へなちょこ勇者の珍道記〜異世界召喚されたけど極体魔法が使えるのに無能と誤判定で死地へ追放されたんですが!!

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第2章

お背中お流しします

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 太一は知らなかった。ここが女性ばかりの女の花園で有ると言う事を。

 今日はたまたま男の人が部屋に籠もっていたり、所用で出かけていたりして見掛けないのかなぁ位にしか思っていなかったが、そうではなかった。

 ここには執事役をする女性がいるにはいるのだが、所謂る執事=男性がいないのだ。なので基本的にメイドさんがその代わりをしていた。

 そしてこの後、昼から剣術の稽古をしてくれる指南役も女性である。また他にいる弟子も全て女性であった。フローラは敢えて説明しなかった。いずれ分かるだろうと。そして意地悪でもあった。女性ばかりだと分かった時の太一の反応を見てみたいという思いも少し有ったのである。

 そして太一が慌てふためく時がやって来た。そうお風呂である。

 この世界の風呂は混浴ではなく、男女きちんと分かれて入浴するのだが、この屋敷には女性しかいないので、誰かが入っている時にもう一人入ってきても風呂は広いし、数人が入るのは問題なかったのだ。

 だがしかし今は男が一人いるのである。気にしていなかったのはシャロンだけで、他の者はきちんと気にしており、太一がいつ風呂に入るか気にしていたのである。

 太一が風呂場に入った直後にシャロンも入ってきたのだ。脱衣場に誰かの脱いだ服があり、綺麗にたたまれていた。

 シャロンはタオルのみを持って風呂場に入っていく。勿論何の疑いもなく風呂場に行くものだから当然裸である。

 湯気が立ち込め、洗い場で誰かが椅子に座り体を洗っているのが分かったのでシャロンは声を掛ける。

「ごきげんようご一緒させて頂きますね!」

 基本的に皆シャロンより目上の者ばかりである。弟子にしろ姉弟子ばかりなのだ。

 太一は焦った。やらかしちゃったのかと。女性の風呂タイムだったのか、女性用の風呂と知らずに入ってしまったのか。少なく共今太一が風呂場に入っていて、そこにシャロンが来てしまったのだが、声も出せなかった。

 軽蔑されると思ったからである。どうしようどうしようと思っているとシャロンが

「お背中お流ししますね」

 太一だと思っていないのだ。湯けむりがあるので誰かがいるな位は分かるが、誰かまでは声を聞かないと分からない。シャロンはあれこんな髪型の人いたかしら?今日はおめかしでもしてたのかしら?位にしか思わなかった。太一の髪は長いので風呂場の椅子に座り後ろ姿だけ見ると髪に隠れて体格が分からない。その為に男性か女性か判断が出来なかった。

 そしてシャロンがお背中お流ししますと近寄ってきた。床は太一が流した石等で滑りやすくなっていた。膝をついて背中に手をかけようとしたのだが、シャロンが滑ってしまいキャッと短い悲鳴を上げ、背中に抱きつく形で太一の背中にシャロンの胸が押し付けられたのだ。シャロンの胸の感触が、生々しいくそして柔らかな感触が背中を伝って太一の頭の中に流れてくる。そしてシャロンはハッとなる。

 これは女性の体じゃないと。そしてその髪をよく見ると太一の髪だとはっきり分かったのだ。シャロンは急に恥ずかしくなり胸を隠しキャーと叫ぶ。

「太一様何をなさってるんですか?何で太一様が!」

 太一は

「ごめんなさいごめんなさい。まさかここが女性用の風呂だとは思わなかったんです。さっきフローラ様に風呂に入っておいでと言われてそれで風呂に来てたんです 。ごめんなさいごめんなさい」

 そしてシャロンがハッとなり

「あっ!そういえばフローラ様が太一様がお風呂に入られるので太一様が入っている所に間違って入らないように気を付けなさいと言われていたんだっけ。きゃーごめんなさい。私がやらかしました」

 シャロンに謝られてしまいどうしようどうしようとしていたが

「ごめん、じゃあ僕ひゃすぐ出るから」

 太一が慌てて舌を噛みながら喋り、風呂場を出ようとしたが

「行けません。悪いのは私ですので、私が出ます。というより一緒に入っても宜しいでしょうか?」

 太一は罪悪感から断れなかった

「わ、分かったけど今シャロンって裸だよね?そんな君を見てしまうと僕の理性が絶対保てないんだ。絶対襲っちゃう自身が有るんだ。だからせめて何か羽織ってきてくれないかな?」

 シャロンは顔を真っ赤にしながらはいと一言い、体に着いた石鹸を流し、慌てて脱衣場に行き、バスタオルを羽織って入ってきた。

「太一様、言いつけ通りバスタオルを羽織っておりますので、こちらを見て頂いても大丈夫です」

 恐る恐るシャロンを見るとちゃんと大きいバスタオルで体を覆っていて、バスタオルのみの姿で色っぽいがなんとか隠す所を隠している状態だった。そうしてシャロンの言葉に甘えて背中を流して貰う。

 そして先に湯船に浸かった太一は

「じゃあ僕は背中を向けているから体洗ってね」

 頷いてからシャロンは

「太一様、覗いちゃ嫌ですよ」


「僕も男だからね。君のような美人さんだと見てみたくなるかも分からないから絶対に背中を向けていてね」

 シャロンはにっこりしながら

「分かりました。でも、太一様にならその、見られても・・・」

 と意味深げな事を言っていたが、太一様からの部分は声が小さく聞こえなかった。そして体を洗い、体を流してバスタオルで前を隠し

「あの、太一様、お背中を流して頂けませんでしょうか?」

 シャロンはついついおねだりをしてしまった。太一は手ぬぐいで前を隠しながら分かったとだけ言い、シャロンの背中を洗い流して行く。シャロンの背中は小さかった。肌は滑らかでスベスベしている。太一はついその背中に抱き付き

「シャロンありがとう。君のおかげで僕は今生きている。君はきっと私を救ってくれた恩人だと言うのだろうけども、あの時君に会えなかったら僕は今頃飢え死にしていた筈なんだ。これからも宜しくね。」

 そんな太一の手を取り

「はい、これからも末永く宜しくお願いします」

 そう返事をした。そしてシャロンの背中を流しらシャロンが湯船に入ると言うので、太一は慌てて湯船に入る。

「本当はダメなんですけどね」

 そう言いつつシャロンはバスタオルで身体を包み、太一の横に座る。太一はちらちらと胸元を見てしまう。シャロンはそんな視線に当然気づいており

「やっぱり太一様は紳士様なのですね。他の男性であればこんな状況であればもう私を襲ってきていると思うんです。でもちらちら見ていないで見せてと言えば良いのですよ。さあどうぞ」

 その綺麗な胸を惜しげもなく見せて、触らせていた。理性の飛んだ太一はついに立ち上がりシャロンを求めて押し倒したのであった。



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