義母の連れ子と結婚したい♡ 追いかけて追いかけて、やっと捕まえた義姉と俺のイチャラブ日記♡

東山 庭子

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新しい挑戦編

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ドラマーの圭介と元グラドルの雪菜の泥沼托卵不倫が週刊誌にすっぱ抜かれ、連動してSNSも炎上した。私と七海は女子会ランチをした時に椿から事の顛末を聞き、ただただお子さんの幸せを願った。

「岡野さんはねぇ、ちかいうちに桃ちゃんとくらすようになるよ♡」

何も知らない筈の媛梨ちゃんがニコニコしながらそう言っていた。無責任ながら僅かな希望を感じつつ、今日も元気いっぱいで帰宅した子供たちを迎えたのだった。



年が明けて暫く経った1月中旬、望美さんが無事女の子を出産した。愛己(あいな)と命名されたお子さんを溺愛する昭一さんに苦笑する森川君。村の子供たちも出産を喜んでいて、エコビレッジは暫く赤ちゃんフィーバーだった。我が家では海碧の誕生日をスキー場で祝ったり、バレンタインにママと海碧とでチョコケーキを作ったりしていたら、いつの間にか春の訪れを感じる季節になった。



「葵大も媛梨ちゃんも今年から二年生か~~♡♡♡」
「早いね~~♡♡♡」

ここに椿と亜耶がいたら「は~~るばる~~来たぜ♪」と歌い出しそうな所に森川家とやって来た。


「俺たちが初めて話したのもこの店だったな♡♡♡」
「思い出の味だね~~♡♡♡」
「チキンばーがーおいしいね~~♡」
「えっぐばーがーおいしぃ~~♡」
「おむらちゅほちぃ♡」

市内のハンバーガーショップでランチをしながら、いつぞやの相川君が年の瀬にぶっ込んできた社員旅行の話題になった。七海と森川君が初めて出会ったのもこの地だ。

「このぽてとおいし~~♡」
「うみもたべる~~♡」

ミートソースとホワイトソースとチーズが掛かったポテトを夢中で頬張る子供たち。個性的な店内でハンバーガーやオムライスをいただき、午後はロープウェイ乗り場に向かって車を走らせた。

「あっちもこっちも海だ~~!♡」
「うみ~~!♡」
「いくと疲れたの?お姉ちゃんだっこしてあげようか?」
「だこちて~~♡」
「あまえるないくとっ!」

子供たちのやり取りに笑いを堪えながらロープウェイを降り、展望台から街の絶景を眺めた。数年前までオーバーツーリズムで大混雑していたこの山も、フリーエネルギーを利用した空の観光を導入することで観光客の分散化に成功し、今では程良く混み合っている程度だ。現政権が入国に高いハードルを設けているのも大きい。


「異国情緒~~♡♡♡」
「ノスタルジックだね~~♡♡♡」

ロープウェイで山を降りた後は麓の情緒ある街に来た。坂道を見下ろすと海と対岸を眺めることが出来、絶景のフォトスポットになっている。教会や旧領事館等の建物を見て回り、異国情緒を味わった。

「クレープさくさく~~♡」
「おいし~~ね~~♡」
「いくとはわたしと半分こしようね~~♡」
「あ~~い♡」

一人で全部食べたいけどお姉ちゃんと半分こする弟が羨ましいと言わんばかりの表情で幾翔君を睨む修次君。七海はそんな修次君をさりげなくフォローしていたけど、お姉ちゃんへの想いはなかなか複雑らしい。不貞腐れる修次君を森川君が抱っこして坂道の街を歩いた。



「レンガ造りのエントランスお洒落だね~~♡♡♡」
「ロビーはシックだね~~♡♡♡」

ベイエリアのホテルに到着した私たちは、アロマ香るロビーでチェックインし、和洋室の客室に移動した。

「たたみ~~!♡」
「ひろ~~い!♡」
「和洋折衷だね~~♡♡♡」
「景色も良い~~♡♡♡」

ツインベッドの手前にソファーセットがあり、窓際には広々とした和室がある。窓の障子を開けると、山や街並み、港を眺めることが出来た。ソファーテーブルの上にはウェルカムスイーツがあり、カップやグラスと一緒にコーヒーミルも仕舞ってあった。

「ここにおふとんがある~~♡」
「うみおふとんでねる~~♡」

お布団大好きな子供たちが押し入れを開けてはしゃぎ、一通りルームツアーした後はロビーラウンジでドリンクとスイーツをいただいた。

「夕張メロン紅茶うっま!!♡♡♡」
「しっかりメロンの味するね♡♡♡」
「パウンドケーキおいしいね~~♡」
「らすくすき~~♡」

アフタヌーンティータイムを満喫した後は展望露天風呂を堪能した。

「岩風呂最高~~♡♡♡」
「内湯の檜風呂も良いね~~♡♡♡」
「うみちゃん一緒につぼゆ入ろ~~♡」
「はいる~~♡」

お姉ちゃんのお手本のような媛梨ちゃんは、常に下の子のことを気にかけてくれる。七海も森川君も、例の告発騒動の時にだいぶ媛梨ちゃんから励まされたそうだ。

「媛梨ちゃんは本当にいいお姉ちゃんだね~~♡♡♡」
「面倒見良過ぎてありがたいけど寂しくもあるw 」

複雑な親心を吐露する七海に苦笑しつつ、情緒ある街並みを眺めた。

「ガラナうま~~い♡♡♡」

お風呂上がりにサービスドリンクをいただき、煉瓦造りの倉庫街まで歩いて観光やショッピングを楽しんだ。


「イカ刺しうっまぁ~~!!♡♡♡」
「ウニ刺し美味い~~♡♡♡」
「毛蟹うま~~い!!♡♡♡」
「岩牡蠣プルップルだな~~♡♡♡」
「つぶ貝おいしぃ~~♡」
「しゃけおいしぃね~~♡」
「いくらおいしいね~~♡」
「おねえちゃんあーんして~~♡」
「あ~~んちて~~♡」

夕食は近くの海鮮料理店で夕食をいただき、北の新鮮な魚介類を味わった。食後は倉庫街を夜景を眺めながら歩き、帰りに喫茶チェーン店に寄った。

「これが逆写真詐欺……!!」
「カツサンドでっかw 」
「くりーむそーだおっきぃねぇ~~!」

言ってもそんなに大したことないだろうと思って頼んだサンドイッチにビビりつつ分け合っていただき、お腹いっぱいでホテルに戻った。


「貸切風呂も気持ちいいねぇ~~♡♡♡」
「きもちぃね~~♡」
「けしききれい~~♡」
「しっかり温まってね」

夜は一番広い貸切風呂に入り、夜景を眺めながら温泉を楽しんだ。


和室に敷いた布団の上でスヤスヤ眠る子供たち。私と蓮は北の地ビールで晩酌しながら、たわいもない話をしていた。

「色んなご夫婦を見てると、気持ちの移り変わりを客観的に見ることが出来るね……」
「そうだね……気持ちは変わらないつもりでも、環境は変わっていくもんね……」
「……もしも……いつか蓮が心変わりしたら、正直に教えてね……」
「ありえないよ!!?」
「もしもだってばw 心変わりまでいかなくても、日常の小さな不満とか、虚無感とか孤独感とか、何となく辛いとか寂しいとか、そういう気持ちもちゃんと伝え合っていこうね……」
「うん、全部伝える。ずっと家族だったんだもん……今さらカッコつける仲でもないもんねw 」

義理のきょうだいの頃からずっと家族だったのだ。目を見るだけでお互いのことが筒抜けな私たちだけど、せっかくご縁があって夫婦になったのだ。だからこれからもずっと、寄り添って生きていきたいな……♡♡♡



「海鮮丼~~!!♡♡♡」
「蟹たっぷり~~♡♡♡」
「いかめし~~!♡」
「じんぎすかんたべる~~♡」

北の幸盛り盛りの朝食ビュッフェをいただき、チェックアウトした後は車に乗ってスキー場に向かった。


「山はかなり雪積もってるね~~♡♡♡」
「近場のハイシーズン並みに積もってるね♡♡♡」

早速ゴンドラに乗って山上に移動し、パウダースノーの雪山を滑り降りた。

「流石媛梨ちゃんと修次君……」
「上手いね~~……」

葵大と海碧もそれなりに上達したと思うんだけど、ウインタースポーツガチ勢の二人はハイスピードで雪山を滑り降りていった。幾人君も先シーズンデビューしたばかりなのにもう大人のコースを滑っている。

「流石森川君の血……」
「運動神経は私に似なくて良かったよw 」

七海は幾翔君に付き添いながらそう言った。七海も私たち夫婦も別に運痴じゃないのだ。森川君が凄すぎるだけで……。大会で入賞するくらい上手な二人に感心しつつ、私たちはマイペースにスキーを楽しんだ。

「ひめかちゃんかっこいいね……」
「葵大だって上手になってるよ?」
「そうかなぁ~~……」

羨望と劣等感が混じった顔で媛梨ちゃんを見つめる葵大。やっぱり女の子よりも劣ってる部分があるとプライドが傷付けられてしまうのだろうか?

「すきーたのしぃね~~♡」

海碧が呑気にスキーを楽しんでいるからか、葵大も気を取り直して楽しく滑っていた。



夕方には市内に戻り、朝食ビュッフェが有名なホテルにチェックインした。
水盤があるロビーラウンジにはウェルカムドリンクが並び、奥にはバーカウンターもある。チェックインした後はそれぞれの客室に移動し、私たちはジュニアスイートルームに向かった。

「眺め良いね~~♡♡♡」
「こっちにもベッドあるよ~~♡」

ツインベッドルームの反対側にダブルベッドルームがあり、その奥に眺めの良いリビングルームがある。私たちはルームツアーをした後は、早速大浴場に向かった。


「空に浮いてるみたいだね~~♡♡♡」
「眺め最高~~♡♡♡」
「あったまるね~~♡」
「あったかい~~♡」

眺めの良いインフィニティ露天風呂に浸かり、スキーで冷えた体を温めた。湯上がりはガラス張りのラウンジで休憩し、夜はジビエレストランに移動した。


「ジンギスカンうまぁ~~♡♡♡」
「鹿肉も美味い~~♡♡♡」
「ビールうまぁ~~♡♡♡」
「蝦夷ハイボール美味いな~~♡♡♡」
「お肉おいしぃ~~♡」
「おいしぃね~~♡」

意外と癖がなくて美味しいお肉をいただきながらお酒を味わい、楽しい時間を過ごした。


「子供たち寝てた?」
「寝てた寝てたw 」

ダブルベッドでスヤスヤ眠る子供たちを確認した後、ツインベッドルームにしけ込んだ私と蓮は、沢山仲良ししたのだった♡♡♡



「スープカレーうまぁ~~♡♡♡」
「野菜も新鮮♡♡♡」
「おさしみいっぱい~~♡」
「うにぎりおいし~~♡」

朝食ビュッフェは選び切れないくらい沢山のメニューが並び、ドリンク、アルコールも充実していて、評判通り大満足の朝食だった。

朝食後は徒歩数分の朝市でお土産を購入し、ホテルをチェックアウトした後はお堀の観光地に向かった。

「星のかたちだね~~♡」
「じぇらーとおいし~~♡」

名物のジェラートをいただきながらタワーから星型のお堀を眺め、展示品を見て回ったり庭園を散策したりした。


「ほっけうまぁ~~い♡♡♡」
「ばら飯丼うまぁ~~♡♡♡」
「かにころっけおいしぃ~~♡」
「てんぷらすき~~♡」

お昼はタワー内にある海鮮料理店でいただいた。活きの良いお造りに少し驚いていた子供たちも「命にかんしゃしておいしくいただきましょうね♡」と媛梨ちゃんが言った後、手を合わせて美味しそうにお刺身を頬張っていた。



「おさるさん~~♡」
「温泉入ってるね~~♡♡♡」

空港に向かう途中で立ち寄った植物園では、温泉に浸かる猿や池に佇む亀などを眺めることが出来、植物園からは海を眺めることも出来た。



「きゃらめるぱふぇおいし~~ね~~♡」
「こーひーそふとおいしぃ~~♡」

空港内のカフェで休憩してから飛行機に乗り、夜に地元の空港で解散した。

「うみもおねえちゃんになりたいな~~」

帰りの車の中でポツリと呟く海碧に、果たして下の子を作ってあげられるだろうかとぼんやり考えながら、煌めく夜景を眺めた。



「さっき蟹の足届いたわよ~~♡♡♡」

帰宅すると、朝市のお土産が届いていることをママが教えてくれた。カニをどうやっていただこうかと話しながら、空港で購入したチーズケーキをみんなでいただいたのだった。






ーーーーーーー


「好きとかいう気持ちより生活の安定とか、価値観の一致とか、そういうのを優先して結婚した人でも、お互い恋愛的に一途でいましょうね?って契約自体が違和感あらへん?」
「お前やっぱり不倫推奨派やんけ!?」
「違うって!!客観的に見てなんかおかしいって話やんけ!?そもそも打算で結婚するからおかしなことになるんやん!?」
「好きでも価値観合わんかったら結局破局するやんけ!?」

最近、長年の相棒だった亜耶と椿の雲行きが怪しい……なんか二人とも、興奮のあまりお国言葉出てるし。

「RYOはパートナーにこんなこと言われても大丈夫なのか?」
「う~~ん、俺たち実際は事実婚だしね……てゆーか俺たちは恋愛的に愛し合って結婚したから、それに当てはまらないし~~♡♡♡」
「そっか、あくまで一般論だもんな」

俺とRYOの話を聞いていた相川が呆れ顔でため息をついた。

「恋愛結婚が主流じゃなかった頃でも不倫は不倫だろうが……」
「一昔前なら姦通罪だからな。妻と間男だけに適用されてたのが理不尽だけど、まぁ血統の問題があるからな……」
「お家存続が最優先だったからね~~。男系男子が最も遡りやすい正当な血統だし。だから不倫イコールお家乗っ取りっていう側面もあるもんね」
「そっか、例えば将軍が外に種を蒔いてもその子は将軍家の血統になるけど、御台所が間男の子を産んだら間男の血統にすり替わるんだ!!」

歳を重ねる毎に不倫やら離婚やらといったネガティブな話題に触れるようになってきたせいか、亜耶とRYO、相川夫妻と食事会をした時に取り止めのない不倫談義が始まってしまった。

「まぁいずれにせよ、信頼を裏切る行為だよね……」

南がポツリとそう言うと、一瞬個室内が静まり返った。

「そういう刺激を求めてしまうくらい、満たされてない人が多いってことだろ?じゃあなんで?って考えると、やっぱり教育に行き着くんだよな~~……」
「愛を知ってる人間がまだまだ少ないってことか?」

亜耶は天パの髪をワシャワシャと掻きむしりながらテーブルに突っ伏した。

「よし!!学校を作ろう!」
「ええ!?」

パッと顔を上げるなり、そう叫ぶ亜耶。そんな亜耶に椿も深く頷いていた。椿は教育改革を謳う信政党の議員たちとも深い関わりがあるから、教育に対する思い入れも相当だろう。先週から瑞稀ちゃんと同じ小学校に通い始めた万詩郎君のことを思い浮かべているのかもしれない。その後も亜耶が「こういう学校を作りたい」という話をしていて、相川がビジネスチャンスだと思ったのか、身を乗り出して頷いていた。



「不倫ねぇ~~……考えたこともないけど、私たちだってこれから何が起こるか分からないもんね~~……」
「有り得ない絶対絶対有り得ないッッ!!」

俺は有り得ないという思いと、南も有り得ないだろ?という確認の意味を込めて叫ぶと、南は笑いながら抱き付いてくれた♡♡♡

「それはそうと、亜耶たちの学校プロジェクト、楽しみだね♡♡♡」
「うん、実現すると良いね♡♡♡」

現在フリースクールに通っている海碧も、来年には葵大と同じ小学校に通う予定だ。完全に生徒の自主性に任せるフリースクールと、一般的な小学校の間を目指したい亜耶の話を思い出し、これまでも変わりつつあった学校教育に、さらに新しい風が吹く予感がしたのだった。



「葵大、お誕生日おめでとう~~!!♡♡♡」
「「「おめでとう~~!!♡♡♡」」」
「えへへ♡ ありがとう♡」

4月末に我が家で葵大の誕生日を祝い、その翌日から旅行に出発し、海峡に新しく出来たリゾートホテルに向かった。



「ゆうえんち~~!♡」
「わ~~い!♡」

飛行機に乗って小さな空港に降り立ち、レンタカーでホテルに隣接する遊園地に到着した俺たち。奥には水族館もあり、一日楽しめるエリアになっている。

「ろんどんばす~~!♡」
「ばすおっきぃ~~!♡」

二階建てのバスがオブジェとして置かれている遊園地は、入場料が無料である。乗り物のチケットを購入して人気の迷路系アトラクションに向かい、クイズに答えながら迷路を回った。

「カードゲットした~~!♡」
「げっと~~!♡」

カードゲームの次はペダルを漕ぎながらぐるぐる回る乗り物に乗ったり、ブランコの乗り物に乗ったり、スケルトンの観覧車に乗ったりして遊園地を存分に楽しんだ。


「瓦そばうまぁ~~い♡♡♡」
「くじらカツうまぁ~~♡♡♡」
「ハンバーグおいしぃ~~♡」
「いるかのかれーだぁ~~♡」

ランチは水族館の中にある、イルカの水槽が見えるレストランでいただいた。

「イルカこっち見てるね~~♡♡♡」
「かわいいね~~♡」
「かわいい~~♡」

食後は水族館に入り、沢山のフグが泳ぐ水槽を眺めた。子供たちはアシカとイルカのショーを見てはしゃぎ、ペンギンやアザラシなどの生き物を見て回った。



「広いね~~!!♡♡♡」
「個性的な外観だね♪」
「海がみえるね~~!♡」
「おすなば~~!♡」

曲線が特徴的なホテルの外にはプライベートビーチを模した庭園があり、既に子供が何人か遊んでいた。ビーチガーデンにはふわふわドームやガセボ、屋外サウナがあり、外階段を上ると広いルーフトップテラスがあった。芝生エリアの階段を上がると、先程遊んだ遊園地や海峡を眺められる展望エリアがあった。

モスグリーンの家具を配置したお洒落なロビーでチェックインし、カフェでジェラートをいただいた。館内には親子でくつろげるブックカフェもあり、中ではゆったり読書をしたり小さな子供が遊んだり出来る。ホテルにはアクティビティも多数あり、ビンゴをしたりアート体験をしている家族連れも何組かいた。


「ここからも海がみえる~~!♡」
「うみ~~!♡」

デラックスフォースの客室に入ると、デスクの奥にツインベッド、デイベッド、一段下がって窓際にソファーテーブルが置かれていた。4人で利用する場合デイベッドがベッドになるのだ。部屋に荷物を置き、中から水着を取り出すと、目玉でもある温水プールに向かった。


「わぁ~~!♡」
「きゃ~~!♡」

屋内プールのスライダーではしゃぐ子供たち。プールには浮き輪やライフジャケットなどもあり、2階はキッズプールや水遊びエリアもあり、一番上には深めのプールもある。さらに外に出ると海峡を一望出来るインフィニティプールがあり、小さな子供から大人まで安心してプールを楽しめる造りになっていた。プール内は子供が夢中になれる遊具が沢山あり、子供たちは大はしゃぎで泳いだり遊んだりしていた。

「眺め良いね~~♡♡♡」
「程良くあったかいしね♡♡♡」
「かんらんしゃ見える~~♡」
「うみ~~♡」

屋内プールやインフィニティプールで夢中になって遊んでいたら、いつの間にか対岸が夕日で赤く染まっていた。プールを出た後は夕食会場に向かい、可愛らしい内装のビュッフェレストランで夕食をいただいた。

「ふぐ尽くしだって~~♡♡♡」
「ふぐだけでめっちゃ種類あるw 」
「ローストビーフ~~!♡」
「おすし~~!♡」

ふぐ料理や海鮮、グリルやキッズメニュー、スイーツなど沢山のメニューが並び、キッズパティシエ体験が出来るコーナーもあった。

「できた~~!♡」
「うみも~~♡」

自分で作ったパフェを嬉しそうに見せてくる子供たち。それぞれ好きなトッピングをしたパフェを分け合っていただき、楽しい夕食タイムを過ごした。


「追いかけっこしよ~~!♡」
「する~~!♡」

南がスパに行っている間に散歩に出かけ、屋外の芝生テラスで駆けっこをする二人。はしゃぐ二人を眺めながらベンチで休憩していると、他所のご夫婦に声をかけられた。

「お子さんたち、元気ですね♡」
「そちらのお子さんも、元気に転げ回ってますねw 」

嫁の方からの視線に下心が透けて見えたけど、旦那と一緒だから滅多なことは出来ないだろうと当たり障りない会話をした。隣の遊園地や水族館がライトアップされていて、テラスから綺麗な夜景を眺めることが出来た。


「地ビール美味しい~~♡♡♡」
「味わい深いね~~♡♡♡」

子供たちがベッドでスヤスヤ眠る中、窓際のソファーに腰掛けて晩酌タイムをし、海峡の夜景を眺めながら美味い地ビールを味わった。その後はデイベッドでイチャラブタイムを満喫し、南の柔肌を思う存分堪能した♡♡♡



「海鮮丼~~!!♡♡♡」
「とり天うまぁ~~♡♡♡」
「かわらそばある~~!♡」
「ぱんいっぱい~~!♡」

朝食はビュッフェを選び、食後に芝生やビーチで遊んだ後は、海峡を越えるべく車に乗り込んだ。



「良い感じにレトロだね~~♡♡♡」

橋を渡って歴史ある港町に到着した俺たちは、海沿いのミュージアムに向かった。

「にんぎょうこわい……」
「こわいね……」

昔の港町を再現したレトロな空間を散策し、当時の人々を再現した蝋人形に若干ビビりつつ、えも言われぬノスタルジーに浸った。

「ろめん電車だ~~!♡」
「かっこいいね~~!♡」

路面電車の模型や提灯が下がる映画館の再現にエモい気持ちになりつつ、どことなく懐かしさを感じる空間を楽しんだ。


「楽しぃ~~!♡」
「わぁ~~い!♡」

館内のこども広場には高さ10メートルのネットが張られたアスレチックがあり、子供たちが遊んでいる間に展望カフェで休憩し、オリジナルのサイダーをいただきながら海峡の景色を眺めた。


「野菜焼きカレーうっまぁ~~!!♡♡♡」
「めんたい焼きカレー美味い~~♡♡♡」
「ピザもおいしぃ~~♡」
「かれーすき~~♡」

行列が出来る人気店には、名物の焼きカレーの他にもメニューが沢山あり、焼きカレーやピザ、鴨ロースのサラダをノンアルのバナナビアと一緒にいただいた。


「レトロかっこいい!!♡♡♡」
「かっこい~~!♡」
「すご~~い!♡」

昔の駅を再現した駅舎に到着すると、思わず感嘆の声をあげるほどレトロかっこいい建物に出迎えられた。

「鉄道かっこいいね~~!♡」
「まっくろ~~!♡」

鉄道博物館に展示されている機関車や電車、鉄道の模型などの展示品を見て周り、ミニ電車で運転体験をした子供たちは車掌気分で運転していた。


港町から車で一時間の主要都市に到着し、駅直結のホテルにチェックインした。
19階のロビーにはテラス席もあり、市街地や港の景色が一望出来た。

「眺め良いね~~♡♡♡」
「おへやキレイだね~~♡」
「きれい~~♡」

新しいホテルのハリウッドトリプルルームに到着し、暫く部屋からの景色を堪能した後はグルメの街に繰り出した。


「移動らっくらく~~♡♡♡」
「「らく~~♡」」
「立ってるだけだからねw 」

最近では大抵の都市部に透明な動く歩道が設置され、普通に歩くと結構な距離でも楽に移動出来るようになった。資材などのコストが殆どかからないため、どの都市部でも積極的に取り入れているそうだ。


「りんごあめおいしぃ~~♡」
「たこやきうまうま~~♡」
「やっぱり暴れたこ焼き美味しいよね~~♡♡♡」
「ケバブうまぁ~~♡♡♡」

動く歩道で効率的に移動しながらお目当ての店を渡り歩き、食い倒れの街での食べ歩きを楽しんだ。


「豚骨ラーメンうまぁ~~♡♡♡」
「モツ焼きそば美味い~~♡♡♡」
「ぎょうざおいしぃ~~♡」
「ちゃんぽんすき~~♡」

夕食は有名店のラーメンをいただき、ホテルに戻ってテラスラウンジでまったり夜景を眺めた。

「たまには都会もいいねぇ~~♡」
「いいねぇ~~♡」
「www 葵大は田舎の方が好きなの?w 」
「うん!お家だいすき~~♡」
「うみも~~♡」

離島暮らしも経験し、引っ越してから自然豊かな場所で暮らすようになった子供たちは、すっかり村気質の子供になった。自然の中で過ごすことに慣れた子供たちはもうシティボーイ、シティガールにはなれないだろうなと思いつつ、次世代の子供たちは人間本来の姿に戻っていくのだろうな……とぼんやり思った。


「夜ふかしたのしいねぇ~~♡」
「今日だけだよ~~」

地下街を歩きながら楽しそうにウィンドウショッピングをしていた子供たちも早々にウトウトし始め、ホテルに戻って二人を寝かせた後は近くの屋台に行き、ビールと焼きラーメンをいただいた。


「和食膳うまぁ~~♡♡♡」
「焼き魚美味いね~~♡♡♡」
「エッグベネディクトおいしぃ~~♡」
「ふれんちとーすとおいし~~♡」

ハーフビュッフェの朝食ではそれぞれメイン料理を選び、朝の街並みを眺めながら洗練された朝食をいただいた。


車で港をぐるっと周り、20分程走った場所にある海に挟まれた公園に到着した。広大な公園内を回るためにレンタサイクルに乗り、最近補助輪無しで自転車に乗れるようになった海碧も含めて自転車で園内を移動した。

「海あおい~~!♡」
「きれい~~!♡」

広大な公園内を歩き、展望台で海を眺めた後は公園内の動物園で色々な動物を間近で見て回った。

「おうむ~~!♡」
「くじゃくおっきぃ~~!♡」
「羊の目って、やっぱり怖いね……」
「山羊も大概……」

カピバラや猿、馬などの比較的大人しい動物が多く、ふれあい広場ではモルモットやウサギなどの小動物に触れることが出来た。


「お花綺麗だね~~♡♡♡」
「きれい~~♡」

園内のあちこちで花が咲き誇り、目玉と言われるネモフィラの花畑は青空とのコントラストが最高だった。途中子供たちはローラー滑り台や砦のような展望台で遊び、公園内の遊びを満喫していた。


「ゴマ鯖丼うまぁ~~♡♡♡」
「ごぼ天うどん美味い~~♡♡♡」
「カレーおいしぃ~~♡」
「えびふらい~~♡」

公園内のレストランでランチをして、午後も公園内のトランポリンで遊んだり、遺跡のような回廊やクラッシックカーの博物館を見て回ったりした。



帰りは車を2時間ほど走らせて空港に到着し、飛行機に乗って夜に帰った。

「通◯もん嬉しい~~♡♡♡」
「め◯べい食べよう~~♡♡♡」

お土産を広げている両親も、GWが終わる頃に二人で旅行に行く予定だ。


「ママのたんじょうびはモン◯ェールのケーキかおうよ♡」
「葵大が食べたいだけだろ~~?w 」
「えへへw 」

悪巧みがバレた顔で笑う葵大。そんな葵大がお小遣いでバルーン花束を予約しているのは、今のところ俺だけが知る秘密である♡♡♡





ーーーーーーー


「ええっっ!!?桃が行方不明!?」

新学期が始まって暫く経った頃、コラボしたアイドルのマネージャーである岡野さんが、舞台裏でそう叫んでいた。

「どうされました!?」
「亜耶さん……桃が……家にいないって!!」

なんと血の繋がらないお子さん、桃ちゃんが行方不明だとの事で、岡野さんは酷く狼狽していた。俺は岡野さんに元義実家へ向かうように言い、その場で潜在意識に潜り込んだ。


『パパ……どこ……?どこにいるの……?』
「桃ちゃん?俺の声聞こえる?」
『だれ……?』
「俺はパパのお友達だよ。桃ちゃんは今誰かといるの?」
『……いない……パパ…あいたくてそとにでたの……』

どうやら誘拐とかではなく、桃ちゃんが自発的に家を出たようだ。

「今桃ちゃんはどこにいるの?」
『わかんない……パパたすけて……』

俺は桃ちゃん本人とのコンタクトから周囲の動植物へのコンタクトに切り替え、桃ちゃんの情報を知っている者を探した。

『あの可愛い子だろう?家を飛び出して坂道を下っていったよ』
『川に向かって走って行ったよ。危ないから家に帰れと言ったのに、高架下に走って行っちまった』
『◯◯公園にいたのを見たけど……』
『あっ!いた!遊具の中に潜り込んでる!』

植木、地域猫、鴉……雪菜の義実家周辺の動植物とコンタクトを取り続けていたら、あっという間に桃ちゃんは見つかった。

「岡野さん!桃ちゃんは◯◯公園にいます!!ゾウの遊具の中で蹲ってます!!」
『ええッッ!?ありがとうございます!!』

電話に出た岡野さんが公園に駆け付け、桃ちゃんは無事保護されたのだった……



「あれからもずっと、パパ、パパって家の中を探す素振りをしていて……ママとは一切言わないのに……」

後日亮二と義実家に様子を見にいったら、義母は申し訳なさそうにそう言っていた。あれ以来、岡野さんは義実家にしょっちゅう顔を出しているそうだ。



「僕……桃を引き取ろうかと思っていて……」

GW中のとある日、会食中に岡野さんがそう告げた。

「本当はずっと考えていたんですけど……一人で子育てする勇気が出ずにいたら、あんなことになって……どうしてもっと早く行動しなかったのかと、あの後物凄く後悔しました……」
「それならウチの村に来る?シンママやシンパパに役立つお節介なオバハンも何人かいるしw 」
「子育て経験のある女性も沢山いるしね~~」

俺と亮二がそう言うと、岡野さんは深く頭を下げた。それから義両親と話し合って、桃ちゃんと共に村への移住を決めた。それに合わせて芸能事務所を退社し、地元の観光協会に転職することになった。このことで雪菜と圭介が文句を言い始めたけど、そこは里美が徹底抗戦し、雪菜の育児放棄を理由に親権停止にまで追い込んでいた。


「パパだいすき~~♡」
「僕も桃大好きだよ~~♡♡♡」

移住してからの桃ちゃんは大好きなパパと毎日一緒にいられるのが嬉しいらしく、毎日ご機嫌で暮らしている。ずっと気に掛かっていたから、岡野さんも色々な葛藤があっただろうけど、桃ちゃんが笑顔になれる結末になって良かった。俺は俺で亮二と結婚式が出来たし、妹の理沙も二人目が生まれ、人生の絶頂期にいる気がする☆



「この度は、廃村再生プロジェクトにお集まりいただき、誠にありがとうございます」

相川が挨拶し、建設会社の代表やエコビレッジ関係者が拍手で答えた。オカンの故郷でもある古都に次世代を担う人々が集まり、各分野のスペシャリストと話し合いをした結果、俺と亮二は国内最大の湖がある県での廃村再生を担うことが決まった。産業の衰退や交通の便などの都合で廃村になった村だが、フリーエネルギーによる技術革新が成された今なら移住希望者もそれなりにいるのではないかという話が出た。何より、移住希望者をどれだけ廃村に取り込めるかは俺たちのプロデュース力にかかっている。なかなかやり甲斐のあるプロジェクトだ。俺たちは村の精鋭を数名呼んで、早速廃村の状況を見に行った。



「待って待って待って!?ここの陸路エグくないですか!?」
「こりゃ廃村になるワケだぜ……」
「あ、アレ御神木だぜ☆」
「何でこんなとこに!?」

後部座席でギャンギャン喚くのは若きエコビレッジビルダーの二人だ。視察ということもあって、敢えて陸路を走って周辺の道路事情を確認しているのだけど、さっきから対向車が来たらアウトな細い山道をずっと走り続けている。木の枝や落ち葉が散乱する道を走りながら暫く進むと、やがて民家が立ち並ぶ集落が見えてきた。

「荒れ果ててんなぁ~~……」
「人の手が入らないとどうしてもね……」

中には保存状態の良い家屋もあり、定期的に手入れをされていたのだと察せられた。土地は相川の会社が買い取り、村の再生に関しては俺たちと地元の建設会社に一任されている為、四人でそれぞれ敷地内の現状を確認した。

「立派なお寺だな~~」
「結構な豪雪地帯だからこの屋根の形なのかな……」

廃村や周辺の自然を確認した俺たちは、そのまま道を進んで県を跨ぎ、軒下県道に出た。

「県越えたら道路状況良くなってるし……」
「自治体によって予算のかけ方は色々っすね……」

空路を走ったり物流の瞬間移動が可能になった今でも、大事なインフラだからと陸路の整備に国家がお金をかけているけど、なかなか地方の末端までは届いていないのが現状である。そこは政治を担う人たちに追々変えていただくとして、取り敢えず俺たちの仕事は、廃村を最新の技術を織り込んだエコビレッジに変えていくことである。


「おにぎりうめぇ~~!!♡♡♡」
「ジビエカレー美味いっす~~!!♡♡♡」

集落の中にあった古民家カフェでランチをいただき、道なりに走って古戦場近くの一宮に向かった。


「これが重要文化財の一之鳥居っすか~~」
「お前よく知ってんな……」

一之鳥居を車で潜り、暫く走った所に大鳥居があった。鉱山と金属を司どる神様が祀られるこの神社は、遠い昔の新勢力が侵攻を阻まれた境界線上に位置している。

「風鈴が涼しげで良いね~~♡♡♡」

高舞殿の手前にある風鈴トンネルに癒されつつ境内を歩き、朱色に塗られた本殿に参拝した。

「これがさざれ石……」
「フジツボみたいっすね……」

国歌にもなった石や、奉納された農具などを見て周りながら摂社に参拝し、祀られている神々の名前を確認しながら色々とお察し申し上げた。


「めっちゃ好きな温泉やぁ~~♡♡♡」
「美容液みたいっすね~~♡♡♡」

少し車を走らせ、山沿いの温泉施設でトロッとした温泉を堪能した。ぬるめのお湯は心地良く、蒸し暑い時期なのについ長湯してしまった。



「コンテナホテルて……亜耶さん金持ってるんだからもっと良い宿に泊めてくださいよ~~……」
「コンテナホテル最高じゃん☆ 程よく何でも揃ってるし」

国道沿いにあるコンテホテルに到着した俺は、ぼやく若手二人をツインルームのコンテナに放り込み、亮二とダブルルームのコンテナに入った。


「亜耶~~♡♡ 夕飯までイチャイチャしよ~~♡♡♡」
「あ、夕飯はマッ◯とモ◯どっちが良い?」
「その二択なの!?」
「近くにあるのがその二択なんだよな~~w 」

その二択はちょっと……と言われ、駅近くの居酒屋まで歩くことになった。


「お疲れお疲れ~~い☆」
「「「弥栄~~!!♡♡♡」」」

ハイボールで乾杯し、刺身やどて煮、串揚げなどの料理をいただきながら、廃村再生のアイデアを出し合った。

「なんやお兄ちゃんたち、あの村に手入れるんか?」
「そうなんす!新しいコミュニティ作ろうって話になって」
「そうかそうか♪ 実は俺の親戚の爺さんが廃村出身でな、あの時は村のみんな、土地を手放すことに大きな葛藤があったみたいなんやわ。まぁその辺の思いも汲んだってな?」

店主の話を聞きながら土地を受け継ぐことの重みを感じ、俺たちも心を込めて村作りしようと改めて思ったのだった。



「イチャイチャした~~い!!♡♡♡」
「わっ!?分かった分かったw めっちゃエッチなことしようぜ~~♡♡♡」
「え!?♡♡ じゃあ最後までシたい♡♡♡」
「えぇ~~……」

準備が大変だからあんまり最後まではシたくないんだけど……

「お願い……♡♡♡」

亮二の上目遣いに負けて、結局最後まで致してしまった……



「ケツいてぇw 」
「え~~?優しくシたのに~~?」

翌朝、ぼやきながらケツの痛みを訴えると、無駄に肌プリップリにさせた亮二がニヤニヤして悪びれもせずにそう返してきた。

「もう当分ヤんねw 」
「はぁ~~!?めっちゃ気持ち良さそうにしてたくせに~~!!」
「それはそれ、これはこれw 」

俺たちはコンテナホテルを出て朝マッ◯をした後、空を走って村に帰った。

その後建設会社や相川の会社……つまり蓮たちと連携を図りつつ、廃村の復興を進めて行ったのだけど、それはまだ、もう少し未来の話だ♡♡♡





ーーーーーーー


「そっか、岡野さんお子さんと暮らし始めたんだ……良かった……」

Hanaの事務所に所属するシンガー、サキさんは、岡野さんが桃ちゃんと亜耶たちのエコビレッジで暮らし始めたと聞いて、心底安堵したという表情を見せた。憎きクソ夫と寝取り女の子供に対しても慈悲の心を見せるサキさんと対峙しながら、なんで圭介なんかと結婚したんだ……と、割とブーメランなことを思ったのだった。


「それでは、よろしくお願いします」
「こちらこそ♪ 至らないところがあったらごめんなさいね」

サキさんはシンガーとしての活動の他に、鶯嬢や番組アシスタントもしていて、この度私のチャンネルでアシスタントをしていただくことになった。以前から政治に興味があったらしく、話していると高い知識と知性を感じることが出来た。サキさんの聡明さに触れた私は、いずれ信政党辺りから衆議院議員に擁立出来ないだろうかと密かに目論んでいるのであった……



「ヒロトもジョインしてたのか!」
「おう、だってめっちゃ面白そうじゃん♡♡♡」

全国7ヵ所で同時進行している廃村再生プロジェクト。その内の一つに亜耶とRYOが関わっており、そこにヒロトもジョインしていた。三人は世界を旅していた時のような空気感で一緒に作業をしていて、周りの精霊たちも興味津々といった感じで作業を眺めていた。

物流が瞬間移動になった為大きな重機を導入する必要が無くなり、極力自然を傷付けずに作業が出来るようになった。新しいエコビレッジもフリーエネルギーを用いた最新の技術を盛りに盛り込み、ライフラインの全てを自給自足で賄える家屋に作り変えられる予定だ。

私は興味津々で辺りを散策していた子供たちを呼び、瑠美子と子供たちを連れて山間の温泉地に向かった。


「かえるいる~~♡」
「カエルだねぇ~~♡」

小一時間ほど空を走り、有名な温泉地に到着した。車を降りて紫陽花が咲き誇る川沿いの温泉街を歩き、至る所から湧き出す温泉に触れながら街を散策した。瑞稀ちゃんは暢乃香ちゃんだけでなく煌士郎のことも気にかけてくれて、しっかりお姉ちゃんしてるなぁ……と感心しながら街を歩いた。


「ママ~~!ガチャガチャしたい~~!」
「したい~~!」
「かりんも~~!」

温泉街の陶器や縁起物を扱うお店でガチャガチャをやりたがる子供たち。子供の興味関心に貴賤貧富は関係ないんだな……と思いながら陶器で出来た招き猫のガチャガチャに喜ぶ子供たちを眺めた。

春から瑞稀ちゃんも通う、やんごとなき方々が集まる学校に万詩郎も通い始め、オホホアハハな御令息、御令嬢に囲まれて勉学に励む毎日を送るのだろう……と思っていたら、近年では道楽でエコビレッジ作りにお金をかける富裕層も結構いるらしく、万詩郎と瑞稀ちゃんはそういったコミュニティに属している様子だった。

「カレーパンおいしぃ~~♡」
「おいちぃ~~♡」
「たまに食べるこういった罪深い食べ物が美味しいのよね~~w 」

瑠美子も私も、普段は食べる物に気を遣っている方だと思うのだが、旅先だとつい欲望が全開になってしまう。

「まぁ健康に生きることだけが人生の目的じゃないんだから、程良く罪深いことをすればいいさw 」
「そうよね~~♡♡♡ プリンも美味しい~~♡♡♡」

食べ歩きをした後は石段を上って寺にお参りし、小高い場所にある境内から温泉街を眺めた。



「能舞台があるわ!!」
「ザ・温泉旅館って感じのロビー最高だな♡♡♡」
「ぼくこのゆかたにする~~♡」
「わたしはこれ~~♡」

滝が流れるロビーでチェックインをして、それぞれ好きな浴衣を選び、別館の温泉付きラグジュアリールームにそれぞれ案内された。

「おお!リバービューだな~~♡♡♡」
「りばーびゅー!♡」
「たたみ~~!♡」
「おんせん~~!♡」
「おはな…ある♡」

北欧テイストが混じった和洋室の特別室にはタイル張りのモダンな半露天風呂がある。ベッドルームの手前には和室があり、広縁からは趣のある温泉街を一望することが出来た。早速みんなで浴衣に着替え、みんなで大浴場の一つである畳風呂に向かった。


「みずきちゃんたちは~~?」
「もう一個の大浴場に行ったみたいだな~~」

おそらく瑞稀ちゃんが万詩郎と一緒に入るのを恥ずかしがったのだろう。畳の内湯と露天風呂のある大浴場の他にも、石造りの迷路のようなスパがある。さらに貸切風呂が9つもあり、湯めぐりを存分に堪能出来るお宿なのである。

「にゅるにゅるだぁ~~♡」
「きもちぃね~~♡」

比較的仲の良い万詩郎と佳凛は温泉に浸かりながらにこやかにおしゃべりをしていて、蒔温は煌士郎とおもちゃで遊んでいた。



「椀物が鱧なんて嬉しいわねぇ~~♡♡♡」
「刺身も美味いな~~♡♡♡」
「かごの中にあゆがのってる~~!♡」
「おにくおいしぃ~~♡」
「あゆおいし~~♡」
「ほおばみそ?ってなぁに~~?」
「んまんま~~♡」
「ごはんもっと♡」

夕食は案内された掘り炬燵の個室で、懐石料理をいただいた。下の子に食べさせながらのお料理だったから、私も瑠美子も少し慌ただしい食事にはなったものの、郷土料理を取り入れた懐石料理はどれも滋味豊かで美味しかった。こういう時に牧さんや牡丹のありがたみを痛感するなぁ……と思いながら食事を終え、食後はもう一ヵ所の大浴場を堪能した。



『椿ちゃん今何してる~~?♡♡♡』
「部屋のお風呂で一杯やってるよ~~♡♡♡」

子供たちが寝た後にビールを飲みながら客室露天風呂を堪能していたら、シロウから着信があった。

『僕も一緒に入りたかった~~!!♡♡♡』
「ははw また今度な♡♡♡」

ビール缶片手にシロウと話しながら温泉街の味わい深い夜景を堪能し、束の間の穏やかな夜を過ごした。



「あめだねぇ~~……」
「あーあ……」
「ヒャッホウ~~!!雨だぜフゥ~~!!♡♡♡」
「ママへん~~」
「へん~~」

子供たちが窓の外を眺めながらがっかりする中、私は久々の旅行中の雨に一人ハイテンションになった。

私と亜耶は強烈な晴れ女、晴れ男であるが、私の場合は5%くらいの確率で雨が降るのだ。そして旅先で雨が降ると、滅多に無い体験に浮き足立ってしまうのである。


「椿の伝説がw 」
「伝説作ってるのは亜耶の方だからw 」

朝食会場で合流した瑠美子に弄られつつ朝食ビュッフェをいただき、郷土料理や定番のメニューを味わった。

「牛カレーうまぁ~~♡♡♡」
「鶏ちゃんって美味しいのねぇ~~♡♡♡」
「お野菜おいしい~~♡」
「おとうふすき~~♡」
「ぱんたべてもいい~~?」
「そーせーじおいし~~♡」
「たまご~~♡」
「おまめ~~♡」

慌ただしく食事をした後、男女入れ替わった後の大浴場を堪能し、しっかり湯めぐりをした私たちは、遅めのチェックアウトをして外に出た。

「晴れてやがる……」
「やっぱりねw 」

旅館から出る頃にはすっかり晴れていて、蒸し暑い中駐車場まで移動し、合掌造りのテーマパークに向かった。


「わ~~い!楽し~~♡」
「お尻痛いんだけどw 」

施設からさらに階段を上がった高台に長いローラー滑り台がある。なかなかのスリルを味わうことが出来、子供たちは上機嫌で滑り台を滑っていた。


「とちのみそふとおいし~~♡」
「おせんべいもおいし~~♡」

滑り台で遊んだ後は銘菓の直販所に行き、ソフトクリームやかき氷をいただいた。その後も風鈴が飾られた櫓を眺めたり、敷地内を歩く鴨を追いかけたりした。


「すいしゃがある~~!♡」
「こいがいるよ~~!♡」

敷地内を散策した後合掌造りの家屋を見学し、味わい深いようなホラーテイストを感じるような屋内を見学し、山での暮らしに思いを馳せた。

「採光が足りないな……」
「ガラス窓も無い時代に無茶言わないの」

置かれている模型や蝋人形にビビりつつ屋敷を後にすると、万詩郎がポツリと呟いた。

「ほんとのひともまじってたねぇ……」
「ちょっと万君!?怖いこと言わないで!?」

敢えて言わなかったことを万詩郎が口にしたことで怖がりの瑠美子がビビり、足早に資料館を後にすることになった。

敷地内の神社にお参りしたり、博物館を見学したりした後は囲炉裏のある食堂でランチをした。


「岩魚うめぇ~~♡♡♡」
「笹寿司美味しい~~♡♡♡」

昼食は炭火で焼いた川魚をご当地ラーメンと一緒にいただいた。子供たちも普段エコビレッジで魚を捌いたり焼いたりしている為、手慣れた様子で鮎や岩魚に齧り付いていた。


「うまくできた~~!♡」
「お、上手いな~~♡♡♡」

午後は陶器の絵付け体験をして、それぞれの力作をお土産に貰った。

万詩郎と瑞稀ちゃんは翌日学校があるため、早めに温泉地を後にしてマイペースに空を走り、約3時間かけて自宅に帰った。



「おじいちゃんみてみて~~♡」
「しおんのもみて~~♡」
「かりんのも~~♡」
「おお、絵付けをしたのかい?上手に出来てるね~~♡♡♡ 煌君はしなかったのかい?♡♡♡」
「煌君はママと一緒に描いたんだもんな~~?♡♡♡」
「かいた~~♡」
「おおそうかそうか~~♡♡♡」

孫にデレッデレなお父やんに苦笑しつつ、シェフの松野さんと夕食を用意した。因みに猫集会に出ていた牡丹は、夕食の直前にしれっと帰ってきた。


「おかえり、お疲れシロウ♡♡♡」
「ただいまぁ~~♡♡♡ 疲れたぁ~~……」

子供たちが眠った後、全国の廃村を飛び回っているシロウが帰宅した。新しいコミュニティを作るために頑張る夫を頼もしく思いつつ、ベッドに入るなり乳を弄ってくるシロウに呆れながら、今夜もため息混じりに眠るのであった……



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