35 / 89
番外編 大好きな椿ちゃんと湖一周の旅
しおりを挟む
「良い場所が見つかって良かったわぁ~~♡♡♡」
椿ちゃんの母親であり、ストーンショップの店長でもある百合子さんが、新しいテナントを見て喜んでいた。
本家から車で5分程の場所にある古いお屋敷町は、数年前から徐々に商業施設へと変わっているそうだ。一階のカフェのオーナーから「空いている二階を使わないか?」と提案され、見学に行った時に親子で一目惚れしたとの事だ。
付き合ったばかりの頃、どうしても椿ちゃんと離れたくなくて家まで押し掛けた事があったけど、その時に百合子さんに案内して貰った小さなストーンショップを思い出した。扉が開いた瞬間「帰ってきた!」という感覚が真っ先に来て、あまりにも優しく包み込んでくれるその空間を見た瞬間に、恥ずかしげもなく号泣してしまったのを覚えている。百合子さんには苦笑いされるし、椿ちゃんや梓ちゃんには呆れた目で見られたけど、僕はとても満たされて幸せだった。
「う~~~ん……」
椿ちゃんは今、テーブルに並べた石の前で、腕を組んで考え込んでいる。石と対話をしているこの時間だけは絶対に邪魔をするなときつく言い付けられているから、どんなに寂しくても良い子で待っていなければならない。
やがて目を開くと、石を並び替えて5列の横並びを作った。その後は物凄いスピードでワイヤーを通していき、あっという間に5つのブレスレットが出来上がった。
「ヨシ!出来た!!」
オーナー作のブレスレットは、即完売の人気商品だ。撮影してサイトにアップしたブレスレットは、瞬く間にSOLDOUTになった。
「すごいな……」
「出会うべくして出会う人の元に届けられる。それだけだ」
椿ちゃんは僕のことを優秀だと言うけど、こんなこととても真似出来ない。そう言うと、椿ちゃんはケラケラ笑った。
「その気になればいくらでも出来るさ!なにしろお前は元化け猫だからなw 」
「化け猫って……酷いなぁ……」
「長年修行して、人間に化けれるようになったお猫様だぞ?本来ならもっと徳が高い存在なんだがな……」
どうやら僕は、本来なら猫又としてもっと長く生きれたらしい。それでも椿ちゃんと出会うために生き直す選択をしたのだと、少し前に紬さんが話してくれた。
「その気になれば、私よりももっと万物の声を聞けるはずだ」
「……別に聞こえなくても良いもん……」
「そうも言っていられないぞ?シロウはこれから沢山の神様にご挨拶していかなきゃだしな!」
新しい事業を本格的に始めるには、まずその土地の神様にご挨拶をするのがマナーだと一族の術師は口を揃えて言う。
「そのうち思い知るだろw 」
僕の髪を梳きながら優しく笑う椿ちゃんに、胸と股間がキューーン♡となった♡♡♡
「さて、明日からビ◯イチだ!!」
「楽しみだね♡♡♡」
「お前は留守番だが??」
「何でだよっっ!!?僕も連れてってよ!!」
「……たまには一人になりてぇなぁ~~……」
「してあげないッッ!!!」
椿ちゃんの腕にきつく抱き付いたら、ため息をついた椿ちゃんにヘッドロックをかけられた。こういう触れ合いは大好きだけど、もっと手加減して欲しい……
翌日、椿ちゃんの車に乗って国内一の湖に向かった。彼女の運転でお出かけという一大イベントに浮かれている間に、海沿いの高速道路を抜けて、湖の最北端に着いた。
「海みたいだね~~♡♡♡」
「景色最高だな!!♡♡♡」
湖が見える場所に建つ、古民家を改装した蕎麦屋でランチをして、ガラス製品で有名な観光地に向かった。
「僕の名前はヤ◯ボ~~ッッ♪」
「………」
「そこは『僕の名前は◯~~ボ~~ッッ♪』だろ!?」
「ぶっ!あははははw 何それ知らないもん!!」
「お前、こんなにも有名な企業を知らんのか!?」
「企業は知ってるけど、歌は知らないw 」
「じゃあ後でミュージアムに連れてってやる♡」
突然歌い出したり、小学生男子みたいにはしゃいだり、椿ちゃんの隣にいると楽し過ぎて飽きが来ない。人生で今が一番笑っているなぁ、と思いながらガラスの街に向かって歩いた。
「夏休みの旅行思い出すね~~♡♡♡」
黒く塗りつぶされた壁の建物の中に並ぶ見事なガラス製品は、夏に旅行した港町を彷彿とさせるものだった。
「おおっ!?ガラスペンがこんなにも!!♡♡♡ 夏に買いそびれてたんだよな~~♡♡♡」
「椿ちゃん、絵でも描くの?」
「ああ、七海の前では言えなかったけど、嗜み程度に描くんだ。ストーンショップに飾ってあった絵も私が描いたものだ」
「へぇ~~!!」
どおりで絵を見ているだけでも癒されるわけだ。多趣味で多才な椿ちゃんに感心している間に、紫色のガラスペンを購入していた。
「車で来ていると気兼ねなく割れ物も買えるからいいな~~♡♡♡」
「あ、じゃあ何かお揃いの物を買おうよ♡♡♡」
北の街でお揃いのグラスを買っていた佐久間夫妻を内心羨んでいた僕は、館内を真剣に見て回った。
「この徳利可愛くないか?♡♡♡」
「……使えないでしょ……?」
「……使えばええがな……」
「ダメッ!!」
「ケチ~~……」
油断しているとすぐこれだ……。しかも件のご実家で暮らしていると入れ替わり立ち替わり訪れる親戚の男性が呑ませるもんだから、結構な頻度で嗜んでいる。椿ちゃんには老若全ての男と関わって欲しくないけど、それを言ったら捨てられそうだからガマンしてる……。
取り敢えず他も見て回ろうということになり、商店街を歩いた。
途中フィギュアの展示館を見たり、博物館を見たりした。なんでもこの辺りでは、山車に乗った子供が歌舞伎を上演する祭りがあるそうだ。
「子供や若い世代が祭りで地域を盛り上げる文化って、やっぱり良いよな♡♡♡」
先日みんなで盛り上がった祭りの構想を思い出して、暖かい気持ちになった。
「まぁ割と街コン的な役割もあるのかもなw 」
「今は出会いが少ないから……」
祭りで少子化を食い止める事が出来たら、それこそ理想の社会だ。
商店街を抜け、大きな寺院にお参りをしたり、細い路地を通って万華鏡を見たりした。
「鯖そうめんを食べよう♡♡♡」
ご当地牛の肉まんを頬張りながらそう言う椿ちゃん。相変わらず、一期一会の出会いに全力である。
「うっま!!」
「美味しい~~♡♡♡」
鯖そうめんと鯖寿司を分け合って食べたのだけど、どちらも想像を超える美味しさだった♡♡♡ 甘辛く味付けされたほろほろの鯖と硬めのそうめんが相性良すぎる♡♡♡ 椿ちゃんと向かい合って、お互い美味しい美味しいと言いながら食べる喜びに浮き足だってしまう♡♡♡ こうしていると、楽しいと美味しいは生きるための活力になるとつくづく実感するのだ♡♡♡
「こっちのティーカップで良いじゃん!!」
「いいや!実用性が低い。こっちの徳利とお猪口を押すね!!」
「そっちこそ実用性が無いはずなんだよ!?」
お揃いの物が欲しかっただけなのに、ティーカップと徳利どちらを買うかで揉めている僕たち……。
「両方買ったらええがな……」
そばに居たおじさんの呟きで、両方買うことになった。
「rainy dayはここにもあるのかな~~?♡♡♡」
「……勘弁してくれ……」
椿ちゃんが書いて、不本意な形で世に出た曲のオルゴールを北の街で買った。僕にとっては素敵な思い出だけど、椿ちゃんにとっては顔を真っ赤にするほど恥ずかしい物らしい。クリエイティブな才能が無い僕には分からない感覚だ。
車に戻り、予告通りミュージアムに連れて行ってくれた。
「これが噂の……」
「ボーって坊のボーだったのか……」
「ブッ……アハハハw 」
二人の男の子のアニメーションが流れた後、扉が開いた。
家族連れが殆どで、沢山のアトラクションに小さな子供が夢中になって遊んでいる。
「いつか子供が出来たら、また来ようよ♡♡♡」
「あはは……そうね……」
「そのためにも……早く決心してね……♡♡♡」
「……サイズダウンしてくんない……?」
僕のが大き過ぎるという理由で、最後の一線をなかなか越えさせてくれない椿ちゃん。どうやら相当なトラウマがあるようだ。無理強いはしたくないけど、せっかくそういう権利を得たのだから、本音を言えば今すぐにでもシたい。だって椿ちゃんのカラダ……♡♡♡
「おい、何ボーッとしてんだ?お土産見に行こうぜ」
不埒な妄想をしていたら、不審な目をされてしまった……。展示されているトラクターやクルーザーなどを見学して、再び湖沿いの道を走った。
車内に流れる軽快な音楽に合わせて歌う。これまで歌うということを殆どしなかったけど、歌ってみると爽快感がすごい♡♡♡
上機嫌で走っていたら、車は本日の宿泊先に到着した。グランピングエリアとホテル棟に分かれている宿は、口コミの評価が非常に高いお宿だ。最上階直通のエレベーターに乗り、ラウンジでウエルカムドリンクとスイーツをいただきながらチェックインした。
「景色すっご!!」
「本当に海に来たのかと思っちゃうよね~~♡♡♡」
ほんのり雪が被った対岸の山々が、かろうじてここが湖であることを思い出させてくれる。
案内されたのは普通のツインルームだったけど、ここからも湖がよく見えた。
「相川上級国民様には物足りないお部屋かと存じますがw 」
「そんなこと思ってないよ!!?」
「ははw まあここは大浴場が素晴らしいそうだから♡♡♡」
正直一緒にお風呂に入れないのは残念だけど、一緒に寝れるのだから文句は無い♡♡♡ 早速大浴場へ向かい、深湯のインフィニティ風呂に浸かった。雄大な湖を眺めながらのんびりした時間を過ごすことが出来た♡♡♡
「勝負しようぜ☆」
「僕に勝てると思ってるの?」
敷地内にあるバスケのコートで、得意げに勝負を持ちかける椿ちゃん。僕がバスケ部のキャプテンだったこと、忘れてるのかな?
「じゃあワンオンワンで先に5点先取した方のお願いを何でも聞く、だったら受けても良いよ?」
「おうやったろーやないかい!!」
負けず嫌いなのか何なのか……こうして椿ちゃんとのワンオンワンが始まった。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ……クッソぉぉ~~……行けると思ったのにぃぃ~~!!」
「ハァッ…ハァッ…ハァッ……なんで行けると思ったんだよ!?」
そう言ってはみたものの、勝負にもならないと思って舐めてかかっていたのに実際はまさかの大苦戦だった。女の子相手に本気を出さざるを得なかった事実に凹んでいると、椿ちゃんは徐に立ち上がった。
「はぁ…はぁ…約束は約束だ……さあ願いを言え。どんな願いでもひとつだけ叶えてやろう」
「◯龍かよ……じゃあ今夜させて!!」
「……言うと思った……」
椿ちゃんの目が泳いだ後、僕に背を向けて言った。
「メシ食ったらドラスト行くぞ……」
「もしかしてゴムのこと?ちゃんと持ってるから大丈夫♡♡♡」
「……あっそ……」
こうして初体験への期待に胸を膨らませまくった僕は、浮かれた足取りで夕食会場に向かった♡♡♡
「運転お疲れ様~~♡♡♡」
「「弥栄~~♡♡♡」」
乾杯のことを弥栄と言う椿ちゃんたちに倣って、僕もいつの間にかそう言うようになった。滋味豊かな懐石料理に舌鼓を打ち、今夜の期待に胸を躍らせる♡♡♡
「肉うっま♡♡♡」
「蕩けるね~~♡♡♡」
食事を終え、デザートを食べている時に、椿ちゃんがポツリと呟いた。
「……どうしても怖かったら、ストップかけても良い……?」
「良いよ……無理させたいわけじゃないもん……ただ、もっと近付きたかったんだ……」
「不甲斐ない彼女で申し訳ない……」
「謝らないでよ!!……絶対椿ちゃんが嫌なことはしないからね?」
涙目でコクンと頷く椿ちゃんを見ていたら、なんだか堪らまくなった。椿ちゃんにこんな思いをさせたのはどこのどいつだと憤りつつ、食事を終えて部屋に戻った。
「あんまり見るなよ……♡」
肌を重ねる度に恥じらう椿ちゃんが堪らなく可愛い♡♡♡ 女の顔を見られたくないと頻繁に顔を隠す椿ちゃんの腕を解き、丁寧に愛撫していく♡♡♡
そろそろ頃合いかとゴムを着けると、解けたはずの身体が一瞬で硬直した。それでも亀頭を膣口に合わせると、今度は涙目になっていた。
「ストップって言ったらストップだぞ!?」
「分かってるってw 」
「マジで……マジで……あ゛ーー~~なんか痛いような気がする!!痛いかもしれん!!」
「ちょっとw 今はどう?大丈夫??♡♡♡ もうすぐ先っぽ全部入るからね♡♡♡」
亀頭が蕩けるような快感に包まれ、早く早くと身体が急かしてくるけど、我慢だ……。
ゆっくり……ゆっくりと自分に言い聞かせながら亀の歩みで進めている間、椿ちゃんはずっと喚いていたw
「あ゛ーーー無理かも!!やっぱり痛いような気がする!!あ゛あ゛あ゛あ゛ちょっとこれ以上はアカーーーン!!!」
「うるっさいw ……ここまでは大丈夫?」
「多分……」
時間をかけて半分ほど埋め込んだ時には、冬だと言うのにお互い汗だくだった。椿ちゃんの場合は冷や汗も混じってそうだけど。
騙すように、誤魔化すように、射精感に耐えながらゆっくりゆっくりと押し進んでいく。
「あ゛あ゛あ゛ちょっと!?アカンって!!アカンってぇぇーー~~!!!」
「行ける行ける!!もうすぐ、あとちょっと♡♡♡ ……あああぁぁ~~入ったあぁぁーー~~!!♡♡♡♡」
「え……??マジで??」
結合部をまじまじと見下ろす椿ちゃんを見ていたら、感極まってしまった……♡♡♡
「ん??アレ……??」
「ごめん……出ちゃった……♡♡♡♡」
「えぇぇ???」
何とも間抜けな初体験だ……♡♡♡
引き攣るように笑い出した椿ちゃんの振動が射精直後の竿に伝わって、何とも言えない苦悶に悶えたのだった♡♡♡
「いやぁ~~……人間ヤれば出来るもんだな~~♡♡♡」
「どんな感想だよッッ!?もう一回させて!!♡♡♡」
「願いは叶えてやった……ではさらばだ……」
「何でだよぉぉーー~~ッッ!!!」
「続きは明日な♡♡♡」
「椿ちゃあぁぁ~~ん♡♡♡」
一度受け入れて余裕が出来たのか、椿ちゃんは笑顔を浮かべて明日の約束をしてくれた♡♡♡
「それよりうどん食いに行こうぜ♡♡♡」
冷や汗をかきながら運動をした僕たちは、いつの間にか小腹が空いていた。ちょうど夜食サービスの時間だった為、ロビーに降りてうどんを食べた。
「はぁ~~……お出汁が美味い♡♡♡」
うどんを食べた後、もう一度温泉に入って温まり、寄り添ってぐっすり眠った♡♡♡
「夜のうちに結構降ったんだな~~……」
ベランダに出ている椿ちゃんの声が聞こえて目が覚めた。窓の外を見ると、うっすら雪景色だった。
「今日の運転大丈夫?」
「今日は南に下がって行くから大丈夫だろ」
どうやらこの辺りは特別雪が多い地域らしい。
朝食ビュッフェでヘルシーな料理を楽しんだ後、ホテルからも見えていたお城に向かった。
長い階段を登り、さらにお城の階段も登った先には、街の景色が広がった。
「ここまで来たんだなぁ~~……」
「うん。念願の場所に来れた♡♡♡」
椿ちゃんは旅行のことを言ってるのだろうけど、僕は中学の頃からの出来事を思い出していた。手を振り払われて絶縁された中学時代。隠れられて再会出来なかった高2の旅行先。事業を後押しされたことや、椿ちゃんの行くところに着いて回った日々……色々なことを乗り越えて、やっと結ばれることが出来た♡♡♡
「なにニヤニヤしてんだ??」
「幸せを噛み締めてるの♡♡♡」
不思議そうな顔をする椿ちゃんの手を取り、階段を降りて下に出ると、ちょうどご当地キャラがいた。記念撮影をして石段を下り、城下町に向かった。
城下町が商業施設になっていて、飲食店などが軒を連ねている。軽く食べ歩きをした後、椿ちゃんが予約をしたレストランに向かった。
「ここも眺めが良いね~~!!♡♡♡」
「因みに手前のお店が映えスポットで有名なカフェだ♡♡♡」
小高い丘の上にあるログハウス風のお店に着くと、眼下に湖が広がっていた。二階の個室で地元野菜を使ったコース料理をいただいたのだが、この無農薬肥料を使った野菜がとんでもなく美味しかった♡♡♡
「すっごい味が濃い!!♡♡♡」
「命の味って感じだよな♡♡♡」
前菜からデザートまで、身体が喜ぶ美味しさだった。
「椿ちゃんの手料理の次に美味しかった♡♡♡」
「オイ、シェフに対して失礼なことを言うなw 」
襲名式典の時に初めて食べた豆腐の衝撃が忘れられず、帰国して真っ先に手料理を強請った。出された食事はどれも泣けるくらい美味しくて、一生椿ちゃんの手料理を食べてやると改めて決意したものだ。
食後はテラスでまったりとしていた♡♡♡ ずっと神経をすり減らしながら生きてきた僕にとって、大好きな椿ちゃんと寄り添ってゆっくり出来る時間は、奇跡みたいに得難いものだ♡♡♡ 人生のご褒美を享受しながら、移ろい行く時間を楽しんだ。
「ママにバウムクーヘン頼まれてるんだ」
レストランの近くにあるという施設に行くと、メルヘンな外観の建物に迎えられた。中に入ると、バウムクーヘンの工場と洋菓子、和菓子の売り場があった。元々和菓子屋だったそうだ。緑豊かな敷地内を散策し、出来たてのバウムクーヘンをいただいた。
「うっっま!!♡♡♡」
「焼きたて最高!!♡♡♡」
ふんわり優しい甘さが口いっぱいに広がって、たかがバウムクーヘンだと舐めていたら、いい意味で裏切られた♡♡♡
施設内は田畑があり、長閑な風景が広がっている。持続可能な循環型の社会を目指して作られたそうだ。
「亜耶が来たら喜びそうだよな」
「そうだね♡ 土地開きのヒントになるかもしれないね」
奪い合う社会で登り詰めた相川家に、ずっと違和感を抱えて生きてきた。今の事業の話を父さんにした時も、内心刺される覚悟で打ち明けたけれど、父さんも貨幣経済の限界を感じていたそうだ。
「早くお祭りしたいなぁ……」
「春頃には出来るかもだぜ?」
そう言ってニヤッと笑う椿ちゃん。
「何か見えたの?」
「まぁな~~☆ でも何度も言うけど、未来ってのは不確定なものなんだ。良くも悪くもいくらでも変わるから、話半分でな」
椿ちゃんは思わせぶりなことを言った後、バウムクーヘンをまとめ買いして家に送っていた。
湖沿いの道路を走り、キャンプ場やリゾートマンションを過ぎ、大きな橋を通り過ぎて博物館に辿り着いた。
「ギャルのパンティお~~くれっっ!!」
「ブハッ!!w 気持ちは分かるけどw 」
どでかい龍に迎えられた椿ちゃんが真っ先に放ったセリフに噴き出しつつ、館内を見学した。
「超~~楽しかった♡♡♡」
「めっちゃ良かったな~~♡♡♡」
またしても舐めてかかっていた……。展示物あり、体験学習あり、水族館あり、昔の暮らしを再現した施設ありで、めちゃくちゃ楽しかった♡♡♡ 遊歩道を歩くと太古の森や昔の家屋など、見応えもあったし、湖が一望出来るデッキもあった。
「こうして歩いてると、デートしてる~~♡って感じするよね♡♡♡」
「デートしてんだろw 」
「僕にとっては火星に行くより現実味の無いことだったの!」
椿ちゃんは笑っているけど、本当に本当に、君が振り向いてくれたことは奇跡なんだよ?
「そろそろ宿に行くか~~……」
「ねぇ……昨日の約束、忘れてないよね……?♡♡♡」
「……ワスレテナイヨ?♡♡♡」
「なんでカタコトなんだよ……」
怖い笑顔で返事をされたけど、約束は約束だ♡♡♡ 今夜のお楽しみに期待をした僕は、ウッキウキで車に乗り込んだのだった♡♡♡
ーーーーーーー
流石、一年で一番日が短いシーズンだ。宿に着いた頃にはすっかり暗くなっていた。
歴史のある温泉地で、評判の良い温泉旅館。上級国民のおぼっちゃまにもご満足いただけるようにとリニューアルした客室露天風呂付き和洋室を予約した。
チェックイン後、ライトアップされたテラスや展示コーナーを見て回った。
「鞠がガラスの中に入ってる♡♡ 可愛いね♡♡♡」
「そうだな♡♡♡」
庭に続く道の途中で外に繋がる扉があった。後で散歩しようと約束して、部屋に移動した。リニューアルしたばかりの客室は広く綺麗だった。
「早速温泉に入ろうよ♡♡♡」
「そうだな……さて、大浴場に行くか!!」
「もぉーーーっっ!!!」
下心丸出しのシロウをバッサリ切って大浴場に向かった。足湯や湯上がりラウンジを通り抜け、奥の脱衣所前で別れた。
「あ゛~~……やっぱ我が国の温泉文化最高~~……♡♡♡」
あちらの食文化も生活様式も、まぁ贅沢言わなければ過ごせるのだが、帰国してみるとやっぱりこの国に生まれて本当に良かったと実感する。裏ではスパイ養成所として有名なあの大学に通う理由は、単純に彼らがどう洗脳するのか興味があったからだ。そんなこちらの思惑が筒抜けなのか、未だ洗脳される気配はないが、得難い仲間が出来たことは僥倖だ。おかげで国を出てみなければ分からなかったことも沢山知ることが出来た。
風呂から出ると、既にシロウが湯上がりラウンジで寛いでいた。シロウはオレンジジュースを注いで手渡してくれて、並んで座り、庭の景色を眺めた。
「明日はロープウェイに乗りたいな♡♡♡」
「良いね♡♡ 乗ろう♡♡」
明日の予定を立てながらまったり庭を眺めていたら、小指に何かが絡んできた。
「今夜……約束だからね……♡♡♡」
「……ウン……」
内心しつけーなw と思いつつ、空返事をしておいた。
「やっぱ肉が蕩ける~~♡♡♡」
「お刺身の盛り付けも綺麗だね~~♡♡♡」
昨日に引き続き、滋味豊かな郷土料理が泣ける程美味い♡♡♡ つくづく我が国の食文化最高だと感動しながら味わった♡♡♡
「さて、散歩に行こう!!」
「……まさかはぐらかしてないよね……?」
「はぁ?チェックインの時に約束してただろ?」
心外だというリアクションをして見せ、外に出た。
「せっかくだからムフフ♡なエリアを歩いてみないか?♡♡♡」
「絶対ダメッ!!危ない目に遭ったらどうするのさ……」
「つまらん男だな」
「ムフフなことは僕とだけしてれば良いのっっ!!!」
お隣のインバウンドじご……観光地の風俗産業を担っているのがこの温泉地らしい。観光地の光と闇を垣間見たような気分になりつつ、湖沿いの道を歩いた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛怖い!!やっぱり怖い!!あ゛あ゛あ゛これ以上はアカンってぇぇーーーーッッ!!」
「うるっさい!!昨日格納したんだから大丈夫だって!!」
人の膣を倉庫扱いしやがって。それでも迫り来るデカチンの恐怖に腰が逃げてしまう……七海はこれくらいのサイズの森川のモノを嬉々として受け入れてるんだよな……全くもって理解に苦しむが……。
亀頭が埋め込まれていく様子を怯えながら見ていると、歯軋りの音が聞こえてきた。
「……お互いリラックスしよう……」
「どの口が言ってんだよッッ!!?」
全くもって仰る通りです。不甲斐ない自分を責めつつ、なるべく患部?は見ないようにと目を逸らした。
「今のうちにブスッとやってくれ……」
「注射じゃないんだから!!」
現場を見ないという作戦が功を奏したのか、昨日よりだいぶ早い段階で受け入れることが出来た。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…♡ 全部入ったよ♡♡♡」
「あ゛ああぁぁ~~今なら行けそうな気がする!!今のうちに動いてくれ!!」
「言い方アァァァ!!」
ズチュ…ズチュ…ズチュ…
「あ……あ……あっ…♡ あっ…♡ あっ…♡ …気持ちいい…かも…♡♡♡」
「本当?♡♡♡ 痛くない……?♡♡♡」
「うん……あっ…♡ あぁん…♡ どうしよう本当に気持ちいいッッ♡♡♡」
「あ゛ああぁぁなんだよその可愛い声はあぁぁーー~~ッッ!!♡♡♡♡ ごめんもぉ無理イイィィィッッ!!♡♡♡♡♡」
何度か脈打った後、シロウのシロウは萎んでいった。
「もおおぉぉぉっっ!!……椿ちゃんが可愛過ぎてまた出ちゃったじゃん……♡♡♡」
「人のせいにすんなよw 」
こうして二日目の夜も、無事任務を遂行した♡♡♡
「もう一回!!!」
「ええ~~……?」
「何で嫌そうなの!?さっき気持ちいいって言ってくれたよね!?」
「最初のストレスがヤバい……」
「また目ぇ瞑ってればいいから!!」
必死に懇願するシロウに根負けして、もう一度最初からやり直す羽目になった。
「あっ…♡ あんっ♡ ヤバイヤバイ気持ちいい~~っっ!!♡♡♡ アンッ♡ ダメぇ気持ちいい~~ッッ♡♡♡」
「もおぉぉ~~ッッ!!♡♡♡ そんな声出すなよぉぉーー~~ッッ!!♡♡♡♡ あ゛あああぁぁぁもぉ無理無理無理ッッ!!♡♡♡♡ ごめぇーーんっっ!!♡♡♡♡♡」
謝りながら射精したシロウは、終わった後も結構本気で落ち込んでいた。
「ホント……ごめん……」
「いや、早い方が助かると言うか……」
「もおおぉぉッッ!!今度こそ絶対頑張るからもう一回!!」
「流石にもう止めようぜ……」
「椿ちゃんのバカァァーーーッッ!!」
人のことをバカ呼ばわりしやがったボンボンは、不貞腐れてそのまま寝てしまった。そんなお子様なシロウを可愛いと思いつつ、私もスヤスヤと眠ったのだった♡♡♡
「おはよう椿ちゃん♡♡♡」
一晩で機嫌が良くなったのか、朝風呂に入りながらにこやかに朝の挨拶をするシロウ。
「……大変残念なお知らせがございます……」
「一体なに!?」
「神宮に行かねばならなくなった……」
夢に出てきた神様に叱られてしまった私は、本日の予定が大幅にずれることを嘆いた。
「御神託でもあったの?」
「いや……ここまで来ておいて挨拶に来ないとは何事だーー!?みたいな?」
「そっかぁ……神様って言うか、面倒な上司みたいだね……あ!じゃあさ、もう一泊しない?」
「今から予約ったって……」
「大丈夫♡♡ 僕に任せて♡♡♡」
お前に任せると碌なことにならんだろうがという台詞を飲み込み、朝食会場へ向かった。
湖の幸が豊富なビュッフェで朝食をいただき、チェックアウトした後神宮に向かうために元来た道を逆走した。
「随分立派な神宮だね~~……」
シロウが神宮を見渡しながら感嘆の声をあげた。カルタで有名な映画のロケ地でもある神宮は、時の神様が祀られている。
柏手を打ち、短い祝詞を奏上した。
「それはどんな意味があるの?」
「神様は最高っス♪全ては神様のおかげっス♪ Yeah ♪ Yeah ♪ って感じの意味w 」
ノリで適当に答えたら、急にカラスに襲われた。
「だーーーッッ!!クソッ!!うっとおしい!!」
「あははは!叱られてるじゃんw 」
ガラスにつつかれた頭を整え、ザマアミロと聞こえた声をスルーして神宮を後にした。
「すごいッッ!!湖広いッッ!!♡♡♡」
「ふぉぉーーーッッ!!眺め良すぎィィーーーッッ!!♡♡♡」
ロープウェイに乗り、映え~~なテラスに出たら湖を一望出来る絶景が広がった♡♡♡ 恋人の聖地で記念撮影をするというバカップルみたいな行為をした後、あまりの寒さ故に屋内に走った。
「スキー場賑わってんな……」
「楽しそうだね……」
「やるか?♡♡♡」
「やろう♡♡♡」
急遽、私はスノーボードを、シロウはスキーをレンタルして、意気揚々とリフトに乗った♡♡♡
「ヒャッハァァーーーイ!!♡♡♡」
湖を一望しながら滑るの楽し過ぎる♡♡♡
雪質も悪くなく、気持ち良く滑ることが出来た♡♡♡
「ちょっと……飛ばし過ぎだよw 」
追いかけてきたシロウが文句を言っている。
「楽しくてついw 」
おどけてみせると、シロウは呆れたような顔で笑っていた。
時間を忘れて滑っていたら、だいぶ日が翳ってきた。レンタルの板とウェアを返却し、ロープウェイで降りて車に乗った。
湖沿いのハワイアンレストランで遅過ぎる昼食をとった。犬連れの客が多く、動物好きな私としては眼福な光景だった♡♡♡
「黒柴ですか?可愛いね~~♡♡♡」
「はい♪地元の方ですか?」
「いや、旅行者です。ワンちゃん撫でても良いですか?」
「どうぞ♪」
意外と人懐こい黒柴ちゃんを思う存分撫で回していると、シロウがあからさまにぶすくれていた。
レストランを出て、車に乗った後もブスッとしているシロウに恐る恐る声をかけると……
「犬ばっかり構わないでよッッ!!」
まさかの犬に嫉妬パターンだった……。
「うそぉん!犬だぜ!?」
「僕犬キライッ!!」
「……大◯凡人は……?」
「誰それ?知らないっ!」
亜耶が普段から犬と大◯凡人だけは無理と言っていたせいか、何となく犬苦手な人は大◯凡人も苦手なのかと思い込んでいた……。
「猫だから……?」
「関係無いよッッ!!だいたい飼い主さんにも愛想振り撒いちゃってさ!!さっきの人、恋人の僕が隣にいるのにデレデレしちゃって!!」
「何言ってんだお前は??」
犬と戯れたければまずは飼い主さんとコミュニケーション取るだろ普通……まあ拗ねたシロウの言い分は大抵理不尽だから今更だけど……。
「機嫌なおせよ、な?」
「……チューしてくれたら直す……」
こうなったらチューするまで拗ね倒すことを知っている私は、早々に諦めて雑なキスを何度かした。
「えへへ……♡♡ ありがとう椿ちゃん♡♡♡」
実はコイツ、キスしたかっただけなんじゃ……?と思いつつ、また機嫌が悪くなる前に車を走らせた。
日がだいぶ傾いて来たが、湖に鳥居が立つ神社へのご挨拶だけは無視できない。という話をシロウにしたら、首を傾げられた。
「どうして?」
「ここの神様はな、超厳しいんだよ……」
道開きの神として祀られる此方におはします神様は……と言うか、此方の神様が祀られる神社はとにかく厳しい。御霊を磨く為に敢えて苦労させる系の神様である。そんなわけで今度こそ真剣に祈り、祝詞を奏上した。
「あ、その道左折ね♡♡ で、真っ直ぐ道なりで」
この先はキャンプ場しか無さそうなんだが……そう言えば……
「はあ!?」
「ここ♡♡♡」
「……お前はよぉぉ~~……」
辿り着いたのは、去年オープンしたばかりの巨大な会員制リゾートホテルだった。
ゲートで相川と言うと、笑顔で通された。長い通路を暫く走り、駐車場に車を停めてエントランスを通った。扉が開いた時シャンデリアの柱に出迎えられて面食らい、ラウンジから見える巨大な水盤に面食らい、案内された部屋に面食らった。
「テメェ……」
「だって急だったから仕方ないんだよ!!ロイヤルスイートしか空いてなかったんだって!!てかこのホテルスイートしか無いし!!」
「こんな広い部屋どうすんだよ!!完全に持て余してんじゃねーか!!」
「椿ちゃんに喜んで欲しかっただけなのに、何で喜んでくれないの!?今日は付き合って初めてのクリスマスイブなんだよ!?」
シロウがそう叫んだ瞬間ハッとした。元々今日は帰る予定だったから、プレゼントは家に置きっぱなしだったのだ。
「……すまん……プレゼント、家に置いて来た……」
「そんなことどうでもいいよ!!今夜は彼氏として椿ちゃんに尽くしたかったの!!彼女に喜んで欲しかったの!!」
「ごめんな……シロウの気持ちは嬉しいよ♡♡♡」
「ホント……?」
「本当だけど……何でもかんでもやり過ぎなんだよオメーはよぉぉ~~!!」
「ごめんなさい~~!!でも今日は怒らないでよぉぉ~~!!」
いつまでも喧嘩しててもしょうがない……気持ちを落ち着けるためにも、取り敢えず温泉に入ることにした。
「温泉もめっちゃラグジュアリーだし……」
スパ銭かよ!?ってくらいバリエーション豊富な温泉やサウナがある大浴場でゆっくりした後、持て余す部屋に戻った。
イタリアンレストランの窓際の席に案内され、洗練されたお味のコース料理をいただいた。
「椿ちゃん……これ、プレゼント……♡♡♡」
差し出された箱は、明らかにアクセサリー類が入っていることが分かる大きさだった。
「ありがとう……開けていい?」
「どうぞ♡♡♡」
リボンを解き、ケースを開けると、出てきたのは特徴的なクロスモチーフのネックレスだった。ブラウンダイヤモンドをあしらったこの商品、私の記憶が正しければ30万くらいする。
「……わぁーー♡♡ ありがとう♡♡ 着けてくれる?♡♡♡」
私は開き直った。ここでキレたり問い詰めたりしたら先程の二の舞である。
「うんっ♡♡♡」
シロウは嬉しそうに席から立つと、ネックレスを着けてくれた。
「似合うかな?♡♡♡」
「すっっごく似合うよ♡♡♡」
見よ!演劇部で培った演技力を!!彼氏からのクリスマスプレゼントに喜ぶ彼女バージョンだ!!
「高かったでしょお??」
「大した金額じゃないよ♡♡♡」
このボンボンに一般的な金銭感覚を身に付けさせなければ……と使命感に燃えつつ、取り敢えず今は初めてのクリスマスということもあり、降って湧いたラグジュアリーな空間を開き直って楽しむことにしたのだった。
「気を使わせてごめんね……」
私の演技に気付いていたのか、部屋でゆっくりしている時に、そう言われた。
「椿ちゃんは忘れてるのかもしれないけど……僕はどうしてもこのホテルで椿ちゃんと幸せな時間を過ごしたかったんだ……」
ソファーに腰掛けてハーブティーを飲みながらそう呟いたシロウ。そう言えば某温泉地の会員制リゾートホテルでニアミスしたことがあったな……ここと同じ系列のホテルだったか。
「忘れてないよ……なにしろ滅多に出来ないスリリングな体験だったからなw 」
「ヒドイッ!!僕は椿ちゃんに一目でも会いたくて必死だったのにっっ!!」
「あはははw スマンスマンw 」
広いソファーの上で剥れて蹲るシロウの顎を撫でると、ゆっくり此方と向き合った。
「僕、お金を使った愛情表現しか知らないから……空回ってるのは分かってるんだけど……」
「言っただろ?気持ちが嬉しいんだって。金の使い方は追々教えてやる♡♡♡」
「椿ちゃんだぁいすき~~♡♡♡♡」
感極まったシロウに抱き付かれた。暫く好きにさせていたら、だんだんと手付きが怪しくなっていった。
「ねぇ……今夜も、良い……?♡♡♡」
「流石に三日連続はちょっと……」
「それでもクリスマスイブじゃんっっ!!」
クリスマスイブだから何だと言うんだ馬鹿野郎。だいたい観光もスキーもしてセックスまでしたいなんて、どんだけ体力有り余ってんだよ!?
「お願い椿ちゃん……♡♡♡」
「分かった……分かったって……」
お姉ちゃんな私は、シロウのお願い攻撃に弱い。結局根負けしてシロウの好きなようにさせたのだった。
「挿れるよ……♡♡♡」
「一思いにヤってくれ……」
未だに直視出来ないデカチンがズブズブと胎内に入っていく……。流石にこのデカチンが気持ち良いことを知ってしまった身体は、濡れたり熱ったりと、しっかりと準備してしまっている♡♡♡
「はぁっ…♡ あっ…♡ あ~~っ…♡ やっぱり気持ちいい~~ッッ♡♡♡」
一度収納してしまえば、シロウのデカチンはかなり気持ち良かった♡♡♡ あーーあw 本当はあんまり性的なことは得意じゃないんだけどな。
「ハァッ…♡ ハァッ…♡ もっと気持ち良くなってよッッ♡♡♡ 僕で沢山良くなってよぉぉ~~ッッ!!♡♡♡」
「アンッ♡ アンッ♡ 気持ちいいッッ!!♡♡♡ あ゛あぁぁあぁぁヤバイヤバイ……イきそう……♡♡♡」
耳元でそう囁くと、シロウの身体がビクンと震えた♡♡♡
「イッて……お願い僕でイッて!!♡♡♡ 僕も頑張るからぁぁ~~~ッッ♡♡♡」
抱え込まれて腰を揺すられたら、堪らない快感が駆け抜けていった♡♡♡
「あ゛あぁん♡ もぉダメかも……あ゛ッッ♡♡ あ゛ッッ♡♡ あ゛ああダメダメイクイクイクッッ!!♡♡♡♡ ……~~〰︎〰︎〰︎ッッ!!♡♡♡♡ ッッあ゛ああぁぁーーーッッ!!♡♡♡♡♡」
「あ゛ああぁぁもぉ僕もダメダメダメッッ!!♡♡♡♡ いぐぅぅッッ!!♡♡♡♡♡」
二人同時に痙攣して、きつく抱き合いながら絶頂した♡♡♡
「はぁ~~……♡ はぁ~~……♡ はぁ~~……♡ あ゛~~……ヤバかった……♡♡♡」
「すごい……僕たち……♡♡♡ ゔぇぇ~~……ゔわぁぁ~~……すごいよぉぉ~~……♡♡♡」
どんな時でも泣いてしまうらしいシロウの頭を撫でて、労いの気持ちを表した。
「ありがとな……♡♡♡ めっちゃ気持ち良かったよ♡♡♡」
「ぐすっ……ぐすっ……僕すっっごく幸せだよぉぉ~~~!!♡♡♡♡」
グズグズ泣きながら胸に埋もれるシロウの頭を撫でているうちに、お互い深い眠りについていた。
朝食は日本料理のレストランでいただいた。繊細な味付けに感心しながらいただき、せっかくだからと朝風呂に入ってからラグジュアリーなホテルを後にした。
ホテルを出て暫く走ったところに、観光船乗り場がある。この船に乗って、湖の中にある島に行くのだ。
「段差危ないよ♡♡♡」
先に船に乗ったシロウがキメ顔で手を差し出してくる。どうやら男としての自信がついたようで、さっきからちょいちょい頼れる彼氏面をしたがるのだ。
「ありがとう♡♡♡」
手を取って船に乗り、30分程のクルーズが始まった。
「ずっと見てても飽きない……不思議な湖だね……」
「太古の昔に出来た湖だからな……」
この湖の海底の地質と、某島の山頂の地質が同じだという話は有名だが、私から見ても、双方のエネルギーは相当強い。これだけ多くの神社仏閣が建っているのが、その証なのだと個人的に思う。
湖の中に浮かぶこの島には、弁財天が祀られていると言う。別名サラスヴァティ。皇祖神が時の天皇の夢枕に立ち、この地に弁財天を祀れば繁栄を約束すると告げたそうだ。
亜耶の考察や最近南と蓮が見たビジョンと絡めて考えると、このエピソードも納得である。つまり世界の王族は血で繋がっているのだ。
遠くの雪を被った山眺めていたら、船は島に辿り着いた。神社の方の階段を上がっていき、国宝にもなっている本殿で参拝した。
「あの鳥居を土器が潜れば願いが叶うんだって♡♡♡」
「ピッチャーの一人勝ちだな……」
何やら真剣にペンを走らせていたシロウは、出来上がった物を嬉しそうに見せてきた。そこには「椿ちゃんと一生一緒にいれますように♡♡♡」と、なんとも浮かれた可愛い願い事が書いてあった。
「そんなお願いなら私がいくらでも聞いてやるよw 」
「どうしよう……溶けそう♡♡♡」
ふにゃふにゃに溶けた顔をして可愛いことを言うシロウの横で、ペンを持ち暫く思案した。
「……ヨシ!!」
「…可愛げ無い……」
「大事な事だろ?」
土器に大きく「健康第一!」と書いた。楽しく、美味しく、元気良くがモットーの私としては、全ては体の健康あってこそだと考えるのだ。
シロウの半ば怨念とも言える念が籠った土器は、スルッと鳥居の中に吸い込まれていった。
「やっ…たああぁぁぁっっ!!♡♡♡♡」
「運動神経の賜物だろw 」
さて、私の運動神経はどうだろうか。私もシロウも、みんなが健康でありますようにと願いを込めて放った土器は、鳥居にぶつかる……と思ったら、ありえないカーブを描き、鳥居の中に吸い込まれていった……
その瞬間、生後一ヶ月くらいの子猫が雨の中彷徨っているビジョンが見えた。三毛柄の子猫が若い男に拾われ、スクスクと大きくなっていき、なかなかの美猫になった。
『言っとくけど、猫又の修行はかなり厳しいぜ?』
『構いません!どうしてもあの人と添い遂げたいの!』
やたらとデカイ猫又に諭された三毛猫はそれでも修行をすると言って聞かなかった。そして百年ほど修行をして、やっと戻って来た時には、男は既に天寿を全うしていた。……以前にも見たことのあるビジョンだ。その後が違った。
『よう、久しぶりだな!』
「誰だお前!?」
『ひっでぇw 一緒に旅した仲だってのに、忘れちまったのかい?寂しいねぇw 』
「あっ!?お前、クロか!?」
前前世で長い間一緒にいた黒猫。さすらいの絵描きだった頃、商売道具のついでにクロを背負って旅をしていたのだった。
『ようやく思い出したか。そいつは可愛い愛弟子なんだ。どうか末長く、大切に大切にしてやってくれ……』
「分かってるよ……」
『まあ、代わりと言っちゃ何だが、お前さんの願い、俺が叶えてやるぜ♪』
「いつも悪いな」
『気にすんな♪俺たち相棒だろ?』
亜耶みたいなことを言う猫又がスッと消え、土器が通り抜けた鳥居が現れた。
「……ちゃん……?椿ちゃん??」
「はっ……!?……ああ、シロウか……」
現実に戻って来た私の顔を覗き込むシロウ。
「まさか、気分悪気くなったの!?」
「いいや、お前の師匠から、お前をよろしくって言われただけだw 」
「……師匠??」
「代わりに願いを叶えてくれるんだってよ♪」
「???」
首を傾げるシロウの手を引き、お寺や三重塔などを見学した。
「赤こんにゃくうめぇな♡♡♡」
「寒いからおでんが沁みるねぇ~~♡♡♡」
島内の土産物屋でおでんと甘酒を飲み、地元牛のカレーパンを分け合って食べた。
再び船で港に戻り、さらに北に車を走らせた。
「ここがかの有名な紅葉スポットか~~……」
「結構積もってるな」
メタセコイアの木が一直線に並ぶ道を走った。昨日まで雪が降っていたのだろう。田畑には薄っすら雪が被っていた。
途中、ヴィラやグランピング、飲食店などがある農業公園に立ち寄った。牧場に見学に行ったら、ちょうど馬車が空いていると言われ、味わい深い馬車に乗せて貰うことにした。乗り合わせた家族連れと雑談していたら、ま~~た隣で拗ねている気配がした。
「まさか今度は子供に妬いたとか言わねぇよなぁ??」
「……ふーんだ」
「お前ぇぇ~~……」
イラっときてついアイアンクローをかましそうになったが、こいつは子猫、こいつは子猫と自分に言い聞かせてふれ合いコーナーに向かった。
「馬の扱い方上手いな……」
「ダジャレ?僕も馬飼ってるから」
「ダハハハ!!ボンボンやぁ~~!!w w 」
「またそうやって線引きするぅぅーーーっっ!!」
馬を散々愛でた私たちは、すぐそばの食堂で食べ納めとばかりに地元和牛のすき焼き定食を食べた。
帰り道は道なりに進んで行き、最後に少し湖を見てから高速に乗った。海側の雪景色を眺めながら車を走らせ、家に着いたのは暗くなった頃だった。
「お帰り~~♡♡♡ 昨日バウムクーヘン届いたよ♡ ありがとう~~♡♡♡」
ママにそう言われ、日程が一日伸びた事とクリスマスプレゼントのことを思い出し、慌ててシロウに渡した。
「大したもんじゃないけど……」
「椿ちゃんがくれる物ならなんでも……ッッ!!♡♡♡♡」
南が「手作りのお菓子をあげたら蓮が号泣して喜んでた♡♡♡」と言っていたから一部採用して手作りのオルゴールを渡した。恥を忍んで「そしてあなたと……」というrainy dayの対となっている曲を入れた。
取り出した箱を開けると絵とメッセージが出てくる仕様だ。オルゴールを嬉しそうに眺めていたシロウだったが、ネジを回して曲を聴いた瞬間涙腺が決壊した。
「ゔわああああぁぁぁぁーーー~~っっ!!!」
「そんなに!!?」
シロウの叫び声に、親戚やお手伝いさんたちが何事かと集まって来た……。
「ゔゔゔゔれじいよおおおぉぉぉぉーーー~~ッッ!!!」
「椿~~……清四郎君いじめちゃダメじゃんw 」
人の曲をパクってばかりの自称ミュージシャンに言われてイラっとしたが、取り敢えずソファーに座らせて泣き止むまであやし続けた。
「グスッ……僕明日にでも死んじゃうのかな……?」
「アイツが末長い健康を約束してくれたから、それは無いだろw 」
「アイツ……?」
「お前の師匠さ♡♡♡」
涙目でキョトンとするシロウの頭を撫でながら、かつて相棒だったアイツに「見守ってくれよな……」と念を送っておいた。
「あ!お姉ちゃん帰って来てた♡♡♡」
「梓もこっちに来てたのか!!」
「うん♡ 今年は彼氏と来たよ~~♡♡♡」
「は!?」
梓の発言に驚いていたら、奥の部屋から男が出てきた。
「チューッスw お久しぶりっス椿姉さんw 」
「おっ……お前ッッ!!?」
そこにいたのは、高校の同級生のクソチャラ男、西田だった。
「テメェに姉さんとか言われたくねーーわクソがあぁぁーーーーッッ!!!」
「うわあぁぁぁ!!?待って待って話を聞いてくださいお姉様ッッ……イダダダダッッ!!!」
怒りのままに、西田にキャメルクラッチを喰らわせると、梓とシロウが悲鳴をあげた。
「お姉ちゃんやめてーーーッッ!!!」
「他の男に触らないでぇぇーーーッッ!!!」
何だかカオスな空間になってしまったけど、コイツだけは許さねえと西田の首を締め上げたのだった。
全く……気苦労が絶えない日々である。
椿ちゃんの母親であり、ストーンショップの店長でもある百合子さんが、新しいテナントを見て喜んでいた。
本家から車で5分程の場所にある古いお屋敷町は、数年前から徐々に商業施設へと変わっているそうだ。一階のカフェのオーナーから「空いている二階を使わないか?」と提案され、見学に行った時に親子で一目惚れしたとの事だ。
付き合ったばかりの頃、どうしても椿ちゃんと離れたくなくて家まで押し掛けた事があったけど、その時に百合子さんに案内して貰った小さなストーンショップを思い出した。扉が開いた瞬間「帰ってきた!」という感覚が真っ先に来て、あまりにも優しく包み込んでくれるその空間を見た瞬間に、恥ずかしげもなく号泣してしまったのを覚えている。百合子さんには苦笑いされるし、椿ちゃんや梓ちゃんには呆れた目で見られたけど、僕はとても満たされて幸せだった。
「う~~~ん……」
椿ちゃんは今、テーブルに並べた石の前で、腕を組んで考え込んでいる。石と対話をしているこの時間だけは絶対に邪魔をするなときつく言い付けられているから、どんなに寂しくても良い子で待っていなければならない。
やがて目を開くと、石を並び替えて5列の横並びを作った。その後は物凄いスピードでワイヤーを通していき、あっという間に5つのブレスレットが出来上がった。
「ヨシ!出来た!!」
オーナー作のブレスレットは、即完売の人気商品だ。撮影してサイトにアップしたブレスレットは、瞬く間にSOLDOUTになった。
「すごいな……」
「出会うべくして出会う人の元に届けられる。それだけだ」
椿ちゃんは僕のことを優秀だと言うけど、こんなこととても真似出来ない。そう言うと、椿ちゃんはケラケラ笑った。
「その気になればいくらでも出来るさ!なにしろお前は元化け猫だからなw 」
「化け猫って……酷いなぁ……」
「長年修行して、人間に化けれるようになったお猫様だぞ?本来ならもっと徳が高い存在なんだがな……」
どうやら僕は、本来なら猫又としてもっと長く生きれたらしい。それでも椿ちゃんと出会うために生き直す選択をしたのだと、少し前に紬さんが話してくれた。
「その気になれば、私よりももっと万物の声を聞けるはずだ」
「……別に聞こえなくても良いもん……」
「そうも言っていられないぞ?シロウはこれから沢山の神様にご挨拶していかなきゃだしな!」
新しい事業を本格的に始めるには、まずその土地の神様にご挨拶をするのがマナーだと一族の術師は口を揃えて言う。
「そのうち思い知るだろw 」
僕の髪を梳きながら優しく笑う椿ちゃんに、胸と股間がキューーン♡となった♡♡♡
「さて、明日からビ◯イチだ!!」
「楽しみだね♡♡♡」
「お前は留守番だが??」
「何でだよっっ!!?僕も連れてってよ!!」
「……たまには一人になりてぇなぁ~~……」
「してあげないッッ!!!」
椿ちゃんの腕にきつく抱き付いたら、ため息をついた椿ちゃんにヘッドロックをかけられた。こういう触れ合いは大好きだけど、もっと手加減して欲しい……
翌日、椿ちゃんの車に乗って国内一の湖に向かった。彼女の運転でお出かけという一大イベントに浮かれている間に、海沿いの高速道路を抜けて、湖の最北端に着いた。
「海みたいだね~~♡♡♡」
「景色最高だな!!♡♡♡」
湖が見える場所に建つ、古民家を改装した蕎麦屋でランチをして、ガラス製品で有名な観光地に向かった。
「僕の名前はヤ◯ボ~~ッッ♪」
「………」
「そこは『僕の名前は◯~~ボ~~ッッ♪』だろ!?」
「ぶっ!あははははw 何それ知らないもん!!」
「お前、こんなにも有名な企業を知らんのか!?」
「企業は知ってるけど、歌は知らないw 」
「じゃあ後でミュージアムに連れてってやる♡」
突然歌い出したり、小学生男子みたいにはしゃいだり、椿ちゃんの隣にいると楽し過ぎて飽きが来ない。人生で今が一番笑っているなぁ、と思いながらガラスの街に向かって歩いた。
「夏休みの旅行思い出すね~~♡♡♡」
黒く塗りつぶされた壁の建物の中に並ぶ見事なガラス製品は、夏に旅行した港町を彷彿とさせるものだった。
「おおっ!?ガラスペンがこんなにも!!♡♡♡ 夏に買いそびれてたんだよな~~♡♡♡」
「椿ちゃん、絵でも描くの?」
「ああ、七海の前では言えなかったけど、嗜み程度に描くんだ。ストーンショップに飾ってあった絵も私が描いたものだ」
「へぇ~~!!」
どおりで絵を見ているだけでも癒されるわけだ。多趣味で多才な椿ちゃんに感心している間に、紫色のガラスペンを購入していた。
「車で来ていると気兼ねなく割れ物も買えるからいいな~~♡♡♡」
「あ、じゃあ何かお揃いの物を買おうよ♡♡♡」
北の街でお揃いのグラスを買っていた佐久間夫妻を内心羨んでいた僕は、館内を真剣に見て回った。
「この徳利可愛くないか?♡♡♡」
「……使えないでしょ……?」
「……使えばええがな……」
「ダメッ!!」
「ケチ~~……」
油断しているとすぐこれだ……。しかも件のご実家で暮らしていると入れ替わり立ち替わり訪れる親戚の男性が呑ませるもんだから、結構な頻度で嗜んでいる。椿ちゃんには老若全ての男と関わって欲しくないけど、それを言ったら捨てられそうだからガマンしてる……。
取り敢えず他も見て回ろうということになり、商店街を歩いた。
途中フィギュアの展示館を見たり、博物館を見たりした。なんでもこの辺りでは、山車に乗った子供が歌舞伎を上演する祭りがあるそうだ。
「子供や若い世代が祭りで地域を盛り上げる文化って、やっぱり良いよな♡♡♡」
先日みんなで盛り上がった祭りの構想を思い出して、暖かい気持ちになった。
「まぁ割と街コン的な役割もあるのかもなw 」
「今は出会いが少ないから……」
祭りで少子化を食い止める事が出来たら、それこそ理想の社会だ。
商店街を抜け、大きな寺院にお参りをしたり、細い路地を通って万華鏡を見たりした。
「鯖そうめんを食べよう♡♡♡」
ご当地牛の肉まんを頬張りながらそう言う椿ちゃん。相変わらず、一期一会の出会いに全力である。
「うっま!!」
「美味しい~~♡♡♡」
鯖そうめんと鯖寿司を分け合って食べたのだけど、どちらも想像を超える美味しさだった♡♡♡ 甘辛く味付けされたほろほろの鯖と硬めのそうめんが相性良すぎる♡♡♡ 椿ちゃんと向かい合って、お互い美味しい美味しいと言いながら食べる喜びに浮き足だってしまう♡♡♡ こうしていると、楽しいと美味しいは生きるための活力になるとつくづく実感するのだ♡♡♡
「こっちのティーカップで良いじゃん!!」
「いいや!実用性が低い。こっちの徳利とお猪口を押すね!!」
「そっちこそ実用性が無いはずなんだよ!?」
お揃いの物が欲しかっただけなのに、ティーカップと徳利どちらを買うかで揉めている僕たち……。
「両方買ったらええがな……」
そばに居たおじさんの呟きで、両方買うことになった。
「rainy dayはここにもあるのかな~~?♡♡♡」
「……勘弁してくれ……」
椿ちゃんが書いて、不本意な形で世に出た曲のオルゴールを北の街で買った。僕にとっては素敵な思い出だけど、椿ちゃんにとっては顔を真っ赤にするほど恥ずかしい物らしい。クリエイティブな才能が無い僕には分からない感覚だ。
車に戻り、予告通りミュージアムに連れて行ってくれた。
「これが噂の……」
「ボーって坊のボーだったのか……」
「ブッ……アハハハw 」
二人の男の子のアニメーションが流れた後、扉が開いた。
家族連れが殆どで、沢山のアトラクションに小さな子供が夢中になって遊んでいる。
「いつか子供が出来たら、また来ようよ♡♡♡」
「あはは……そうね……」
「そのためにも……早く決心してね……♡♡♡」
「……サイズダウンしてくんない……?」
僕のが大き過ぎるという理由で、最後の一線をなかなか越えさせてくれない椿ちゃん。どうやら相当なトラウマがあるようだ。無理強いはしたくないけど、せっかくそういう権利を得たのだから、本音を言えば今すぐにでもシたい。だって椿ちゃんのカラダ……♡♡♡
「おい、何ボーッとしてんだ?お土産見に行こうぜ」
不埒な妄想をしていたら、不審な目をされてしまった……。展示されているトラクターやクルーザーなどを見学して、再び湖沿いの道を走った。
車内に流れる軽快な音楽に合わせて歌う。これまで歌うということを殆どしなかったけど、歌ってみると爽快感がすごい♡♡♡
上機嫌で走っていたら、車は本日の宿泊先に到着した。グランピングエリアとホテル棟に分かれている宿は、口コミの評価が非常に高いお宿だ。最上階直通のエレベーターに乗り、ラウンジでウエルカムドリンクとスイーツをいただきながらチェックインした。
「景色すっご!!」
「本当に海に来たのかと思っちゃうよね~~♡♡♡」
ほんのり雪が被った対岸の山々が、かろうじてここが湖であることを思い出させてくれる。
案内されたのは普通のツインルームだったけど、ここからも湖がよく見えた。
「相川上級国民様には物足りないお部屋かと存じますがw 」
「そんなこと思ってないよ!!?」
「ははw まあここは大浴場が素晴らしいそうだから♡♡♡」
正直一緒にお風呂に入れないのは残念だけど、一緒に寝れるのだから文句は無い♡♡♡ 早速大浴場へ向かい、深湯のインフィニティ風呂に浸かった。雄大な湖を眺めながらのんびりした時間を過ごすことが出来た♡♡♡
「勝負しようぜ☆」
「僕に勝てると思ってるの?」
敷地内にあるバスケのコートで、得意げに勝負を持ちかける椿ちゃん。僕がバスケ部のキャプテンだったこと、忘れてるのかな?
「じゃあワンオンワンで先に5点先取した方のお願いを何でも聞く、だったら受けても良いよ?」
「おうやったろーやないかい!!」
負けず嫌いなのか何なのか……こうして椿ちゃんとのワンオンワンが始まった。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ……クッソぉぉ~~……行けると思ったのにぃぃ~~!!」
「ハァッ…ハァッ…ハァッ……なんで行けると思ったんだよ!?」
そう言ってはみたものの、勝負にもならないと思って舐めてかかっていたのに実際はまさかの大苦戦だった。女の子相手に本気を出さざるを得なかった事実に凹んでいると、椿ちゃんは徐に立ち上がった。
「はぁ…はぁ…約束は約束だ……さあ願いを言え。どんな願いでもひとつだけ叶えてやろう」
「◯龍かよ……じゃあ今夜させて!!」
「……言うと思った……」
椿ちゃんの目が泳いだ後、僕に背を向けて言った。
「メシ食ったらドラスト行くぞ……」
「もしかしてゴムのこと?ちゃんと持ってるから大丈夫♡♡♡」
「……あっそ……」
こうして初体験への期待に胸を膨らませまくった僕は、浮かれた足取りで夕食会場に向かった♡♡♡
「運転お疲れ様~~♡♡♡」
「「弥栄~~♡♡♡」」
乾杯のことを弥栄と言う椿ちゃんたちに倣って、僕もいつの間にかそう言うようになった。滋味豊かな懐石料理に舌鼓を打ち、今夜の期待に胸を躍らせる♡♡♡
「肉うっま♡♡♡」
「蕩けるね~~♡♡♡」
食事を終え、デザートを食べている時に、椿ちゃんがポツリと呟いた。
「……どうしても怖かったら、ストップかけても良い……?」
「良いよ……無理させたいわけじゃないもん……ただ、もっと近付きたかったんだ……」
「不甲斐ない彼女で申し訳ない……」
「謝らないでよ!!……絶対椿ちゃんが嫌なことはしないからね?」
涙目でコクンと頷く椿ちゃんを見ていたら、なんだか堪らまくなった。椿ちゃんにこんな思いをさせたのはどこのどいつだと憤りつつ、食事を終えて部屋に戻った。
「あんまり見るなよ……♡」
肌を重ねる度に恥じらう椿ちゃんが堪らなく可愛い♡♡♡ 女の顔を見られたくないと頻繁に顔を隠す椿ちゃんの腕を解き、丁寧に愛撫していく♡♡♡
そろそろ頃合いかとゴムを着けると、解けたはずの身体が一瞬で硬直した。それでも亀頭を膣口に合わせると、今度は涙目になっていた。
「ストップって言ったらストップだぞ!?」
「分かってるってw 」
「マジで……マジで……あ゛ーー~~なんか痛いような気がする!!痛いかもしれん!!」
「ちょっとw 今はどう?大丈夫??♡♡♡ もうすぐ先っぽ全部入るからね♡♡♡」
亀頭が蕩けるような快感に包まれ、早く早くと身体が急かしてくるけど、我慢だ……。
ゆっくり……ゆっくりと自分に言い聞かせながら亀の歩みで進めている間、椿ちゃんはずっと喚いていたw
「あ゛ーーー無理かも!!やっぱり痛いような気がする!!あ゛あ゛あ゛あ゛ちょっとこれ以上はアカーーーン!!!」
「うるっさいw ……ここまでは大丈夫?」
「多分……」
時間をかけて半分ほど埋め込んだ時には、冬だと言うのにお互い汗だくだった。椿ちゃんの場合は冷や汗も混じってそうだけど。
騙すように、誤魔化すように、射精感に耐えながらゆっくりゆっくりと押し進んでいく。
「あ゛あ゛あ゛ちょっと!?アカンって!!アカンってぇぇーー~~!!!」
「行ける行ける!!もうすぐ、あとちょっと♡♡♡ ……あああぁぁ~~入ったあぁぁーー~~!!♡♡♡♡」
「え……??マジで??」
結合部をまじまじと見下ろす椿ちゃんを見ていたら、感極まってしまった……♡♡♡
「ん??アレ……??」
「ごめん……出ちゃった……♡♡♡♡」
「えぇぇ???」
何とも間抜けな初体験だ……♡♡♡
引き攣るように笑い出した椿ちゃんの振動が射精直後の竿に伝わって、何とも言えない苦悶に悶えたのだった♡♡♡
「いやぁ~~……人間ヤれば出来るもんだな~~♡♡♡」
「どんな感想だよッッ!?もう一回させて!!♡♡♡」
「願いは叶えてやった……ではさらばだ……」
「何でだよぉぉーー~~ッッ!!!」
「続きは明日な♡♡♡」
「椿ちゃあぁぁ~~ん♡♡♡」
一度受け入れて余裕が出来たのか、椿ちゃんは笑顔を浮かべて明日の約束をしてくれた♡♡♡
「それよりうどん食いに行こうぜ♡♡♡」
冷や汗をかきながら運動をした僕たちは、いつの間にか小腹が空いていた。ちょうど夜食サービスの時間だった為、ロビーに降りてうどんを食べた。
「はぁ~~……お出汁が美味い♡♡♡」
うどんを食べた後、もう一度温泉に入って温まり、寄り添ってぐっすり眠った♡♡♡
「夜のうちに結構降ったんだな~~……」
ベランダに出ている椿ちゃんの声が聞こえて目が覚めた。窓の外を見ると、うっすら雪景色だった。
「今日の運転大丈夫?」
「今日は南に下がって行くから大丈夫だろ」
どうやらこの辺りは特別雪が多い地域らしい。
朝食ビュッフェでヘルシーな料理を楽しんだ後、ホテルからも見えていたお城に向かった。
長い階段を登り、さらにお城の階段も登った先には、街の景色が広がった。
「ここまで来たんだなぁ~~……」
「うん。念願の場所に来れた♡♡♡」
椿ちゃんは旅行のことを言ってるのだろうけど、僕は中学の頃からの出来事を思い出していた。手を振り払われて絶縁された中学時代。隠れられて再会出来なかった高2の旅行先。事業を後押しされたことや、椿ちゃんの行くところに着いて回った日々……色々なことを乗り越えて、やっと結ばれることが出来た♡♡♡
「なにニヤニヤしてんだ??」
「幸せを噛み締めてるの♡♡♡」
不思議そうな顔をする椿ちゃんの手を取り、階段を降りて下に出ると、ちょうどご当地キャラがいた。記念撮影をして石段を下り、城下町に向かった。
城下町が商業施設になっていて、飲食店などが軒を連ねている。軽く食べ歩きをした後、椿ちゃんが予約をしたレストランに向かった。
「ここも眺めが良いね~~!!♡♡♡」
「因みに手前のお店が映えスポットで有名なカフェだ♡♡♡」
小高い丘の上にあるログハウス風のお店に着くと、眼下に湖が広がっていた。二階の個室で地元野菜を使ったコース料理をいただいたのだが、この無農薬肥料を使った野菜がとんでもなく美味しかった♡♡♡
「すっごい味が濃い!!♡♡♡」
「命の味って感じだよな♡♡♡」
前菜からデザートまで、身体が喜ぶ美味しさだった。
「椿ちゃんの手料理の次に美味しかった♡♡♡」
「オイ、シェフに対して失礼なことを言うなw 」
襲名式典の時に初めて食べた豆腐の衝撃が忘れられず、帰国して真っ先に手料理を強請った。出された食事はどれも泣けるくらい美味しくて、一生椿ちゃんの手料理を食べてやると改めて決意したものだ。
食後はテラスでまったりとしていた♡♡♡ ずっと神経をすり減らしながら生きてきた僕にとって、大好きな椿ちゃんと寄り添ってゆっくり出来る時間は、奇跡みたいに得難いものだ♡♡♡ 人生のご褒美を享受しながら、移ろい行く時間を楽しんだ。
「ママにバウムクーヘン頼まれてるんだ」
レストランの近くにあるという施設に行くと、メルヘンな外観の建物に迎えられた。中に入ると、バウムクーヘンの工場と洋菓子、和菓子の売り場があった。元々和菓子屋だったそうだ。緑豊かな敷地内を散策し、出来たてのバウムクーヘンをいただいた。
「うっっま!!♡♡♡」
「焼きたて最高!!♡♡♡」
ふんわり優しい甘さが口いっぱいに広がって、たかがバウムクーヘンだと舐めていたら、いい意味で裏切られた♡♡♡
施設内は田畑があり、長閑な風景が広がっている。持続可能な循環型の社会を目指して作られたそうだ。
「亜耶が来たら喜びそうだよな」
「そうだね♡ 土地開きのヒントになるかもしれないね」
奪い合う社会で登り詰めた相川家に、ずっと違和感を抱えて生きてきた。今の事業の話を父さんにした時も、内心刺される覚悟で打ち明けたけれど、父さんも貨幣経済の限界を感じていたそうだ。
「早くお祭りしたいなぁ……」
「春頃には出来るかもだぜ?」
そう言ってニヤッと笑う椿ちゃん。
「何か見えたの?」
「まぁな~~☆ でも何度も言うけど、未来ってのは不確定なものなんだ。良くも悪くもいくらでも変わるから、話半分でな」
椿ちゃんは思わせぶりなことを言った後、バウムクーヘンをまとめ買いして家に送っていた。
湖沿いの道路を走り、キャンプ場やリゾートマンションを過ぎ、大きな橋を通り過ぎて博物館に辿り着いた。
「ギャルのパンティお~~くれっっ!!」
「ブハッ!!w 気持ちは分かるけどw 」
どでかい龍に迎えられた椿ちゃんが真っ先に放ったセリフに噴き出しつつ、館内を見学した。
「超~~楽しかった♡♡♡」
「めっちゃ良かったな~~♡♡♡」
またしても舐めてかかっていた……。展示物あり、体験学習あり、水族館あり、昔の暮らしを再現した施設ありで、めちゃくちゃ楽しかった♡♡♡ 遊歩道を歩くと太古の森や昔の家屋など、見応えもあったし、湖が一望出来るデッキもあった。
「こうして歩いてると、デートしてる~~♡って感じするよね♡♡♡」
「デートしてんだろw 」
「僕にとっては火星に行くより現実味の無いことだったの!」
椿ちゃんは笑っているけど、本当に本当に、君が振り向いてくれたことは奇跡なんだよ?
「そろそろ宿に行くか~~……」
「ねぇ……昨日の約束、忘れてないよね……?♡♡♡」
「……ワスレテナイヨ?♡♡♡」
「なんでカタコトなんだよ……」
怖い笑顔で返事をされたけど、約束は約束だ♡♡♡ 今夜のお楽しみに期待をした僕は、ウッキウキで車に乗り込んだのだった♡♡♡
ーーーーーーー
流石、一年で一番日が短いシーズンだ。宿に着いた頃にはすっかり暗くなっていた。
歴史のある温泉地で、評判の良い温泉旅館。上級国民のおぼっちゃまにもご満足いただけるようにとリニューアルした客室露天風呂付き和洋室を予約した。
チェックイン後、ライトアップされたテラスや展示コーナーを見て回った。
「鞠がガラスの中に入ってる♡♡ 可愛いね♡♡♡」
「そうだな♡♡♡」
庭に続く道の途中で外に繋がる扉があった。後で散歩しようと約束して、部屋に移動した。リニューアルしたばかりの客室は広く綺麗だった。
「早速温泉に入ろうよ♡♡♡」
「そうだな……さて、大浴場に行くか!!」
「もぉーーーっっ!!!」
下心丸出しのシロウをバッサリ切って大浴場に向かった。足湯や湯上がりラウンジを通り抜け、奥の脱衣所前で別れた。
「あ゛~~……やっぱ我が国の温泉文化最高~~……♡♡♡」
あちらの食文化も生活様式も、まぁ贅沢言わなければ過ごせるのだが、帰国してみるとやっぱりこの国に生まれて本当に良かったと実感する。裏ではスパイ養成所として有名なあの大学に通う理由は、単純に彼らがどう洗脳するのか興味があったからだ。そんなこちらの思惑が筒抜けなのか、未だ洗脳される気配はないが、得難い仲間が出来たことは僥倖だ。おかげで国を出てみなければ分からなかったことも沢山知ることが出来た。
風呂から出ると、既にシロウが湯上がりラウンジで寛いでいた。シロウはオレンジジュースを注いで手渡してくれて、並んで座り、庭の景色を眺めた。
「明日はロープウェイに乗りたいな♡♡♡」
「良いね♡♡ 乗ろう♡♡」
明日の予定を立てながらまったり庭を眺めていたら、小指に何かが絡んできた。
「今夜……約束だからね……♡♡♡」
「……ウン……」
内心しつけーなw と思いつつ、空返事をしておいた。
「やっぱ肉が蕩ける~~♡♡♡」
「お刺身の盛り付けも綺麗だね~~♡♡♡」
昨日に引き続き、滋味豊かな郷土料理が泣ける程美味い♡♡♡ つくづく我が国の食文化最高だと感動しながら味わった♡♡♡
「さて、散歩に行こう!!」
「……まさかはぐらかしてないよね……?」
「はぁ?チェックインの時に約束してただろ?」
心外だというリアクションをして見せ、外に出た。
「せっかくだからムフフ♡なエリアを歩いてみないか?♡♡♡」
「絶対ダメッ!!危ない目に遭ったらどうするのさ……」
「つまらん男だな」
「ムフフなことは僕とだけしてれば良いのっっ!!!」
お隣のインバウンドじご……観光地の風俗産業を担っているのがこの温泉地らしい。観光地の光と闇を垣間見たような気分になりつつ、湖沿いの道を歩いた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛怖い!!やっぱり怖い!!あ゛あ゛あ゛これ以上はアカンってぇぇーーーーッッ!!」
「うるっさい!!昨日格納したんだから大丈夫だって!!」
人の膣を倉庫扱いしやがって。それでも迫り来るデカチンの恐怖に腰が逃げてしまう……七海はこれくらいのサイズの森川のモノを嬉々として受け入れてるんだよな……全くもって理解に苦しむが……。
亀頭が埋め込まれていく様子を怯えながら見ていると、歯軋りの音が聞こえてきた。
「……お互いリラックスしよう……」
「どの口が言ってんだよッッ!!?」
全くもって仰る通りです。不甲斐ない自分を責めつつ、なるべく患部?は見ないようにと目を逸らした。
「今のうちにブスッとやってくれ……」
「注射じゃないんだから!!」
現場を見ないという作戦が功を奏したのか、昨日よりだいぶ早い段階で受け入れることが出来た。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ…♡ 全部入ったよ♡♡♡」
「あ゛ああぁぁ~~今なら行けそうな気がする!!今のうちに動いてくれ!!」
「言い方アァァァ!!」
ズチュ…ズチュ…ズチュ…
「あ……あ……あっ…♡ あっ…♡ あっ…♡ …気持ちいい…かも…♡♡♡」
「本当?♡♡♡ 痛くない……?♡♡♡」
「うん……あっ…♡ あぁん…♡ どうしよう本当に気持ちいいッッ♡♡♡」
「あ゛ああぁぁなんだよその可愛い声はあぁぁーー~~ッッ!!♡♡♡♡ ごめんもぉ無理イイィィィッッ!!♡♡♡♡♡」
何度か脈打った後、シロウのシロウは萎んでいった。
「もおおぉぉぉっっ!!……椿ちゃんが可愛過ぎてまた出ちゃったじゃん……♡♡♡」
「人のせいにすんなよw 」
こうして二日目の夜も、無事任務を遂行した♡♡♡
「もう一回!!!」
「ええ~~……?」
「何で嫌そうなの!?さっき気持ちいいって言ってくれたよね!?」
「最初のストレスがヤバい……」
「また目ぇ瞑ってればいいから!!」
必死に懇願するシロウに根負けして、もう一度最初からやり直す羽目になった。
「あっ…♡ あんっ♡ ヤバイヤバイ気持ちいい~~っっ!!♡♡♡ アンッ♡ ダメぇ気持ちいい~~ッッ♡♡♡」
「もおぉぉ~~ッッ!!♡♡♡ そんな声出すなよぉぉーー~~ッッ!!♡♡♡♡ あ゛あああぁぁぁもぉ無理無理無理ッッ!!♡♡♡♡ ごめぇーーんっっ!!♡♡♡♡♡」
謝りながら射精したシロウは、終わった後も結構本気で落ち込んでいた。
「ホント……ごめん……」
「いや、早い方が助かると言うか……」
「もおおぉぉッッ!!今度こそ絶対頑張るからもう一回!!」
「流石にもう止めようぜ……」
「椿ちゃんのバカァァーーーッッ!!」
人のことをバカ呼ばわりしやがったボンボンは、不貞腐れてそのまま寝てしまった。そんなお子様なシロウを可愛いと思いつつ、私もスヤスヤと眠ったのだった♡♡♡
「おはよう椿ちゃん♡♡♡」
一晩で機嫌が良くなったのか、朝風呂に入りながらにこやかに朝の挨拶をするシロウ。
「……大変残念なお知らせがございます……」
「一体なに!?」
「神宮に行かねばならなくなった……」
夢に出てきた神様に叱られてしまった私は、本日の予定が大幅にずれることを嘆いた。
「御神託でもあったの?」
「いや……ここまで来ておいて挨拶に来ないとは何事だーー!?みたいな?」
「そっかぁ……神様って言うか、面倒な上司みたいだね……あ!じゃあさ、もう一泊しない?」
「今から予約ったって……」
「大丈夫♡♡ 僕に任せて♡♡♡」
お前に任せると碌なことにならんだろうがという台詞を飲み込み、朝食会場へ向かった。
湖の幸が豊富なビュッフェで朝食をいただき、チェックアウトした後神宮に向かうために元来た道を逆走した。
「随分立派な神宮だね~~……」
シロウが神宮を見渡しながら感嘆の声をあげた。カルタで有名な映画のロケ地でもある神宮は、時の神様が祀られている。
柏手を打ち、短い祝詞を奏上した。
「それはどんな意味があるの?」
「神様は最高っス♪全ては神様のおかげっス♪ Yeah ♪ Yeah ♪ って感じの意味w 」
ノリで適当に答えたら、急にカラスに襲われた。
「だーーーッッ!!クソッ!!うっとおしい!!」
「あははは!叱られてるじゃんw 」
ガラスにつつかれた頭を整え、ザマアミロと聞こえた声をスルーして神宮を後にした。
「すごいッッ!!湖広いッッ!!♡♡♡」
「ふぉぉーーーッッ!!眺め良すぎィィーーーッッ!!♡♡♡」
ロープウェイに乗り、映え~~なテラスに出たら湖を一望出来る絶景が広がった♡♡♡ 恋人の聖地で記念撮影をするというバカップルみたいな行為をした後、あまりの寒さ故に屋内に走った。
「スキー場賑わってんな……」
「楽しそうだね……」
「やるか?♡♡♡」
「やろう♡♡♡」
急遽、私はスノーボードを、シロウはスキーをレンタルして、意気揚々とリフトに乗った♡♡♡
「ヒャッハァァーーーイ!!♡♡♡」
湖を一望しながら滑るの楽し過ぎる♡♡♡
雪質も悪くなく、気持ち良く滑ることが出来た♡♡♡
「ちょっと……飛ばし過ぎだよw 」
追いかけてきたシロウが文句を言っている。
「楽しくてついw 」
おどけてみせると、シロウは呆れたような顔で笑っていた。
時間を忘れて滑っていたら、だいぶ日が翳ってきた。レンタルの板とウェアを返却し、ロープウェイで降りて車に乗った。
湖沿いのハワイアンレストランで遅過ぎる昼食をとった。犬連れの客が多く、動物好きな私としては眼福な光景だった♡♡♡
「黒柴ですか?可愛いね~~♡♡♡」
「はい♪地元の方ですか?」
「いや、旅行者です。ワンちゃん撫でても良いですか?」
「どうぞ♪」
意外と人懐こい黒柴ちゃんを思う存分撫で回していると、シロウがあからさまにぶすくれていた。
レストランを出て、車に乗った後もブスッとしているシロウに恐る恐る声をかけると……
「犬ばっかり構わないでよッッ!!」
まさかの犬に嫉妬パターンだった……。
「うそぉん!犬だぜ!?」
「僕犬キライッ!!」
「……大◯凡人は……?」
「誰それ?知らないっ!」
亜耶が普段から犬と大◯凡人だけは無理と言っていたせいか、何となく犬苦手な人は大◯凡人も苦手なのかと思い込んでいた……。
「猫だから……?」
「関係無いよッッ!!だいたい飼い主さんにも愛想振り撒いちゃってさ!!さっきの人、恋人の僕が隣にいるのにデレデレしちゃって!!」
「何言ってんだお前は??」
犬と戯れたければまずは飼い主さんとコミュニケーション取るだろ普通……まあ拗ねたシロウの言い分は大抵理不尽だから今更だけど……。
「機嫌なおせよ、な?」
「……チューしてくれたら直す……」
こうなったらチューするまで拗ね倒すことを知っている私は、早々に諦めて雑なキスを何度かした。
「えへへ……♡♡ ありがとう椿ちゃん♡♡♡」
実はコイツ、キスしたかっただけなんじゃ……?と思いつつ、また機嫌が悪くなる前に車を走らせた。
日がだいぶ傾いて来たが、湖に鳥居が立つ神社へのご挨拶だけは無視できない。という話をシロウにしたら、首を傾げられた。
「どうして?」
「ここの神様はな、超厳しいんだよ……」
道開きの神として祀られる此方におはします神様は……と言うか、此方の神様が祀られる神社はとにかく厳しい。御霊を磨く為に敢えて苦労させる系の神様である。そんなわけで今度こそ真剣に祈り、祝詞を奏上した。
「あ、その道左折ね♡♡ で、真っ直ぐ道なりで」
この先はキャンプ場しか無さそうなんだが……そう言えば……
「はあ!?」
「ここ♡♡♡」
「……お前はよぉぉ~~……」
辿り着いたのは、去年オープンしたばかりの巨大な会員制リゾートホテルだった。
ゲートで相川と言うと、笑顔で通された。長い通路を暫く走り、駐車場に車を停めてエントランスを通った。扉が開いた時シャンデリアの柱に出迎えられて面食らい、ラウンジから見える巨大な水盤に面食らい、案内された部屋に面食らった。
「テメェ……」
「だって急だったから仕方ないんだよ!!ロイヤルスイートしか空いてなかったんだって!!てかこのホテルスイートしか無いし!!」
「こんな広い部屋どうすんだよ!!完全に持て余してんじゃねーか!!」
「椿ちゃんに喜んで欲しかっただけなのに、何で喜んでくれないの!?今日は付き合って初めてのクリスマスイブなんだよ!?」
シロウがそう叫んだ瞬間ハッとした。元々今日は帰る予定だったから、プレゼントは家に置きっぱなしだったのだ。
「……すまん……プレゼント、家に置いて来た……」
「そんなことどうでもいいよ!!今夜は彼氏として椿ちゃんに尽くしたかったの!!彼女に喜んで欲しかったの!!」
「ごめんな……シロウの気持ちは嬉しいよ♡♡♡」
「ホント……?」
「本当だけど……何でもかんでもやり過ぎなんだよオメーはよぉぉ~~!!」
「ごめんなさい~~!!でも今日は怒らないでよぉぉ~~!!」
いつまでも喧嘩しててもしょうがない……気持ちを落ち着けるためにも、取り敢えず温泉に入ることにした。
「温泉もめっちゃラグジュアリーだし……」
スパ銭かよ!?ってくらいバリエーション豊富な温泉やサウナがある大浴場でゆっくりした後、持て余す部屋に戻った。
イタリアンレストランの窓際の席に案内され、洗練されたお味のコース料理をいただいた。
「椿ちゃん……これ、プレゼント……♡♡♡」
差し出された箱は、明らかにアクセサリー類が入っていることが分かる大きさだった。
「ありがとう……開けていい?」
「どうぞ♡♡♡」
リボンを解き、ケースを開けると、出てきたのは特徴的なクロスモチーフのネックレスだった。ブラウンダイヤモンドをあしらったこの商品、私の記憶が正しければ30万くらいする。
「……わぁーー♡♡ ありがとう♡♡ 着けてくれる?♡♡♡」
私は開き直った。ここでキレたり問い詰めたりしたら先程の二の舞である。
「うんっ♡♡♡」
シロウは嬉しそうに席から立つと、ネックレスを着けてくれた。
「似合うかな?♡♡♡」
「すっっごく似合うよ♡♡♡」
見よ!演劇部で培った演技力を!!彼氏からのクリスマスプレゼントに喜ぶ彼女バージョンだ!!
「高かったでしょお??」
「大した金額じゃないよ♡♡♡」
このボンボンに一般的な金銭感覚を身に付けさせなければ……と使命感に燃えつつ、取り敢えず今は初めてのクリスマスということもあり、降って湧いたラグジュアリーな空間を開き直って楽しむことにしたのだった。
「気を使わせてごめんね……」
私の演技に気付いていたのか、部屋でゆっくりしている時に、そう言われた。
「椿ちゃんは忘れてるのかもしれないけど……僕はどうしてもこのホテルで椿ちゃんと幸せな時間を過ごしたかったんだ……」
ソファーに腰掛けてハーブティーを飲みながらそう呟いたシロウ。そう言えば某温泉地の会員制リゾートホテルでニアミスしたことがあったな……ここと同じ系列のホテルだったか。
「忘れてないよ……なにしろ滅多に出来ないスリリングな体験だったからなw 」
「ヒドイッ!!僕は椿ちゃんに一目でも会いたくて必死だったのにっっ!!」
「あはははw スマンスマンw 」
広いソファーの上で剥れて蹲るシロウの顎を撫でると、ゆっくり此方と向き合った。
「僕、お金を使った愛情表現しか知らないから……空回ってるのは分かってるんだけど……」
「言っただろ?気持ちが嬉しいんだって。金の使い方は追々教えてやる♡♡♡」
「椿ちゃんだぁいすき~~♡♡♡♡」
感極まったシロウに抱き付かれた。暫く好きにさせていたら、だんだんと手付きが怪しくなっていった。
「ねぇ……今夜も、良い……?♡♡♡」
「流石に三日連続はちょっと……」
「それでもクリスマスイブじゃんっっ!!」
クリスマスイブだから何だと言うんだ馬鹿野郎。だいたい観光もスキーもしてセックスまでしたいなんて、どんだけ体力有り余ってんだよ!?
「お願い椿ちゃん……♡♡♡」
「分かった……分かったって……」
お姉ちゃんな私は、シロウのお願い攻撃に弱い。結局根負けしてシロウの好きなようにさせたのだった。
「挿れるよ……♡♡♡」
「一思いにヤってくれ……」
未だに直視出来ないデカチンがズブズブと胎内に入っていく……。流石にこのデカチンが気持ち良いことを知ってしまった身体は、濡れたり熱ったりと、しっかりと準備してしまっている♡♡♡
「はぁっ…♡ あっ…♡ あ~~っ…♡ やっぱり気持ちいい~~ッッ♡♡♡」
一度収納してしまえば、シロウのデカチンはかなり気持ち良かった♡♡♡ あーーあw 本当はあんまり性的なことは得意じゃないんだけどな。
「ハァッ…♡ ハァッ…♡ もっと気持ち良くなってよッッ♡♡♡ 僕で沢山良くなってよぉぉ~~ッッ!!♡♡♡」
「アンッ♡ アンッ♡ 気持ちいいッッ!!♡♡♡ あ゛あぁぁあぁぁヤバイヤバイ……イきそう……♡♡♡」
耳元でそう囁くと、シロウの身体がビクンと震えた♡♡♡
「イッて……お願い僕でイッて!!♡♡♡ 僕も頑張るからぁぁ~~~ッッ♡♡♡」
抱え込まれて腰を揺すられたら、堪らない快感が駆け抜けていった♡♡♡
「あ゛あぁん♡ もぉダメかも……あ゛ッッ♡♡ あ゛ッッ♡♡ あ゛ああダメダメイクイクイクッッ!!♡♡♡♡ ……~~〰︎〰︎〰︎ッッ!!♡♡♡♡ ッッあ゛ああぁぁーーーッッ!!♡♡♡♡♡」
「あ゛ああぁぁもぉ僕もダメダメダメッッ!!♡♡♡♡ いぐぅぅッッ!!♡♡♡♡♡」
二人同時に痙攣して、きつく抱き合いながら絶頂した♡♡♡
「はぁ~~……♡ はぁ~~……♡ はぁ~~……♡ あ゛~~……ヤバかった……♡♡♡」
「すごい……僕たち……♡♡♡ ゔぇぇ~~……ゔわぁぁ~~……すごいよぉぉ~~……♡♡♡」
どんな時でも泣いてしまうらしいシロウの頭を撫でて、労いの気持ちを表した。
「ありがとな……♡♡♡ めっちゃ気持ち良かったよ♡♡♡」
「ぐすっ……ぐすっ……僕すっっごく幸せだよぉぉ~~~!!♡♡♡♡」
グズグズ泣きながら胸に埋もれるシロウの頭を撫でているうちに、お互い深い眠りについていた。
朝食は日本料理のレストランでいただいた。繊細な味付けに感心しながらいただき、せっかくだからと朝風呂に入ってからラグジュアリーなホテルを後にした。
ホテルを出て暫く走ったところに、観光船乗り場がある。この船に乗って、湖の中にある島に行くのだ。
「段差危ないよ♡♡♡」
先に船に乗ったシロウがキメ顔で手を差し出してくる。どうやら男としての自信がついたようで、さっきからちょいちょい頼れる彼氏面をしたがるのだ。
「ありがとう♡♡♡」
手を取って船に乗り、30分程のクルーズが始まった。
「ずっと見てても飽きない……不思議な湖だね……」
「太古の昔に出来た湖だからな……」
この湖の海底の地質と、某島の山頂の地質が同じだという話は有名だが、私から見ても、双方のエネルギーは相当強い。これだけ多くの神社仏閣が建っているのが、その証なのだと個人的に思う。
湖の中に浮かぶこの島には、弁財天が祀られていると言う。別名サラスヴァティ。皇祖神が時の天皇の夢枕に立ち、この地に弁財天を祀れば繁栄を約束すると告げたそうだ。
亜耶の考察や最近南と蓮が見たビジョンと絡めて考えると、このエピソードも納得である。つまり世界の王族は血で繋がっているのだ。
遠くの雪を被った山眺めていたら、船は島に辿り着いた。神社の方の階段を上がっていき、国宝にもなっている本殿で参拝した。
「あの鳥居を土器が潜れば願いが叶うんだって♡♡♡」
「ピッチャーの一人勝ちだな……」
何やら真剣にペンを走らせていたシロウは、出来上がった物を嬉しそうに見せてきた。そこには「椿ちゃんと一生一緒にいれますように♡♡♡」と、なんとも浮かれた可愛い願い事が書いてあった。
「そんなお願いなら私がいくらでも聞いてやるよw 」
「どうしよう……溶けそう♡♡♡」
ふにゃふにゃに溶けた顔をして可愛いことを言うシロウの横で、ペンを持ち暫く思案した。
「……ヨシ!!」
「…可愛げ無い……」
「大事な事だろ?」
土器に大きく「健康第一!」と書いた。楽しく、美味しく、元気良くがモットーの私としては、全ては体の健康あってこそだと考えるのだ。
シロウの半ば怨念とも言える念が籠った土器は、スルッと鳥居の中に吸い込まれていった。
「やっ…たああぁぁぁっっ!!♡♡♡♡」
「運動神経の賜物だろw 」
さて、私の運動神経はどうだろうか。私もシロウも、みんなが健康でありますようにと願いを込めて放った土器は、鳥居にぶつかる……と思ったら、ありえないカーブを描き、鳥居の中に吸い込まれていった……
その瞬間、生後一ヶ月くらいの子猫が雨の中彷徨っているビジョンが見えた。三毛柄の子猫が若い男に拾われ、スクスクと大きくなっていき、なかなかの美猫になった。
『言っとくけど、猫又の修行はかなり厳しいぜ?』
『構いません!どうしてもあの人と添い遂げたいの!』
やたらとデカイ猫又に諭された三毛猫はそれでも修行をすると言って聞かなかった。そして百年ほど修行をして、やっと戻って来た時には、男は既に天寿を全うしていた。……以前にも見たことのあるビジョンだ。その後が違った。
『よう、久しぶりだな!』
「誰だお前!?」
『ひっでぇw 一緒に旅した仲だってのに、忘れちまったのかい?寂しいねぇw 』
「あっ!?お前、クロか!?」
前前世で長い間一緒にいた黒猫。さすらいの絵描きだった頃、商売道具のついでにクロを背負って旅をしていたのだった。
『ようやく思い出したか。そいつは可愛い愛弟子なんだ。どうか末長く、大切に大切にしてやってくれ……』
「分かってるよ……」
『まあ、代わりと言っちゃ何だが、お前さんの願い、俺が叶えてやるぜ♪』
「いつも悪いな」
『気にすんな♪俺たち相棒だろ?』
亜耶みたいなことを言う猫又がスッと消え、土器が通り抜けた鳥居が現れた。
「……ちゃん……?椿ちゃん??」
「はっ……!?……ああ、シロウか……」
現実に戻って来た私の顔を覗き込むシロウ。
「まさか、気分悪気くなったの!?」
「いいや、お前の師匠から、お前をよろしくって言われただけだw 」
「……師匠??」
「代わりに願いを叶えてくれるんだってよ♪」
「???」
首を傾げるシロウの手を引き、お寺や三重塔などを見学した。
「赤こんにゃくうめぇな♡♡♡」
「寒いからおでんが沁みるねぇ~~♡♡♡」
島内の土産物屋でおでんと甘酒を飲み、地元牛のカレーパンを分け合って食べた。
再び船で港に戻り、さらに北に車を走らせた。
「ここがかの有名な紅葉スポットか~~……」
「結構積もってるな」
メタセコイアの木が一直線に並ぶ道を走った。昨日まで雪が降っていたのだろう。田畑には薄っすら雪が被っていた。
途中、ヴィラやグランピング、飲食店などがある農業公園に立ち寄った。牧場に見学に行ったら、ちょうど馬車が空いていると言われ、味わい深い馬車に乗せて貰うことにした。乗り合わせた家族連れと雑談していたら、ま~~た隣で拗ねている気配がした。
「まさか今度は子供に妬いたとか言わねぇよなぁ??」
「……ふーんだ」
「お前ぇぇ~~……」
イラっときてついアイアンクローをかましそうになったが、こいつは子猫、こいつは子猫と自分に言い聞かせてふれ合いコーナーに向かった。
「馬の扱い方上手いな……」
「ダジャレ?僕も馬飼ってるから」
「ダハハハ!!ボンボンやぁ~~!!w w 」
「またそうやって線引きするぅぅーーーっっ!!」
馬を散々愛でた私たちは、すぐそばの食堂で食べ納めとばかりに地元和牛のすき焼き定食を食べた。
帰り道は道なりに進んで行き、最後に少し湖を見てから高速に乗った。海側の雪景色を眺めながら車を走らせ、家に着いたのは暗くなった頃だった。
「お帰り~~♡♡♡ 昨日バウムクーヘン届いたよ♡ ありがとう~~♡♡♡」
ママにそう言われ、日程が一日伸びた事とクリスマスプレゼントのことを思い出し、慌ててシロウに渡した。
「大したもんじゃないけど……」
「椿ちゃんがくれる物ならなんでも……ッッ!!♡♡♡♡」
南が「手作りのお菓子をあげたら蓮が号泣して喜んでた♡♡♡」と言っていたから一部採用して手作りのオルゴールを渡した。恥を忍んで「そしてあなたと……」というrainy dayの対となっている曲を入れた。
取り出した箱を開けると絵とメッセージが出てくる仕様だ。オルゴールを嬉しそうに眺めていたシロウだったが、ネジを回して曲を聴いた瞬間涙腺が決壊した。
「ゔわああああぁぁぁぁーーー~~っっ!!!」
「そんなに!!?」
シロウの叫び声に、親戚やお手伝いさんたちが何事かと集まって来た……。
「ゔゔゔゔれじいよおおおぉぉぉぉーーー~~ッッ!!!」
「椿~~……清四郎君いじめちゃダメじゃんw 」
人の曲をパクってばかりの自称ミュージシャンに言われてイラっとしたが、取り敢えずソファーに座らせて泣き止むまであやし続けた。
「グスッ……僕明日にでも死んじゃうのかな……?」
「アイツが末長い健康を約束してくれたから、それは無いだろw 」
「アイツ……?」
「お前の師匠さ♡♡♡」
涙目でキョトンとするシロウの頭を撫でながら、かつて相棒だったアイツに「見守ってくれよな……」と念を送っておいた。
「あ!お姉ちゃん帰って来てた♡♡♡」
「梓もこっちに来てたのか!!」
「うん♡ 今年は彼氏と来たよ~~♡♡♡」
「は!?」
梓の発言に驚いていたら、奥の部屋から男が出てきた。
「チューッスw お久しぶりっス椿姉さんw 」
「おっ……お前ッッ!!?」
そこにいたのは、高校の同級生のクソチャラ男、西田だった。
「テメェに姉さんとか言われたくねーーわクソがあぁぁーーーーッッ!!!」
「うわあぁぁぁ!!?待って待って話を聞いてくださいお姉様ッッ……イダダダダッッ!!!」
怒りのままに、西田にキャメルクラッチを喰らわせると、梓とシロウが悲鳴をあげた。
「お姉ちゃんやめてーーーッッ!!!」
「他の男に触らないでぇぇーーーッッ!!!」
何だかカオスな空間になってしまったけど、コイツだけは許さねえと西田の首を締め上げたのだった。
全く……気苦労が絶えない日々である。
13
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ホストな彼と別れようとしたお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレ男子に捕まるお話です。
あるいは最終的にお互いに溺れていくお話です。
御都合主義のハッピーエンドのSSです。
小説家になろう様でも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる