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序章 私刑人誕生編
第17話 初日の成果
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初日はまずまずの出来だったとだけ言っておこう。いやボチボチだったか?
なんと一応結界魔法自体は覚えたんだ!マリニアに言ったら見直してくれるかな?
ゲロビーの真実を知られ、俺の威厳は地に落ちているから、ここらで挽回したい!
【ハリアップル】
意味不明だがそれが呪文名で、敵性のある属性魔法は万能者のお陰で呪文も呪文名も唱える必要がない。
適正が無いと400字程の呪文が必要なのと、折角その呪文を覚えてもそもそも結界師にはなれない。
戦闘中に400字以上の呪文を唱えるのは非現実的であり、覚えようという物好きはいないのだそうだ。
だが、中々思った大きさの結界が出来ず悪戦苦闘していた。
正直なところかなり舐めていたから、今日は大変だった。
自分の体には効かないので、自ら張った結界で怪我をする事は無いが、周りの者を傷付ける可能性があるのだ。
だから先ずは自分の目の前、つまり手の先を先端とした結界を使う所からスタートだった。
慣れない事をした為か俺はクタクタで、やっとの思いで帰路についたとまでは行かないが、フラフラだったのは間違いない。
宿に着くと既にマリニアがいて、俺の帰りをまだかまだかと首を長くして待っていた。
そして俺に半ば抱着くように迫ってきた。
「あのねランスタッド!ボク、ボクが魔法を使えるようになったんだよ!ねえ見て見て!」
何故か空の桶を持ってきた。
いや、何故持っている?しかも濡れている?
「我が名はマリニア!我の望みに応えその力を示さん事を!ウォーター」
目の前に直径15cm程の水球が出現し、手振りで桶の方に射出するようにするとスーッと飛んで行き、桶に当たると水が溜まった。
初級魔法なのに呪文を唱えている事から、水は得意属性ではないな。
最初は得意属性を覚え、他に手を広げるはずだが?何故だ?
俺は素直にマリニアの頭を撫でた。
子供扱いしないで!と言い返すかと思ったら目をキラキラさせてニッコリしていた。
「初日から凄いな。こりゃあ俺も負けてはいられないなぁ!腹が減ったから飯を食いながら続きを聞こうか」
マリニアは腕をぐいっと引っ張りプニッと腕を組む感じにしてきた。
そうやって早く早く!と俺を急かす感じだ。
マリニアは余程嬉しかったのだろうか?珍しくはしゃいでいて、こいつこんな笑顔ができるんだなぁと少しほっこりした。
俺は疲れから早く寝たかったが、マリニアが喜々として話しているので聞き手に徹し、うん、凄いな、そうか、流石だな、良かったな等々相槌を打っていた。
この魔法のワードがあれば聞き流してもちゃんと聞いているように思われるから便利だよな!
得意属性について話していたが、俺の予測通り風だった。
探索者と相性がよく、殆どの探索者が風を使えるのだ。
最初に覚えたのがウインドカッターだったから部屋で使えなかったのだろう。
又、どうしても土が苦手属性になるが、それでも驚いた事にファイヤーボールも覚えたとの事で3属性行けるのだ。
そもそも魔法を使えるいわゆる魔力持ちは少ない。
これは言い回しで、魔力自体は皆持っている。
どんなギフトやスキルも発動するのに魔力を使うのだ。
で、それでも魔力持ちという言葉があるのには理由がある。
魔法として魔力を外に放出する事が可能な者を指すのだ。
魔力持ちは10%で、2属性持ちは1%、つまり希少なのだ。
そして3属性持はその中の0.1%つまり1万人に1人の希少中の希少な存在で、講師にかなり驚かれていたそうだ。
俺が偶々拾ったのはダイヤの原石だったと表現するような希少な存在だ。
万能者のようなのは別としてだ。
万能者の場合特殊で、他に賢者が基本の全属性行ける。
賢者はレベルが上がると勝手に上級も覚えるが、万能者は中級止まりだ。
万能者は色々なギフトの劣化版の寄せ集めと揶揄されていて、何もかも中途半端だ。
通常賢者は近接戦闘がからきしで、万能者は近接戦闘もかなり行ける。
なので、実際は賢者よりも生存率が高い。
万能者はオールマイティーに戦えるから、魔物に大して得手不得手がない。
マリニアが天狗になりそうだったので食べ終わった時に諭す事にした。
「今の段階でどんな魔法も試し撃ちを部屋の中ですべきじゃない。俺も結界を覚えたが制御が全く出来ていない。そんな覚えたてが安易に魔法を使うと暴発して部屋を壊し兼ねないから、師匠の指示に従うんだぞ!」
「あっ、はい。気を付けます!」
その言葉通り、マリニアは夜に何が出来るようになったかについて話してくるが、実際に見せる事をするのを控えていた。
だが、俺に見て貰いたくてウズウズしているのは分かる。
なので修行が終わったら魔物の討伐依頼でも受け、その時に習得した魔法を試すと約束する事で今は我慢して貰った。
うんうん。聞き分けが良くて助かる。
修行は順調に進み、明日が最終日となったのだが、マリニアは初級以外に中級も覚えたとの事で、俺は本当に驚いたのだが、何を覚えたのか今は教えてくれなかった。
いざ本番で見せるからと、その日を楽しみにする事になったのであった。
なんと一応結界魔法自体は覚えたんだ!マリニアに言ったら見直してくれるかな?
ゲロビーの真実を知られ、俺の威厳は地に落ちているから、ここらで挽回したい!
【ハリアップル】
意味不明だがそれが呪文名で、敵性のある属性魔法は万能者のお陰で呪文も呪文名も唱える必要がない。
適正が無いと400字程の呪文が必要なのと、折角その呪文を覚えてもそもそも結界師にはなれない。
戦闘中に400字以上の呪文を唱えるのは非現実的であり、覚えようという物好きはいないのだそうだ。
だが、中々思った大きさの結界が出来ず悪戦苦闘していた。
正直なところかなり舐めていたから、今日は大変だった。
自分の体には効かないので、自ら張った結界で怪我をする事は無いが、周りの者を傷付ける可能性があるのだ。
だから先ずは自分の目の前、つまり手の先を先端とした結界を使う所からスタートだった。
慣れない事をした為か俺はクタクタで、やっとの思いで帰路についたとまでは行かないが、フラフラだったのは間違いない。
宿に着くと既にマリニアがいて、俺の帰りをまだかまだかと首を長くして待っていた。
そして俺に半ば抱着くように迫ってきた。
「あのねランスタッド!ボク、ボクが魔法を使えるようになったんだよ!ねえ見て見て!」
何故か空の桶を持ってきた。
いや、何故持っている?しかも濡れている?
「我が名はマリニア!我の望みに応えその力を示さん事を!ウォーター」
目の前に直径15cm程の水球が出現し、手振りで桶の方に射出するようにするとスーッと飛んで行き、桶に当たると水が溜まった。
初級魔法なのに呪文を唱えている事から、水は得意属性ではないな。
最初は得意属性を覚え、他に手を広げるはずだが?何故だ?
俺は素直にマリニアの頭を撫でた。
子供扱いしないで!と言い返すかと思ったら目をキラキラさせてニッコリしていた。
「初日から凄いな。こりゃあ俺も負けてはいられないなぁ!腹が減ったから飯を食いながら続きを聞こうか」
マリニアは腕をぐいっと引っ張りプニッと腕を組む感じにしてきた。
そうやって早く早く!と俺を急かす感じだ。
マリニアは余程嬉しかったのだろうか?珍しくはしゃいでいて、こいつこんな笑顔ができるんだなぁと少しほっこりした。
俺は疲れから早く寝たかったが、マリニアが喜々として話しているので聞き手に徹し、うん、凄いな、そうか、流石だな、良かったな等々相槌を打っていた。
この魔法のワードがあれば聞き流してもちゃんと聞いているように思われるから便利だよな!
得意属性について話していたが、俺の予測通り風だった。
探索者と相性がよく、殆どの探索者が風を使えるのだ。
最初に覚えたのがウインドカッターだったから部屋で使えなかったのだろう。
又、どうしても土が苦手属性になるが、それでも驚いた事にファイヤーボールも覚えたとの事で3属性行けるのだ。
そもそも魔法を使えるいわゆる魔力持ちは少ない。
これは言い回しで、魔力自体は皆持っている。
どんなギフトやスキルも発動するのに魔力を使うのだ。
で、それでも魔力持ちという言葉があるのには理由がある。
魔法として魔力を外に放出する事が可能な者を指すのだ。
魔力持ちは10%で、2属性持ちは1%、つまり希少なのだ。
そして3属性持はその中の0.1%つまり1万人に1人の希少中の希少な存在で、講師にかなり驚かれていたそうだ。
俺が偶々拾ったのはダイヤの原石だったと表現するような希少な存在だ。
万能者のようなのは別としてだ。
万能者の場合特殊で、他に賢者が基本の全属性行ける。
賢者はレベルが上がると勝手に上級も覚えるが、万能者は中級止まりだ。
万能者は色々なギフトの劣化版の寄せ集めと揶揄されていて、何もかも中途半端だ。
通常賢者は近接戦闘がからきしで、万能者は近接戦闘もかなり行ける。
なので、実際は賢者よりも生存率が高い。
万能者はオールマイティーに戦えるから、魔物に大して得手不得手がない。
マリニアが天狗になりそうだったので食べ終わった時に諭す事にした。
「今の段階でどんな魔法も試し撃ちを部屋の中ですべきじゃない。俺も結界を覚えたが制御が全く出来ていない。そんな覚えたてが安易に魔法を使うと暴発して部屋を壊し兼ねないから、師匠の指示に従うんだぞ!」
「あっ、はい。気を付けます!」
その言葉通り、マリニアは夜に何が出来るようになったかについて話してくるが、実際に見せる事をするのを控えていた。
だが、俺に見て貰いたくてウズウズしているのは分かる。
なので修行が終わったら魔物の討伐依頼でも受け、その時に習得した魔法を試すと約束する事で今は我慢して貰った。
うんうん。聞き分けが良くて助かる。
修行は順調に進み、明日が最終日となったのだが、マリニアは初級以外に中級も覚えたとの事で、俺は本当に驚いたのだが、何を覚えたのか今は教えてくれなかった。
いざ本番で見せるからと、その日を楽しみにする事になったのであった。
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