漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

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序章 私刑人誕生編

第43話 夜襲

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 俺は異様な気配と言うか、殺気から目が覚め、マリニア、スニシス、リリアーナをそっと起こした。
 シーっ!と静かにするようにし、スニシスとリリアーナにおこちゃまを抱っこさせテントをそっと出て、馬車の方に向かう。
 馬車に着くと情報屋とクルシュがおり、あのメイドはナイフを持ち警戒している。

 おかしい。静か過ぎる。
 そっと焚き火を見ると勢いはかなりあるが、誰もいない。
 ルールとして誰か1人は焚き火の周りにいるはずだ。
 例え周りをパトロールする場合もだ。

「図られやしたな」

「どういう事だ?」

「これから私達を殺そうとするでやしょう」

「意味が分からないぞ」

「あ奴達は闇市に参加する為に王都から来ていたと思われやす。考えてもみてくだせぇ。あっしらを乗せた馬車に何を乗せるはずだったかを」

「まさか?リリアーナ達か?」

「それもありやすが、他の参加者も違法な物や盗品を売買しやす。その積み荷がなくなったものですから人を運ぼうとしたのでしょう。しかし、旦那の連れて来た子らが今回の目玉だと理解し親切に接したのでやしょ」

「ボクも変だと思ったんだ。今朝暴れた馬、あの後泡を吹いて死んじゃったけど、直ぐに別の馬を連れて来たし、護衛がボク達をいやらしい目で見るんだもん」

「ゲロビーよ、おしゃべりは終わりじゃ。ほれ、テントが襲われるぞえ」

 数人がゆっくりと音を立てないようにテントに近付く。
 そしてナイフを持った状態で1人が中に入るが慌てて出て来て小声で話している。

 その隙にマリニアにリリアーナとスニシス、おこちゃま達を守るように指示し、藪の中に逃した。
 すると情報屋の部下とクルシュのメイドも続く。
 各々守るように指示をしたようだ。

「あれはあのような娘じゃが、中々強いのじゃ」

「助かります。取り敢えず誰何してきます」

 俺はテントに戻るとそいつらに向き合った。

「こんな夜中に何かあったのか?」

 いきなり声を掛けられたからか驚き、剣を構えたまま振り向いた。

「野営地をパトロールしていて、このテントに誰もいねえからどうしたんだろうって話ていただけだぜ」

「なあ、何故年頃の女性がいるテントに武器を持って入るんだ?俺の女達に何の用だ?」

 俺の背後に回った奴がいきなり剣を上段から袈裟斬りに振り抜いた。
 だが、俺は気配から最小限の動きで躱すと、そいつが前方におっとっととなり、足を引っ掛けるとテントにダイブし、テントを押し潰した。

「黙って斬られれば楽に死ねたのに馬鹿な奴め!この人数に勝てるとでも思ったのか?」

「お前らじゃ話にならん。これでも俺はA級だぞ」

 クルシュと情報屋がこの場を離れた気配がした。
 多分首謀者を捕えに行ったんだろう。
 クルシュは分かるが、情報屋は戦えるのか?

 俺は目眩まし兼明かりとしてファイヤーボールを上空に飛ばした。

 奴らは馬車の護衛をしていた傭兵で、それなりに腕に自信があったのだろうが、はっきり言ってマリニアより弱いとしか言えなかった。

「死ねやあぁ!」

 ファイヤーボールを放ったのを皮切りに、右横から突きを仕掛けて来たが結界で胸から上を分離してやった。

 そして左横と正面から同時に斬り掛かってきたが、バックステップで躱しつつ結界で2人をまとめて倒した。

 1人は首を、もう1人は胸から上で2つに別れた。

 残りの2人はひぃーと唸りながら逃げ出そうとしたので、追い掛けるように背中を斬り裂き、もう1人は首を刎ねた。

「馬鹿な奴等だな・・・」

 気配を探るとクルシュと情報屋が向かった先でドン!と音がし、人が吹き飛んだのが見え、俺はハッとなりその方に向い駆け出したのであった。

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