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第1章
逃走
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一つ言えるのは、今この場で何かに襲われた場合、余程弱い相手以外だとあっという間にやられるだろうと言う事だ。太一はその可能性が高いと考えていた。
そう今いる娘の場所が袋小路だからである。ここでじっと10分待つのが吉なのか?ここから出て広い場所に移り、万が一魔物等に遭遇した場合に逃げる選択をした方が生き残る確率が上がるのか?情報が無さ過ぎて見当が付かなかった。
しかし本能が告げる!ここにいればやばいと。そう自分が発する匂いだとかで、ここを自分では対処できない何かに嗅ぎつけられてしまうのは時間の問題だろうと判断した。
確かに動けば発見されるリスクが高くなるのだろうが、動かない方のリスクの方が高いと判断し、ナイフを片手にここから出て先に進む決断をする。
収納の中から上着を出して羽織った。寝巻きの上から昨日履いていたズボンを履く事も考えたのだが、ここを出た後着る物がない。左腕は血まみれだった。ただ、不思議な事に傷がなかった。訳が分からなかったが、誰かが治療してくれたらしい。そう言えば回復魔法なるものがあると言っていたのを思い出した。確か由美子と言ったあの女子校生がヒーラーになる筈だとステータスの内容から判断していたのだが、彼女が治療してくれたのだろうか?それとも別の者だろうか?今考えなくても良い事が頭を過る。
それはともかくまずここを出ようと決断した。漸く決意し、重い腰を上げて袋小路を出ると、袋小路を目指している魔物の一団が前方にいた。
太一は唸りながらダッシュし、その場から無我夢中で走り出した。後10秒遅ければ袋小路に10匹以上の魔物が突入してきた筈で、正に間一髪であった。自分の背丈の半分位の奴を始め、一番大きくても頭一つ位小さな奴だった。ひょろひょろとした2足歩行の陰気臭い者達だ。最初は暗くてよくわからなかったのだが、時間と共に目が慣れてきたのか、昼間のようにとは言わないが、月明かり位の中でうろついている、それ位の明るさだけは何とかあるように感じた。しかしその場を離れるともう少し明るくなってきたのが分かり、よく見ると壁がほんのり光っていた。
どうやら目が慣れたのではなく何故か分からないが壁が勝手に光出し、明りを提供してくれていたのである。
駆け足のペースであるが段々と魔物を引き離していた。しかし角を曲がった時に出会い頭に一匹の獣か魔物と遭遇してしまった。そいつも太一に気が付き太一の胸目掛けて飛び掛かって来た。太一は咄嗟にナイフを掴んでいる腕を伸ばしたが、たまたまナイフの切っ先が少し上に向いていた。するとそいつの腹に偶然刺さり、飛んできた勢いで腹が切り裂かれていく。そいつはポンという小さな音と共に霧散していったのだ。そして後には単一電池2個分位の大きさの宝石?水晶?が残されていた。
ラッキーだったのだ。今の太一では、まともに対峙すればまずもって倒す事が出来ないレベルの強さの魔物だった。しかし物凄く狭い急所に偶然ナイフが刺さり、魔物が自滅したのだ。魔物のランクは上級冒険者でないと対処できないレベルであった。
そういえば魔物は魔石という物をコアにし、肉体を形成していて、殺すと魔石とたまにアイテムをドロップすると言っていた。魔石という物をギルドに持っていくと買い取ってくれると話していたなと思い出した。ギルドと呼ばれる冒険者をサポートしたり、依頼を斡旋する団体があるのだ。すぐ近くには魔物がいないようなのでその魔石という物を拾った。
少し走るとT字路に出くわしたが、右から魔物が来ているようなので左手に進む事にした。少し進むと誰かが倒れているのが見えて来た。生きているか確かめるも既に死んでいるが、顔を見るとあのチンピラだった。
周りには物が散乱していた。魔物が接近していたので、周辺に落ちていた物を収納に入れていく。魔石も有ったから何匹かは倒したようだが、結局戦い破れ力尽きたのだと思った。彼は生き残れなかったのだ。
魔物が近づいてきたのが分かり死体に手を合わせ一言だけごめんねと短い別れを述べ、太一は逃げ出した。
魔物に追われていて、涙と鼻水を垂らしながら死にたくないと必死に足掻き逃げ惑っていたのだが、段々と追い込まれていった。魔物の脚の方が早かったのだ。そして下に降りる階段の所に来ていたのだが、どうするか迷う暇はなかった。階段を進み先に進まないと追ってきているヤバそうな魔物に追いつかれ、殺される筈だと恐怖に駆られていた。
追いかけてきていたのは、アニメとかで見るミノタウロスとかサイクロプス等と言われる巨人のようだった。どうあがいても勝てる見込みがしないので、必死に逃げていたのだ。
太一は階段を転がり落ちるように慌てて駆け降りて行った。しかし、追いかけて来た魔物が投げた石が太一の背中に見事にヒットしてしまい、衝撃で階段から転げ落ちていった。グハッと唸りながら落ちていったが、なんとか生きて平坦路に出たのであった。
そう今いる娘の場所が袋小路だからである。ここでじっと10分待つのが吉なのか?ここから出て広い場所に移り、万が一魔物等に遭遇した場合に逃げる選択をした方が生き残る確率が上がるのか?情報が無さ過ぎて見当が付かなかった。
しかし本能が告げる!ここにいればやばいと。そう自分が発する匂いだとかで、ここを自分では対処できない何かに嗅ぎつけられてしまうのは時間の問題だろうと判断した。
確かに動けば発見されるリスクが高くなるのだろうが、動かない方のリスクの方が高いと判断し、ナイフを片手にここから出て先に進む決断をする。
収納の中から上着を出して羽織った。寝巻きの上から昨日履いていたズボンを履く事も考えたのだが、ここを出た後着る物がない。左腕は血まみれだった。ただ、不思議な事に傷がなかった。訳が分からなかったが、誰かが治療してくれたらしい。そう言えば回復魔法なるものがあると言っていたのを思い出した。確か由美子と言ったあの女子校生がヒーラーになる筈だとステータスの内容から判断していたのだが、彼女が治療してくれたのだろうか?それとも別の者だろうか?今考えなくても良い事が頭を過る。
それはともかくまずここを出ようと決断した。漸く決意し、重い腰を上げて袋小路を出ると、袋小路を目指している魔物の一団が前方にいた。
太一は唸りながらダッシュし、その場から無我夢中で走り出した。後10秒遅ければ袋小路に10匹以上の魔物が突入してきた筈で、正に間一髪であった。自分の背丈の半分位の奴を始め、一番大きくても頭一つ位小さな奴だった。ひょろひょろとした2足歩行の陰気臭い者達だ。最初は暗くてよくわからなかったのだが、時間と共に目が慣れてきたのか、昼間のようにとは言わないが、月明かり位の中でうろついている、それ位の明るさだけは何とかあるように感じた。しかしその場を離れるともう少し明るくなってきたのが分かり、よく見ると壁がほんのり光っていた。
どうやら目が慣れたのではなく何故か分からないが壁が勝手に光出し、明りを提供してくれていたのである。
駆け足のペースであるが段々と魔物を引き離していた。しかし角を曲がった時に出会い頭に一匹の獣か魔物と遭遇してしまった。そいつも太一に気が付き太一の胸目掛けて飛び掛かって来た。太一は咄嗟にナイフを掴んでいる腕を伸ばしたが、たまたまナイフの切っ先が少し上に向いていた。するとそいつの腹に偶然刺さり、飛んできた勢いで腹が切り裂かれていく。そいつはポンという小さな音と共に霧散していったのだ。そして後には単一電池2個分位の大きさの宝石?水晶?が残されていた。
ラッキーだったのだ。今の太一では、まともに対峙すればまずもって倒す事が出来ないレベルの強さの魔物だった。しかし物凄く狭い急所に偶然ナイフが刺さり、魔物が自滅したのだ。魔物のランクは上級冒険者でないと対処できないレベルであった。
そういえば魔物は魔石という物をコアにし、肉体を形成していて、殺すと魔石とたまにアイテムをドロップすると言っていた。魔石という物をギルドに持っていくと買い取ってくれると話していたなと思い出した。ギルドと呼ばれる冒険者をサポートしたり、依頼を斡旋する団体があるのだ。すぐ近くには魔物がいないようなのでその魔石という物を拾った。
少し走るとT字路に出くわしたが、右から魔物が来ているようなので左手に進む事にした。少し進むと誰かが倒れているのが見えて来た。生きているか確かめるも既に死んでいるが、顔を見るとあのチンピラだった。
周りには物が散乱していた。魔物が接近していたので、周辺に落ちていた物を収納に入れていく。魔石も有ったから何匹かは倒したようだが、結局戦い破れ力尽きたのだと思った。彼は生き残れなかったのだ。
魔物が近づいてきたのが分かり死体に手を合わせ一言だけごめんねと短い別れを述べ、太一は逃げ出した。
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追いかけてきていたのは、アニメとかで見るミノタウロスとかサイクロプス等と言われる巨人のようだった。どうあがいても勝てる見込みがしないので、必死に逃げていたのだ。
太一は階段を転がり落ちるように慌てて駆け降りて行った。しかし、追いかけて来た魔物が投げた石が太一の背中に見事にヒットしてしまい、衝撃で階段から転げ落ちていった。グハッと唸りながら落ちていったが、なんとか生きて平坦路に出たのであった。
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