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新たな出発
時代錯誤な元ヤンのヤツら
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学校生活は楽しかった。
凜と話すようになって、彼女を通じて他の連中とも徐々に話をする機会が増えた。
誰とも会話せずに一日が終わった頃を考えると、かなり変化したと思う。
表向きは仲良く話をしているが、オレは誰一人として信用していない。
あんな事があってから、人を信じて騙される思いは二度としたくない。
オレは母子家庭だったが、母親を亡くし、生活の為に全日制の高校を中退して定時制に入ったという事にしている。
父親が殺され、育ての親が海外に飛ばされ、実母が事故死で、兄は電車に轢かれて死んだ、なんて話をしたら、誰も信じないだろうし、するつもりも無い。
ただ、凜からはよく
「古賀くんていつも仏頂面してるけど、仕事で何かあった?」
と聞いてくる。
オレは無口だと、怒っているような顔に見えるらしい。
オレは元々無表情だ。
心の底から笑った事は未だかつて無い。
だが、凜はオレを弟のようにいつも気にかけてくれている。
「ちゃんとご飯食べてる?夜更かしして寝不足なんじゃない?仕事はかなりキツいの?」
ウザいと思いながらも、適当に相づちだけ打って、聞き流していた。
毎晩学校が終わったら風俗に通ってるなんて言えない。
オレは心の闇を抱えながらも、仲の良い連中の輪の中に入って、なに食わぬ顔して話に加わっている。
週末、授業が終わると凜が
「ねえ、明日休みでしょ?この後、カラオケ行かない?何人か誘ってさ」
オレはこの後風俗に行こうとしていたので、学校が終わってまで連中と付き合いをしたいとは思ってない。
だが、凜をはじめ、何人かの男女にしつこく誘われ、仕方なく行くことにした。
10人程集まり、年齢もバラバラだ。
カラオケルームでは、オレを除く全員が成人なのでアルコール類を注文し、オレはウーロン茶を頼んだ。
酒が入ると、会話が徐々に下ネタになった。
オレの隣に座っていた、坂本という30代前半の男らオレに色々と聞いてくる。
「古賀、休みの日って何してんだ?」
「いや、特に。ゲームしたり、ゴロゴロ寝ていたりとか」
「ウソつけ、毎日コレばっかりやってんだろ?」
とオナニーをする仕草をしてゲラゲラ笑っていた。
アホらしい。
オレは返事をしないでシカトしていた。
「やだ、坂本さんたら、古賀くん返事に困ってるじゃん」
向かいに座っていた、20代後半ぐらいの女がゲラゲラ笑っている。
「オレなんて、お前ぐらいの年はしょっちゅうマスかいてたぞ。なぁ、そうだよな?」
「えー、そうなの?」
「もう、サルの様に毎日やってたよ」
「ホントに~?」
女子は興味津々だ。
いつしか話は、坂本を中心に、その同時流行った出来事を懐かしがり、盛り上がっていた。
坂本は中学を卒業した後、町工場に就職し、今は1児の父らしい。
「オレやんちゃだったからさ、全く勉強してなかったから、入る高校無かったんだよ!」
そのうち、武勇伝を語るようになり、他校の生徒としょっちゅうケンカしたとか、バイクに乗って夜はヤンキー仲間とたむろしていただの、こっちにしてみたらどうでもいい話だ。
オレは「へー」とか「そうなんですか」しか言わずに右から左へ聞き流していた。
坂本だけじゃなく、他の何人かも、昔はヤンキーだったらしく、楽しそうに当時の話をしていた。
(あぁ、もう帰ろう!ダメだ、こんなとこは)
オレは席を立ち、テーブルに五千円札を置いた。
「あの、すみません、明日朝から用事あるんでこれで失礼します」
ぺこりと頭を下げ、部屋を出た。
くっだらねぇ、何がヤンキーだ。
バカだから高校に入れなかった事が自慢話かよ。
やっぱ、オレは人と仲良くなることは出来ないな、改めて感じた。
凜と話すようになって、彼女を通じて他の連中とも徐々に話をする機会が増えた。
誰とも会話せずに一日が終わった頃を考えると、かなり変化したと思う。
表向きは仲良く話をしているが、オレは誰一人として信用していない。
あんな事があってから、人を信じて騙される思いは二度としたくない。
オレは母子家庭だったが、母親を亡くし、生活の為に全日制の高校を中退して定時制に入ったという事にしている。
父親が殺され、育ての親が海外に飛ばされ、実母が事故死で、兄は電車に轢かれて死んだ、なんて話をしたら、誰も信じないだろうし、するつもりも無い。
ただ、凜からはよく
「古賀くんていつも仏頂面してるけど、仕事で何かあった?」
と聞いてくる。
オレは無口だと、怒っているような顔に見えるらしい。
オレは元々無表情だ。
心の底から笑った事は未だかつて無い。
だが、凜はオレを弟のようにいつも気にかけてくれている。
「ちゃんとご飯食べてる?夜更かしして寝不足なんじゃない?仕事はかなりキツいの?」
ウザいと思いながらも、適当に相づちだけ打って、聞き流していた。
毎晩学校が終わったら風俗に通ってるなんて言えない。
オレは心の闇を抱えながらも、仲の良い連中の輪の中に入って、なに食わぬ顔して話に加わっている。
週末、授業が終わると凜が
「ねえ、明日休みでしょ?この後、カラオケ行かない?何人か誘ってさ」
オレはこの後風俗に行こうとしていたので、学校が終わってまで連中と付き合いをしたいとは思ってない。
だが、凜をはじめ、何人かの男女にしつこく誘われ、仕方なく行くことにした。
10人程集まり、年齢もバラバラだ。
カラオケルームでは、オレを除く全員が成人なのでアルコール類を注文し、オレはウーロン茶を頼んだ。
酒が入ると、会話が徐々に下ネタになった。
オレの隣に座っていた、坂本という30代前半の男らオレに色々と聞いてくる。
「古賀、休みの日って何してんだ?」
「いや、特に。ゲームしたり、ゴロゴロ寝ていたりとか」
「ウソつけ、毎日コレばっかりやってんだろ?」
とオナニーをする仕草をしてゲラゲラ笑っていた。
アホらしい。
オレは返事をしないでシカトしていた。
「やだ、坂本さんたら、古賀くん返事に困ってるじゃん」
向かいに座っていた、20代後半ぐらいの女がゲラゲラ笑っている。
「オレなんて、お前ぐらいの年はしょっちゅうマスかいてたぞ。なぁ、そうだよな?」
「えー、そうなの?」
「もう、サルの様に毎日やってたよ」
「ホントに~?」
女子は興味津々だ。
いつしか話は、坂本を中心に、その同時流行った出来事を懐かしがり、盛り上がっていた。
坂本は中学を卒業した後、町工場に就職し、今は1児の父らしい。
「オレやんちゃだったからさ、全く勉強してなかったから、入る高校無かったんだよ!」
そのうち、武勇伝を語るようになり、他校の生徒としょっちゅうケンカしたとか、バイクに乗って夜はヤンキー仲間とたむろしていただの、こっちにしてみたらどうでもいい話だ。
オレは「へー」とか「そうなんですか」しか言わずに右から左へ聞き流していた。
坂本だけじゃなく、他の何人かも、昔はヤンキーだったらしく、楽しそうに当時の話をしていた。
(あぁ、もう帰ろう!ダメだ、こんなとこは)
オレは席を立ち、テーブルに五千円札を置いた。
「あの、すみません、明日朝から用事あるんでこれで失礼します」
ぺこりと頭を下げ、部屋を出た。
くっだらねぇ、何がヤンキーだ。
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やっぱ、オレは人と仲良くなることは出来ないな、改めて感じた。
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