【R18.BL】愛月撤灯

麦飯 太郎

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4.事故

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 拾った犬はやはりただの犬ではなく、妖である山犬の子供だった。
 しかし、この山には多くの動物が住んでいるけれど、妖の類は少なく、蓮が把握している限りでは近隣を含めても山犬はいないとのことだ。どこからか迷い込んだか、親とはぐれてしまったのだろう。
 顔立ちや毛並みから、子犬と判断していたけれど、大きさは立ち上がると大人の背丈と変わらないほど大きかった。湖で見た時はもう少し小さく思えたが、どうやら思い違いだったらしい。
 正直、これで子犬ならば成犬の山犬はどれほどの大きさになってしまうのだろうか……。きっと大人を乗せて走るくらいは軽くこなすほどの大きさになるのだろう。

「六花が喜びそうだよな……ハルトも……」

 暴れるように遊ぶ双子と一匹を眺め、疲れた声で呟きながら洗濯物を縁側で畳む。
 双子は山犬を【洸希】と名付け、可愛がっている。
 最初は蓮も山に帰すべきと思っていたようだが、双子が育ち神の役を果たすようになれば、使役する妖がいた方が良いと判断したようだ。
 蓮の下した決断に異論反論は無いけれど、仕事が増えるのは間違いない。
 そして、洸希が加わったことにより、木々を飛び渡り、湖に沈んだり、大岩を転がしてみたり……とにかく双子の遊び方が激しさを増していく。

「……疲れた……」

 起きている間、いや、寝ている間も気が張り詰めている気がする。つい先日は、双子が崖から落ちる夢を見てしまい飛び起き、それから寝付けなかった程だ。
 落ち着いて寝たい。
 そんな暫くは叶わぬ願いに思いを馳せて、ようやく畳み終えた洗濯物を抱えて立ち上がった瞬間、洸希にめがけて水の槍が飛んでいく様子が目端に映りこんだ。

「危ない!!」

 叫ぶと同時に身体が動き、その水の槍よりも早く洸希の顔に被さる。

「うっぐぁぁ!!」
「ふーちゃん!!」
「風花さん!!」

 双子が血相を変えて飛んできた。
 肩が痛い。ズキズキと抉られるような痛みが絶え間なく続いているが、とりあえず洸希から離れその無事を確認する。

「良かった、怪我、ないな」

 クゥーンと悲しそうな声で鳴いた洸希が、痛めていない側に回り込み支えてくれた。

「ふーちゃん、ふーちゃん!! ごめん!! オレが……」
「違います! 私が暁と競ったから!! 風花さん、ごめんなさい!!」

 泣きながら謝ってきたが、怒る気力もなく小声で大丈夫だと呟いた。

「オレ、蓮様を呼んでくる!!」

 悪かったのは俺の方だと伝えたかったが、今はそれすらできず、痛みをただ我慢した。

(最近、水を操れるようになったから……それで揺れる木の葉で的当てくらいならと甘く見たのは俺の落ち度だ)

 大きくなったとはいえ、まだ産まれて数ヶ月の子供だ。洸希がふらりと動いて的の前に行ってしまうなんて考えもしなかったのだろう。当たり前だ。
 それを注意するのは世話役の自身の役目だったのに。疲れを理由に頭が働かなかったなんて、言い訳も甚だしい。

(とりあえず洸希が無事で良かった)

 目を閉じていると、痛みが薄れていく。多分、寝てしまうのだろう。こんな状況でも眠くなるのかと不思議に思いつつ、柔らかく暖かい洸希の毛に包まれて意識を手放した。


 翌日、自室で目を覚ますと恭吾が布団の横で座ったまま寝ていた。驚いて起き上がろうとしたけれど、痛みが走って布団に倒れ込んだ。

「ッっぐ!!」
「!? 風花、起きたか? 無理に起きるな。槍が肩を貫通してたんだ」
「大和、と、暁は?」

 吸い飲みから水を口に入れてくれた恭吾は、少し間を置いて優しく微笑む。

「あの子達は天狗の里に行ったよ」
「え!?」
「風花の傷が酷くて、天狗の妙薬を頼んだんだ。急ぎだったから天花は用事で来れなかったが、華月とねね坊が来てな。風花は休むべきだってことで、双子を預かってくれることになったんだ。洸希も一緒に行ったよ」
「……申し訳ありません」
「え!? なんで謝るんだ!? こっちこそ、風花に頼りきりで悪かった。三日は絶対安静、薬をちゃんと塗って飲めば一週間後には回復するらしい。さすが天狗の妙薬だよな。その後に大和と暁が帰ってくる予定だ。今は屋敷に蓮と俺と風花だけだから、頼りないかもしれないけど……なんでも言ってくれよ?」
「……はい」

 蓮と恭吾を独り占めできる。家事をしなくても良い。いくらでも寝てて良い……。恵まれているはずなのに、心苦しさしか感じられず、動けない布団の中でもどかしさだけが募っていったのだった。


 風花を看病したいと申し出たけれど、駄目だと蓮に一蹴されてしまった。普段の柔和な蓮からは想像出来ないくらいの強い口調にそれ以上は何も言えなくなり、更に項垂れている間もなく、やってきた天狗の里の長の華月とその補佐役である寧月により、あっという間に天狗の里に連れてこられてしまった。
 山を発つ際に暁が留まりたいと叫ぶと、恭吾が「風花のためだ」と冷たい声で言い放ったので、それ以上は何も言えず、ただ黙ってここまで来た。

「大和様、暁様。この天狗の里での世話は私、寧月が致します」

 客間に通され大人しく座るこちらを見て、寧月は困ったように微笑んだ。そしてすぐに顔を引締め言葉を続ける。

「これからお二人を受け入れる上で、いくつかお話がございます。一つ目は、お二人を客人ではなく修行に来た者として受け入れます。その為、今後は敬称を付けず大和、暁とお呼びします」
「「はい」」
「それに伴い、同じく修練をする天狗は友人として接して構いませんが、年長の天狗は敬意を持って接して下さい。二つ目。お生まれになってからまだ数ヶ月ではありますが、お二人は妖ではなく神です。その為、見た目は幼い天狗と同様ですが、修行は全て成人直前の天狗と共にして頂きます」
「え? オレ達、修行とかしたことない……です」

 産まれてこの方、風花と六花とハルト、そして洸希としか遊んだことがない。蓮や恭吾は親みたいな存在で、修行どころか他人と関わることも初めてだ。

「存じ上げております。しかし、お二人には必要です。実際に風花さんは大怪我をなさいました。力の制御は一番初めに学ぶべきでしょう。……大丈夫です。修練の講義は持ち回りですが、座学は私が担当します。お仲間には蓮様のご子息、銀花様と天花様のご子息、紅月様もいらっしゃいます。すぐに仲良くなれるはずですよ」


 ゆっくりさせて貰えるとは思っていなかった。しかし、想像以上に大変そうだと暁と目を合わせ頷きあったのだった。
 そしてその想像は的中し、初日から厳しい講義……の前に、姿勢や言葉遣いの基本的なことをを散々指摘された。

「マジで無理……言葉が直らない」

 夕食時、多くの天狗と食卓を囲むこの時間は私語が少しは許されるらしく、どこの卓も賑やかに笑い声が響いている。

「暁、最初だけだって。俺も最初は無理だったもん」

 山盛りのご飯を食べながら、天花の子供である紅月が暁を励ましてくれた。
 突然の修練者にまだ他の天狗は様子見だけれど、紅月と蓮の息子である銀花が共に居てくれたので、すぐに馴染むことが出来た。

「滞在は一週間程なんですよね?」
「そうです。風花さんの怪我が治れば帰ります。正直、産まれた湖から離れると力の流れが普段と違うのを感じます」
「へぇ! 妖は場所にはあまり固執しないからなぁ。好きな場所とかはあるけど」
「あぁ、オレ達は産まれたのが」
「暁」

 こちらの声にビクリとした暁は箸を止めてため息を吐いた。

「悪い」
「いえ」

 産まれた理由はもちろん蓮が欲したからだけれど、ただ欲しただけで神は産まれない。誰かの強い願いや想いが無ければ、それは形を成さないのだ。

「……まぁ、食べようぜ。夜は寝る前にも講義があるんだ。瞑想みたいなもんだから、凄い眠いけど今日は父上が来る日だから気合い入れないと一晩中木に吊るされるぞ」
「え、木に?」

 思わず驚きの声をあげると、紅月はなんでもないと言うとように味噌汁を飲む。

「そ。ほら、叔父上がさ、あ、叔父上って天狗の里の前の長、悠月様な。叔父上は父上より妖力はずっと少ないけど、立派な天狗なんだよ。だから、父上も妖力の多い少ないよりもその天狗個人を大切にするんだ。それで、妖術の修練も大事だけど、座学と瞑想とかの時間に怠けるのが一番厳しい罰があるわけ」

 妖界の頂点に君臨する天狗は、間違いなく妖力絶対主義だと思っていた。それは華月という長を初めて見た時の溢れ出る妖力の高さから判断していたが、どうやら違うらしい。
 それは同時に、自身も暁も苦手な一点に集中する時間が重要視されているということだ。

(これは……暁が暴れなければ良いけど)

 そんなことを思って双子の片割れを見ると、同じことを思っていたらしく心配そうな暁がこちらを見ていた。

「どうにか乗り越えましょう……」
「あぁ。どうにか、な」


 最初の三日間、実技修練は基礎的な術の操り方を。四日目からは力の底上げをするために滝に打たれたり応用術の修得を試みる。遊びの延長のようで、これらは楽しく過ごすことができた。
 問題の座学は人間世界の話から神や鬼、他にも様々な話を聞かされた。永遠と続くような話に何度もうたた寝をしそうになりつつ、どうにか耐えていたその中で、気付いたことがある。それは銀花の素晴らしい努力だ。
 四季神である蓮の子ではあるが、今はまだ大した神力は無い。出来ることといえば自分たちと同じく水を操るくらいだけれど、それをいかに高めるかを座学で研究しているというのだ。
 時間があれば引退した天狗の部屋を訪れ、古書を借りて重要な部分は写書きを続けているらしく、それは既に二十冊を軽く超えているとのことだ。
 そういうことが好きなのかと問えば、好きとか嫌いではなく必要だからと言われ衝撃を受けた。
 好きなことだけを続けるだけでは意味が無い。必要なことを見極め、続け、己の力にしなければ。
 休憩時間に縁側で暁、紅月と茶を飲みつつボンヤリとそんなことを考えている時に、天花が近付いてくる姿が見えて立ち上がり頭を下げる。

「こんにちは、天花様」
「こんにちは。大和、暁、それに紅月」

 普段は大和さんと誰にでも丁寧に声を掛ける天花だけれど、修練やそれに準ずる時間は威厳を持たせるためなのか敬称を付けない。それでも口調の柔らかさや優しさは隠しきれていないのだけれど。

「休憩ですか?」
「ええ、母上はどちらへ?」
「悠月様へ資料をお渡ししに行くんですよ」
「叔父上か。あ、さっき銀花が叔父上に書物を借りたいって行ったから、ここにいるって伝えてくれますか?」
「ええ、構いませんよ。……どうしました? 大和」

 じっと見ていたのがバレてしまったようで、思わずビクリと肩を震わせる。ちらりと暁に視線をやると、どうやら同じことを考えているようで、顎をクイと動かすのが見えた。

「? 大和??」

 紅月が首を傾げている横で少し俯いて唾を飲み込み、意を決して顔を上げる。

「あの、風花さんは怒っていると思いますか?」
「え?」
「私達双子は、産まれてから半年ほどですが、決して良い子ではありませんでした」
「そのようですね」

 自分で口にしたのだけれど、こうもあっさりしっかり肯定されると胸が苦しくなる。それは暁も同じのようで、グッと唇を噛むのが見えた。

「興味のあるままに遊び、……暴れたり危険なこともしました。風花さんを困らせ、心配させました。その上、怪我まで……」

 怒っているに違いない。しかし、怒っていたとしても風花はその立場から双子の神を見捨てることも、怒鳴ったり叱ったりすることは出来ない。となると、風花の本心は奥底に隠されてしまうのだろうか。
 この天狗の里に来てから、暁と何度も話したけれど答えが分からないまま、毎度話はしまいになっていたのだ。

「……そうですね。……風花は怒っていません」
「え? いや、それはないだろ……です」

 暁が驚いた声を上げる。同じように、こちらも驚いた顔をしていたのだろう。天花はふと優しく微笑んだ。

「風花は怒ってないでしょう。しかし、困惑はしていると思います」
「困惑……」
「まず、お二人は風花の愛情を欲して、その欲し方を間違えたのです。心配させることで、一時はあなた方に目がいくでしょう。しかしそれは本当に求めているものですか?」

 ぐうの音も出ず、臍を噛むように苦しい表情を浮かべてしまう。多分今、自身と暁は鏡に映したように同じ表情をしているのだろう。

「風花を想うのであれば、成長なさい」
「……はい」
「分かりました」

 項垂れていると、天花は頭をそっと撫でてくれた。

「大丈夫。風花は怒っても嫌ってもいませんよ」
「そうでしょうか?」
「ふふ、もちろん。それに、手間がかかるといったら、幼い頃の六花の方が酷かったと思いますよ。六花は共に育ったので加減や何が危ないのか、風花も分かっていましたが……。お二人のことは分からないことが多いのでしょう。風花も不安なのだと思います」

 天花は最後に「まずは自分たちのことを理解して、成長することに専念しなさい」と言って去っていった。
 その夜、暁ともう二度と風花を傷付けないと誓いを立てた。


 その後、風花の完治の知らせが入った。怪我から一週間。天狗の妙薬はかなりの効果らしく、今まで通りに家事をこなしている。
 天狗の里で更に大きく成長した洸希を連れて帰ることはできず、別れを惜しみながらも天狗の里に別れを告げ屋敷に戻り、改めて風花に頭を下げたけ。けれど、風花は謝罪は自分ではなく蓮と恭吾にするように逆に怒られてしまった。
 改めて、風花の優しさが心に染み、その後は天狗の里で学んだ妖術の修練を真似て練習を重ねていった。
 風花に迷惑をかけることも少なくなり、蓮は何か出来ることが増える度に盛大に褒めてくれた。それが嬉しくて、もっともっとと欲が出るが、日々の積み重ねが大事だと学んだことを忘れずに、着実に力をつけてきた。
 そうして、それに呼応するように身体は十歳くらいにまで成長し、……風花に対して求めていた愛情に変化が出てきたのだった。
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