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梅が教師
ひたすら勉強!
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それからというもの、男子は休み時間になっても仲間内で集まってワイワイガヤガヤする事無く、まるで進学校の生徒のように、熱心に勉強をしている。
オレは話す相手がいなくなり、隣のデザイアーや後ろの片野と話をしている。
女子は梅に対して拒絶反応を起こしているせいか、休み時間はフツーに過ごしている。
「まさか、こんなにヤル気になるとは思わなかったわ」
「ん?」
横で梅が目を丸くしていた。
「お前、もし男子全員が90点以上取ったらどうするんだ?」
「どうって、勿論家に呼ぶつもりだけど」
「呼ぶったって、そこまで部屋は広くないだろ?」
「あー、その点は大丈夫。何せ、今住んでる部屋は高層マンションの広い部屋だから」
何処に住んでるんだ、一体?
「そう言えば、お前何処から通ってるんだ?」
「ここから電車で30分程の都心のマンションよ。最初に言ったでしょ、私はフェリス女学院卒のお嬢様だって」
はぁ?
「その設定には無理があるぞ」
「何でよ?とにかく、天界が用意してくれたマンションはリビングが30畳の3LDKの部屋なんだし、ここのクラス全員が来ても大丈夫な広さなの」
リビングが30畳って…
他の部屋は何畳あるんだ?
「恐るべし、天界の力」
「そうよ、天界に出来ない事は無いんだから」
もし、男子全員が90点以上だったら、梅を引き留めにかかるだろうな。
それぐらいの勢いだ。
「一体、どんなマンションに住んでるんだ?ちょっと部屋の中を見せてくれよ」
「ダメよ、90点越えたら見せてあげる」
ケチ!
それにしても、休み時間がヒマになった。
オレも皆みたいに勉強でもするかな。
「でもさぁ、あの先生って見た目と違って、ちょっとオバサン臭くなぁい?」
ん、何だ?
振り向くと、片野が他の女子と話をしていた。
やっぱり同性だから解るのだろうか。
「ちょっと、無理してる感じしない?」
見抜かれてんじゃんw
「キャハハハハハ!悠の言ってる事解るゎw」
「あの先生、23って言ってるけど、絶対サバ読んでるって」
オレも会話に参加した。
「片野、何であの先生が年サバ読んでるって解るんだ?」
「あれ、山本くんはあの先生好きじゃないの?」
「いや、好きとか嫌いとかは無いけど」
「そう言えば、山本くんは他の男子と違って、あの先生の事冷静に見てるよね」
そりゃ、だって梅の年齢も本名も知ってるし。
「あの先生、見た目はああだけど、龍也達がヤル気になってるんだから、それはそれでいいんじゃないかな」
「動機がイヤらしいわよ!」
女子から見れば、そうなるよなぁ。
「で、何でサバ読んでるって解るんだ?」
「えぇ、見てて解らないの?」
「私もよく解らない…」
もう1人の女子は、浅田奈保子(あさだなおこ)。
まぁ、ごくフツーの中学生女子と言った見た目だ。
コイツは確か、大学の時に海外留学をして、帰国後は通訳の仕事に就くはずだったっけ。
この頃はまだ、そんな感じには見えないんだよな。
「だって私、小さい頃から芸能界にいるんだよ。芸能界って、整形してる人が多いし、年をごまかすなんて、ザラだしね」
まぁ、特殊な世界に身を置けば、そういう事が解ってくるんだろうか…
「て事は、あの先生は整形してるって事か?」
ちょっと探ってみようか。
「ハッキリとは解らないけど、多分そうなんじゃないかって思う」
鋭いな、片野は。
「でも、仮にそうだとしても、せっかくアイツらが勉強ヤル気になってるんだし、水を差すような事はしない方がいいと思うんだがな」
コイツなら、梅に直接言いかねないし…
「えーっ、何で?先生という立場でありながら、整形してるなんて、ちょっとおかしいでしょ?」
いや、そうなんだが。
「でも、だからと言って、わざわざ皆の前でバラすようなマネはするなよ」
「何でよ?」
「そうよ、悠の言う通りよ!」
頼むから、お前は黙ってくれないかな…
「じゃあさ、芸能界で整形して年サバ読んでる人に、わざわざそんな事言うのかよ?」
「それは、あの世界だから通じる事であって、教師は聖職と言われるぐらいだから、そういうのは良くないんじゃないの?」
言ってる事は解らないでも無いんだが、ここは黙って欲しい。
「じゃあ、お前は皆の前であの先生顔イジってるって言うのかよ?」
それだけは避けたい。
「まぁ、別に悪いことしてるワケじゃないから、敢えて言わないようにするけどね。でも、あんまり調子に乗ると言うかもしれないし」
梅、少しは大人しくしてくれ…
「とにかく、今まで勉強嫌いだった連中が目の色変えて必死こいて勉強してるんだ。決して悪い事じゃないんだし、今はそっとしておいてくれないか?」
「何か、気味悪いよね…あれだけ騒いでいた連中がシーンなって、勉強してるんだから」
いいじゃないか、せっかくヤル気になってるんだし。
それよりも梅は男子だけじゃなく、女子からも好かれるようにしなきゃならないな…
オレは話す相手がいなくなり、隣のデザイアーや後ろの片野と話をしている。
女子は梅に対して拒絶反応を起こしているせいか、休み時間はフツーに過ごしている。
「まさか、こんなにヤル気になるとは思わなかったわ」
「ん?」
横で梅が目を丸くしていた。
「お前、もし男子全員が90点以上取ったらどうするんだ?」
「どうって、勿論家に呼ぶつもりだけど」
「呼ぶったって、そこまで部屋は広くないだろ?」
「あー、その点は大丈夫。何せ、今住んでる部屋は高層マンションの広い部屋だから」
何処に住んでるんだ、一体?
「そう言えば、お前何処から通ってるんだ?」
「ここから電車で30分程の都心のマンションよ。最初に言ったでしょ、私はフェリス女学院卒のお嬢様だって」
はぁ?
「その設定には無理があるぞ」
「何でよ?とにかく、天界が用意してくれたマンションはリビングが30畳の3LDKの部屋なんだし、ここのクラス全員が来ても大丈夫な広さなの」
リビングが30畳って…
他の部屋は何畳あるんだ?
「恐るべし、天界の力」
「そうよ、天界に出来ない事は無いんだから」
もし、男子全員が90点以上だったら、梅を引き留めにかかるだろうな。
それぐらいの勢いだ。
「一体、どんなマンションに住んでるんだ?ちょっと部屋の中を見せてくれよ」
「ダメよ、90点越えたら見せてあげる」
ケチ!
それにしても、休み時間がヒマになった。
オレも皆みたいに勉強でもするかな。
「でもさぁ、あの先生って見た目と違って、ちょっとオバサン臭くなぁい?」
ん、何だ?
振り向くと、片野が他の女子と話をしていた。
やっぱり同性だから解るのだろうか。
「ちょっと、無理してる感じしない?」
見抜かれてんじゃんw
「キャハハハハハ!悠の言ってる事解るゎw」
「あの先生、23って言ってるけど、絶対サバ読んでるって」
オレも会話に参加した。
「片野、何であの先生が年サバ読んでるって解るんだ?」
「あれ、山本くんはあの先生好きじゃないの?」
「いや、好きとか嫌いとかは無いけど」
「そう言えば、山本くんは他の男子と違って、あの先生の事冷静に見てるよね」
そりゃ、だって梅の年齢も本名も知ってるし。
「あの先生、見た目はああだけど、龍也達がヤル気になってるんだから、それはそれでいいんじゃないかな」
「動機がイヤらしいわよ!」
女子から見れば、そうなるよなぁ。
「で、何でサバ読んでるって解るんだ?」
「えぇ、見てて解らないの?」
「私もよく解らない…」
もう1人の女子は、浅田奈保子(あさだなおこ)。
まぁ、ごくフツーの中学生女子と言った見た目だ。
コイツは確か、大学の時に海外留学をして、帰国後は通訳の仕事に就くはずだったっけ。
この頃はまだ、そんな感じには見えないんだよな。
「だって私、小さい頃から芸能界にいるんだよ。芸能界って、整形してる人が多いし、年をごまかすなんて、ザラだしね」
まぁ、特殊な世界に身を置けば、そういう事が解ってくるんだろうか…
「て事は、あの先生は整形してるって事か?」
ちょっと探ってみようか。
「ハッキリとは解らないけど、多分そうなんじゃないかって思う」
鋭いな、片野は。
「でも、仮にそうだとしても、せっかくアイツらが勉強ヤル気になってるんだし、水を差すような事はしない方がいいと思うんだがな」
コイツなら、梅に直接言いかねないし…
「えーっ、何で?先生という立場でありながら、整形してるなんて、ちょっとおかしいでしょ?」
いや、そうなんだが。
「でも、だからと言って、わざわざ皆の前でバラすようなマネはするなよ」
「何でよ?」
「そうよ、悠の言う通りよ!」
頼むから、お前は黙ってくれないかな…
「じゃあさ、芸能界で整形して年サバ読んでる人に、わざわざそんな事言うのかよ?」
「それは、あの世界だから通じる事であって、教師は聖職と言われるぐらいだから、そういうのは良くないんじゃないの?」
言ってる事は解らないでも無いんだが、ここは黙って欲しい。
「じゃあ、お前は皆の前であの先生顔イジってるって言うのかよ?」
それだけは避けたい。
「まぁ、別に悪いことしてるワケじゃないから、敢えて言わないようにするけどね。でも、あんまり調子に乗ると言うかもしれないし」
梅、少しは大人しくしてくれ…
「とにかく、今まで勉強嫌いだった連中が目の色変えて必死こいて勉強してるんだ。決して悪い事じゃないんだし、今はそっとしておいてくれないか?」
「何か、気味悪いよね…あれだけ騒いでいた連中がシーンなって、勉強してるんだから」
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