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不毛な同棲生活

僅か三日

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ナツとの同居生活は、僅か三日で飽きてきた。

何もせず、ただ部屋にいるだけで、苦痛に感じてきた。
オレは、同じ屋根の下で暮らす事が出来ないみたいだ。

ナツはオレの事を好きだと言うが、オレはナツに対して、最初の頃のような、淡い思いすら薄れてきた。

恋愛はしない、人を信じないと決めていたので、恋人という関係は求めていない。

ただ、会いたいという気持ちはあった。
もしかしたら、それが恋愛という感情なのか。
今にして思えば、それはただ単に、人と接したいだけではなかったのか。

会うのは構わない。
しかし、毎日顔を合わせて、尚且つ生活をするとなると、話しは別だ。

オレとナツは、同じ暗い過去を持った者同士、マイナスとマイナスを掛け合わせればプラスになると、ナツは言ったが、人間はそんな簡単な生き物ではない。

何から何まで、世話になりっぱなしで、こんな事を言うのは失礼にあたるが、やっぱり、一人で暮らす方がまだマシだった。

これなら、山下と一緒に暮らしていた頃の方が良かった。

男同士で、くだらない話をしていた方が気が楽だった。

ナツの家に転がり込んできたが、まだ身体の関係には至ってない。

そもそもナツとセックス出来るだなんて、思ってもないし、したいとも思わない。

出来るだけ、身体の関係は結ばないようにしてある。
いざという時に身体の関係を結んでしまうと、後々面倒な事になりそうだからだ。

セックスは第三の母である、レンタルグラブのオーナーと以来、全くしてない。
オーナーはニューハーフだったから、本当の女を抱いて良かったのは母だけだった。

それにナツは、実の父親に犯されたという過去がある。

セックスには抵抗があるだろうと言う考えと、最大の悩みである、ナツが鴨志田の妹だという事。
もし、叔母と甥がセックスしたら、近親相姦になる。

その事も言えずに、オレは流されるまま、ナツの部屋に転がり込んだ。

今思えば、はっきりとナツの一緒に住もうという申し出を、はっきりと断るべきだった。

今更後悔しても仕方ない。
いや、今ならまだ間に合うかも。

だが、オレは慢性化する過呼吸が、また再発したらどうしようと思い、ふんぎりがつかない。
優柔不断だと言ってしまえば、それまでだが、医師に処方して貰った頓服薬も、それほど効果は無く、鬱な気分に陥っていた。

オレは、このままでいいのだろうか?

ベッドの上で、天井を見上げながら、その事ばかりを考えていた。
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