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亜耶とRYOの結婚フェス編(不倫、托卵注意)
しおりを挟む「アンッ♡ アァンッ♡ イッちゃうイッちゃうもぉイ……ッグぅぅ~~~~ッッ!!♡♡♡♡♡」
「あ゛あぁぁ南のイキまんこ最高ッッ!!♡♡♡♡♡」
お互いの休みが重なる時は大抵ラブホでエッチする私と蓮は、今日も濃厚なエッチを楽しんだ♡♡♡
「何年経ってもヤリ足りない~~♡♡♡」
「んふふ♡ また来ようね~~♡♡♡」
ラブホ帰りに大型スーパーで買い物をするのも恒例だ。食料品を見ていると、近所の常連さんに遭遇した。
「あら、南せんせ~~♡♡♡ 今日はご主人とご一緒なのね」
「こんにちわ~~♡♡♡」
常連さんとは、普段から野菜の交換をしたり地域行事の時に色々と助けていただいたりと、家族ぐるみの交流をしている。
「うふふ♡ お盛んね~~♡♡♡」
やっぱり事後はバレてしまうものなのかw
「じゃあまた明後日お伺いしますね~~♡♡♡」
「はい、待ってますね~~♡♡♡」
常連さんと駐車場で別れ、家に帰ると、フリースクールから帰ってきていた海碧がママとハーブを摘んでいた。
「そろそろ近くの山から秋の気配がしてきたわねぇ~~♡♡♡」
「もうすぐ山の紅葉の時期だもんね♡♡♡」
ママの何気ない一言で、9月下旬にみんなで山の紅葉を見に行くことになった。
早朝に家を出発し、途中休憩を挟みながら空と陸路を走り、午前中にアルペンルートの駅に到着した。
「ばすたのしぃ~~♡」
「この辺も結構色付いてるね~~♡♡♡」
トロリーバスに乗り換え、長いトンネルの途中にあるダムの駅で降り、外に出ると巨大な山々とダムの風景が広がった。
「すごーーい!♡」
「おっきぃ~~!♡」
「立派なダムねぇ~~♡♡♡」
「紅葉も綺麗だな~~♡♡♡」
巨大な湖に存在する巨大なダムと周囲の山脈は言葉を失う程の大絶景だ♡♡♡ 湖からケーブルカーに乗ってトンネルの中を上り、ロープウェイに乗り換える前にレストランでランチをした。
「かれーおいしぃ~~♡」
「おいしぃね~~♡」
「とろろそばうまぁ~~♡♡♡」
「カツカレー美味い~~♡♡♡」
「グリーンラーメン意外と美味しいわねぇ~~♡♡♡」
「こんな山の中で鰻重がいただけるなんてな~~♡♡♡」
山の絶景を眺めながら昼食をいただき、ロープウェイに乗るとこれまたとんでもない絶景が広がった。
「信じられない!!♡♡♡」
「すご~~い!♡」
「わぁ~~!♡」
「泣きそう!!♡♡♡」
赤と黄色の絨毯を眺めながらロープウェイに乗り、展望台から山々やダムを見下ろした。そこからトロリーバスに乗って再びトンネルの中を走り、高原に出ると別世界の絶景が待っていた。
「うわぁ~~!♡」
「あぁ~~!♡」
「チングルマが綺麗ねぇ~~♡♡♡」
「しっかり色付いてるなぁ~~♡♡♡」
「うわぁ~~……♡♡♡」
「グスッ……」
感動のあまり泣きだした蓮の背中を摩りながら、名所の池までの道をハイキングした。
「山が映し出されて綺麗~~♡♡♡」
「外国みたいだね~~……♡♡♡」
「あれ海じゃない?」
「遠くの水平線が見えるなんてなぁ~~……」
「さいこうだ~~!♡」
「しゃいこ~~!♡」
絶景を眺めながらハイキングコースを歩いた後は来た道を戻り、紅葉を堪能しながら駐車場までの道のりを乗り継いだ。
車に乗り、山を降りてすぐのリゾートホテルに到着した。
ホテルには子供にチェックイン体験をさせてくれるサービスがあり、子供たちは自分の字でチェックイン手続きが出来て喜んでいた。暖炉のあるロビーラウンジで休憩した後、両親は新館に、私たちは本館に案内された。
「にだんべっどだ~~!♡ ぼくうえがいい~~!♡」
「おにいちゃんずるい~~!」
キッズスイートルームにはダブルベッドの部屋の奥に二段ベッドのキッズルームがある。ポップな内装の客室に子供たちはハイテンションだった。
「うみもうえがいい~~!」
「じゃあ二人で上で寝たら?」
「え~~?じゃあぼくしたでいいよ……」
葵大が折れる形になって、問題が解決したところで館内のキッズクラブに向かった。
「おもちゃいっぱ~~い!♡」
「やった~~!♡」
キッズクラブには小さなアスレチックやおもちゃがあり、二人は他の宿泊客の子たちと夢中になって遊んでいた。
「ハッピーアワー♡♡♡」
「ビールうまぁ~~♡♡♡」
「じゅーすおいしぃ~~♡」
「おいしぃね~~♡」
ラウンジでドリンクをいただいた後は両親と合流して温泉大浴場に向かった。
「極楽ぅぅ~~……♡♡♡」
「最高ねぇ~~……♡♡♡」
「おふろ~~♡」
森林を眺めながら温かい温泉で行楽の疲れを癒し、温まった後はビュッフェレストランでディナーをした。
「トルティーヤうっまぁ~~♡♡♡」
「サーモン美味い~~♡♡♡」
「ろーすとびーふおいし~~♡」
「ぐらたんすき~~♡」
「やっぱりお蕎麦よねぇ~~♡♡♡」
「わさびが最高に美味い♡♡♡」
地元の食材をふんだんに使用した種類豊富なビュッフェを堪能し、大満足でレストランを後にした。
食後にキッズクラブで子供を遊ばせ、部屋に戻って二段ベッドでスヤスヤ眠る二人を確認した後は……そう、大人の晩酌タイムだ♡♡♡
「ん~~……地ビールうまぁ~~い♡♡♡」
「綺麗な水の味がする~~♡♡♡」
晩酌を楽しんだ後は大人の運動を楽しみ、抱き合って朝までぐっすり眠ったのだった♡♡♡
「朝風呂最高ねぇ~~♡♡♡」
「森林浴最高だね~~♡♡♡」
早朝に目が覚めて大浴場に行ったら、ママもお風呂に入っていた。朝風呂を堪能した後は、みんなで昨日とは別のレストランに行った。
「岩魚うまぁ~~♡♡♡」
「ソーセージジューシー♡♡♡」
「おむれつおいしぃ~~♡♡♡」
「じゅーすおいし~~♡」
和食と洋食が選べる朝食をいただき、食後は子供たちを屋内プールで遊ばせた。チェックアウトした後は車に乗って、ワサビの農場に向かった。
「ひろ~~い!!♡♡♡」
「これ全部ワサビ農場なんだよね~~……」
広大なワサビ農場を歩き、綺麗な水が流れる小川を眺めた。敷地内の神社に参拝し、奥のテラスで休憩しつつ園内を散策して紅葉の農場を楽しんだ。岩屋や滝、展望台などの見所もあり、湧水の池ではニジマスが育てられていた。水車が回る川の近くにはカフェやレストランがいくつかあり、カフェで湧水を使ったレモネードをいただいた。
「本わさび飯うっまぁ~~い!!♡♡♡」
「わさびずくし蕎麦美味い~~♡♡♡」
「薬味が効いてて美味しいわぁ~~♡♡♡」
「とろろ飯も最高だな~~♡♡♡」
「ぼくもひとくちほしい~~♡」
「うみも~~♡」
新鮮なワサビをふんだんに使ったごはんをお子様ランチを食べていた子供たちが欲しがり、試しに一口あげてみた。
「ひゃぁ~~!」
「うぇ~~……」
口に入れた瞬間、顔を顰める二人。そこまでツンとしないはずだけど、やっぱり子供には早過ぎる味なのかもしれない……。
「おとなのあじだ~~……」
「うみこれきらい……」
きっと私も子供の頃はそう思っていたんだろうけど、いつからかなくてはならない薬味になっていたのだから不思議だ……
フードコートにあるワサビソフトやワサビコロッケなどをいただき、香る程度のワサビだったため子供たちも普通に食べていた。お土産売り場でわさびまんじゅうやわさび海苔などを購入し、農場を後にした。
「こうして眺めてると、なんだかドローンになった気分ねぇ~~」
「山の紅葉綺麗だね~~♡♡♡」
山間の道を見下ろしながら空を走っている時、ママがしみじみといった感じで呟いた。飛行機のような高度ではなく、地上より数メートルから数百メートル上空を走る自動車から見る山の紅葉は、まさにドローンで撮影された絶景の世界である。私たちは陸路なら2時間半程かかる道のりを休憩を挟みつつ1時間半で帰宅し、荷解きをした後は、子供たちと山で拾った落ち葉を使って栞を作った。
「みてみて~~♡ ぼくきいろ~~♡」
「うみはちゃいろ~~♡」
アクリル板にセレクトした落ち葉を並べて、嬉しそうにする子供たち。仕上げにパッキングテープを貼ってあげると、二人ともピョンピョン跳ねて喜んでいた。
「あ、亜耶から着信だ……」
夜に亜耶から着信があった。蓮がテレビ電話をオンにすると、画面の向こうには亜耶とRYOがいた。
『やっほ~~☆ 俺たちクリスマスに結婚式やろうと思ってるんだけど、ついでにフェスやろうって話になってさぁ~~』
『みんなで大々的にお祭りやろうよ~~♡♡♡』
「わぁ~~!!おめでとう~~♡♡♡」
「クリスマスって、あと3ヶ月も無いぞ?」
「おまつり~~?♡」
「やった~~!♡」
『詳しいことは明日ユー◯ューブで発表するから、予定空けといてくれよな~~♡♡♡」
恐らく亜耶がそう言うということは、自然と予定が合って人が集まる、そういう時なのだろう。開催日時と会場、出店の規模等の話をして通話を終えた後、子供たちは楽しみ楽しみと飛び跳ねていた。
「私たちも行くよ~~♡♡♡」
施術を受けに来た七海がそう言った。一時期は少しやつれていたけど、今はすっかり元気そうだ♡♡♡
「ライブペイントお願いされてるんだ~~♡♡♡」
「すごいね~~!!♡♡♡ ウチはもしかしたら三世代で行くかも♡♡♡」
「ウチも~~♡♡♡」
七海がアーティストとして活動する時は大抵七海の限界オタクである義母さんがサポートに回るんだけど、今回は義父さんも参加を希望しているそうだ。
「じゃあ、ウェディングフェスで会おうね~~♡♡♡」
「うん、またね~~♡♡♡」
七海を見送り、ルーム内を整えていると、だいぶお腹が大きくなってきた望美さんがやってきた。
「私は予定日が近いから行けないけど、ライブ配信は観る予定w 」
元々二人のファンということもあり、今回のフェスに行けないことを悔やんでいたけど、新しい命をお迎えすることをとても楽しみにしている様子だった。
「俺、フェスの責任者になった……」
「わぁ~~……責任重大だね~~……」
相川君の会社や門脇さん、小野田社長の会社も協賛することになり、それらの取り纏め役として、蓮が抜擢されたらしい。
「ごめん……南の出店手伝えない……」
「いいよそんなの!気にしないで♪ ママと二人で頑張るから♡♡♡」
「ホントごめん……」
サポートする気満々でいてくれた蓮は、肩を落としてバスルームに消えていった……
ちょっと残念だけど、それだけ蓮が頼りにされてるって事だもんね!よ~~し、私も出店準備頑張るぞ~~♡♡♡
私とママはアロマオイルやハーブティーの他に、石鹸を作ってラッピングし、フェスの準備を進めていったのだった。
ーーーーーーー
「運営の責任者を蓮に任せたい」
「え……?」
またいつもの、相川の無茶振りが始まった……それでも亜耶とRYOの結婚式という一大イベントでもあるから、可能な限り協力したいとも思う。そんな訳で俺はフェスまでの期間多忙を極め、会場と本社を忙しなく行ったり来たりしていた。
「悪いな蓮~~……」
「いや、お前たちの一世一代の晴れ舞台だからな♪ 全力でサポートさせて貰うぜ♡♡♡」
「蓮お前……妻子以外にも気を使えるようになったんだなぁ~~」
「舐めんなよコラァ!?」
亜耶は恩人だし、RYOは何かと自己投影しがちな友人だ。二人の幸せを願ってるし、出来ることなら何でもしたい。
そんなこんなで忙しくしているうちに、気付いたら紅葉真っ盛りの時期になっていた。
「わ~~い!おでかけだ~~♡」
「わぁ~~い!♡」
「蓮……良かったの?」
多忙な俺を心配してくれる南超優しい♡♡♡
「良いんだよ♡♡ つーかそろそろ休まないと心身が限界!!」
「家でゆっくりしてて良かったのに……」
「良いの!!リフレッシュリフレッシュ♡♡♡」
仕事がひと段落し、俺たちは湾を渡って隣県のダム湖に紅葉を見に行くことになった。
「紅葉綺麗だね~~!!♡♡♡」
「最高の気分!!♡♡♡」
「はやくぼーとのろうよ~~♡」
「ぼーと~~♡」
ボート乗り場で紅葉の期間だけ行われる紅葉クルーズに乗り、水彩画のように美しい景色を眺めながらボートに揺られた。
「はっぱちかい~~♡」
「まっかだね~~♡」
湖には手漕ぎ、足漕ぎボートやSUPを楽しんでいる人もいて、それぞれの時間を楽しんでいた。
ボートを降りて公園内を散策した後、少し離れた場所にある洞窟の中の滝を見に行った。
「幸運の鐘だって♡♡♡」
「鳴らしていこう♡♡♡」
紅葉を眺めながら渓流広場を歩き、トンネルの中を流れる川の水に癒された。
「キンメの煮付けうまぁ~~♡♡♡」
「海鮮丼美味い~~♡♡♡」
「なめろうおいしぃ~~♡」
「えびふらい~~♡」
途中道路沿いの海鮮レストランで昼食をいただき、やがてビーチに出ると子供たちは大喜びで砂浜を走り回った。
「寒くないの~~?」
「へーき~~♡」
「うみも~~♡」
子供は元気だな……と感心しながら海岸を歩き、貝を集めたり海を眺めたりして遊んだ。
「おっきいりょかんだね~~!♡」
「おっきぃ~~♡」
水族館の近くにある老舗旅館に到着し、広いロビーラウンジでウェルカムドリンクをいただきながらチェックインした。
「なしのじゅーすおいし~~♡」
「おせんべいおいし~~♡」
ロビーラウンジでゆっくりした後は客室に案内された。部屋はインドアテラス付きの和洋室で、手前の広々とした和室と奥にはベッドルーム、その横にはカフェテラスのようなくつろぎ空間があった。
「ながいそふぁーだぁ~~♡」
「くっしょんいっぱ~~い!♡」
「雰囲気良いね~~♡♡♡」
「素敵な部屋だね~~♡♡♡」
部屋には子供用カトラリーやアメニティもあり、子供に優しいお宿といった感じだ。室内にはプロジェクターもあり、お籠もりステイでも快適に過ごせそうだった。
屋上には混浴のインフィニティプール風呂があるとのことで、早速部屋を出て最上階に向かった。
脱衣所に置いてある専用水着を着用し、外に出るとオーシャンビューのインフィニティ風呂が目に飛び込んできた。
「すご~~い!♡」
「きもち~~♡」
「水平線ビューだね~~♡♡♡」
「最高だね~~♡♡♡」
ぬるめのお湯に浸かりながら海を眺め、癒しのひと時を味わった。
風呂上がりは各フロアにあるカフェラウンジでドリンクをいただき、キッズルームで子供たちを遊ばせた。
「おふろいっぱ~~い!♡」
「いっぱいあるね~~……」
夕方に一階の大浴場に行き、大きな内湯と庭園露天風呂を堪能した。
大浴場から戻ったら、ウォーマーと冷蔵庫に食事が運ばれていた。本日はインドアテラスでマイペースな部屋食である。
「「弥栄~~♡♡♡」」
「「いやさか~~♡」」
大人はビール、子供はジュースで乾杯し、海鮮が豊富なお料理をいただいた。
「鮑ステーキうっま!!♡♡♡」
「伊勢海老うま~~い♡♡♡」
「おさしみおいし~~♡」
「ちゃわんむしすき~~♡」
和気藹々とした食事の後は空いた器をサービスボックスに入れ、夜はプロジェクターでアニメ映画を観た。
「疲れてないの……?」
「疲れてるから癒しが欲しいの~~♡♡♡」
子供たちが眠った後、インドアテラスで盛った俺を嗜める南♡♡♡ 南的には体を休めて欲しいんだろうけど、俺はただ休むよりもシたいことをシたい♡♡♡
「もぉ……無理しないでね……♡♡♡」
「無理しないからぁ~~♡♡ 早くしよしよ♡♡♡」
ソファーに座って背面座位で南を抱きながら、やっぱり俺たちは繋がっている時が一番しっくりくるなぁ~~♡♡♡ としみじみ噛み締めたのだった♡♡♡
「まご茶漬けうまぁ~~♡♡♡」
「海鮮丼美味い~~♡♡♡」
「こめこぱんおいしぃ~~♡」
「がれっとおいし~~♡」
朝食はビュッフェレストランでいただいた。有名ブランド米とご飯のお供が充実した朝食をいただき、お土産を見たり温泉に入ったりしてチェックアウトまでの時間を過ごした。
「しゃちおっきぃね~~!♡」
「あしかかわい~~♡」
やってきたのはすぐ近くにある俺と南の思い出の水族館。年一で来ているから、子供たちも勝手知ったるといった感じで館内の水槽を見て回った。
「しらすピザうまぁ~~♡♡♡」
「ロースカツ美味い~~♡♡♡」
「はんばーぐおいしぃ~~♡」
「ぐらたんおいし~~♡」
昼食はシャチが見える水槽のレストランでいただいた。
「めっちゃこっち見てない……?」
「しゃちかわいいねぇ~~♡」
水槽を覗き込むシャチに些か居心地悪く感じつつ、食事をした後はイルカのショーを観に行った。
「いるかすごいね~~!♡」
「かしこ~~い!♡」
イルカの俊敏な泳ぎを目を輝かせて眺める子供たち。ショーが終わった後も「すごかったね♡」と二人で感想を言い合っていた。
「ここがっこうだったの~~?」
「そうだよ~~♡♡♡」
「しーそーであそびたい~~♡」
水族館から陸路で30分ほど走った所にある元小学校の道の駅には、屋外にも屋内にも子供が遊べる場所がある。子供たちを遊ばせながら、前にきた時は葵大がまだお腹の中だったな~~と、思い出に浸った。
「あげぱんおいしぃ~~♡」
「ちーずどっくおいし~~♡」
遊んだ後はフードコートでおやつを食べ、夕方には空を走って家に帰った。
『課長~~!!門脇さんに言われたキッチンカーの台数が分かんないっす~~!!』
「……俺から連絡取っておくから……」
『あざっす~~!!』
帰宅直後に野呂からSOSの電話があり、俺はため息をついた後、門脇さんに電話をかけたのだった……
ーーーーーーー
『フェスで弾けたい人たちの参加をお待ちしてます~~♡♡♡ 俺たちを祝う気が一ミリも無い人でもOK☆ むしろ祝う気が無い人のジョインもお待ちしてま~~す♡♡♡』
『みんなで遊ぼうね~~♡♡♡』
亜耶とRYOがユー◯ューブチャンネルで発信した2時間後に販売開始されたチケットは、半日も経たない内に完売した。
二人の結婚式から始まったフェスの企画は、気付いたら全国各地のエコビレッジ関係者や関連企業も巻き込んだ一大イベントに膨れ上がった。七海はライブペイント、椿と森川君はトークライブ、ヒロトさんはミュージックライブで出演する予定だし、私とママはボディケアと物販、パパはフードエリアで使う野菜を納品することでジョインする予定だ。瑠美子さんは薬膳カフェをキッチンカーで出店すると言っているし、今回司君は勤めている会社の代表として参加するそうだ。Hanaさんの協力もあって何組かミュージシャンの出演も決まっており、今回は里美さんも歌手としてジョインするそうだ。フリマスペースでは一般客も自由に出店出来るとの事で、フリースクールの生徒さんたちは手作りのスクイーズを販売する予定らしく、海碧もスクールでせっせとスクイーズを作っている。因みに校長は今回トークライブに出演するとの事だ。
「ひゃぁ~~!!絶景~~!!♡♡♡」
「見事な眺めだろ?♡♡♡」
フェス前日、搬入のために訪れたのは、国内最高峰の山が見える高原の自然公園である。大きな広場の奥にはキャンプ場もあり、出店者や通しチケットを購入した人たちがテントを張って寝泊まりしている。タープテントが並ぶエリアやキッチンカーが停まっているエリア、ドームテントが建つエリアがあり、広場一帯とキャンプ場の一部はマジックボックスの空調で10月中旬くらいの気温に設定されていた。
私たちはタープテントが並ぶエリアの一角に移動した。私はそこで施術スペースを作り、ママは商品を並べた。両隣は椿のママである百合子さんのストーンショップとMIKAさんの占いハウスだった。MIKAさんとは面識が無いけど、七海とオラクルカードを作った人だということは知っている。準備をしながらオラクルカード制作秘話などの話を聞き、酒好き同士ということですっかり仲良くなった。準備を手伝ってくれた子供たちも、午後にはふわふわ遊具で遊び始めた。広場の真ん中にはウッドデッキがあり、カラフルなバルーンで彩られたアーチがいくつかあった。ここで亜耶とRYOの結婚式を行うそうだ。周りはカラフルなランタンで囲まれ、夜になるとイルミネーションも相まって幻想的な光景になると蓮が説明してくれた。特設ステージではHanaさんが音響のチェックをしている。ここでミュージックライブやトークライブが行われるのだ。特にファンの間では夜通し行われる暴露系トークライブを楽しみにしている人が多い。
「みんな~~☆ ジョインしてくれてありがとう~~♡♡♡」
「「「弥栄~~!!♡♡♡」」」
お祭り恒例の前夜祭では六社を巡って御神事をしてきた亜耶とRYOが羽織袴姿で登場し、大人も子供もBBQを楽しんだ。夜になって電飾の明かりが灯ると、辺りは一気にクリスマスの雰囲気になった。
「あおいくん~~♡ おにくやけたよ~~♡」
「あ、りかちゃん!♡」
会場で仲良くなった理佳ちゃんが焼けた肉を持って駆け寄ってきて、薬膳カレーを配りながらそれを見ていた瑞稀ちゃんの表情がどえらいことになっていた……
「瑞稀、私に似て愛が重いから……」
瑠美子さんがため息混じりにそう呟いた。
「いや~~、あのヒロトさんを放し飼いしてるんだから、器デカいですよ」
「放し飼いじゃないわよw 」
蓮の言葉に苦笑する瑠美子さん。ミュージシャンとして全国、時には海外も飛び回るヒロトさんは、マメに妻子の元に帰っているけど、やっぱり不在の時も多々ある。瑞稀ちゃんの学校がお休みの時は一緒に全国回っているみたいだけど、ずっと蓮と一緒にいる私からすれば放し飼いのようなものだ。それでもワンオペ育児にならないのは、瑠美子さんのご実家が異常に太いからである。
「南さんたち、ここにいたんですね~~♡♡♡」
「陽美さん!来てたんですね♡♡♡」
離婚騒動から一転、野呂君とラブラブな陽美さんにお酌をされて、ビールをいただいた。
「ねぇ、夫以外の男性に抱かれるのってどんな感じ?」
子供たちが離れた場所で遊び回っているのを良いことに、瑠美子さんが陽美さんに際どい質問を投げかけた。どうやら野呂君がエコビレッジで愚痴っていた時に、瑠美子さんも居合わせたことがあるらしい。
「まぁ人それぞれですけど……私の場合は身体だけが満たされて逆に虚しかったですね……多少下手くそでも、私は孝文とセックスしたかったんだって思い知らされました」
「やだぁ~~お熱い♡♡♡」
「いたいた!陽美~~♡♡ 何喋ってんの~~?♡♡♡」
「ううん!?何でもないよ~~♡♡♡」
酔っ払った野呂君の登場によって私たちは口をつぐみ、イルミネーションが煌めく高原で星が綺麗な夜空を眺めた。
「わぁ~~い!おふとん~~♡」
「ふかふか~~♡」
フェス会場から車で10分程の距離にある湖沿いのリゾートホテルに移動し、両親は和洋室、私たちは和室に案内された。子供たちは客室に入るなり、敷かれた布団にダイブして喜んでいた。
「こっちはそれなりに雪が積もってるんだね~~」
「多分亜耶たちの晴れ男パワーで雪雲が押し除けられたんだよw 」
窓の外を眺めながら苦笑する蓮。大浴場で温まった後は、明日に備えて早めに就寝したのだった。
「朝から富◯山を眺めながら朝食をいただけて……幸せ~~♡♡♡」
「サラダシャキシャキ~~♡♡♡」
「ご飯のお供も豊富ねぇ~~♡♡♡」
「フルーツも新鮮だな~~♡♡♡」
「おまつりおまつり~~♡」
「おまつりたのしみ~~♡」
朝食ビュッフェをいただいた後は再び会場入りして開店準備をした。間もなく開場のアナウンスが響き、一般のお客さんたちが入ってきた。
「可愛い石鹸ですね~~♡♡♡」
「はい、良かったらいかがです?♡♡♡」
施術を終えたお客さんにハーブティーを出して対応してくれるママと、緊張の面持ちで受付に立つ葵大と海碧。蓮はあちこち走り回り、親会社の社員であるパパもなんやかんやで使い走りさせられていた。
「へぇ~~、ハンドケアもやってるんだ♡」
「「いらっしゃいませ!」」
「可愛い~~♡♡♡」
子供たちが呼び込みを頑張ってくれたおかげで、無事午後まで予約が埋まった。
「あ゛あぁぁ~~最高~~♡♡♡ 口コミ見てからいつか行ってみたいと思ってたんです~~♡♡♡」
「あははw ありがとうございます♡♡♡」
口コミには「良質なセ◯クスと同じくらい気持ちいい♡」的なコメントが複数寄せられ、トラブルを危惧した蓮が男性の予約をストップさせたという経緯がある。そんな訳で、現在女性専用リラクゼーションルームを謳っている我がサロンであった……
「ここって女性専用なの?」
「いえ、本日は男性のお客様もお受けしておりますよ♡♡♡」
「ふーん……じゃあボディケアお願い出来るかな?」
ママが夕方の予約を取り、無事予約がいっぱいになったところで晴れて子供たちは自由の身になった。
「無駄遣いしちゃダメよ?」
「うんっ!いってきま~~す♡」
「いってきま~~す♡」
ママからお小遣いを貰った葵大は海碧を連れて走り出した。
「あらあら、きょうだい仲良しなのねぇ。羨ましいわぁ~~♡♡♡」
百合子さんがそう言い、暫くママと孫トークをしていた。茉莉花ちゃんと柚希君は少し歳が離れているのもあって仲良しらしいけど、やっぱり万詩郎君と蒔温ちゃんが悲惨らしい……
昼休憩の間にランチを調達し、メインステージとサブステージを覗き込んだ。サブステージでは七海のライブペイントが佳境を迎え、メインステージでは亜耶と椿、経済アナリストの方がトークライブをしていた。
「参鶏湯うまっっ♡♡♡」
「おでん美味しい~~♡♡♡」
昼食を摂った後も予約のお客さんの施術をして、時間が来たので一時休止してデッキに移動した。
「すごい派手なゴンドラw 」
「カラフルねぇ~~♡♡♡」
会場に集まった人たちからは歓声や爆笑が響いた。風船や草花、電飾で彩られた透明なボックスで空から降りてくる亜耶とRYO。二人を見上げながら、これまでの色々を思い出して胸が熱くなった。
真っ白なタキシードを着た二人は、地上に降りるとダンスのステップを踏みながら風船のアーチを潜り、何故か神父のコスプレをしている芸人さんの元へ踊りながら向かっていった。
芸人さんのトークスキルによって、誓いの言葉なのに観客は大爆笑の渦に飲み込まれていたけど、誓いのキスでは涙ぐんだり鼻を啜る人が沢山いた。
「それでは、本日限定!あの伝説のアイドルが一日限りの大復活!!それでは、メインステージをご覧ください!!」
芸人さんがそう叫ぶと、ステージに亜耶のお母さん、元アイドルの小出秀子が黒紋付で登場した。
「秀子ぉぉーーーーッッ!!!」
「秀子やぁぁーーーッッ!!!♡♡♡」
「秀子だとぉぉーーーッッ!!?」
「ゆりりんもいるぞぉーーーッッ!!?」
突如現れた伝説のアイドルに、会場の中高年男性は大歓喜に包まれた。
亜耶のお母さんは結婚を機にアイドルを卒業し、以来たまにバラエティ番組へ出演するくらいしか露出が無くなったため、男性ファンの喜びもひとしおである。
『みんな~~!!今日は息子たちの結婚式に来てくれてありがとう~~!!♡♡♡ では、本日はお友達の百合子ちゃんと、RYO君のお母さんの3人で歌っちゃいます♡♡♡ 聴いてください!恋するポニーテール♡♡♡』
往年のヒットソングのイントロが流れた途端、会場から中高年男性の雄叫びがあがった。
疎遠だと聞いていたRYOのお母さんも、芸能界に一時在籍していたとあってお綺麗な方だった。
「あら、パパがいつの間にかステージにw 」
気付いたら使い走りをさせられていたパパもステージで声援を送っており、ママに激ラブなパパの別の顔を垣間見た気分だった。亜耶とRYOは主役を奪われた筈なのに、ステージを満遍の笑みで眺めていた。
「違うんだよママ……秀子は……青春の象徴なんだ……」
施術を再開していると、パパの声が聞こえてきた。
「分かってるわよぉ~~w 私もジャ◯ーズとか好きだったし♡♡♡」
「それは浮気じゃないのかな!?」
自分を棚上げしてママに詰め寄るパパ。そんなパパに苦笑しながら施術を熟し、とうとう最後の一人になった。
「あんた、浅倉椿の友達だろ?」
最後のお客さんに突然そう言われ、私は一瞬面食らった。椿を旧姓で呼ぶのは現在の仕事関係者もしくは、学生時代の……
「あなたは……ハッ!?まさかキヨピッピ!?」
「キヨピッピ言うなし!!」
そこはかとなくチャラさが滲み出すお客さんは、西田君のお友達、キヨピッピこと清春だった。なんか、私ってフェスで施術すると椿の元カレとかストーカーとかにぶち当たる運命なの……?前世で婚約者だったから??
「まさか、まだ諦めてなかったんですか~~……?除霊されたんですよね?」
「人を悪霊扱いすんなし!!」
前世の因縁とかで西田君に除霊されたって聞いてたけど、まさか未だにストーキングしていたとか……?椿、逆に男運無さすぎじゃない……?
「まさか、私に仲を取り持ってくれとかそういう……?ダメですよ?椿には相川君との子供が4人もいるんですからね?」
「……知ってるし……」
「じゃあ未練は全く、カケラも無いと宣言してくださいよ」
「お前……ッッ…………それは無理……」
「はいアウトーー!!お帰りください」
「まだ時間あるだろ!?最後までやれよプロだろ!?」
そう言われると、プロとしては続けざるを得ない。その後も高校時代にイキっていたら誤解されて嫌われてしまったみたいな話を延々とされ、お前今いくつだよ!?と叫びたくなった。
「ああ、なんか気配がするな~~とは思ってたんだがw 毎度スマンなw 」
ワンデイチケットのお客さんたちが帰った後、さらに自由度が増した参加者たち。私と椿、七海はドームテントのカフェバーでカクテルをいただきながら、イルミネーションやプロジェクションマッピングに彩られた会場を眺めた。
「七海の絵も早速売れたみたいだね~~♡♡♡」
「司君の会社にね~~w 」
ライブペイントで描かれたアートは絶望の底から光が降り注ぐ光景が描かれ、苦難を乗り越えた森川家の象徴のようなアートだった。
「ママ~~!てぬぐいもらったよ~~♡」
「わぁ!綺麗な手拭い♡♡ 良かったね~~♡♡♡」
媛梨ちゃんが染物職人から貰った手拭いを持ってこちらに駆け寄ってきた。普段から「子供が安心して遊べる場所を作りたい」と言っている人たちが作り上げた会場なだけあって、どこの家の子とか関係なく子供たちだけで元気に遊び回っている。そうなると自然と上の子が下の子の面倒を見るようになり、次第に新しいコミュニティが出来上がっていくのだ。
「ともくんのてんとにあそびにいったんだ~~♡」
「てんとたのしかった~~♡」
参加者さんのテントで遊んでいた子供たちが満遍の笑みでそう言った。今回は両親も一緒に来ていたからホテルにしたけど、暖かくなったらキャンプに行くのも良いかもな~~と思いながら子供たちの話を聞き、仕事を終えた蓮と合流してホテルに戻った。
「お風呂あったか~~い♡♡♡」
「ずっと外にいると、意外と冷えるものねぇ~~」
「あったか~~い♡」
マジックボックスで暖かくしているとは言え、年末の外気は結構体が冷える。お風呂でしっかり温まった後、子供たちは布団に入ってすぐにスヤスヤ眠っていた。
「サンタさんきたーーっっ!♡」
「さんたさ~~んっっ!♡」
翌朝、枕元に置いてあったプレゼントの箱を見るなりハイテンションで騒ぎ出す子供たち。きっといずれどこかで真実を知る日が来るだろうけど、今はサンタさんの存在を信じてておくれ……
「サンタさん、ぼくたちがおうちにいないこともわかるんだねぇ~~♡」
「そうだね~~……GPSかな……」
「すご~~い!♡」
ついサンタクロースにGPS追跡機能まで追加してしまった……欲しがっていたおもちゃにご満悦な子供たちを連れて朝食を食べに行き、ホテルをチェックアウトして会場入りした。
ーーーーーーーー
「そっか……望美は来てないのか……」
会場に到着した水島があからさまに肩を落としてションボリしていた。来ていたら来ていたで昭一さんとラブラブな姿を見せつけられて落ち込む癖に……と思いながら、亜耶とRYOの村の住人たちをキャンプ場まで案内した。
結婚式フェスも本日が最終日である。各方面との調整に追われた日々もひと段落だ。
『この際なんで、昭二君にはユー◯ューブでは言えない業界の闇をガンガン暴露してもらいますよ~~☆』
『お手柔らかに頼むw 』
亜耶とRYO、森川のトークライブを舞台袖で見守りつつ、タイムスケジュールを確認した。次は全国各地で神楽を奉納している団体の演目だ。きっと今頃南も頑張って施術している筈だし、俺も最後まで頑張ろう。
「課長、牛トロ丼買ってきたっすよ~~!!」
「ありがとう野呂。そこに置いておいてくれ」
合間合間に食事をしつつ裏方で走り回っていると、案の定性欲を持て余した業界人に粉をかけられる。相川直伝の躱し術を覚えた俺は、適当に流しながら裏方の仕事をこなしていた。
バシッッ!!
「サイテーーッッ!!不倫してたなんて!!」
おっと……舞台裏の修羅場に遭遇してしまった……誰だか知らんが親友の結婚式にケチつけるなよな……
ぶっていたのはHanaさんの事務所に所属するシンガー、サキさんで、ぶたれていたのは……圭介さん!?
圭介とは、椿をデカチン恐怖症に追い込んだ元カレである。一瞬ヒットしたバンドのドラマーで、3年ほど前にご結婚されたと聞いたことがあるのだが……
「なんだなんだ大声出して~~……」
「あっっ!!Hanaさんっ!!ちょうど良いところに!!誤解なんだよ!!雪菜といた時Hanaさんも一緒にいたんだって!!」
「雪菜……?ああ?まさか里美に振る案件か?」
「ちょっと待ってよHanaさーーーんッッ!!?」
人から曲を強奪する時は大概人でなし感が強いHanaさんだけど、こういう時はまともな判断出来るんだな……などと呑気なことを思っていたら、元グラドルの雪菜と夫でもあるマネージャー、出演を終えた亜耶たちと相川、椿も舞台裏にやってきた。
「この泥棒猫!!」
サキさんが雪菜の頬を派手にビンタすると、舞台裏は騒然となった。てか、泥棒猫て……
「いったーーい!!何すんのよッッ!!?」
「アンタがウチの旦那と不倫してたこと!!こっちは全部証拠掴んでるのよ!?」
「え……ちょっと待ってください……妻が……なんですって!?」
「アンタの嫁と!!ウチの旦那が不倫してたのよ!!それも結婚当初から!!」
「そっ……そんな……!!じゃあ娘は……」
顔面蒼白のマネージャーさんが雪菜を見ると、雪菜は気まずそうに目を逸らした。
「僕に似てないなって思ってたんだ……」
「マネージャーさん、今すぐDNA鑑定した方が良いですよ」
「何よアンタ!!?何でそんな入れ知恵なんかするのよぉぉ!!?」
「ベっっ……別にわざわざそんなことしなくても良いだろ!?つーか何で椿がこんなとこに……!!?」
「う゛るせえんだよクズどもがァァ!!?」
椿の怒声が響き渡り、舞台裏は一瞬シーン…となった。椿は以前から托卵は地雷だと言っていたから、怒りのボルテージが一気に上がってしまったのだろう。
「ゴルアァァ圭介!!テメーはこのクソビッチと結婚して子供の面倒見ろよ!?どうせお前の子供なんだろ!!?」
「はぁ!?何で!?雪菜なんかただのセフレなんだけど!?」
「◯ねやゴルアァァーーーーッッ!!!」
椿渾身の鉄拳が圭介を派手に吹っ飛ばした。……絶対に椿だけは怒らせないように気をつけよう……
「い……っでえぇぇーーーーッッ!!!ふざけんなお前!?暴行で訴えてやるからな!?」
「おーおー訴えろ!!賠償金くらいナンボでも払ったるわい!!その代わり思う存分殴らせろや!!」
「椿ちゃん……抑えて……」
「お前もっっ!!圭介の子かもしれないって分かってたよな!?何にも知らない旦那さんを一生騙し続けるつもりだったのか!!?あ゛あっっ!!?」
「うるさいうるさい!!こんなしょぼい男としか結婚出来なかった私の気持ちなんかお前に分かるわけなーーい!!!」
雪菜が叫んだ瞬間、今度はサキさんからの鉄拳が雪菜を吹っ飛ばした。
「アンタバカなんじゃないの!!?旦那さんとお子さんに申し訳ないと思わないの!!?2年間我が子として育ててきた旦那さんの気持ち考えたことないワケ!!?」
自身の結婚式イベントでのまさかの修羅場に、さぞかし二人はショックを受けているだろうと恐る恐る亜耶とRYOを見たら、意外にも冷静な表情だった。
「すまない雪菜……僕はもう君の顔を見たくないし、申し訳ないけど今は娘の顔も見たくない……」
「何でっっ!!?あの子が可愛くないの!!?これまで育ててきたじゃない!!ずっと一緒に育てていこうって言ったじゃない!!」
「どの口が言っとるんじゃお前ェェーーーッッ!!!」
「ちょっとごめん、椿ちゃん一旦席外そうか……」
相川が次々と地雷を踏み抜かれて怒り狂う椿を連れて出ていき、入れ替わるように里美さんと天音君が入ってきた。
「話はざっくりとスタッフさんから聞きました~~♡♡♡ サキさんもマネージャーさんも、良かったら纏めてウチが請け負いますよ~~♡♡♡」
「お願いします!!」
「ぼっ……僕もッッ!!お願いします!!」
「オッケ~~♡♡ ケツ毛まで毟り取っちゃう♡♡♡」
「おいおい里美……ケツ毛一本くらいは残してやれよ?圭介のことはこれからも生かさず殺さず搾取してやる予定なんだからよぉ~~w 」
Hanaさんと里美さん、元ヤン二人の会話を聞きながらため息を吐く及川さん。つーかこの人いつの間に来てたんだ!?
「アタシ離婚しないからね!?」
「俺だって……!!」
「ハイハイ、今後の話し合いはこちらから連絡させて貰いますから~~♡♡♡ ……震えて眠れや……」
最後に凄む里美さんに震えていたら「ハイ解散♡」と言われて、取り敢えずこの場は解散になった。
「もの凄い場面に遭遇してしまったな……」
「亜耶たちは意外と冷静だな……」
「あ~~……実はな、六社巡りしてた時に『二つの嘘が暴かれる』って声が聞こえたんだよな~~……あ~~このことか~~って思っただけだったな……」
「子供……2歳だって言ってたよね……」
俺と森川、亜耶とRYOはドームテントのカフェで休憩しながら先程の出来事を話した。結構なショックを受けていると、野呂が顔を出した。
「あーーいたいた!!かちょ~~!サボんないでくださいよぉ~~!!」
「お前ふざけんなよ!?」
野呂に引っ張られて舞台裏に戻り、サキさんの舞台を袖で眺めた。先程の修羅場をおくびにも出さず高らかに歌い上げるサキさんに感心すると共に、これからのことを思うと複雑な気持ちになった……
「蓮!?どうしたの!?めっちゃやつれてない!?」
「南……もしも子供たちが俺と血が繋がってなくても、一生俺の子であることに変わりないからね!?」
「え……どう見ても蓮の子ですけど……」
夕方、南のブースに顔を出した時についそう溢してしまったら、南から冷たい視線を向けられてしまった……
「そっか~~……ただただお子さんがかわいそう……」
「だよね……親としてはそこが辛いよね……」
日が暮れた後はランタンリリースのイベントが開催された。広場に集まって配られたランタンを持ち、ワクワクした顔で待つ子供たちを眺めていたら、胸がギュッと締め付けられた。
『皆さん二日間お疲れ様でしたーーっっ♡♡♡ 俺とRYOの結婚を祝福してくれた皆さん、ただ単にフェスを満喫したかった皆さん、内心お前らの結婚なんかどーでも良いんじゃーーと思っている皆さん、本当にありがとうございました☆』
『今めっちゃ幸せで~~す♡♡♡』
二人がステージに立つと歓声が上がり、出演者たちは二人と固い握手を交わしていた。
『俺たちが旅に出たり、村を作ったりする過程でいつも思うのは、子供は宝物だということです。子供が元気な村は大人も元気だし、子供がよく笑う家庭は親も幸せそうに笑ってる。だから俺たちはこれからも子供の笑顔を、健康を、帰る場所を守りたいし、もしも今笑えていない子供がいたら、逃げ場所になってあげたい。だから皆さんも、今よりほんの少しでいい。身近にいる子供たちを気にかけてあげてください。ちゃんと見てるよ、君は愛されてるよって伝えてあげてください。血が繋がっていても、いなくても、みんながみんなを愛せる世界を作っていきましょう!』
亜耶の言葉は、ライブ配信によって何十万人もの人が聞いている。圭介も、サキさんも、雪菜も、マネージャーさんも、この会場のどこかにいるかもしれない。一人でも多くの人に届け……と願いながら聞いていたら、二人がカウントダウンを始めた。
『3、2、1……飛んでけーー!!』
掛け声に合わせて一斉に放たれるカラフルなランタン。フリーエネルギーで作られたランタンは、一定の高さになったら消える代物だ。サキさんや里美さんたち、出演者全員で歌い上げるクリスマスソングを聴きながら、フワフワと舞い上がり、スッ…と消えていく儚いランタンを、涙ぐむ南と手を繋いで眺めた。
「らんたんすごかったね~~♡」
「すごかった~~♡」
「こういうイベントって久しぶりだったけど、楽しかったわぁ~~♡♡♡」
「ママのハーブティーも沢山売れたもんな~~♡♡♡」
搬出作業をした後、家族を先に帰らせ、俺は徹夜の撤収作業に備えた。
「私は前世で托卵でもされたんだろうか……」
及川さんと一緒に子供たちを先に帰らせた椿が、地ビールを煽りながらボヤいていた。一応、部外者なのにヒートアップしてしまったことを反省しているようだ。
「托卵云々じゃなくてよぉ、お前は誰かが理不尽に搾取されてるって状況が許せねぇ魂なのよ。みんなで得してぇってタイプなんだよぉ」
串焼きを頬張る牡丹がそう言うと、椿は投げやりな感じで解体中のステージに寝そべった。俺は物質転移の技術を使ってみるみる片付いていくアリーナを確認しつつ、最終チェックをしていった。
最後に亜耶とRYOがスタッフを招集し、クリスマスプレゼントということで最新の高級ドライヤーを商品券と一緒に渡していた。
「わぁ~~!!大人になってから貰うプレゼント嬉しい~~♡♡♡」
「ドライヤーめっちゃ嬉しい~~♡♡♡」
「はい、メリクリメリクリ~~☆」
「ありがとうね~~♡♡♡」
プレゼントに喜ぶみんなを微笑ましく見ていたら、亜耶からプレゼントを渡された。
「……俺も?」
「当然!!めっちゃ働いてくれたじゃん?♡♡♡」
「そんなんただのビジネスだしw 」
「蓮君、もしかして照れてる?」
司君にそう言われ、思わず眉間に皺を寄せてしまった。
「ありがと……南が喜ぶ……」
「どういたしまして~~☆」
亜耶からプレゼントを受け取り、解散の挨拶をしてから男性陣で明け方まで飲み明かした。
「蓮~~?帰るよ~~?」
「南ぃ~~……?帰ったんじゃ……」
「酔っ払ってるから迎えに来てくれって連絡があったの!さ、帰るよ」
「南大好きぃ~~……♡♡♡」
富◯山が朝焼けに染まる頃、南が決して近くない距離を迎えに来てくれた♡♡♡ 南の運転で空を走りながら家までの景色を眺め、色々と濃かったフェスでの出来事を思い返したのだった。
ーーーーーーー
「お前のせいだ!!お前が俺から離れていかなければ俺はこんなことにはならなかった!!」
信政党の新人議員さんとの対談を終え、ネット番組の会社を出ようとしたらゲスを極めしクソミュージシャン、圭介に捕まってしまった。「何言ってんだお前は?」と口に出そうとするより前に拳が飛び出していたらしく、気付いたら圭介は玄関ロビーで伸びていた。
「先生、言っていただければ私が代わりに殴りましたのに」
「及川さんは自分が殴りたかっただけでしょう?w 」
「な゛ぐるなって言ってんだよォォーーーッッ!!」
「正当防衛だアホ。頭のおかしなことを喚き散らすキ◯ガイは殴られて当然」
あれから圭介の奥さん、サキさんは多額の慰謝料を受け取り、無事元がついた。件の托卵女はあの後旦那さんが正式にDNA鑑定をして、親子関係が認められないことが確定した。嫡出否認が正式に完了し、養育費については実父である圭介が負担することになった。旦那さんは過去二年の養育費も遡って請求したそうだ。アホ二人は多額の慰謝料を支払うことになり、托卵女は両親が慰謝料を立て替えることとなった。その代わり二度と敷居を跨ぐなと追い出されたそうだ。子供は托卵女の両親が育てることになったらしい。
「お前がッッ!!俺と別れずにフツーに結婚してれば!!俺はこんな人生送ってねーんだよッッ!!」
意味がわからん、と言う筈が、またしても無意識に殴っていたらしく、気付いたらアホは顔中血まみれで横たわっていた。
「グフッ……ひでぇよ椿……何で鑑定しろなんて言ったんだよ……」
「なんだと……?」
「お前があの時黙ってれば……不倫だけで話は済んだかもしんねーのに……」
そのあまりにも身勝手な言い分を聞いた瞬間、怒りで頭が真っ白になった……
「アホかテメェ!!?お前父親やぞ!?人の親なんだぞ!?なんでそんなアホなこと言えるんだ!?人の家庭壊して!!実直な男性から子供奪って!!お前が全部壊したんだぞ!?ご主人にもサキさんにも申し訳ないとか思わんのか!?」
「ウルセェェ!!!お前は黙って俺と結婚すればいいんだよォォーーーーッッ!!!」
掴みかかられそうになり、今度こそ殴ってやると構えた瞬間、アホが吹っ飛んだ。
「申し訳ありません。久しぶりに殴りたくなったもので」
「及川さん……ナイスパンチですw 」
抜かりない及川さんはシレッとスマホで撮影しており、圭介のキチガイぶりを証拠として残すことが出来た。殴ったことは正当防衛で押し通しておこうw
若い頃から托卵とエナジーバンパイアだけは地雷だった。だから最初はシロウの求愛に応えようと思わなかったわけだが、まぁ今はあんまり吸わないからよしとしよう。
「海外には父親を敢えて特定しないって村もあるんだよな~~……」
亜耶が口笛を吹きながらそう言った。
「そうなんだぁ~~……はい、大◯凡人」
「イヤァァーーーッッ!!!いきなり見せないでよ大◯凡人を!!」
スマホのアルバムに入っていた大◯凡人の写真を見せると、亜耶は鳥肌を立てて嫌がっていた。私が托卵とエナジーバンパイアが地雷なように、亜耶も犬と大◯凡人がダメなのだ。
今日は亜耶とRYO、我が家の面子でランチに来た。食事を終えた子供たちがキッズルームで遊んでいる間先日の話をしたら、亜耶が明後日なことを言い出したからついお互いのタブーを破ってしまった……
「我が国は我が国の社会に基づいた価値観があるだろうが?」
「いや分かってるけど、一夫一妻じゃないとダメとか、結婚したら不倫したらダメとか、そういった思い込みが自分たちを不自由にしてないかって言いたいんだよ」
「じゃああの旦那さんの前で同じことが言えんのかゴルアァァ!!?」
「椿ちゃん落ち着いて……」
「亜耶に当たらないでよ……」
おーっと、いかんいかん、またしても暴走するとこだった。あのアホはさておき、私には関係ない不倫騒動だ……落ち着け落ち着け……
「RYOはパートナーがこういう価値観でも良いのか?」
「う~~ん……亜耶は俺が悲しむことはしないって分かってるし、俺も亜耶と同じものを見てきたワケだしね~~……」
独占欲が強いRYOにしては柔軟な考えだな……
「こういうこと言うとお前は不倫推奨してんのか!?って言われそうだけど、そうじゃなくて……不倫する人も過剰に断罪したがる人も満たされないものがあるんだろうなって話なんだけど……」
「とにかく、一番可哀想なのは子供……これは共通の認識で間違いないな?」
「ああ……でもさ、今の司法って有責者が断罪されることに重きを置いてるじゃん?それじゃ子供が救われないっつーか……」
「……ほな里美呼ぼうか?」
「やめてヨォォーーもぉバカ~~~ッッ!!」
「ローラちゃん出てるぞw 」
これまで様々な価値観に触れてきた亜耶があれこれ考えるのは分かる。きっと英雄さんや内藤さんも同じような考えなのだろう。亜耶は愛の人だから間違えた人も罪を犯した人も救済の対象になるのかもしれないけど、私は自分の家族を守ることで精一杯だ。いくら気の合う相棒でも合わない部分はあるものだ……と思いながら、デザートをいただいた。
「みんなが幸せに生きれたらいいのにな~~……」
「この多極化時代でみんなは無理w 」
「分かってるって~~……」
亜耶も本当は分かっている筈だ。この地球は動物園だということを。天使も悪魔も人間も聖人も怪物も、全てが一つの檻に入れられている世界。それが少し前の地球だ。フリーエネルギーの存在が明るみに出たタイミングで次元が上昇し、いわゆる悪とか闇の勢力の醜悪なモノが表に晒され、追放される世の中になった。そういう奴等は来世、それ相応な星に生まれるのだろう。直接キャッチしている亜耶もその辺は理解している筈なのだが、どうしてもお優しい亜耶は蜘蛛の糸を垂らしたくなるらしい。亜耶の良い所であり、アレな所でもある。
「将来蒔温や佳凛が見た目だけで選んだ悪い男に騙されたら嫌だな~~……」
「すいませんねぇ顔だけで付き合って……」
帰宅後珍しくネチネチモードになったシロウに詰められながら仕事をした。夢見がちな乙女の頃を責められても……
「次に付き合ったのもバンドマンだったよね~~……」
「よく覚えてるなw 」
「聞いた時ショックだったからね~~……で、その次が司君……」
「www 」
「なんのはなし~~?」
「昔の話だよ~~♡」
書斎に入ってきた万詩郎ににこやかに対応した後もネチネチ詰め寄るシロウ。すっかり忘れていたけど、潮の時は浮気問題に悩まされていたんだった。つくづくバンドマンはクソだな(個人の見解です)
「二人で将棋してた時にさ~~、急に演劇部の子が教室に入って来て『お前リゼロの潮と付き合ってるってマジ?』って聞いてきた時、胃が無くなったかと思ったんだよ?」
「www そんなこともあったなw 中2の時かw 」
私より正確に覚えているシロウに苦笑していたら牡丹が入ってきた。
「なぁ~~に過去のことネチネチ言ってんだぁ~~?」
「過去のままでいてくれたらこんなことしないもん!!」
時空を飛び越えてやってきたアホに振り回されないで欲しいと口から出かかったけど、私が言うことじゃないと思って止めた。
「今思うと、あのアホは典型的な詐欺師だったなぁ~~……」
「椿ちゃん……?」
「外面が良くて、口が上手くて、他人をコントロールしたがるとことかな~~。まあ、良い勉強になったよw 」
「アイツに椿ちゃんを騙せるほどの頭は無さそうだけど……」
「常識では考えられないようなアクロバティック理論が得意だったんだよw 」
「それは今でもだね……」
取り敢えず里美がサキさんのついでに私たち家族への接近禁止令も取ってくれるだろう。それを破ろうものなら物理的に消すくらいのことを、里美ならしそうだ。
「たのしぃ~~!♡」
「わぁ~~い!♡」
二月の下旬、シロウの会社が手掛けるレジャー施設のプレオープンが開催された。昨今の出生率上昇を受けてキッズエリアを広く設け、乳幼児から小学生まで幅広く遊べる作りになっている。万詩郎、蒔温、佳凛は遊具で遊び、煌士郎は乳幼児エリアではしゃいでいた。そして今日は、事情があって托卵女のご両親とお子さんも来ていた。
「この度はこのような場を設けていただいてありがとうございます……」
深々と頭を下げるご両親を見ながら、なんでこのまともそうな両親からあんなモンスターが生まれるんだと首を傾げたくなった。
「最後にもう一度子供に会ってやって欲しい」
「パパは?パパどこ?」と繰り返すお子さんのために、ご両親が恥を忍んで旦那さんに頭を下げたらしい。元旦那さんに相談されたHanaさんがシロウに相談し、今回のプレオープンを使ってくださいとシロウが提案したことで急遽場を儲けたという訳だ。
「パパ~~!どこいってたのっ!めっ!」
「ごめんな桃……本当にごめんな……」
元旦那さんの岡野さんが現れた途端、満遍の笑みを浮かべる桃ちゃんに、こっちまで泣きそうになった。煌士郎と一緒に遊ぶ桃ちゃんを見守る岡野さんは間違いなく父親の眼差しをしていて、つくづく不倫托卵は全ての人を地獄に叩き落とす鬼畜の所業だと思った。刑事罰設ければ良いのに……
「パパまたばいばいなの……?」
「ぐっ……うぅ……ごめんな桃……パパお仕事なんだ……おじいちゃんとおばあちゃんの言うことをよく聞いて……良い子にしてるんだぞ……」
涙を流しながら声を絞り出す岡野さんに、ご両親が嗚咽を漏らしながら頭を下げると、岡野さんが一枚の封筒を取り出した。
「これ……いつか桃が大きくなったら渡してください……ここにはどんな時でも僕は桃の味方だということが書いてありますので……でも……大人になった桃が物凄く幸せだったら……渡さなくてもいいです……」
「ごめんなさい……!!本当に申し訳ありませんでした!!」
「娘が……本当に申し訳ありませんでした……」
涙ながらに謝罪する祖父母を不思議そうな顔で見上げる桃ちゃん。私はこれ以上見ていられなくて、子供たちを連れて及川さんが待つ駐車場に向かった。
「参ったよ……桃ちゃんが『パパはやくかえってきてね』って岡野さんに言ってたのを聞いたら、僕まで泣きそうになっちゃった……」
「そうか……」
その夜晩酌中にシロウの話を聞き、ままならない現実に泣けてきた。岡野さんには申し訳ないけど、この先桃ちゃんがパパからの手紙を開く必要がないくらい幸せになって欲しいと願うことしか、今の私には出来なかった……
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