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8-1・実家に帰省する馬車の中の子供の頃の思い出
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星冠決闘のあと、俺たちは生徒会長ルシアン様の謝罪のおかげで、学校の生徒たちから嫌な態度を取られることはなくなった。
逆に、副会長セドリックに勝ったことで、少し近寄りがたい存在になった。
まあ、俺的にはそれでよかった気がする。
おかげで、今は普通に学園生活を送れている。
もちろん、正体のわからない闇魔法使いの存在には気をつけながら、だ。
そして今日は、学園の2週間の休みに入る日。
俺は久しぶりに実家へ帰ることにした。
「久しぶりの帰省になりますね、ルシェル様」
「そうだな、ラグナル……みんな元気にしているだろうか……」
馬車の窓の外を眺めながら、子どもの頃のことを思い出す。
まだ前世の記憶を思い出す前、俺は父「ヴァルティエ」に見放され、できのいい弟「ルファン」に馬鹿にされる毎日を送っていた。
そう、俺は“できの悪い兄”だった。
頭の良さも、武術の腕も、すべて弟のほうが上。
唯一の味方は、病に伏せていた母「ルージュ」だけだった。
そんな日々が、突然百八十度変わるとは思わなかった。
きっかけは、ルファンとの稽古の最中、頬を思いきり殴られた拍子に、前世の記憶を思い出したのだ。
その夜、自分の部屋のベッドに寝転びながら、複雑な気持ちだった。
よりによって、あの“闇堕ちモブのルシェル”になっていたなんて。
俺はため息をつきながら、冷静にゲームの内容を思い出し、どうすれば悲惨な運命を避けられるかを考えた。
その結果、とりあえず“闇魔法を好む妖精や精霊”に気に入られないようにしようと決めた。
だから最初は、父と弟に過剰に反応しないようにした。
嫌味を言われても、全部スルースキルで受け流した。
その代わり、いつかこの家を出るために、勉強と実践を兼ねて――
12歳の時、冒険ギルドに登録した。
もちろん、父には許可をもらっている。
と言っても、俺に興味がなかったから、すんなり許可が下りただけなんだが。
最初は薬草採取や、Fランクモンスター「ロッグライナー」や「ツリーシャッド」の討伐を受けて、戦闘技術を磨いていった。
同時に、冒険者たちとの交流も重ねていった。
その頃、同い年でまだ執事見習いだったラグナルと一緒に行動していた。
もちろん、貴族という身分は隠していた。
父が治める土地の人々が不自由なく暮らす姿を見て、初めて父がどれだけ民のことを考えているかを知った。
まあ、いずれは弟がこの地を継ぐだろうから、俺には関係ない話だ。
俺はただ、外の世界で生きるための知識を身につけようと必死だった。
そんな地道な努力を15歳まで続けていた。
「なんという臭さだ……鼻がもげる」
鼻を押さえ、嫌味ったらしく言う弟。
今回はDランクの依頼帰りで、蜘蛛系モンスターの討伐のあとだった。
返り血を浴びたせいで、俺もラグナルも防具から強烈な臭いを放っていた。
もちろん、弟の言葉はスルーして、自分の直属のメイドに湯殿の用意を頼み、体を休めた。
「ルシェル様」
「どうした、ラグナル? こんな時間に」
夜遅く、いつものように勉強していたとき、珍しくラグナルが部屋を訪ねてきた。
「ヴァルティエ様がお呼びです」
「父上が?」
「はい、すぐに来るようにとのことです」
「……わかった」
席を立ちながら、胸の奥に嫌な予感がよぎった。
今まで俺にまったく興味を示さなかった父が、突然呼びつけてくるなんて、いい予感がするはずがなかった。
逆に、副会長セドリックに勝ったことで、少し近寄りがたい存在になった。
まあ、俺的にはそれでよかった気がする。
おかげで、今は普通に学園生活を送れている。
もちろん、正体のわからない闇魔法使いの存在には気をつけながら、だ。
そして今日は、学園の2週間の休みに入る日。
俺は久しぶりに実家へ帰ることにした。
「久しぶりの帰省になりますね、ルシェル様」
「そうだな、ラグナル……みんな元気にしているだろうか……」
馬車の窓の外を眺めながら、子どもの頃のことを思い出す。
まだ前世の記憶を思い出す前、俺は父「ヴァルティエ」に見放され、できのいい弟「ルファン」に馬鹿にされる毎日を送っていた。
そう、俺は“できの悪い兄”だった。
頭の良さも、武術の腕も、すべて弟のほうが上。
唯一の味方は、病に伏せていた母「ルージュ」だけだった。
そんな日々が、突然百八十度変わるとは思わなかった。
きっかけは、ルファンとの稽古の最中、頬を思いきり殴られた拍子に、前世の記憶を思い出したのだ。
その夜、自分の部屋のベッドに寝転びながら、複雑な気持ちだった。
よりによって、あの“闇堕ちモブのルシェル”になっていたなんて。
俺はため息をつきながら、冷静にゲームの内容を思い出し、どうすれば悲惨な運命を避けられるかを考えた。
その結果、とりあえず“闇魔法を好む妖精や精霊”に気に入られないようにしようと決めた。
だから最初は、父と弟に過剰に反応しないようにした。
嫌味を言われても、全部スルースキルで受け流した。
その代わり、いつかこの家を出るために、勉強と実践を兼ねて――
12歳の時、冒険ギルドに登録した。
もちろん、父には許可をもらっている。
と言っても、俺に興味がなかったから、すんなり許可が下りただけなんだが。
最初は薬草採取や、Fランクモンスター「ロッグライナー」や「ツリーシャッド」の討伐を受けて、戦闘技術を磨いていった。
同時に、冒険者たちとの交流も重ねていった。
その頃、同い年でまだ執事見習いだったラグナルと一緒に行動していた。
もちろん、貴族という身分は隠していた。
父が治める土地の人々が不自由なく暮らす姿を見て、初めて父がどれだけ民のことを考えているかを知った。
まあ、いずれは弟がこの地を継ぐだろうから、俺には関係ない話だ。
俺はただ、外の世界で生きるための知識を身につけようと必死だった。
そんな地道な努力を15歳まで続けていた。
「なんという臭さだ……鼻がもげる」
鼻を押さえ、嫌味ったらしく言う弟。
今回はDランクの依頼帰りで、蜘蛛系モンスターの討伐のあとだった。
返り血を浴びたせいで、俺もラグナルも防具から強烈な臭いを放っていた。
もちろん、弟の言葉はスルーして、自分の直属のメイドに湯殿の用意を頼み、体を休めた。
「ルシェル様」
「どうした、ラグナル? こんな時間に」
夜遅く、いつものように勉強していたとき、珍しくラグナルが部屋を訪ねてきた。
「ヴァルティエ様がお呼びです」
「父上が?」
「はい、すぐに来るようにとのことです」
「……わかった」
席を立ちながら、胸の奥に嫌な予感がよぎった。
今まで俺にまったく興味を示さなかった父が、突然呼びつけてくるなんて、いい予感がするはずがなかった。
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