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レオナVS.グレオン
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「ふ~ん、そう、既に3人、地下に配置していたのね」
「ああ、先手を取らせてもらった。あいつらなら問題なくヴェスパーの連中を止められんだろう」
「そうかしら? 今ここに来ているヴェスパーは主力の3人。DDDの序列2桁台じゃ太刀打ちできないほどの暴れん坊たちよ? 君の言った子たちだけで彼らをどうにか出来るとは思えないのだけれど?」
「どうにかするさ。一国の王女にエルフヘイム最強の戦士までいるんだ。余裕だろ」
「でも、彼女もいるのでしょう?」
「あ?」
「レオナ・ハイルディン。新人のDDDで今までの任務成功率は0%。間違いなくDDDの落ちこぼれ。そんな彼女が勝てるとは思えないのだけど?」
「ああ、そのことか。心配はいらないさ。あいつはスイッチさえ入れば、強い。戦闘力だけで見ればDDD序列1桁は余裕だろうな。問題はあの性格くらいなもんさ」
「彼女が序列1桁? 流石にそれは過大評価し過ぎじゃないかしら?」
「ま、確かにあいつが今までしてきた失態を知っていれば、そういう発想になっても仕方ないのかもしれないな。けど、あいつが仕事をミスしているには訳がある」
「訳?」
「あいつはスイッチが入ると理性がなくなり、むやみ暴れまわるバケモンになんだよ」
「なにそれ? そんな能力、獣人にあったかしら?」
「さぁ、どうだったかな?」
そうとぼけながら、俺は視線を少し左に向け、そこの柱に隠れているメアリーに視線を送った。
------------------------------------------------------------------
DDD特別修練室。
「あははははははははははは!」
「うおおおおおおおおおおお!」
そこは立った二人の存在によって惨状と化していた。
「いい加減くたばりやがれ!」
「あはは! こんな楽しいの辞めらるわけないじゃん! もっとやろう!」
レオナとグレオンは目にも止まらぬ速さで拳を交わし続けていた。
連続で拳を打ち出しているにもかかわらず、2人の拳は風圧でグレオンの部下たちを吹き飛ばすほどだった。そのせいでこの場に立っているのは彼ら2人だけになっていた。
「その姿……やはり、貴様、ただの獣人ではないな」
「そんなのどうでもいいでしょ。命のやり取りをしているこの瞬間を楽しもう!」
グレオンと戦い始めてから、レオナの姿は明らかに変容していた。
頭には鋭く尖った角、背中には真っ黒に染まった2枚の羽。犬の獣人としては絶対にありえないパーツである。
かと言って、獣人でなくなったかと言われれば、そうではない。ベースは犬の獣人である。
ただ、もし、彼女の今の姿を現す言葉があるとすれば……。
「獣人と悪魔のハーフか?」
グレオンは薄々感じていた。
当然、その答えはYESである。
レオナは犬の獣人と悪魔のハーフ。普段は獣人の姿をしているが、スイッチが入ると悪魔の部分が表面化される。
そのスイッチとは今の彼女を見ればわかる通り、戦闘だ。
悪魔の特性の一つとして可虐性の高さがあげられる。当然、レオナも例外ではない。
この可虐性が制御できないと、所かまわず人を襲うモンスターと化す。
レオナはそれを抑えるために普段は悪魔の力を抑えているのだ。
「ごふっ……」
どんどんレオナの攻撃に対応しきれなくなったグレオンは腹部に重い蹴りを食らい吹き飛んだ。
「がは……なんてパワーだ」
腹に風穴を開けられ血を流すグレオン。
「だが、この程度、吸血鬼には効かん!」
その宣言通り、腹部の穴はすぐに完治し、グレオンは立ち上がる。
「いいじゃんいいじゃん! それじゃ、もっと本気を出しても平気だね!」
「な……に……?」
レオナのその言葉にグレオンは冷や汗をかいた。
そう、レオナは今まで全力ではなかった。
なのに、グレオンはすでにレオナの動きについていけていない。
「いっくよーーーー!」
レオナは右手のひらに魔力を集め始めた。
「まずい……」
グレオンは今までどんな相手でも真正面から戦い叩き潰してきた。背を向けることは一度もなかった。
だが、そんなグレオンがレオナの魔力を見た瞬間、逃げることだけを考えていた。
「あれは……まずい、食らったら……殺される……っ!」
レオナと距離を取ろうとするグレオンだったが、ここは出口のない密室。逃げ場などどこにもない。
「だいじょーぶ! だって、吸血鬼は……死なないんでしょ?」
「っ!」
そのレオナの笑顔を見た瞬間、グレオンは生を諦めてしまった。
「頑張って、耐えてね」
「や、やめ…………」
レオナの右手に収束した魔力は巨大な光球へと変化し、そして、レオナはそれをグレオンに向かって投げつける。
「深淵爆破(ディクスプロ―ジョン)」
「う、うんん……あれ? いつのまにか寝ちゃってた」
角と羽がなくなった獣人状態のレオナが目を覚ました。
「特別修練室でヴェスパーって人たちに会ったところまでは覚えているんだけど……わ! なんかもうみんな倒れてる!」
レオナとグレオンの戦闘の余波に巻き込まれ気を失っていたヴェスパーの構成員たちを見て、レオナは腰を抜かしていた。
「なにが……って、もしかして、私またやっちゃった?」
そう、レオナは悪魔の力が表面化した際の記憶がないのだ。
なので、グレオンとの戦闘で何があったのか今のレオナには分からない。
「うわ! あそこでなんか黒焦げで倒れている人いるんですけど……生きてるよね……?」
レオナが見つけたそれはレオナの魔法を喰らったグレオンの成れの果てだった。
「まぁ、でも、見た感じ、ヴェスパーの人たちは全員倒したみたいだし、任務完了ってことだよね。後は…………」
レオナは遠い目をしながら、空を見上げた。
「これ、どうしよっかな……………ま、いっか。それよりも早く紫苑先輩に所に行かなきゃ」
核兵器すらものともしないDDD特別修練室の壁が完全に崩壊し、外が丸見えの状態になってしまっていた。
当然、『ま、いっか』で済まされるような問題ではない。
後日、レオナはDDD本部から死ぬほど怒られることになるのだが、それはまた別のお話……。
「ああ、先手を取らせてもらった。あいつらなら問題なくヴェスパーの連中を止められんだろう」
「そうかしら? 今ここに来ているヴェスパーは主力の3人。DDDの序列2桁台じゃ太刀打ちできないほどの暴れん坊たちよ? 君の言った子たちだけで彼らをどうにか出来るとは思えないのだけれど?」
「どうにかするさ。一国の王女にエルフヘイム最強の戦士までいるんだ。余裕だろ」
「でも、彼女もいるのでしょう?」
「あ?」
「レオナ・ハイルディン。新人のDDDで今までの任務成功率は0%。間違いなくDDDの落ちこぼれ。そんな彼女が勝てるとは思えないのだけど?」
「ああ、そのことか。心配はいらないさ。あいつはスイッチさえ入れば、強い。戦闘力だけで見ればDDD序列1桁は余裕だろうな。問題はあの性格くらいなもんさ」
「彼女が序列1桁? 流石にそれは過大評価し過ぎじゃないかしら?」
「ま、確かにあいつが今までしてきた失態を知っていれば、そういう発想になっても仕方ないのかもしれないな。けど、あいつが仕事をミスしているには訳がある」
「訳?」
「あいつはスイッチが入ると理性がなくなり、むやみ暴れまわるバケモンになんだよ」
「なにそれ? そんな能力、獣人にあったかしら?」
「さぁ、どうだったかな?」
そうとぼけながら、俺は視線を少し左に向け、そこの柱に隠れているメアリーに視線を送った。
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DDD特別修練室。
「あははははははははははは!」
「うおおおおおおおおおおお!」
そこは立った二人の存在によって惨状と化していた。
「いい加減くたばりやがれ!」
「あはは! こんな楽しいの辞めらるわけないじゃん! もっとやろう!」
レオナとグレオンは目にも止まらぬ速さで拳を交わし続けていた。
連続で拳を打ち出しているにもかかわらず、2人の拳は風圧でグレオンの部下たちを吹き飛ばすほどだった。そのせいでこの場に立っているのは彼ら2人だけになっていた。
「その姿……やはり、貴様、ただの獣人ではないな」
「そんなのどうでもいいでしょ。命のやり取りをしているこの瞬間を楽しもう!」
グレオンと戦い始めてから、レオナの姿は明らかに変容していた。
頭には鋭く尖った角、背中には真っ黒に染まった2枚の羽。犬の獣人としては絶対にありえないパーツである。
かと言って、獣人でなくなったかと言われれば、そうではない。ベースは犬の獣人である。
ただ、もし、彼女の今の姿を現す言葉があるとすれば……。
「獣人と悪魔のハーフか?」
グレオンは薄々感じていた。
当然、その答えはYESである。
レオナは犬の獣人と悪魔のハーフ。普段は獣人の姿をしているが、スイッチが入ると悪魔の部分が表面化される。
そのスイッチとは今の彼女を見ればわかる通り、戦闘だ。
悪魔の特性の一つとして可虐性の高さがあげられる。当然、レオナも例外ではない。
この可虐性が制御できないと、所かまわず人を襲うモンスターと化す。
レオナはそれを抑えるために普段は悪魔の力を抑えているのだ。
「ごふっ……」
どんどんレオナの攻撃に対応しきれなくなったグレオンは腹部に重い蹴りを食らい吹き飛んだ。
「がは……なんてパワーだ」
腹に風穴を開けられ血を流すグレオン。
「だが、この程度、吸血鬼には効かん!」
その宣言通り、腹部の穴はすぐに完治し、グレオンは立ち上がる。
「いいじゃんいいじゃん! それじゃ、もっと本気を出しても平気だね!」
「な……に……?」
レオナのその言葉にグレオンは冷や汗をかいた。
そう、レオナは今まで全力ではなかった。
なのに、グレオンはすでにレオナの動きについていけていない。
「いっくよーーーー!」
レオナは右手のひらに魔力を集め始めた。
「まずい……」
グレオンは今までどんな相手でも真正面から戦い叩き潰してきた。背を向けることは一度もなかった。
だが、そんなグレオンがレオナの魔力を見た瞬間、逃げることだけを考えていた。
「あれは……まずい、食らったら……殺される……っ!」
レオナと距離を取ろうとするグレオンだったが、ここは出口のない密室。逃げ場などどこにもない。
「だいじょーぶ! だって、吸血鬼は……死なないんでしょ?」
「っ!」
そのレオナの笑顔を見た瞬間、グレオンは生を諦めてしまった。
「頑張って、耐えてね」
「や、やめ…………」
レオナの右手に収束した魔力は巨大な光球へと変化し、そして、レオナはそれをグレオンに向かって投げつける。
「深淵爆破(ディクスプロ―ジョン)」
「う、うんん……あれ? いつのまにか寝ちゃってた」
角と羽がなくなった獣人状態のレオナが目を覚ました。
「特別修練室でヴェスパーって人たちに会ったところまでは覚えているんだけど……わ! なんかもうみんな倒れてる!」
レオナとグレオンの戦闘の余波に巻き込まれ気を失っていたヴェスパーの構成員たちを見て、レオナは腰を抜かしていた。
「なにが……って、もしかして、私またやっちゃった?」
そう、レオナは悪魔の力が表面化した際の記憶がないのだ。
なので、グレオンとの戦闘で何があったのか今のレオナには分からない。
「うわ! あそこでなんか黒焦げで倒れている人いるんですけど……生きてるよね……?」
レオナが見つけたそれはレオナの魔法を喰らったグレオンの成れの果てだった。
「まぁ、でも、見た感じ、ヴェスパーの人たちは全員倒したみたいだし、任務完了ってことだよね。後は…………」
レオナは遠い目をしながら、空を見上げた。
「これ、どうしよっかな……………ま、いっか。それよりも早く紫苑先輩に所に行かなきゃ」
核兵器すらものともしないDDD特別修練室の壁が完全に崩壊し、外が丸見えの状態になってしまっていた。
当然、『ま、いっか』で済まされるような問題ではない。
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