?」

驚くリンにカイは当たり前だよと軽くため息まじりに呟くのだった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
シオン
「いきなりバレてるーーーー!?」

愚者の声
「当たり前だよ………はぁ~」

シオン
「しかも一番見つかったらヤバい人物にバレてるじゃない!」
愚者の声
「そだねー(棒読み)」

シオン
「これは絶対にユーリ面白がって、事態が大きくなるヤツじゃん!」

愚者の声
「オラ!ワクワクしてきたぞっ!」

シオン
「ほう?私の大事な妹弟が危ない目にあったら、覚悟はできているんでしょうね?」

!?

愚者の声
「だ、ダイジョウブデスデス~~」
逃げっ!


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

田舎娘をバカにした令嬢の末路

冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。 それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。 ――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。 田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

どうして私にこだわるんですか!?

風見ゆうみ
恋愛
「手柄をたてて君に似合う男になって帰ってくる」そう言って旅立って行った婚約者は三年後、伯爵の爵位をいただくのですが、それと同時に旅先で出会った令嬢との結婚が決まったそうです。 それを知った伯爵令嬢である私、リノア・ブルーミングは悲しい気持ちなんて全くわいてきませんでした。だって、そんな事になるだろうなってわかってましたから! 婚約破棄されて捨てられたという噂が広まり、もう結婚は無理かな、と諦めていたら、なんと辺境伯から結婚の申し出が! その方は冷酷、無口で有名な方。おっとりした私なんて、すぐに捨てられてしまう、そう思ったので、うまーくお断りして田舎でゆっくり過ごそうと思ったら、なぜか結婚のお断りを断られてしまう。 え!? そんな事ってあるんですか? しかもなぜか、元婚約者とその彼女が田舎に引っ越した私を追いかけてきて!? おっとりマイペースなヒロインとヒロインに恋をしている辺境伯とのラブコメです。ざまぁは後半です。 ※独自の世界観ですので、設定はゆるめ、ご都合主義です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】前提が間違っています

蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった 【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた 【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた 彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語 ※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。 ご注意ください 読んでくださって誠に有難うございます。

「いらない」と捨てられた令嬢、実は全属性持ちの聖女でした

ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・エヴァンス。お前との婚約は破棄する。もう用済み そう言い放ったのは、五年間想い続けた婚約者――王太子アレクシスさま。 広間に響く冷たい声。貴族たちの視線が一斉に私へ突き刺さる。 「アレクシスさま……どういう、ことでしょうか……?」 震える声で問い返すと、彼は心底嫌そうに眉を顰めた。 「言葉の意味が理解できないのか? ――お前は“無属性”だ。魔法の才能もなければ、聖女の資質もない。王太子妃として役不足だ」 「無……属性?」

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧井 汐桜香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...