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顔を変えた過去
私はそんな犯罪に付き合ってられない
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達也はレイに話を脚色しながら、整形する理由を言った。
「よく分からないけど、整形しなくても大丈夫なんじゃないの?せっかく、親からもらった顔なんだし…」
「おいおい、アンタだってさっき、整形したいって言ったろうが。同じようなもんだ、理由は」
レイは達也が何を考えてるのか理解出来ない。
「アンタ、もし人生がリセット出来るなら、してみたいと思わないか?」
「…そりゃ、この顔だもん。リセット出来るならしてみたいわよ」
レイは顔にコンプレックスを持っていた。この顔のせいで何度も嫌な思いをした。
加えて在日だという事もあり、随分肩身の狭い人生を送ってきた。
「アンタ、オレと一緒にリセットしてみないか?」
「…バカな事言わないでよ!どうやってリセットするの?それに整形なんて、もの凄い費用がかかるのよ?今の私に、そんなお金なんてあるわけないでしょ?」
「じゃあ、もしその金があったらリセットしてみるか?」
達也はレイの顔をジッと見つめながら問いかけた。
「そんなお金、どっから出せるのよ?」
馬鹿馬鹿しい、とレイは横を向き、帰る支度を始めた。
「オレ、さっきも話したと思うが、母親の跡を継いで社長になったんだよ。だが、社長になったのはいいが、一人厄介なヤツがいてさ。裏でヤクザに献金してやがる。
ソイツを排除すれば、アンタの顔を変える費用どころか、しばらく遊んで暮らせるだけの金が手に入れる事が出来るんだよ。
信じる信じないはアンタ次第だが、とにかく金は裏に流れないように出来る」
「まさか、ヤバい事じゃないでしょうね?私、そんな事してまで顔を変えたいなんて思わない。
だってそんな大金手にするって事は、危ない橋渡るって事でしょ?」
さすがに鴨志田の時と違い、そう簡単に話に乗る女はいない。
「まぁ、昨日今日会ったばかりのオレがこんな事話しても、信用出来ないのは当たり前だよな…
ただリセット出来る可能性はかなり高い」
「…一つ聞きたいんだけど」
レイは達也が犯罪に手を染める事に違いないと、疑っている。
「何だ?」
「法に触れるような事するの?」
「無いとは言い切れない。でも、一つだけ言えるのは、排除しなきゃならないヤツがいるって事だ」
排除…つまり、消し去るという事だろうか。
「まさか、排除って…人を葬るの?」
達也の話を聞いてるうちに、レイは自分も犯罪に巻き込まれる可能性が高いと読んで、断るつもりでいた。
「ただ消すだけだ。殺すとは言ってない。それはあくまでも最終手段だ。オレだって、犯罪に手を染めるつもりはない!
だが、相手の出方次第では、こっちもそれなりの対応をしないとリセットどころか、人生が終わっちまう。
オレが言えるのは、そこまでだ。
後は迂闊な事は言えない。
今言えるのは、そこまでの話であって、後は仮定の話しか出来ないから、アンタはじっくり考えて、答えを出して欲しい。
…あっ!まだこの話、決して他の人には黙ってていてくれるかな?」
レイは、恐ろしい考えを持つ達也を警戒した。
「とにかく、この話は聞かなかった事にしておくわ。そろそろ時間ね。
今日も結局話だけで終わったわね。あなた最初から、そのつもりで私を呼んだの?」
「…いや、そうじゃない。たまたまだ。ただ気が合いそうだと思った。それだけだ」
「出来ればもう、私を指名しないで欲しいんだけど…」
こんな犯罪の片棒を担ぐのは、まっぴらゴメンだ。
また、この話を聞かされるのは迷惑しかない。
「…悪いけどまた呼ぶよ…もう、この話はしない。次はちゃんとプレイするために呼ぶ。それならいいだろ?」
「…ならいいけど。じゃ、帰るね」
レイは部屋を出た。
あの女は絶対にオレの話に乗る。
そのためには、毎日指名して説得してやる、と決めた。
「よく分からないけど、整形しなくても大丈夫なんじゃないの?せっかく、親からもらった顔なんだし…」
「おいおい、アンタだってさっき、整形したいって言ったろうが。同じようなもんだ、理由は」
レイは達也が何を考えてるのか理解出来ない。
「アンタ、もし人生がリセット出来るなら、してみたいと思わないか?」
「…そりゃ、この顔だもん。リセット出来るならしてみたいわよ」
レイは顔にコンプレックスを持っていた。この顔のせいで何度も嫌な思いをした。
加えて在日だという事もあり、随分肩身の狭い人生を送ってきた。
「アンタ、オレと一緒にリセットしてみないか?」
「…バカな事言わないでよ!どうやってリセットするの?それに整形なんて、もの凄い費用がかかるのよ?今の私に、そんなお金なんてあるわけないでしょ?」
「じゃあ、もしその金があったらリセットしてみるか?」
達也はレイの顔をジッと見つめながら問いかけた。
「そんなお金、どっから出せるのよ?」
馬鹿馬鹿しい、とレイは横を向き、帰る支度を始めた。
「オレ、さっきも話したと思うが、母親の跡を継いで社長になったんだよ。だが、社長になったのはいいが、一人厄介なヤツがいてさ。裏でヤクザに献金してやがる。
ソイツを排除すれば、アンタの顔を変える費用どころか、しばらく遊んで暮らせるだけの金が手に入れる事が出来るんだよ。
信じる信じないはアンタ次第だが、とにかく金は裏に流れないように出来る」
「まさか、ヤバい事じゃないでしょうね?私、そんな事してまで顔を変えたいなんて思わない。
だってそんな大金手にするって事は、危ない橋渡るって事でしょ?」
さすがに鴨志田の時と違い、そう簡単に話に乗る女はいない。
「まぁ、昨日今日会ったばかりのオレがこんな事話しても、信用出来ないのは当たり前だよな…
ただリセット出来る可能性はかなり高い」
「…一つ聞きたいんだけど」
レイは達也が犯罪に手を染める事に違いないと、疑っている。
「何だ?」
「法に触れるような事するの?」
「無いとは言い切れない。でも、一つだけ言えるのは、排除しなきゃならないヤツがいるって事だ」
排除…つまり、消し去るという事だろうか。
「まさか、排除って…人を葬るの?」
達也の話を聞いてるうちに、レイは自分も犯罪に巻き込まれる可能性が高いと読んで、断るつもりでいた。
「ただ消すだけだ。殺すとは言ってない。それはあくまでも最終手段だ。オレだって、犯罪に手を染めるつもりはない!
だが、相手の出方次第では、こっちもそれなりの対応をしないとリセットどころか、人生が終わっちまう。
オレが言えるのは、そこまでだ。
後は迂闊な事は言えない。
今言えるのは、そこまでの話であって、後は仮定の話しか出来ないから、アンタはじっくり考えて、答えを出して欲しい。
…あっ!まだこの話、決して他の人には黙ってていてくれるかな?」
レイは、恐ろしい考えを持つ達也を警戒した。
「とにかく、この話は聞かなかった事にしておくわ。そろそろ時間ね。
今日も結局話だけで終わったわね。あなた最初から、そのつもりで私を呼んだの?」
「…いや、そうじゃない。たまたまだ。ただ気が合いそうだと思った。それだけだ」
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また、この話を聞かされるのは迷惑しかない。
「…悪いけどまた呼ぶよ…もう、この話はしない。次はちゃんとプレイするために呼ぶ。それならいいだろ?」
「…ならいいけど。じゃ、帰るね」
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そのためには、毎日指名して説得してやる、と決めた。
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