快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体

sky-high

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流浪の如く

いつの間にか夜中

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一時間だけのつもりが、気が付くと、午前0時を回っていた。
明日仕事に行けるのだろうか…

そろそろ、終わりにしてもらいたい。
ナツの頭にウーロン茶を掛けた後ろめたさもあって付き合ったが、そろそろ限界だ。


タバコの煙と次々に入れ替わるグラスの数。
その間、スパスパとひっきりなしにタバコを吸っている。


タバコは母親や兄、鴨志田が吸っているのを見てきた。
あんな身体に悪いものを吸って、何がいいのか、理解出来ない。
酒は一度だけ飲んだことがある。
ハタチになりたての頃、試しに飲んで見ようと、コンビニで缶ビールを買って飲んでみたが、あまりの苦さと不味さに一口で止め、残りを捨ててしまった。

飲もうと思えば、飲めるのかも知れない。
だが、酒を飲んで酔って本音を語ってしまう可能性があるので、飲まない事にしている。

本音とは、過去に起きた忌々しい出来事だ。

酔った勢いで、そんな事を口にしてしまうかも、と思うと、とても飲む気にはなれない。

オレを除く四人は、すっかり出来上がって饒舌に話し、よく笑っていた。

席の周りはタバコの煙でモウモウとしている。

タバコを吸ってないのは、オレとナツだけだ。
時折、ナツの視線がオレをジッと観察するかのように見ている。

何で見てるんだ、コイツは?
ウーロン茶を掛けられたせいか、オレの顔を見ながら、他の連中と話をしていた。

しかし、目は笑っていない。
何というか、冷ややかで、悲しい目をしている。

オレと同じ目をしている。


…それにしても、いつになったら帰るんだ、コイツらは。


どいつもこいつも、似たような髪型して、付けまつ毛して、ネイルは長い。キャバ嬢ってのは、皆同じスタイルなのだろうか。

特に真ん中の丸顔。
お前、自分のスタイルを分かってホットパンツなんて履いてるのか?

自分の体型を鏡で見たことあるのか?


…限界だ、帰ろう。これじゃ、明日仕事出来なくなる。

オレは席を立った。

「もう帰らないと、明日仕事になんねえよ。じゃ、悪いけど金は給料入ったら払うから」

「えっ、今何時?」

右の馬面が時間を聞いてきた。

「あぁ、12時回ってるわ。じゃ、これからカラオケ行かない?そこで朝まで歌おうよ」

カラオケ?何言ってんだ、この女は!

「いいねいいね。よし、カラオケ行こう!」

山下もすっかり乗り気だ。

「おい、お前明日仕事だろ?帰って寝なくていいのかよ?」

山下に帰ろうと言ったが、まだ帰りたくないらしい。

「オレ帰るからな。とてもじゃないが、給料貰っても、そんなに金払えないから」

もう、うんざりだ!


空しくなってきた…
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