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序章 私刑人誕生編
第25話 リリアーナから聞き出す
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マリニアに警戒を頼み、オークの死体を回収しつつ少し周りを確認したが、他に魔物の気配はなかった。
このような状況にも関わらず何故呑気に死体を回収しているかと言うと、倒した魔物は魔石を抜く必要がある。
魔石を抜かなかった場合、ゾンビや上位種に化けて復活する事が有るからで、決して呑気に換金の為に回収しているのではない。
切羽詰まった状況ではないので、魔石を抜き取る義務があるのだ。
俺は収納持ちだから今抜くのではなく、死体を回収するだけで済んでいる。
俺はこの子達から事情を聞きたかったが、先ずは安全を確保するのが最優先だから話は後で聞く事にした。
ただ、女の子は裸足だったので、マリニアの予備のサンダルを履かせた。 少し大きいが裸足よりはましだろう。
「この辺りはまだ魔物がうようよしているから、街道に出てから話を聞く。なので今は黙って進んでくれ」
「あっはい。私は大丈夫です」
俺は2人の子供を担いで小走りに進む。
流石に3人を担ぐよりは楽になったが、明らかに女の子がついてこられそうにないな。
早く抜けたかったが仕方がない。
歩くか。
俺が歩き出すと見るからにほっとしているな。
履物が合わなかったか?
女の子にヒールを掛けると驚いたような顔をしていたが、足取りは少し軽くなったような気がする。
そんな事もあったが、無事に街道に出る事が出来たので、街道を少しだけ進んでから休む事にした。
「急かして悪かったな。ここまでくれば人の往来もあるから危険は減る。俺はB級冒険者のランスタッドだ」
「ボクはE級冒険者のマリニアだよ!君の名は?」
「あっはい。私はリリアーナと言います。この子達は分かりません。奴隷同士で名を名乗るのを許されていませんでしたから」
「他の子も他人か?」
「皆知らない子達で、兄弟姉妹の者もいなかったようです」
「順を追って聞こうか。何故奴隷になった?」
「私は王都にいたんです。お父さん達と買い物をしていたんですが、よそ見をしていたら逸れてしまい、気が付いたら嫌な感じの人達に囲まれ、袋を被せられてから意識を失いました。気が付いたら奴隷の首輪を着けられ馬車にこの子達と共に押し込まれていました」
「拐かしと違法奴隷か。目的地を聞いているか?」
「魔物に襲われる前に次の町に奴隷商のお屋敷があり、そこで私達は高級奴隷になる為の教育を受けると言わました」
「この町にそんなのが有るのか・・・分かった。それと魔物に襲われたって何があった?その前に奴隷はお前達だけだったのか?」
「あっはい。それも話す内容と関係します。えっと、多分さっきのオークだと思うんですけど、私達のキャラバンは突然魔物の大群に襲われ、護衛が倒していたんですけども、数が多く護衛の半分が殺されこのままだと全滅?となり、バラバラに逃げて、運が悪い者を囮にして他が逃げる事になったんです。そのまま進むのや私達が進んだのと違う方向に進む馬車と別れたのですが、半分が私達の馬車を追い掛けて来たんです。奴隷を乗せた馬車は3台で、大体6~7人乗っていました」
運がというが、賭けても良いがリリアーナの乗っていた馬車に魔物を惹き付ける何かを取り付けるなりして、囮にしたんだろう。
馬車の壊され方が激しかったからな。
「あれ?オークに追われていたんだよな?俺達が君達を助けた時はリザードマンが襲っていたぞ?」
「えっと、オークからは逃げられたんですが、その先にリザードマン?がいて、馬車が襲われて滅茶苦茶になり、意識を失ったんですが気が付いた時はランスタッド様の背中でした」
「様付けはいらないぞ。俺はそんな大層な者じゃないしな。町に着いたら首輪を外そうな。自由になったら・・・」
そんな話をしていると2人が目を覚ました。ほえっ?となっていたが、リリアーナの姿を見て安心したようだ。
「この方達が私達を救けてくれたのよ。奴隷から開放してくれるって。強くて良い方よ!」
「姉ちゃん、他の子はどうしたん?」
リリアーナは首を横に振る。
「一緒の馬車の子は死んじゃったって。他の馬車の子達は逃げ果たせたのか分からないわね」
「おしっこ!」
俺があうぅぅと唸りつつ降ろし街道の脇でおしっこをさせたが、小さい方は男の子、真ん中の子は女の子と判明。
そうして歩いていると町に向かう商隊が見えたので、手を振って止まって貰った。
そして交渉の末お金を払い馬車に子供達を乗せて貰ったのであった。
このような状況にも関わらず何故呑気に死体を回収しているかと言うと、倒した魔物は魔石を抜く必要がある。
魔石を抜かなかった場合、ゾンビや上位種に化けて復活する事が有るからで、決して呑気に換金の為に回収しているのではない。
切羽詰まった状況ではないので、魔石を抜き取る義務があるのだ。
俺は収納持ちだから今抜くのではなく、死体を回収するだけで済んでいる。
俺はこの子達から事情を聞きたかったが、先ずは安全を確保するのが最優先だから話は後で聞く事にした。
ただ、女の子は裸足だったので、マリニアの予備のサンダルを履かせた。 少し大きいが裸足よりはましだろう。
「この辺りはまだ魔物がうようよしているから、街道に出てから話を聞く。なので今は黙って進んでくれ」
「あっはい。私は大丈夫です」
俺は2人の子供を担いで小走りに進む。
流石に3人を担ぐよりは楽になったが、明らかに女の子がついてこられそうにないな。
早く抜けたかったが仕方がない。
歩くか。
俺が歩き出すと見るからにほっとしているな。
履物が合わなかったか?
女の子にヒールを掛けると驚いたような顔をしていたが、足取りは少し軽くなったような気がする。
そんな事もあったが、無事に街道に出る事が出来たので、街道を少しだけ進んでから休む事にした。
「急かして悪かったな。ここまでくれば人の往来もあるから危険は減る。俺はB級冒険者のランスタッドだ」
「ボクはE級冒険者のマリニアだよ!君の名は?」
「あっはい。私はリリアーナと言います。この子達は分かりません。奴隷同士で名を名乗るのを許されていませんでしたから」
「他の子も他人か?」
「皆知らない子達で、兄弟姉妹の者もいなかったようです」
「順を追って聞こうか。何故奴隷になった?」
「私は王都にいたんです。お父さん達と買い物をしていたんですが、よそ見をしていたら逸れてしまい、気が付いたら嫌な感じの人達に囲まれ、袋を被せられてから意識を失いました。気が付いたら奴隷の首輪を着けられ馬車にこの子達と共に押し込まれていました」
「拐かしと違法奴隷か。目的地を聞いているか?」
「魔物に襲われる前に次の町に奴隷商のお屋敷があり、そこで私達は高級奴隷になる為の教育を受けると言わました」
「この町にそんなのが有るのか・・・分かった。それと魔物に襲われたって何があった?その前に奴隷はお前達だけだったのか?」
「あっはい。それも話す内容と関係します。えっと、多分さっきのオークだと思うんですけど、私達のキャラバンは突然魔物の大群に襲われ、護衛が倒していたんですけども、数が多く護衛の半分が殺されこのままだと全滅?となり、バラバラに逃げて、運が悪い者を囮にして他が逃げる事になったんです。そのまま進むのや私達が進んだのと違う方向に進む馬車と別れたのですが、半分が私達の馬車を追い掛けて来たんです。奴隷を乗せた馬車は3台で、大体6~7人乗っていました」
運がというが、賭けても良いがリリアーナの乗っていた馬車に魔物を惹き付ける何かを取り付けるなりして、囮にしたんだろう。
馬車の壊され方が激しかったからな。
「あれ?オークに追われていたんだよな?俺達が君達を助けた時はリザードマンが襲っていたぞ?」
「えっと、オークからは逃げられたんですが、その先にリザードマン?がいて、馬車が襲われて滅茶苦茶になり、意識を失ったんですが気が付いた時はランスタッド様の背中でした」
「様付けはいらないぞ。俺はそんな大層な者じゃないしな。町に着いたら首輪を外そうな。自由になったら・・・」
そんな話をしていると2人が目を覚ました。ほえっ?となっていたが、リリアーナの姿を見て安心したようだ。
「この方達が私達を救けてくれたのよ。奴隷から開放してくれるって。強くて良い方よ!」
「姉ちゃん、他の子はどうしたん?」
リリアーナは首を横に振る。
「一緒の馬車の子は死んじゃったって。他の馬車の子達は逃げ果たせたのか分からないわね」
「おしっこ!」
俺があうぅぅと唸りつつ降ろし街道の脇でおしっこをさせたが、小さい方は男の子、真ん中の子は女の子と判明。
そうして歩いていると町に向かう商隊が見えたので、手を振って止まって貰った。
そして交渉の末お金を払い馬車に子供達を乗せて貰ったのであった。
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