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周遊旅行編 その5
しおりを挟む「うっわぁぁ~~!!!めっちゃ海綺麗!!サイッコーー!!♡♡♡」
絶海の孤島のような場所にある洞窟を散策するべく、私たちはボートに乗って海に出た♡♡♡
「これ全部ウニだって~~♡♡♡」
「海の透明度ヤバイんだけど♡♡♡」
洞窟の中に入ると、海の色が幻想的なブルーになった♡♡♡
「旅の最後にこれを見れて良かったぁ~~♡♡♡」
船は洞窟を出て沖まで行くと、岩肌の絶景を見ることが出来た♡♡♡
電車内ではずっと司君に構われているRYOと、複雑な顔をする亜耶という対比を見守っていた。椿からは
「司のやりたいようにやらせてやってくれw 」
と言われていたから、まぁ何かしら理由があるのだろうと思った。
「揚げたてのポテトチップうまぁぁ~~い♡♡♡」
「アップルパイも超美味い~~♡♡♡」
グルメ天国の空港に着いた私たちは、最後の食べ歩きを思う存分楽しんだ♡♡♡
「この一週間で何個目のソフトクリームだろうw 」
蓮が苦笑いしながら私が差し出したスプーンを口に含んだ。遠回しに食べ過ぎだと言っているのだろう。ちょっとイラッとしつつ、いつの間にかパツパツになっていたスカートのホックに冷や汗をかいたのであった……。
エビの風味が濃厚なラーメンを蓮と分け合って食べた後、ウニといくらのパスタを食べに梯子をした。二人で食べると沢山のメニューを食べられて得した気分になる♡♡♡
集合場所に集まった私たちは、椿の呼び掛けで相川君に向き合った。
「「「「「「「「相川君、ありがとう~~!!♡♡♡」」」」」」」」
椿が花束を模したお菓子を渡すと、相川君は目をまん丸にして驚いていた。
「立派なATMっぷりだったなw 」
「結婚式挙げさせてくれてありがとう♡♡♡」
「元カレの僕にもお金使ってくれてありがとうございますw 」
相川君には多分に引っ掻き回されたけど、多大なる経済的支援を受けたのも事実だ♡♡♡ 私と蓮も、一生の思い出を作って貰った御恩がある♡♡♡
「みんな……」
「椿に粘着したい一心で大枚を叩いてくれた相川のことは忘れないぜ☆」
「うるっさい!!もう僕は椿ちゃんの婚約者なんだからね!?司君も、そこんとこ弁えてよねッッ!!」
「おい誰が婚約者だって!!?」
「君だよ!!絶対逃してあげないから!!」
照れ隠しなのかマジギレなのかは分からないけど、相川君は最後まで相川君だった。
「あはははw 分かってますよw 今はRYO君を構うのが楽しいんでw 」
司君がそう言うと、RYOは赤面し、亜耶は目を丸くしていた。
「オイオイw あまりRYOを揶揄うなよw コイツ男には嫌われがちだからすぐ本気にするぞ?w 」
「え~~?まあ、キスくらいなら良いよ?w 」
「「はぁっ!!?」」
「どう?僕とキス出来る?」
司君に迫られたRYOが固まった。
「どうしたの?しないなら、僕からキスしちゃおうかな~~?♡♡♡」
RYOの肩に手をかけて、唇が近付いた……
「アババババババババッッ!!!」
あと少しで唇が触れそうになった時、急に奇声を発した亜耶が割って入り、キスは未遂となった。
「……???」
「そろそろ腹を括る気になったかな?w 」
「う~~~~ん………」
「往生際悪っっw 」
亜耶は相変わらず腕を組んでウンウン唸っており、RYOはそんな亜耶を惚けた表情で見つめていた。
飛行機は無事地元の空港に着き、ずっと一緒にいたメンバーも、一旦解散となった。
「やだぁぁ~~~~!!帰りたくないッッ!!今日は椿ちゃんちに泊まるッッ!!」
「帰れバカヤロウ!!!」
最後まで相川君は相川君だなぁ……と思いながら空港でみんなに別れを告げ、私と蓮は家に帰った♡♡♡
「南……太った……??」
ママの言葉に慌てて体重計に乗ったら、なんと3㎏も増えていた……。
「そんなバカな!!?」
「この一週間グルメ三昧だったからね~~……妥当な数字だよね……」
「蓮は勉強出来たの……??」
ママの言葉に慌てて参考書を開いたら、なんと学力が後退していた……。
「そんなバカな!!?」
「後半の勉強がなぁなぁになっちゃったもんね~~……」
こうして私たちは、しばらくの間旅のツケを払う羽目になり、ダイエットと勉学に勤しむことになったのだった……。
ーーーーーーー
「これでヨシ!!♡♡♡ ママぁ~~?記入漏れがないかチェックして~~!」
ダイニングテーブルの上で婚姻届に記入し、母さんの最終チェックを受けた後、お盆休み明けの役所に提出に行った♡♡♡
「これで法的にも夫婦なんだね~~♡♡♡♡」
「うわ~~♡♡♡ なんかドキドキするね♡♡♡♡」
二人にとって特別な日になった8月後半のある日、俺たちは本当の夫婦になった♡♡♡ だからと言っていつまでも浮かれていられない。俺は受験勉強の遅れを取り戻さなければならないし、南は体重を落とさなけれなばならない。浮ついていられない現実に、重いため息をついたのだった……。
「ねぇどう思う!!?」
入籍記念日ということで二人きりでディナーでもと思っていたら、RYOに呼び出された……。
「空気読めよお前……」
お気に入りの創作ダイニングで俺と南に詰め寄るRYO。先日の旅行中に手応えを感じたとの事だ。
「どうって……」
「俺的には、あと少しで行けそうな気がするんだけど!!♡♡♡」
司君に焚き付けられて気持ちを自覚したかもしれない亜耶に、多大なる期待をしてしまった様子である。
「焦る気持ちは分かるけど……亜耶の気持ちがハッキリするまでそっとしておいて貰えないかな……?」
南がそう告げると、RYOは不満そうに顔を歪めた。
「ええ~~??そんな呑気なこと言ってたらチャンス逃しちゃうじゃん!?」
「お前な……亜耶はノーマルだって自分で言ってんだぞ?」
「俺だって別にゲイじゃねーもん!!亜耶だから好きなの!!」
「司君にグラついてたくせに……」
「あっ……アレはだって!!司君イケメンだから……」
「その発言はゲイなんだよ……」
「違いますぅぅーーー!!」
俺から見たら十分にゲイの素養があるRYOだけど、本人は頑なに認めようとしない……。
「どっちにしろ、今は亜耶の中で揺れてる時期なんだろ?そっとしておいてやった方が、後々の点数稼ぎになるような気がする……」
「でも……亜耶に会いたい……キスもしたいよ……」
つい最近空港で別れたばかりなのに、もう会いたいと落ち込むRYOを見ていたら、ふと両思いになる少し前のことを思い出した。今思い返しても頑張って耐え忍んだと、我ながら思う。届きそうで届かない今が一番もどかしいのだろう……。
「とにかく!!今は我慢の時だ!無理矢理押し切られるのと自分で気付くのでは、全然意味が違うからな……」
「桜さんも言ってたもんね……自分で気付かないと、ずっと気付かないって……」
「う゛うぅぅ~~……つらい~~……」
RYOの気持ちが分かるだけに心苦しくなったけど、亜耶とはなるべく自然な形で結ばれて欲しい……と、旅行中の相川を散々見せられた俺としては思うのだ……。
「あの二人も……納得出来る答えが見付かれば良いよね……」
「そうだね……そろそろ初夜に集中して♡♡♡」
「もう……何回目の初夜なんだか……んっ…♡ あん…♡」
無事入籍した日の夜、俺たちは何度も何度も一つになった……♡♡♡
『……ってRYOから相談されたんだけど……』
『なんかもうごめんなw 』
『まだ答えは出ない?』
『今頑張って瞑想中w 』
亜耶にチャットを送ったら、曖昧な返事が返ってきた。自分のアイデンティティを揺るがすほどの決断を迫られているのだから、亜耶を責めることなど出来ない。
誰もが心から望む人と結ばれれば良いのになぁ……と、お花畑なことを考えてしまった、南と夫婦になった夜だった。
ーーーーーーー
「お邪魔しま~~す♡♡♡」
誰よりも元気いっぱいで我が家の玄関に立つ相川に、ママも梓も吃驚していた……。
「清四郎様……どうしたの……?」
「どうしても今夜ウチに泊まりたいらしい……」
「え……何それ……こわ……」
中学の時は清四郎様清四郎様と目をハートにしていた我が妹でさえドン引きするようなことをやらかしているのに、当の本人はどこ吹く風である……。
「僕のことはお義兄さんって呼んでね♡♡♡」
「……イヤですけどw 」
「う~~ん、流石椿ちゃんの妹……塩対応が板についてるね♡♡♡」
「きもw 」
梓がキャーキャー言っていたのは「キラキラ貴公子清四郎様」であって、それっぽい振る舞いをしていればエネルギーがどす黒かろうがどうでも良かったらしい。つまり振る舞いがアレな相川は梓にとって、ただキモい人なのだ。
荷解きをして、纏めて洗濯している最中、使用人とやらにスーツケースを丸投げした相川は我が家のリビングで優雅に紅茶を飲んでいた。
「こういうところが上級国民様だよな……」
「え?まだそのネタでディスるの?」
当たり前のように身の回りの世話を使用人にさせる相川と、自分に出来ることは自分で熟したい私とでは、文化も背景も思想も全く違う人間だと改めて思うのだが、相川はその辺気にならないのだろうか?
「それより椿ちゃんの部屋に案内してよ♡♡♡」
う~~ん……全く気にする様子は無い……やっぱりコイツ大物だな……。
「下から布団持って来てやるからちょっと待ってろ……」
「は?ここにベッドがあるじゃん!!」
「……一人寝用のシングルベッドがあるな……」
「僕もココで寝る♡♡♡」
「シングルベッドだっつってんだろ!?」
「でも佐久間姉弟は普段このサイズのベッドで寝てるんだよね??」
何で知ってんだコイツ……あ、七海辺りから漏れたのか……。
「私は窮屈なベッドなんて嫌なんだが?」
「今日くらい我慢してよ♡♡♡」
「お前ッッ……はぁ……今日だけだぞ……」
旅行中、普段の何十倍もキレた反動なのか、怒る気力を失くしてしまった。
「……ごめんね……我が儘ばっかり言って……我が儘を言える恋人が出来て浮かれてるんだ……」
「……そう言えばお前はお労しい過去をお持ちだったな……」
幼少期から我慢を重ねて来た反動が一気に噴出したのだろう。その相手が何で私なんだと、未だにババアを恨みたい気持ちが顔を出すけれど、一度拾った動物は最後まで面倒を見なければならないのである。
「うわ~~♡♡♡ ベッドから椿ちゃんの匂いがする~~♡♡♡ ねぇこのベッド売って?♡♡♡」
「いちいちキモイんだよお前の発言はよぉぉーーーーッッ!!?」
「やぁぁん怒らないでよぉぉ~~~!!」
忘れた筈の怒りが再燃するほどの底力を見せる相川のキモさよ……。
人のベッドでゴロゴロと転がりながら枕やシーツの匂いを嗅ぎまくる変態を目の当たりにして、もしかして色々と早まったのかも……と、思わずにはいられなかった……。
「はぁ~~……あったかい……♡♡♡」
「暑苦しいの間違いじゃないか……?」
「心の話ですぅ~~♡♡♡」
流石に人の家だからか、後ろから羽交締めにする以外は大人しくしている。
「椿ちゃんが一緒に寝てくれるとね……悪夢を見なくて済むんだ……」
「それは………良かったな……」
相川に言おうか迷ったけど、言うのをやめた。
相川の親父……と言うか、ここ数世代の相川家は、いわゆる国際金融資本家として世界を暗躍した。本来の相川家の役割を放棄し、今だけ金だけ自分だけの精神で富の略奪を繰り返してきたため、それはそれはあちこちから恨まれているのである。金持ちほどスピリチュアルな能力者と懇意にするとよく言われているが、それは事実である。呪術を用いて相手を呪うビジネスが横行しているのは、何もフィクションの世界だけではないのだ。そんなわけで、旅行中は私が相川の中にお邪魔して、邪気払いをしていたのである。
因みに亜耶とも気が向いたら夜中に行き来して遊んでいる。まぁ、行き来するだけなら、私たち一族にとって大した負担にならないことなのだが……流石、上級国民様……かけられている呪いも相当なものだ。
相川が未来の我が国にとって重要な事業を始めたのも、本来の役割に戻したいという先祖の意向が多分にある。その意向を母方の先祖が全面的にサポートしており、相川が一族の禊をしなければならないのは、逃れられない宿命なのだ。きっとコイツは歴史に名を残す偉人になるだろう。この我が儘坊ちゃんの双肩にのし掛かる御役割を思うと涙の一つも出てくるというものだが、せめて今は穏やかに眠れるように私が尽力しよう……。
「おやすみ、ダーリン……♡♡♡」
穏やかな寝息を立てる相川の唇に、そっと口付けをして、私も眠りについた……
「今のもう一回言って!!!♡♡♡♡」
眠りにつかせてはもらえなかった……
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