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島の生活と親戚の赤ちゃん編
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「命名、音原悠真(おとはらゆうま)」
2月の終わり頃、美涼ちゃんからチャットが届いた♡♡♡ 写真には泣き腫らした目の健吾君と叔父さん、満遍の笑みの美涼ちゃんと叔母さんが写っていて、無事生まれて良かったとホッとした。
そうこうしていたら4月の中頃、七海の妊娠が分かった♡♡♡ おめでたいこと続きだな~~と思いながら、私たちは相変わらず島でのんびり暮らしていた。
「ママ~~!おかしかって~~♡」
「一個だけよ~~」
「は~~い♡」
週末はバスで15分程海を走り、諸島で一番大きな島にあるスーパーで買い物をする。買い物終わりに船屋街のカフェでランチをするのが子供たちのお楽しみなのだ♡♡♡
「おしゃかなばーがーおいしいね~~♡」
「ぽてとおいちぃ♡」
地魚のバーガーを口いっぱいに頬張る子供たちは、今日も食欲旺盛だ♡♡♡
カフェを出て再びバスに乗り、社宅のある島に戻って暫くすると、朋子ちゃんや島の子たちが葵大と海碧を誘いに来た。子供たちは神社で遊んだり図書館で読書をしたり、アイデアを出し合って日々島内を冒険をしている。比較的年が上の子が下の子の面倒を見てくれるので、大人たちは大助かりである。
「ただいま南~~♡♡♡ ん~~良い匂い~~♡♡♡」
「おかえり蓮♡♡♡ 今日はイサキの煮付けだよ~~♡♡♡」
新鮮な魚介類がしょっちゅう手に入るようになったおかげで、我ながら魚を捌くのが上達したように思う。日々新鮮な食材が手に入り、フリーエネルギーのおかげで光熱費はかからず、年中快適に暮らせている。離島暮らしって、究極的に理想の生活じゃなかろうか?
「今日から社用車に空の道を走る車が加わったんだ~~♡♡♡」
「へぇ~~、相川君太っ腹だねぇ~~♡♡♡」
「多少は負い目があるって事じゃない?w 」
私たちが離島暮らしになったのは、相川君が椿と離れたくないからだと一時期ぼやいていた蓮だけど、言っても彼は社長なんだし純粋に蓮の実力が認められたのだと思いたい。
そんな感じで月に1~2回実家に帰りつつ、島での生活を謳歌していた。
「悠馬君可愛いねぇ~~♡♡♡」
「せやろ?♡♡ めっちゃかわええやろ~~?♡♡♡ もう愛する旦那様の子ってだけで異次元に可愛くて可愛くてしょーがないねん~~♡♡♡」
お盆前にじいちゃんたちの家に遊びに来た私たち。健吾君と美涼ちゃんの子供、悠馬君の出産祝いを渡し、最早カスタムし過ぎて住居スペース化した庭でスイカをいただいた。
「拓君は行かないの?」
「俺受験生やから、家で大人し勉強しとくわ。みんな楽しんできてや♪」
翌日拓君とじいちゃんばあちゃんに見送られ、私たちは叔父さんの車に乗って出発した。
「最近のベビーカーは浮くからええねぇ~~♡♡♡」
悠馬君を乗せたベビーカーを押しながら、叔母さんがしみじみと呟いた。フリーエネルギー内蔵のベビーカーは一見普通のベビーカーと変わらないけど、坂道や階段などでは浮遊モードにすれば風船のようにフワフワ浮いて操作も楽になるのだ。
じいちゃんちから車で30分程の場所にあるテーマパークに来た私たち。夏場のテーマパークに行く気になれたのはひとえにフリーエネルギーのおかげである。
「ミ◯オンだ~~!♡」
「ま◯お~~♡」
園内を歩いているだけで、キャストの人たちやキャラクターが子供たちを楽しませてくれる。建物やショップも非日常感たっぷりで、見ているだけでも楽しい♡♡♡
身長制限をパスした海碧も含めて4人で並び、2人ずつキャラクターの乗り物に乗った。乗り物から見えた世界は、ゲームの世界そのものだった♡♡♡
乗り物を乗ったり、キャラクターショーを見たりしていたら湖沿いのベンチで美涼ちゃんたちと鉢会った。
「健吾君しんどくない?w 」
「全然大丈夫です♡♡♡」
抱っこ紐を装着して悠馬君を抱っこする健吾君。因みに叔父さんたちはハ◯ウッドエリアで休憩しているそうだ。
「マ◯オだ~~♡」
「かれーおいちぃ♡」
キャラクターのランチに喜ぶ子供たち。美涼ちゃんは最近離乳食を始めたらしく、バッグの中から亜耶の離乳食を取り出していた。
「南ちゃんに勧められて買うたこれ、めっちゃ食べがええわ~~♡♡♡」
「でしょ?悔しいけど、葵大も海碧も一番のお気に入りだったんだよね~~w 」
ペースト状の離乳食をモグモグ食べる悠馬君。この子もなかなか食欲旺盛だ。
ランチの後は水を使ったアトラクションを見に行った。
「ひゃぁ~~!ぬれた~~!♡」
「わぁ~~!♡」
美涼ちゃんたちは悠馬君が濡れないようにと後ろの席に座り、私たちは前の方の席に座っていたからキャストさんに結構水をかけられてしまった。
「がんばれーー!がんばれーー!」
「わぁぁ~~!しゅごい~~!」
水上のアクションに夢中になる子供たち。ジェットスキーに水をかけられながら、大人も子供も夢中になってアトラクションを鑑賞した。
「ひこうきとんできたときびっくりした~~!」
「もえちゃったのびっくぃした~~」
感想を話しながら園内を歩き、パレードを観たり、アーケードゲームをしたりと目一杯遊び尽くした♡♡♡
「ぶたまんおぃしぃ~~♡」
「おいちぃ~~♡」
目一杯遊んだ後はモールにある蓬◯の豚まんに齧り付き、夕食はカツ丼をいただいた。夕食後はモールから徒歩数分のホテルにチェックインし、遊び疲れた体を休めた。
広いロビーにはしゃぐ子供たち。チェックインし、高層階のデラックスツインルームに移動した。荷物を下ろした後は最上階にある展望露天風呂に行き、港の夜景を一望しながら浸かっていたら、叔母さんと美涼ちゃんも入ってきた。
「あのオヤジ、孫のお風呂入れるのは楽しいみたいや。自分の子はろくにお風呂入れんかったのにな~~w 」
「オカンがそうやってチクチク言うからやってるんちゃう?w 」
大小様々な遺恨をお持ちの叔母さんがそう言うと、美涼ちゃんは苦笑いしていた。
「だってあかちゃんかわいいもんねぇ~~♡」
海碧がそう言うと、毒気を抜かれた叔母さんはケラケラと笑いだした。数年前から叔父さんのご苦労を目の当たりにしてきた身としては、なかなか感慨深い気持ちになったのだった……
「「弥栄~~♡♡♡」」
子供たちが寝た後は晩酌タイムだ。窓際のベンチに腰掛け、ロビーで購入した地ビールをいただきながら、テーマパークの夜景を眺めた。
「この生ハムおいし……て、ココでスるの……?♡♡」
「カーテン引けば良いじゃん♡♡♡」
ビールを飲んでいたら、いつの間にか盛っていた蓮からベンチに押し倒され、そのまま窓際で盛り上がってしまった♡♡♡
「あっ…♡ あっ…♡ んっ…♡」
「ハァッ…♡ ハァッ…♡ 南…ッッ♡♡♡」
膣内の脈動に顔を顰めると、間もなく私の中で脈動を始めた蓮♡♡♡ お互いの性欲を満たした後は、久しぶりに抱き合って眠った♡♡♡
「ちーずぺんねおいしぃ~~♡」
「たまかけごはんおいちぃ♡」
種類豊富な朝食ビュッフェをいただき、チェックアウトした後は再びテーマパークに向かった。
「元祖空飛ぶ車だ~~♡♡♡」
「今のは飛んでるんじゃなくて走ってるんだけどねw 」
ホ◯ワーツを再現したエリアに行き、世界観に浸りながら雰囲気のある街並みを歩いた。街には映画を再現した仕掛けが沢山あり、子供たちもあちこちを興奮しながら見て回っていた。
「ばたーびーるおいし~~♡」
「おひげ~~♡」
「甘ッッ!!」
「目が覚める甘さw 」
ちょっとしたカルチャーショックを受けながらバタービールを飲み、その後はショップで買った杖で魔法体験をして遊んだ。
「エ◯モ~~!♡」
「ちゅぬーぴーだ~~♡」
楽しいことには底無しの体力を見せつける子供たち。着いて回るだけで私たちはヘトヘトだ。乗り物や遊具などで目一杯遊び、ドライブインを模したレストランでランチをした。
「こういうアメリカンな雰囲気結構好き♡♡♡」
「なんかワクワクするよね~~♡♡♡」
「はんばーがーおいしぃ~~♡」
「おにおんちゅき~~♡」
午後のアトラクションを楽しんだ後は売店でお土産を購入し、駐車場に向かった。
「おかえり~~♡♡♡」
「ママも来てたんだ♡♡♡」
「ばぁばだ~~!♡」
夕方帰宅すると、ママが出迎えてくれた。お土産を広げながら楽しかったアトラクションの話をする子供たちを、ママはニコニコしながら聞いていた。
「みんな帰ってたのか~~♡♡♡」
じいちゃんとアウトドア用品を見に行っていたパパも帰ってきた。DIYに目覚めたパパは師匠に色々と教えを乞うていて、二人でカタログを見ながら色々と話していた。
夜は健吾君のご両親も含め、近所の串揚げ店に出掛けた。
「アスパラふっと!!♡♡♡」
「お造りも美味しいわぁ~~♡♡♡」
お座敷で和気藹々と食事をして、子供はジュース、大人はビールで乾杯した。海碧にとっては初めての年下の親戚だからか、悠真君のことをずっと気にかけている様子だった。
「たくくんといっしょにねる~~♡」
「そっかそっか葵大は俺と寝たいんか~~♡♡♡」
デレデレな拓君にお願いして、葵大を泊めてもらうことにした。二階の和室二間も人数分の布団を敷くと結構窮屈だ。そんな非日常空間に、海碧は随分とハイテンションだった。
翌日はみんなでお墓参りに行き、今年も極細素麺をお土産で購入した。
「やっぱここの素麺は別格だね~~♡♡♡」
「おいちぃ~~♡」
お食事処で素麺と炊き込みご飯をいただいた後は、近くの神社にお参りに行った。
「りゅうしゃんいるねぇ~~♡」
「ここのやまはおっきなしろへびがいるんだよ~~♡」
子供たちの言葉を興味深く聞きながら参拝し、帰り道で屋台のたませんを食べた。
「ウチらのソウルフードや~~♡♡♡」
「絶対食べる屋台飯だよね~~♡♡♡」
屋台やマルシェを見て回り、帰りに雑穀米のお店でまとめ買いした後、夕方頃に帰宅した。
「また遊びにおいで~~♡♡♡」
「おっきぃじーじ、おっきぃばーば、またね~~♡」
「まちゃね~~♡」
帰りは叔父さんが空港まで送ってくれて、空港から飛行機とバスを乗り継いで帰路に着いた。市街地で数日過ごすと、改めて島の長閑さを実感するなぁ~~と思いつつ、旅の荷物を片付けたのだった。
ーーーーーーー
『新しい社用車はどうだい?なかなか重宝してるだろ?』
「ああ、おかげさまで、移動がさらに楽になったわ」
月に一度のZO◯M会議で、相川もとい社長様に定期報告をしている。おかげさまで仕事は順調だし、妻子も島でのびのびと暮らしている。結果的に良い感じに収まったけど、何も知らずに相川のことを純粋に尊敬する尾本さんに、奴の本性をぶちまけてしまいたいと思いつつ、今日も元気に仕事をしていた。
「わぁ~~!!懐かしい~~♡♡♡」
旅系ユー◯ューバーもぐら旅さんが泊まっていた温泉旅館の動画を見て感嘆の声をあげた南。よくよく見たら、俺にとって因縁の旅館ではないか!?そう言えば意外と近場にあったんだったな……
「南……来月ここに行こう!!」
「え?」
「思い出を上書きしてやるッッ!!!」
「え~~?」
「うわがきってなぁに~~?」
「うわがき~~♡」
そんな訳で9月の末に、俺たちは本土の温泉地に向かったのだった。
「おそらのたびはたのしぃねぇ~~♡」
「おしょら~~♡」
「蓮……社用車使って良かったの?」
「良いんだよw 相川が良いって言ってるんだからw 」
普段から無茶振りばっかりしやがるんだ。この際社員特権はフル活用させて貰おう。
県道からは陸路を走り、山の麓にある牧場に辿り着いた。
「山も海も見えるね~~♡♡♡」
「景色最高だね~~♡♡♡」
放牧された牛は島でもよく見る光景だけど、ここの牛は乳牛が多い。
「プ◯レールだぁ~~!♡」
「でんしゃ~~♡」
子供たちは、牧場にあるレストランの中で走る電車の模型に目を輝かせた。
「牛乳とコーヒー牛乳はおかわり自由だって♡♡♡」
「ぼくおこさまらんち~~♡」
「おこしゃまらんち~~♡」
ステーキとチーズフォンデュを分け合いながら、牧場の側で食肉をするという罪深い行為に色々と考えさせられたのだった……
「しょふとくりーむおいちぃ~~♡」
「の~こ~だね~~♡」
「濃厚てw いつ覚えたん?w 」
牧場の景色を眺めながらソフトクリームを食べた後は、陸路を40分ほど走り、某推理漫画の博物館に到着した。
「かいとうきっどだ~~!♡」
「こなん~~♡」
俺と南が子供の頃から人気のアニメだ。ロングヒット作なだけあって、館内は国内外のファンで賑わっていてた。博物館では原画や体験型ゲームなどを楽しむことが出来た。近くには物語の舞台になっている街や建物を再現した場所があるらしい。
博物館からさらに15分程走り、湖に浮かぶ温泉旅館に到着した。
「ここか……因縁の場所……」
「わぁ~~懐かしい~~♡♡♡」
高校に入る前の春休み、着の身着のままで俺から逃げた南が椿、亜耶と一緒に来たのがこの温泉旅館である。最高の立地にある魅力的な旅館なのに、俺は苦々しい思いで外観を見上げたのだった……
庭園を通り、エントランスを潜ると、どこか懐かしい和モダンな雰囲気の空間が広がった。
「同じ部屋だ~~♡♡♡ でもリニューアルしてるね♡♡♡」
「おふねにのってるみたい~~♡」
「ひろ~~い♡」
一階の角部屋には柱を挟んでベッドルームと湖を眺めるカウンターがあり、大きな窓から見える湖の景色が圧巻だった。角の2辺に広いウッドデッキがあり、まるで船の上にいるような臨場感だ。ベッドの奥のデッキには大きなインフィニティ露天風呂があり、全員で入ってもゆとりのある大きさだった。
「……ここで椿と亜耶と泊まったんだよな……」
「そうそう、椿と一緒のベッドに寝たんだ~~♡♡♡」
「まさか亜耶と露天風呂に入ったりしてないよね……?」
「ないないw 亜耶のことは蓮も信頼してるでしょ?」
「ぼくかうんたーにすわる~~♡」
「うみも~~♡」
窓際のカウンターには椅子が3つ並んでいて、上にはお茶菓子が置かれていた。
「おせんべいおいしぃ~~♡」
「うみもたべる~~♡」
「お茶淹れるね~~♡♡ すごっ!お湯も出るウォーターサーバーがあるw 」
部屋でゆっくりした後はみんなで客室露天風呂に浸かり、浴衣に着替えて館内を散策した。
「だいよくじょうもおっきぃねぇ~~♡」
「そうだね~~♡♡♡」
湖を眺めながら葵大と岩風呂に浸かり、売店でお土産を見て回った。
「パパ~~、こなんのおかしかって~~♡」
「一個だけだよ」
有名漫画のお菓子を買って部屋に戻り、デッキで追いかけっこをする子供たち。かつて南が暴走した自分から逃れてきた部屋で、今では二人の子供が走り回っている。
「あの時感情爆発して良かったなぁ~~……」
「え?どうしたの急に……」
「だってあの時自分を押さえ込んでたら、今頃あの子たちはいなかったからさ……」
「そんなことはないでしょ~~w 」
南はケラケラ笑ってたけど、元々南はどこで誰といても幸せになれる人だ。だから俺が何らかのアクションをしなれば夫婦にも恋人にもなれなかった可能性が高い。ますます嫌われていた可能性もあったけど、それでもアクションを起こして良かったと心から思った。
「白イカうまぁ~~い♡♡♡」
「焼き肉うめぇ~~♡♡♡」
「おっきぃえびふらいだ~~♡」
「あわび~~♡」
大広間で地元で採れた海鮮や地元牛の夕食をいただき、楽しい家族団欒の時間を過ごした。
夜の客室露天風呂はライトアップされてムーディな雰囲気だ。子供たちが寝た後は、満天の星空と対岸の灯りを眺めながら地酒で乾杯した。
「そう言えば、あの時服とかどうしてたの?」
着の身着のまま飛び出した南は、手荷物を持たずに椿たちと旅行に行ってしまったのだ。
「取り敢えず椿の服借りて、あとは駅の中で調達したよ。全部椿が立て替えてくれてね~~……」
思い出話を楽しそうに話す南。因縁だ何だと拘っているのは結局俺だけなんだよな……。
「えいっ♡♡」
「やんっ♡ ……もぉ~~……」
何となく悔しくなって、南のおっぱいを掴んでうなじにチューしまくってやった♡♡♡
「ハァッ…♡ ハァッ…♡ ねぇ……ここじゃイヤ……♡♡♡」
「ゔわぁぁ~~あざといっっ!!♡♡♡」
上目遣いの南に見事に煽られ、急いで部屋に戻った俺たち♡♡♡ そんな訳でこの日も目一杯夫婦の仲良しを致したのだった♡♡♡ あ~~幸せっっ!!♡♡♡♡
「ちょこれーとふぁうんてんだぁ~~!♡」
「うみもやりたぁ~~い♡」
朝食ビュッフェにあったチョコレートファウンテンに朝からテンションMAXな子供たち。湖を眺めながら多彩なメニューをいただき、食後はそれぞれ大浴場を楽しんだ。
チェックアウトの後は陸路で高速を走り、砂丘のある砂浜に到着した。
「往復40分以上だって……」
「サバイバルだなw 」
だいぶ涼しくなったとは言え、本日は夏日である。トイレや水分確保などを万全にし、日焼け止め対策をして階段を登ると、砂丘の絶景が広がった。
「しゅご~~い!♡」
「らくだいる~~!♡」
絵に描いたような絶景ではあるが、何気に覚悟が必要な道乗りである……
「やっぱ海碧は歩くの大変そうだよね~~……」
海碧を言い訳に断念しようとしたら「あるく!」と言われてしまい、行けるとこまで行こうということになった。
「えっほ!えっほ!」
「おしゅな~~♡」
島に引っ越してから体力がついた子供たちは、思っていたより遥かに頑張って歩いていた。
「海碧~~?そろそろ抱っこしようか?」
「あるくっ!」
道中水分補給をさせつつ、馬の背の手前まで頑張って歩いた子供たち。急な坂道にチャレンジ精神が刺激されたらしく、葵大は急登を駆け上って行った。海碧は自分で上ったりおんぶして貰ったりしながら上り、やがて頂上に辿り着いた。
「うみだ~~!♡」
「わぁ~~い!♡」
海の絶景と達成感に湧く子供たち。巨大な砂場の前では大人も童心を刺激されて、みんなで砂遊びを楽しんだ。
周りの子供の真似をして砂を駆け降りる子供たちを諌めながら帰り道を歩き、砂まみれになった足を洗った。
「ぷりんおいしぃ~~♡」
「うまぁ~~♡」
砂を模した粉末カラメルをかけたプリンを頬張る子供たち。近くのカフェでランチをした後はこどもの国に移動した。
「すべりだいたのしぃ~~!♡」
「たのちぃ~~♡」
遊具や乗り物で元気に遊ぶ子供たち。砂丘で体力を削られたかと思いきや、全然元気に遊び回っていた。子供の楽しいことへのバイタリティ半端ないな……
海上の走行に規制がある為、いつもの港までは陸地の上を走った。そこから40分ほど海を走り、陽が沈む前に帰宅した。
「あ、シゲじいさんの野菜届いてる♡♡♡」
帰宅後宅配ボックスに入っていた荷物を運び、荷解きをした。輸送システムが発達したおかげで、離島暮らしでも特に不便を感じない。技術の発展に感謝しつつ、南と一緒に野菜の下拵えをしたのだった。
ーーーーーーー
「桜ちゃぁぁ~~ん!!また紬と出かけるのぉ~~!!?ヤダヤダ行かないでよぉぉ~~!!」
「依頼やて言うてるやろ……」
「うっせーーなジジイ!!つーかお前今年いくつだよ!?いつまで生きる気だ!?」
「まだ132歳ですぅぅーーーッッ!!まだまだ生きますぅぅーーーッッ!!」
曽祖父であるこのジジイは、私や亜耶が前世を生きていた頃からオッサンだった変態DS野郎である。三ヶ月ぶりに本家に顔を出してみれば相変わらずの三角関係を展開しており、最早呆れるしかないのであった……
「じぃちゃんないてゆの……?」
「おお佳凛~~♡♡♡ お前はおっとりしてて可愛いなぁ~~♡♡♡
ジジイが佳凛の頭を撫でていると、背後からギャン泣きする蒔温の声が聞こえてきた……
「どうした蒔温!?」
「おにぃがぁぁ~~!」
「ぼくわるくないもん!」
最近の頭が痛い問題がこっちでも……
万詩郎と蒔温は非常に仲が悪く、いつからかしょちゅう喧嘩ばかりするようになったのだ。南や七海のとこは兄弟仲良好らしいのに……
「どうして万詩郎と蒔温はあんなに仲が悪いんだろうな……」
「……あの子達なりの因縁があるんだよ……」
「え?何か知ってるの?」
シロウに聞かれ、私が見た彼らの過去世の話をした。
万詩郎の前世はとある国の皇帝だ。そして蒔温は皇弟だった。謂わゆる権力争いの果てに、弟は兄から粛清された……という経緯から、二人の仲が悪いのは当然っちゃ当然なのだ……
「へぇ~~……じゃあ佳凛の前世は?」
「蒔温の婚約者だったんだが、まあ謂わゆる出家をさせられてな……その後は神殿で世界の安寧を祈り続けたようだ……」
「なるほど~~……みんな壮絶な人生っだったんだね……」
そんな話をしながら屋根裏の「秘密基地」で紅茶を飲んでいると、里美が訪ねて来た。
「椿~~!あ、いたいた♡♡ 明日のリサイタル伴奏が急病で来れなくなっちゃったから椿が伴奏お願いね♡♡♡ これセットリスト♡♡ 詳しい事は秘書から連絡入れるから!じゃ、お願いね~~♡♡♡」
「えっ……?え……え~~……?」
言いたいことだけ言ってさっさと去ってしまった里美……彼女は母親同士が双子の姉妹と言うこともあってHanaによく似ている。主に性格面が……しかし普段から世話になっている以上、文句を言いづらいのもまた事実だ……
里美は弁護士になる前、ミュージカル女優をしていた。そういった経歴から、今でも時々地元でリサイタルをしているのだ。
「椿ちゃんさぁ……嫌なら嫌って言いなよ……」
「そんなことしたら優秀な顧問弁護士を失うだろーが……」
譜面を捲ると、メジャーなミュージカルソングが書いてあった。う~~ん……これなら一晩の練習でなんとか……
長いため息をついた後、諦めてピアノがある部屋に向かったのだった。
翌日の午後、空の道を1時間半ほど走って市内の小さなコンサートホールに向かった。本日の主役様を引き立てるべく無難な黒のドレスで会場入りし、簡単なリハーサルをした。
「1日でここまで仕上げてくるなんて、やっぱり椿に頼んでよかったわ♡♡♡ いっそ私の専属ピアニストにならない?♡♡♡」
「ははは……勘弁w 」
里美は良くも悪くもディーヴァだ。歌唱力は抜群なのだが、結構な女王気質なのである。私はそんな彼女のことが嫌いじゃないが、敵が多いのもまた事実。そういった人間はやはり魅力があるのだろう。ホールは満席御礼で、リサイタルの最中、観客は里美の歌声に酔いしれていた。
「お疲れ様でした~~♡♡♡」
雰囲気の良い夜景を眺められる大衆居酒屋での打ち上げに参加し、支援者さんやオケの皆さんとお喋りしながらライムサワーを煽った。
「肉巻き寿司うまっ♡♡♡」
「チゲ鍋うま~~い♡♡♡」
野心家で高級志向な里美にしては良いチョイスだと思いながら安酒を煽り、古都の夜景を眺めた。
「今日は比較的空いてますね。つくづくインバウンド落ち着いて良かったですねぇ~~♡♡♡」
「これくらいの賑わい方だったら街に出て来ようって気になるもんね~~♡♡♡」
みんなの話を聞きながら、深く頷いた。現政権の政策と円高傾向により以前のような混雑は無くなり、街には古き良き景色が戻った。文化を守る、景観を守るためには正しい施策だったと個人的に思っている。
「椿さんは音楽のお仕事はされませんの?」
「いや、事業や執筆が忙しいもので……」
音楽業界だけは嫌だとは言えず、当たり障りなく対応しつつ地酒を冷酒でいただいていたら、いつの間にか里美のご主人が合流していた。
「ご無沙汰してます」
「……ども……」
相変わらず愛想の無い人だ。里美とHanaの同級生らしいが、里美以外に愛想を振り撒いている所を見たことが無い。
「あ、そうそう♡♡ ちょっと遅いけど、椿に誕生日プレゼントを用意したの♡♡♡」
「え?なんかくれるのか?♡♡♡」
「ええ、前から秘書欲しいって言ってたよね?だから、彼を秘書としてプレゼント♡♡♡」
「え……はぁぁーーーーッッ!!?」
「……よろしく……」
「いやよろしくじゃねぇぇーーーーッッ!!!」
いやいや人のプレゼントなんてされたこと無いんですけど!?
「心配しなくても私が何年もかけて鍛え上げたんだから、秘書としては優秀だよ♡♡♡」
「いやいやいや……そういう話じゃなくて……」
「んもぉ~~!!私の好意が受け取れないっての!?」
「そんなんじゃないけど……」
強めに出られ、つい口篭ってしまった。里美に逆らえないのは顧問弁護士だからという理由だけじゃない。里美は呪術の能力が一族最強なのだ。分かりやすく例えると五◯悟みたいなもんである。最近では亜耶もかなり力をつけたけど、里美のそれは別格なので、ぶっちゃけ怖くて怖くて堪らないのである……
「じゃあ良いじゃない!はい、決まり~~♡♡♡」
「あっっ!?オイ!!」
「これからどうぞよろしくお願いいたします……」
「ちょっとォォーーーー!!?」
るんるんで去って行く里美。残された里美の旦那、及川さんはずっと私の横につっ立っていた。
「う゛わ゛あ゛ああぁぁ~~~~ッッ!!浮気だアァァァーー~~ッッ!!!」
「さっき説明しただろーーがッッ!!」
滞在先のホテルに及川さんを連れて行ったら、案の定シロウがギャン泣きした。
「私は里美しか愛していないのでご安心ください。こんなチンチクリン興味ないっす」
「それはそれでムカつくなw 」
「椿ちゃんを愚弄するなァァーーーーッッ!!!」
確かに里美も及川さんも長身のモデル体型だけど、流石にチンチクリン呼ばわりは腹立つw
なんやかんやで翌日から秘書兼家政夫として勤め始めた及川さんだが、思った以上に有能だった。あまりに仕事ができるからシロウも文句が言えず、ぐぬぬ状態である。
「おいかわしゃんだっこ~~♡」
「おぃかわちゃんごはん~~♡」
「おぃかわちゃ……ちっこでた……♡」
無表情の癖に子供たちに懐かれている及川さんに、ますますぐぬぬなシロウであるが、里美が怖いので辞めてもらうことも出来ない。それに牧さんや根本さんとの関係も良好で、結果的に我が家はますます賑やかになったのだった。
ーーーーーーー
待て待て待て待て……いきなり椿ちゃんにイケメンの秘書ができるなんて聞いてない!!
「言ってもあの人アラフォーだけどな」
「見た目若いじゃん!!」
「え?じゃあシロウから里美に言ってくれるのか?」
「……それはちょっと……」
いつだったか、屈強な大男が里美さんに吹っ飛ばされた場面を見てしまった僕は、いざそう言われると口篭ってしまった……
「あの二人、夫婦仲よろしくないの……?」
「いや、家に帰ったら超ラブラブだって及川さんが惚気てたぞ?」
「そっか~~……じゃあなんで……」
「単純に好意だろうな。マジで誕生日プレゼントのつもりなんだと思う……だから余計にタチが悪いんだが……」
面倒なことになってしまったと思ったけど、優秀な秘書の出現で夫婦の時間が増えた事は素直にありがたい……ぐぬぬ……
「それでは明日10時にお迎えにあがります」
「ありがとう及川さん」
お互いの仕事がひと段落し、古都の紅葉を楽しみつつ休暇を満喫するため世界遺産の寺を観光した。その後及川さんの運転で、近くのホテルに辿り着いた。
「おぃかわしゃんありがと♡」
「いってらっしゃいませ」
お別れの挨拶と言わんばかりに及川さんに抱き付いて頬にチューをする万詩郎。無表情の癖に万詩郎を夢中にさせる及川さんに内心イラっとしつつ、和モダンな水盤のあるロビーを通り、中庭が美しいティーハウスでチェックインした。
「こうようきれいね~~♡」
「ね~~♡」
蒔温と佳凛は仲良くウェルカムドリンクを飲み、中庭を指差してお喋りしている。この二人は双子なだけあって仲が良いのに、蒔温がやたらと万詩郎に突っかかるのだ。椿ちゃんから聞いた二人の前世の話を鑑みると、まぁそうなるのかもな……とは思うけど、出来ればもっと穏やかにいて欲しいものだ。
紅葉の山麓を望むスイートルームのドアを開けると、子供たちは大はしゃぎし始めた。シンプルモダンな内装のリビングルームミニバーには多彩なアルコールやドリンクが用意してあり、ベッドルームにはツインベッドと窓際に大きなデイベッドがある。
「おふろひろいねぇ~~♡」
「石張りの造りがかっこいいな~~♡♡♡」
バスルーム、パウダールームも広く、設備やアメニティも充実している。僕たちはルームツアーを終えると、中庭を散策することにした。
「しゃんぽ~~♡」
「しゃんぽっ♡」
「パパだっこ~~♡」
お互いがいるからか比較的自立心の強い双子に比べ、万詩郎は顔も中身も僕寄りの甘えん坊だ。椿ちゃんが双子の後を歩き、僕は万詩郎を抱っこしながら中庭や川沿いを散策した。
「スッキリ辛口でうまぁ~~♡♡♡」
地酒で乾杯し、僕たちはフレンチのコース料理を、子供たちはアラカルトをいただいた。
「カニおいしぃね~~♡」
「ほたてちゅき~~♡」
「かりんも~~♡」
万詩郎がカニと言っていたから思い出した。そろそろ五郎さんお気に入りの旅館が幻のカニを出す頃だ。また予約しておかなければと思いつつ繊細な味付けの料理を堪能し、ゆったりと食事を楽しんだのだった。
「ちゃぷ……ちゃぷ……」
お風呂の中でスクイーズを触って遊ぶ万詩郎。一つのことに夢中になると周りが見えなくなる万詩郎の身体を洗い、椿ちゃんに身体を拭いて貰っている間も彼は執拗にスクイーズを弄っていた。
「おにぃはこっちきちゃらめっ!」
「ばーか!」
「こらこら蒔温!意地悪言っちゃダメだろ?万詩郎も馬鹿とか言わない!」
椿ちゃんに嗜められ、涙目になった蒔温はそのままふて寝をしてしまった。おっとりな佳凛を挟んで子供たちが眠った後僕たちは部屋を出て、バーでシグニチャーカクテルをいただいた。
「ぼくおむれちゅ~~♡」
「まねちないでっ!」
「おかゆ~~♡」
メインを選ぶハーフビュッフェの朝食でも揉める蒔温とマイペースな佳凛。もうなるようになれと思いながら朝食をいただき、部屋で仕事を片付けた。
「お迎えにあがりました」
「おいかわしゃ~~ん♡ しゅき~~♡」
万詩郎に抱き付かれ、高い高いをする及川さん。くそ……ちょっと背が高いからってこれみよがしに高い高いしやがって……
「どうなさいました清四郎様?生理痛ですか?」
「お前ふざっっけんなよ!!?」
「はっ、失礼おばこきました。なにしろ物凄いお顔をなさっておりましたので」
いくら仕事が出来てもこういうトコ本当嫌い!!横で笑いを堪えてる椿ちゃんに苦々しい気持ちになりながら、山間の神社に向かって車を走らせた。
「おっほほほw 相変わらずえっぐい浄化力ww 」
椿ちゃん曰く、ほぼ全ての憑き物が落ちることで評判の神社。駐車場に到着すると、清涼な風がスー…ッと流れた。
「えっほ、えっほ」
「ちふねかわきれぃねぇ~~♡」
飲食店や旅館が立ち並ぶ川沿いを歩く双子。一方万詩郎はちゃっかり及川さんに抱っこして貰っている……
鳥居を潜り、灯篭の並ぶ石段を登った。
「万詩郎も自分で歩きなさい」
「おいかわしゃんがいいの……♡」
「おにぃのあほ~~」
「やめなさい蒔温。万詩郎も……妹たちが自分で歩いてるんだぞ?お兄ちゃんとして恥ずかしくないのか?」
「う゛~~……じゃあおにぃちゃんやめるもん!」
臍を曲げてプイッと横を向いてしまった万詩郎にため息をつくと、隣ではやっぱり椿ちゃんが笑いを堪えていた。
「万詩郎が申し訳ありません……」
「かまいませんよ。しかし紅葉が綺麗ですね」
及川さんが木々を見上げてそう言うと、万詩郎も真似をして空を見上げた。なんとなく及川さんのことをアンドロイドみたいに思っていたから、この人にも紅葉を美しいと思う感性があるんだ……と内心驚いた。
「何か失礼なこと考えてますね?」
「……いいえ?」
階段を上り、摂社から順番に参拝していった。椿ちゃんが祝詞を奏上すると、いつの間にか子供たちの顔つきが変わり、一緒になって真剣にお参りをしていた。いつかこの子たちの誰かが時期当主になったりするのだろうか……とぼんやり考えながら、御神前で手を合わせた。
「あ、る、こ~~♪あ、る、こ~~♪私は~~元気~~♪」
椿ちゃんが歌い始めると、及川さんにべったりだった万詩郎も自分で歩き出し、みんなで奥宮までの道のりを歩いた。途中料亭で昼食を摂り、鮎や湯葉の懐石をいただいた。
「流石上級国民様、いいもん食ってますね」
「……食わせるんじゃなかった……」
根本も大概僕のことを舐め腐っているけど、及川さんも相当である。確かこの人、子供の時に里美さんをいじめたせいで長年恨まれてたんだよな……そこからどうやって結婚に持ち込んだのやら……
「破れ鍋に綴じ蓋……」
「妻に言いつけますよ?」
「ごめんなさい……」
里美さんは身内の椿ちゃんですらビビり上がるほど恐ろしいのだ。本気で怒らせたら物理的に消されても社会的に消されてもおかしくないのである……
道路を歩き、中宮、奥宮と順番に廻った。
「神様なんか言ってたか?」
「あのねぇ……きょうだいなかよくしなさいって」
「じゃあ仲良くしなきゃなw 」
「う゛~~……」
「ぃやっっ!」
「うふふ……♡」
子供たちの返事を聞きながら笑いを堪えて参拝を終え、歩いて駐車場に戻った。空の道を駅まで走り、そこから新幹線に乗り換えた。去年リニアが開通したけど、フリーエネルギーを搭載している新幹線も以前よりスピードが速くなった。現政権が陸路を蔑ろにせず潤沢な予算を組んでいることで、現時点では道路整備もきちんとされている。陸路には陸路、海路には海路のメリットがあるのだと政府がきちんと把握してくれているのだ。移動手段が空メインになってもずっと公共インフラは残り続けて欲しいと思いながら、外の景色を嬉しそうに眺める子供たちを見守ったのだった♡♡♡
2月の終わり頃、美涼ちゃんからチャットが届いた♡♡♡ 写真には泣き腫らした目の健吾君と叔父さん、満遍の笑みの美涼ちゃんと叔母さんが写っていて、無事生まれて良かったとホッとした。
そうこうしていたら4月の中頃、七海の妊娠が分かった♡♡♡ おめでたいこと続きだな~~と思いながら、私たちは相変わらず島でのんびり暮らしていた。
「ママ~~!おかしかって~~♡」
「一個だけよ~~」
「は~~い♡」
週末はバスで15分程海を走り、諸島で一番大きな島にあるスーパーで買い物をする。買い物終わりに船屋街のカフェでランチをするのが子供たちのお楽しみなのだ♡♡♡
「おしゃかなばーがーおいしいね~~♡」
「ぽてとおいちぃ♡」
地魚のバーガーを口いっぱいに頬張る子供たちは、今日も食欲旺盛だ♡♡♡
カフェを出て再びバスに乗り、社宅のある島に戻って暫くすると、朋子ちゃんや島の子たちが葵大と海碧を誘いに来た。子供たちは神社で遊んだり図書館で読書をしたり、アイデアを出し合って日々島内を冒険をしている。比較的年が上の子が下の子の面倒を見てくれるので、大人たちは大助かりである。
「ただいま南~~♡♡♡ ん~~良い匂い~~♡♡♡」
「おかえり蓮♡♡♡ 今日はイサキの煮付けだよ~~♡♡♡」
新鮮な魚介類がしょっちゅう手に入るようになったおかげで、我ながら魚を捌くのが上達したように思う。日々新鮮な食材が手に入り、フリーエネルギーのおかげで光熱費はかからず、年中快適に暮らせている。離島暮らしって、究極的に理想の生活じゃなかろうか?
「今日から社用車に空の道を走る車が加わったんだ~~♡♡♡」
「へぇ~~、相川君太っ腹だねぇ~~♡♡♡」
「多少は負い目があるって事じゃない?w 」
私たちが離島暮らしになったのは、相川君が椿と離れたくないからだと一時期ぼやいていた蓮だけど、言っても彼は社長なんだし純粋に蓮の実力が認められたのだと思いたい。
そんな感じで月に1~2回実家に帰りつつ、島での生活を謳歌していた。
「悠馬君可愛いねぇ~~♡♡♡」
「せやろ?♡♡ めっちゃかわええやろ~~?♡♡♡ もう愛する旦那様の子ってだけで異次元に可愛くて可愛くてしょーがないねん~~♡♡♡」
お盆前にじいちゃんたちの家に遊びに来た私たち。健吾君と美涼ちゃんの子供、悠馬君の出産祝いを渡し、最早カスタムし過ぎて住居スペース化した庭でスイカをいただいた。
「拓君は行かないの?」
「俺受験生やから、家で大人し勉強しとくわ。みんな楽しんできてや♪」
翌日拓君とじいちゃんばあちゃんに見送られ、私たちは叔父さんの車に乗って出発した。
「最近のベビーカーは浮くからええねぇ~~♡♡♡」
悠馬君を乗せたベビーカーを押しながら、叔母さんがしみじみと呟いた。フリーエネルギー内蔵のベビーカーは一見普通のベビーカーと変わらないけど、坂道や階段などでは浮遊モードにすれば風船のようにフワフワ浮いて操作も楽になるのだ。
じいちゃんちから車で30分程の場所にあるテーマパークに来た私たち。夏場のテーマパークに行く気になれたのはひとえにフリーエネルギーのおかげである。
「ミ◯オンだ~~!♡」
「ま◯お~~♡」
園内を歩いているだけで、キャストの人たちやキャラクターが子供たちを楽しませてくれる。建物やショップも非日常感たっぷりで、見ているだけでも楽しい♡♡♡
身長制限をパスした海碧も含めて4人で並び、2人ずつキャラクターの乗り物に乗った。乗り物から見えた世界は、ゲームの世界そのものだった♡♡♡
乗り物を乗ったり、キャラクターショーを見たりしていたら湖沿いのベンチで美涼ちゃんたちと鉢会った。
「健吾君しんどくない?w 」
「全然大丈夫です♡♡♡」
抱っこ紐を装着して悠馬君を抱っこする健吾君。因みに叔父さんたちはハ◯ウッドエリアで休憩しているそうだ。
「マ◯オだ~~♡」
「かれーおいちぃ♡」
キャラクターのランチに喜ぶ子供たち。美涼ちゃんは最近離乳食を始めたらしく、バッグの中から亜耶の離乳食を取り出していた。
「南ちゃんに勧められて買うたこれ、めっちゃ食べがええわ~~♡♡♡」
「でしょ?悔しいけど、葵大も海碧も一番のお気に入りだったんだよね~~w 」
ペースト状の離乳食をモグモグ食べる悠馬君。この子もなかなか食欲旺盛だ。
ランチの後は水を使ったアトラクションを見に行った。
「ひゃぁ~~!ぬれた~~!♡」
「わぁ~~!♡」
美涼ちゃんたちは悠馬君が濡れないようにと後ろの席に座り、私たちは前の方の席に座っていたからキャストさんに結構水をかけられてしまった。
「がんばれーー!がんばれーー!」
「わぁぁ~~!しゅごい~~!」
水上のアクションに夢中になる子供たち。ジェットスキーに水をかけられながら、大人も子供も夢中になってアトラクションを鑑賞した。
「ひこうきとんできたときびっくりした~~!」
「もえちゃったのびっくぃした~~」
感想を話しながら園内を歩き、パレードを観たり、アーケードゲームをしたりと目一杯遊び尽くした♡♡♡
「ぶたまんおぃしぃ~~♡」
「おいちぃ~~♡」
目一杯遊んだ後はモールにある蓬◯の豚まんに齧り付き、夕食はカツ丼をいただいた。夕食後はモールから徒歩数分のホテルにチェックインし、遊び疲れた体を休めた。
広いロビーにはしゃぐ子供たち。チェックインし、高層階のデラックスツインルームに移動した。荷物を下ろした後は最上階にある展望露天風呂に行き、港の夜景を一望しながら浸かっていたら、叔母さんと美涼ちゃんも入ってきた。
「あのオヤジ、孫のお風呂入れるのは楽しいみたいや。自分の子はろくにお風呂入れんかったのにな~~w 」
「オカンがそうやってチクチク言うからやってるんちゃう?w 」
大小様々な遺恨をお持ちの叔母さんがそう言うと、美涼ちゃんは苦笑いしていた。
「だってあかちゃんかわいいもんねぇ~~♡」
海碧がそう言うと、毒気を抜かれた叔母さんはケラケラと笑いだした。数年前から叔父さんのご苦労を目の当たりにしてきた身としては、なかなか感慨深い気持ちになったのだった……
「「弥栄~~♡♡♡」」
子供たちが寝た後は晩酌タイムだ。窓際のベンチに腰掛け、ロビーで購入した地ビールをいただきながら、テーマパークの夜景を眺めた。
「この生ハムおいし……て、ココでスるの……?♡♡」
「カーテン引けば良いじゃん♡♡♡」
ビールを飲んでいたら、いつの間にか盛っていた蓮からベンチに押し倒され、そのまま窓際で盛り上がってしまった♡♡♡
「あっ…♡ あっ…♡ んっ…♡」
「ハァッ…♡ ハァッ…♡ 南…ッッ♡♡♡」
膣内の脈動に顔を顰めると、間もなく私の中で脈動を始めた蓮♡♡♡ お互いの性欲を満たした後は、久しぶりに抱き合って眠った♡♡♡
「ちーずぺんねおいしぃ~~♡」
「たまかけごはんおいちぃ♡」
種類豊富な朝食ビュッフェをいただき、チェックアウトした後は再びテーマパークに向かった。
「元祖空飛ぶ車だ~~♡♡♡」
「今のは飛んでるんじゃなくて走ってるんだけどねw 」
ホ◯ワーツを再現したエリアに行き、世界観に浸りながら雰囲気のある街並みを歩いた。街には映画を再現した仕掛けが沢山あり、子供たちもあちこちを興奮しながら見て回っていた。
「ばたーびーるおいし~~♡」
「おひげ~~♡」
「甘ッッ!!」
「目が覚める甘さw 」
ちょっとしたカルチャーショックを受けながらバタービールを飲み、その後はショップで買った杖で魔法体験をして遊んだ。
「エ◯モ~~!♡」
「ちゅぬーぴーだ~~♡」
楽しいことには底無しの体力を見せつける子供たち。着いて回るだけで私たちはヘトヘトだ。乗り物や遊具などで目一杯遊び、ドライブインを模したレストランでランチをした。
「こういうアメリカンな雰囲気結構好き♡♡♡」
「なんかワクワクするよね~~♡♡♡」
「はんばーがーおいしぃ~~♡」
「おにおんちゅき~~♡」
午後のアトラクションを楽しんだ後は売店でお土産を購入し、駐車場に向かった。
「おかえり~~♡♡♡」
「ママも来てたんだ♡♡♡」
「ばぁばだ~~!♡」
夕方帰宅すると、ママが出迎えてくれた。お土産を広げながら楽しかったアトラクションの話をする子供たちを、ママはニコニコしながら聞いていた。
「みんな帰ってたのか~~♡♡♡」
じいちゃんとアウトドア用品を見に行っていたパパも帰ってきた。DIYに目覚めたパパは師匠に色々と教えを乞うていて、二人でカタログを見ながら色々と話していた。
夜は健吾君のご両親も含め、近所の串揚げ店に出掛けた。
「アスパラふっと!!♡♡♡」
「お造りも美味しいわぁ~~♡♡♡」
お座敷で和気藹々と食事をして、子供はジュース、大人はビールで乾杯した。海碧にとっては初めての年下の親戚だからか、悠真君のことをずっと気にかけている様子だった。
「たくくんといっしょにねる~~♡」
「そっかそっか葵大は俺と寝たいんか~~♡♡♡」
デレデレな拓君にお願いして、葵大を泊めてもらうことにした。二階の和室二間も人数分の布団を敷くと結構窮屈だ。そんな非日常空間に、海碧は随分とハイテンションだった。
翌日はみんなでお墓参りに行き、今年も極細素麺をお土産で購入した。
「やっぱここの素麺は別格だね~~♡♡♡」
「おいちぃ~~♡」
お食事処で素麺と炊き込みご飯をいただいた後は、近くの神社にお参りに行った。
「りゅうしゃんいるねぇ~~♡」
「ここのやまはおっきなしろへびがいるんだよ~~♡」
子供たちの言葉を興味深く聞きながら参拝し、帰り道で屋台のたませんを食べた。
「ウチらのソウルフードや~~♡♡♡」
「絶対食べる屋台飯だよね~~♡♡♡」
屋台やマルシェを見て回り、帰りに雑穀米のお店でまとめ買いした後、夕方頃に帰宅した。
「また遊びにおいで~~♡♡♡」
「おっきぃじーじ、おっきぃばーば、またね~~♡」
「まちゃね~~♡」
帰りは叔父さんが空港まで送ってくれて、空港から飛行機とバスを乗り継いで帰路に着いた。市街地で数日過ごすと、改めて島の長閑さを実感するなぁ~~と思いつつ、旅の荷物を片付けたのだった。
ーーーーーーー
『新しい社用車はどうだい?なかなか重宝してるだろ?』
「ああ、おかげさまで、移動がさらに楽になったわ」
月に一度のZO◯M会議で、相川もとい社長様に定期報告をしている。おかげさまで仕事は順調だし、妻子も島でのびのびと暮らしている。結果的に良い感じに収まったけど、何も知らずに相川のことを純粋に尊敬する尾本さんに、奴の本性をぶちまけてしまいたいと思いつつ、今日も元気に仕事をしていた。
「わぁ~~!!懐かしい~~♡♡♡」
旅系ユー◯ューバーもぐら旅さんが泊まっていた温泉旅館の動画を見て感嘆の声をあげた南。よくよく見たら、俺にとって因縁の旅館ではないか!?そう言えば意外と近場にあったんだったな……
「南……来月ここに行こう!!」
「え?」
「思い出を上書きしてやるッッ!!!」
「え~~?」
「うわがきってなぁに~~?」
「うわがき~~♡」
そんな訳で9月の末に、俺たちは本土の温泉地に向かったのだった。
「おそらのたびはたのしぃねぇ~~♡」
「おしょら~~♡」
「蓮……社用車使って良かったの?」
「良いんだよw 相川が良いって言ってるんだからw 」
普段から無茶振りばっかりしやがるんだ。この際社員特権はフル活用させて貰おう。
県道からは陸路を走り、山の麓にある牧場に辿り着いた。
「山も海も見えるね~~♡♡♡」
「景色最高だね~~♡♡♡」
放牧された牛は島でもよく見る光景だけど、ここの牛は乳牛が多い。
「プ◯レールだぁ~~!♡」
「でんしゃ~~♡」
子供たちは、牧場にあるレストランの中で走る電車の模型に目を輝かせた。
「牛乳とコーヒー牛乳はおかわり自由だって♡♡♡」
「ぼくおこさまらんち~~♡」
「おこしゃまらんち~~♡」
ステーキとチーズフォンデュを分け合いながら、牧場の側で食肉をするという罪深い行為に色々と考えさせられたのだった……
「しょふとくりーむおいちぃ~~♡」
「の~こ~だね~~♡」
「濃厚てw いつ覚えたん?w 」
牧場の景色を眺めながらソフトクリームを食べた後は、陸路を40分ほど走り、某推理漫画の博物館に到着した。
「かいとうきっどだ~~!♡」
「こなん~~♡」
俺と南が子供の頃から人気のアニメだ。ロングヒット作なだけあって、館内は国内外のファンで賑わっていてた。博物館では原画や体験型ゲームなどを楽しむことが出来た。近くには物語の舞台になっている街や建物を再現した場所があるらしい。
博物館からさらに15分程走り、湖に浮かぶ温泉旅館に到着した。
「ここか……因縁の場所……」
「わぁ~~懐かしい~~♡♡♡」
高校に入る前の春休み、着の身着のままで俺から逃げた南が椿、亜耶と一緒に来たのがこの温泉旅館である。最高の立地にある魅力的な旅館なのに、俺は苦々しい思いで外観を見上げたのだった……
庭園を通り、エントランスを潜ると、どこか懐かしい和モダンな雰囲気の空間が広がった。
「同じ部屋だ~~♡♡♡ でもリニューアルしてるね♡♡♡」
「おふねにのってるみたい~~♡」
「ひろ~~い♡」
一階の角部屋には柱を挟んでベッドルームと湖を眺めるカウンターがあり、大きな窓から見える湖の景色が圧巻だった。角の2辺に広いウッドデッキがあり、まるで船の上にいるような臨場感だ。ベッドの奥のデッキには大きなインフィニティ露天風呂があり、全員で入ってもゆとりのある大きさだった。
「……ここで椿と亜耶と泊まったんだよな……」
「そうそう、椿と一緒のベッドに寝たんだ~~♡♡♡」
「まさか亜耶と露天風呂に入ったりしてないよね……?」
「ないないw 亜耶のことは蓮も信頼してるでしょ?」
「ぼくかうんたーにすわる~~♡」
「うみも~~♡」
窓際のカウンターには椅子が3つ並んでいて、上にはお茶菓子が置かれていた。
「おせんべいおいしぃ~~♡」
「うみもたべる~~♡」
「お茶淹れるね~~♡♡ すごっ!お湯も出るウォーターサーバーがあるw 」
部屋でゆっくりした後はみんなで客室露天風呂に浸かり、浴衣に着替えて館内を散策した。
「だいよくじょうもおっきぃねぇ~~♡」
「そうだね~~♡♡♡」
湖を眺めながら葵大と岩風呂に浸かり、売店でお土産を見て回った。
「パパ~~、こなんのおかしかって~~♡」
「一個だけだよ」
有名漫画のお菓子を買って部屋に戻り、デッキで追いかけっこをする子供たち。かつて南が暴走した自分から逃れてきた部屋で、今では二人の子供が走り回っている。
「あの時感情爆発して良かったなぁ~~……」
「え?どうしたの急に……」
「だってあの時自分を押さえ込んでたら、今頃あの子たちはいなかったからさ……」
「そんなことはないでしょ~~w 」
南はケラケラ笑ってたけど、元々南はどこで誰といても幸せになれる人だ。だから俺が何らかのアクションをしなれば夫婦にも恋人にもなれなかった可能性が高い。ますます嫌われていた可能性もあったけど、それでもアクションを起こして良かったと心から思った。
「白イカうまぁ~~い♡♡♡」
「焼き肉うめぇ~~♡♡♡」
「おっきぃえびふらいだ~~♡」
「あわび~~♡」
大広間で地元で採れた海鮮や地元牛の夕食をいただき、楽しい家族団欒の時間を過ごした。
夜の客室露天風呂はライトアップされてムーディな雰囲気だ。子供たちが寝た後は、満天の星空と対岸の灯りを眺めながら地酒で乾杯した。
「そう言えば、あの時服とかどうしてたの?」
着の身着のまま飛び出した南は、手荷物を持たずに椿たちと旅行に行ってしまったのだ。
「取り敢えず椿の服借りて、あとは駅の中で調達したよ。全部椿が立て替えてくれてね~~……」
思い出話を楽しそうに話す南。因縁だ何だと拘っているのは結局俺だけなんだよな……。
「えいっ♡♡」
「やんっ♡ ……もぉ~~……」
何となく悔しくなって、南のおっぱいを掴んでうなじにチューしまくってやった♡♡♡
「ハァッ…♡ ハァッ…♡ ねぇ……ここじゃイヤ……♡♡♡」
「ゔわぁぁ~~あざといっっ!!♡♡♡」
上目遣いの南に見事に煽られ、急いで部屋に戻った俺たち♡♡♡ そんな訳でこの日も目一杯夫婦の仲良しを致したのだった♡♡♡ あ~~幸せっっ!!♡♡♡♡
「ちょこれーとふぁうんてんだぁ~~!♡」
「うみもやりたぁ~~い♡」
朝食ビュッフェにあったチョコレートファウンテンに朝からテンションMAXな子供たち。湖を眺めながら多彩なメニューをいただき、食後はそれぞれ大浴場を楽しんだ。
チェックアウトの後は陸路で高速を走り、砂丘のある砂浜に到着した。
「往復40分以上だって……」
「サバイバルだなw 」
だいぶ涼しくなったとは言え、本日は夏日である。トイレや水分確保などを万全にし、日焼け止め対策をして階段を登ると、砂丘の絶景が広がった。
「しゅご~~い!♡」
「らくだいる~~!♡」
絵に描いたような絶景ではあるが、何気に覚悟が必要な道乗りである……
「やっぱ海碧は歩くの大変そうだよね~~……」
海碧を言い訳に断念しようとしたら「あるく!」と言われてしまい、行けるとこまで行こうということになった。
「えっほ!えっほ!」
「おしゅな~~♡」
島に引っ越してから体力がついた子供たちは、思っていたより遥かに頑張って歩いていた。
「海碧~~?そろそろ抱っこしようか?」
「あるくっ!」
道中水分補給をさせつつ、馬の背の手前まで頑張って歩いた子供たち。急な坂道にチャレンジ精神が刺激されたらしく、葵大は急登を駆け上って行った。海碧は自分で上ったりおんぶして貰ったりしながら上り、やがて頂上に辿り着いた。
「うみだ~~!♡」
「わぁ~~い!♡」
海の絶景と達成感に湧く子供たち。巨大な砂場の前では大人も童心を刺激されて、みんなで砂遊びを楽しんだ。
周りの子供の真似をして砂を駆け降りる子供たちを諌めながら帰り道を歩き、砂まみれになった足を洗った。
「ぷりんおいしぃ~~♡」
「うまぁ~~♡」
砂を模した粉末カラメルをかけたプリンを頬張る子供たち。近くのカフェでランチをした後はこどもの国に移動した。
「すべりだいたのしぃ~~!♡」
「たのちぃ~~♡」
遊具や乗り物で元気に遊ぶ子供たち。砂丘で体力を削られたかと思いきや、全然元気に遊び回っていた。子供の楽しいことへのバイタリティ半端ないな……
海上の走行に規制がある為、いつもの港までは陸地の上を走った。そこから40分ほど海を走り、陽が沈む前に帰宅した。
「あ、シゲじいさんの野菜届いてる♡♡♡」
帰宅後宅配ボックスに入っていた荷物を運び、荷解きをした。輸送システムが発達したおかげで、離島暮らしでも特に不便を感じない。技術の発展に感謝しつつ、南と一緒に野菜の下拵えをしたのだった。
ーーーーーーー
「桜ちゃぁぁ~~ん!!また紬と出かけるのぉ~~!!?ヤダヤダ行かないでよぉぉ~~!!」
「依頼やて言うてるやろ……」
「うっせーーなジジイ!!つーかお前今年いくつだよ!?いつまで生きる気だ!?」
「まだ132歳ですぅぅーーーッッ!!まだまだ生きますぅぅーーーッッ!!」
曽祖父であるこのジジイは、私や亜耶が前世を生きていた頃からオッサンだった変態DS野郎である。三ヶ月ぶりに本家に顔を出してみれば相変わらずの三角関係を展開しており、最早呆れるしかないのであった……
「じぃちゃんないてゆの……?」
「おお佳凛~~♡♡♡ お前はおっとりしてて可愛いなぁ~~♡♡♡
ジジイが佳凛の頭を撫でていると、背後からギャン泣きする蒔温の声が聞こえてきた……
「どうした蒔温!?」
「おにぃがぁぁ~~!」
「ぼくわるくないもん!」
最近の頭が痛い問題がこっちでも……
万詩郎と蒔温は非常に仲が悪く、いつからかしょちゅう喧嘩ばかりするようになったのだ。南や七海のとこは兄弟仲良好らしいのに……
「どうして万詩郎と蒔温はあんなに仲が悪いんだろうな……」
「……あの子達なりの因縁があるんだよ……」
「え?何か知ってるの?」
シロウに聞かれ、私が見た彼らの過去世の話をした。
万詩郎の前世はとある国の皇帝だ。そして蒔温は皇弟だった。謂わゆる権力争いの果てに、弟は兄から粛清された……という経緯から、二人の仲が悪いのは当然っちゃ当然なのだ……
「へぇ~~……じゃあ佳凛の前世は?」
「蒔温の婚約者だったんだが、まあ謂わゆる出家をさせられてな……その後は神殿で世界の安寧を祈り続けたようだ……」
「なるほど~~……みんな壮絶な人生っだったんだね……」
そんな話をしながら屋根裏の「秘密基地」で紅茶を飲んでいると、里美が訪ねて来た。
「椿~~!あ、いたいた♡♡ 明日のリサイタル伴奏が急病で来れなくなっちゃったから椿が伴奏お願いね♡♡♡ これセットリスト♡♡ 詳しい事は秘書から連絡入れるから!じゃ、お願いね~~♡♡♡」
「えっ……?え……え~~……?」
言いたいことだけ言ってさっさと去ってしまった里美……彼女は母親同士が双子の姉妹と言うこともあってHanaによく似ている。主に性格面が……しかし普段から世話になっている以上、文句を言いづらいのもまた事実だ……
里美は弁護士になる前、ミュージカル女優をしていた。そういった経歴から、今でも時々地元でリサイタルをしているのだ。
「椿ちゃんさぁ……嫌なら嫌って言いなよ……」
「そんなことしたら優秀な顧問弁護士を失うだろーが……」
譜面を捲ると、メジャーなミュージカルソングが書いてあった。う~~ん……これなら一晩の練習でなんとか……
長いため息をついた後、諦めてピアノがある部屋に向かったのだった。
翌日の午後、空の道を1時間半ほど走って市内の小さなコンサートホールに向かった。本日の主役様を引き立てるべく無難な黒のドレスで会場入りし、簡単なリハーサルをした。
「1日でここまで仕上げてくるなんて、やっぱり椿に頼んでよかったわ♡♡♡ いっそ私の専属ピアニストにならない?♡♡♡」
「ははは……勘弁w 」
里美は良くも悪くもディーヴァだ。歌唱力は抜群なのだが、結構な女王気質なのである。私はそんな彼女のことが嫌いじゃないが、敵が多いのもまた事実。そういった人間はやはり魅力があるのだろう。ホールは満席御礼で、リサイタルの最中、観客は里美の歌声に酔いしれていた。
「お疲れ様でした~~♡♡♡」
雰囲気の良い夜景を眺められる大衆居酒屋での打ち上げに参加し、支援者さんやオケの皆さんとお喋りしながらライムサワーを煽った。
「肉巻き寿司うまっ♡♡♡」
「チゲ鍋うま~~い♡♡♡」
野心家で高級志向な里美にしては良いチョイスだと思いながら安酒を煽り、古都の夜景を眺めた。
「今日は比較的空いてますね。つくづくインバウンド落ち着いて良かったですねぇ~~♡♡♡」
「これくらいの賑わい方だったら街に出て来ようって気になるもんね~~♡♡♡」
みんなの話を聞きながら、深く頷いた。現政権の政策と円高傾向により以前のような混雑は無くなり、街には古き良き景色が戻った。文化を守る、景観を守るためには正しい施策だったと個人的に思っている。
「椿さんは音楽のお仕事はされませんの?」
「いや、事業や執筆が忙しいもので……」
音楽業界だけは嫌だとは言えず、当たり障りなく対応しつつ地酒を冷酒でいただいていたら、いつの間にか里美のご主人が合流していた。
「ご無沙汰してます」
「……ども……」
相変わらず愛想の無い人だ。里美とHanaの同級生らしいが、里美以外に愛想を振り撒いている所を見たことが無い。
「あ、そうそう♡♡ ちょっと遅いけど、椿に誕生日プレゼントを用意したの♡♡♡」
「え?なんかくれるのか?♡♡♡」
「ええ、前から秘書欲しいって言ってたよね?だから、彼を秘書としてプレゼント♡♡♡」
「え……はぁぁーーーーッッ!!?」
「……よろしく……」
「いやよろしくじゃねぇぇーーーーッッ!!!」
いやいや人のプレゼントなんてされたこと無いんですけど!?
「心配しなくても私が何年もかけて鍛え上げたんだから、秘書としては優秀だよ♡♡♡」
「いやいやいや……そういう話じゃなくて……」
「んもぉ~~!!私の好意が受け取れないっての!?」
「そんなんじゃないけど……」
強めに出られ、つい口篭ってしまった。里美に逆らえないのは顧問弁護士だからという理由だけじゃない。里美は呪術の能力が一族最強なのだ。分かりやすく例えると五◯悟みたいなもんである。最近では亜耶もかなり力をつけたけど、里美のそれは別格なので、ぶっちゃけ怖くて怖くて堪らないのである……
「じゃあ良いじゃない!はい、決まり~~♡♡♡」
「あっっ!?オイ!!」
「これからどうぞよろしくお願いいたします……」
「ちょっとォォーーーー!!?」
るんるんで去って行く里美。残された里美の旦那、及川さんはずっと私の横につっ立っていた。
「う゛わ゛あ゛ああぁぁ~~~~ッッ!!浮気だアァァァーー~~ッッ!!!」
「さっき説明しただろーーがッッ!!」
滞在先のホテルに及川さんを連れて行ったら、案の定シロウがギャン泣きした。
「私は里美しか愛していないのでご安心ください。こんなチンチクリン興味ないっす」
「それはそれでムカつくなw 」
「椿ちゃんを愚弄するなァァーーーーッッ!!!」
確かに里美も及川さんも長身のモデル体型だけど、流石にチンチクリン呼ばわりは腹立つw
なんやかんやで翌日から秘書兼家政夫として勤め始めた及川さんだが、思った以上に有能だった。あまりに仕事ができるからシロウも文句が言えず、ぐぬぬ状態である。
「おいかわしゃんだっこ~~♡」
「おぃかわちゃんごはん~~♡」
「おぃかわちゃ……ちっこでた……♡」
無表情の癖に子供たちに懐かれている及川さんに、ますますぐぬぬなシロウであるが、里美が怖いので辞めてもらうことも出来ない。それに牧さんや根本さんとの関係も良好で、結果的に我が家はますます賑やかになったのだった。
ーーーーーーー
待て待て待て待て……いきなり椿ちゃんにイケメンの秘書ができるなんて聞いてない!!
「言ってもあの人アラフォーだけどな」
「見た目若いじゃん!!」
「え?じゃあシロウから里美に言ってくれるのか?」
「……それはちょっと……」
いつだったか、屈強な大男が里美さんに吹っ飛ばされた場面を見てしまった僕は、いざそう言われると口篭ってしまった……
「あの二人、夫婦仲よろしくないの……?」
「いや、家に帰ったら超ラブラブだって及川さんが惚気てたぞ?」
「そっか~~……じゃあなんで……」
「単純に好意だろうな。マジで誕生日プレゼントのつもりなんだと思う……だから余計にタチが悪いんだが……」
面倒なことになってしまったと思ったけど、優秀な秘書の出現で夫婦の時間が増えた事は素直にありがたい……ぐぬぬ……
「それでは明日10時にお迎えにあがります」
「ありがとう及川さん」
お互いの仕事がひと段落し、古都の紅葉を楽しみつつ休暇を満喫するため世界遺産の寺を観光した。その後及川さんの運転で、近くのホテルに辿り着いた。
「おぃかわしゃんありがと♡」
「いってらっしゃいませ」
お別れの挨拶と言わんばかりに及川さんに抱き付いて頬にチューをする万詩郎。無表情の癖に万詩郎を夢中にさせる及川さんに内心イラっとしつつ、和モダンな水盤のあるロビーを通り、中庭が美しいティーハウスでチェックインした。
「こうようきれいね~~♡」
「ね~~♡」
蒔温と佳凛は仲良くウェルカムドリンクを飲み、中庭を指差してお喋りしている。この二人は双子なだけあって仲が良いのに、蒔温がやたらと万詩郎に突っかかるのだ。椿ちゃんから聞いた二人の前世の話を鑑みると、まぁそうなるのかもな……とは思うけど、出来ればもっと穏やかにいて欲しいものだ。
紅葉の山麓を望むスイートルームのドアを開けると、子供たちは大はしゃぎし始めた。シンプルモダンな内装のリビングルームミニバーには多彩なアルコールやドリンクが用意してあり、ベッドルームにはツインベッドと窓際に大きなデイベッドがある。
「おふろひろいねぇ~~♡」
「石張りの造りがかっこいいな~~♡♡♡」
バスルーム、パウダールームも広く、設備やアメニティも充実している。僕たちはルームツアーを終えると、中庭を散策することにした。
「しゃんぽ~~♡」
「しゃんぽっ♡」
「パパだっこ~~♡」
お互いがいるからか比較的自立心の強い双子に比べ、万詩郎は顔も中身も僕寄りの甘えん坊だ。椿ちゃんが双子の後を歩き、僕は万詩郎を抱っこしながら中庭や川沿いを散策した。
「スッキリ辛口でうまぁ~~♡♡♡」
地酒で乾杯し、僕たちはフレンチのコース料理を、子供たちはアラカルトをいただいた。
「カニおいしぃね~~♡」
「ほたてちゅき~~♡」
「かりんも~~♡」
万詩郎がカニと言っていたから思い出した。そろそろ五郎さんお気に入りの旅館が幻のカニを出す頃だ。また予約しておかなければと思いつつ繊細な味付けの料理を堪能し、ゆったりと食事を楽しんだのだった。
「ちゃぷ……ちゃぷ……」
お風呂の中でスクイーズを触って遊ぶ万詩郎。一つのことに夢中になると周りが見えなくなる万詩郎の身体を洗い、椿ちゃんに身体を拭いて貰っている間も彼は執拗にスクイーズを弄っていた。
「おにぃはこっちきちゃらめっ!」
「ばーか!」
「こらこら蒔温!意地悪言っちゃダメだろ?万詩郎も馬鹿とか言わない!」
椿ちゃんに嗜められ、涙目になった蒔温はそのままふて寝をしてしまった。おっとりな佳凛を挟んで子供たちが眠った後僕たちは部屋を出て、バーでシグニチャーカクテルをいただいた。
「ぼくおむれちゅ~~♡」
「まねちないでっ!」
「おかゆ~~♡」
メインを選ぶハーフビュッフェの朝食でも揉める蒔温とマイペースな佳凛。もうなるようになれと思いながら朝食をいただき、部屋で仕事を片付けた。
「お迎えにあがりました」
「おいかわしゃ~~ん♡ しゅき~~♡」
万詩郎に抱き付かれ、高い高いをする及川さん。くそ……ちょっと背が高いからってこれみよがしに高い高いしやがって……
「どうなさいました清四郎様?生理痛ですか?」
「お前ふざっっけんなよ!!?」
「はっ、失礼おばこきました。なにしろ物凄いお顔をなさっておりましたので」
いくら仕事が出来てもこういうトコ本当嫌い!!横で笑いを堪えてる椿ちゃんに苦々しい気持ちになりながら、山間の神社に向かって車を走らせた。
「おっほほほw 相変わらずえっぐい浄化力ww 」
椿ちゃん曰く、ほぼ全ての憑き物が落ちることで評判の神社。駐車場に到着すると、清涼な風がスー…ッと流れた。
「えっほ、えっほ」
「ちふねかわきれぃねぇ~~♡」
飲食店や旅館が立ち並ぶ川沿いを歩く双子。一方万詩郎はちゃっかり及川さんに抱っこして貰っている……
鳥居を潜り、灯篭の並ぶ石段を登った。
「万詩郎も自分で歩きなさい」
「おいかわしゃんがいいの……♡」
「おにぃのあほ~~」
「やめなさい蒔温。万詩郎も……妹たちが自分で歩いてるんだぞ?お兄ちゃんとして恥ずかしくないのか?」
「う゛~~……じゃあおにぃちゃんやめるもん!」
臍を曲げてプイッと横を向いてしまった万詩郎にため息をつくと、隣ではやっぱり椿ちゃんが笑いを堪えていた。
「万詩郎が申し訳ありません……」
「かまいませんよ。しかし紅葉が綺麗ですね」
及川さんが木々を見上げてそう言うと、万詩郎も真似をして空を見上げた。なんとなく及川さんのことをアンドロイドみたいに思っていたから、この人にも紅葉を美しいと思う感性があるんだ……と内心驚いた。
「何か失礼なこと考えてますね?」
「……いいえ?」
階段を上り、摂社から順番に参拝していった。椿ちゃんが祝詞を奏上すると、いつの間にか子供たちの顔つきが変わり、一緒になって真剣にお参りをしていた。いつかこの子たちの誰かが時期当主になったりするのだろうか……とぼんやり考えながら、御神前で手を合わせた。
「あ、る、こ~~♪あ、る、こ~~♪私は~~元気~~♪」
椿ちゃんが歌い始めると、及川さんにべったりだった万詩郎も自分で歩き出し、みんなで奥宮までの道のりを歩いた。途中料亭で昼食を摂り、鮎や湯葉の懐石をいただいた。
「流石上級国民様、いいもん食ってますね」
「……食わせるんじゃなかった……」
根本も大概僕のことを舐め腐っているけど、及川さんも相当である。確かこの人、子供の時に里美さんをいじめたせいで長年恨まれてたんだよな……そこからどうやって結婚に持ち込んだのやら……
「破れ鍋に綴じ蓋……」
「妻に言いつけますよ?」
「ごめんなさい……」
里美さんは身内の椿ちゃんですらビビり上がるほど恐ろしいのだ。本気で怒らせたら物理的に消されても社会的に消されてもおかしくないのである……
道路を歩き、中宮、奥宮と順番に廻った。
「神様なんか言ってたか?」
「あのねぇ……きょうだいなかよくしなさいって」
「じゃあ仲良くしなきゃなw 」
「う゛~~……」
「ぃやっっ!」
「うふふ……♡」
子供たちの返事を聞きながら笑いを堪えて参拝を終え、歩いて駐車場に戻った。空の道を駅まで走り、そこから新幹線に乗り換えた。去年リニアが開通したけど、フリーエネルギーを搭載している新幹線も以前よりスピードが速くなった。現政権が陸路を蔑ろにせず潤沢な予算を組んでいることで、現時点では道路整備もきちんとされている。陸路には陸路、海路には海路のメリットがあるのだと政府がきちんと把握してくれているのだ。移動手段が空メインになってもずっと公共インフラは残り続けて欲しいと思いながら、外の景色を嬉しそうに眺める子供たちを見守ったのだった♡♡♡
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