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第2章
別れ
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太一が勉強をしていると扉がノックされ、誰だろうと思いつつも太一は扉を開ける。そうするとそこにはフローラがいた。フローラは一言だけ言った
「ついてきなさい」
その雰囲気に思わず気圧され、太一は頷き後を大人しくついて行く。歩いている時にフローラが太一に謝辞を述べていた。
「ありがとう太一さん。私の最期の時にあの子と過ごす時間をくれて。あの子は弟子では有りますが、私にとって最早娘なのです。それとこれを渡しておきます。私が死んだと分かったその時に開けなさい。それまでは決して開けてはなりません。
太一は黙って頷き収納に手紙を入れる。
やがて目的の場所に着いたのだが、そこは書物が大量に置いてある部屋だった。
「それとこれらを持ってお行きなさい」
手で書庫全体を指し示し
「ここは近いうちに火災に遭ってしまいます。ですので貴重な書物を火災から守る為、暫く太一殿の収納へ保管をお願いしたいのです」
太一は良く分からなかったが、言われるがままに書棚毎に収納に入れて行く。その後かなり重厚な装丁を施された一冊の本を渡された。
「これは私が生涯をかけて集め、作り上げた魔導書です。いつの日か貴方の役に立つ時が来るでしょう。残念ながらこれを引き継げるだけの弟子を今まで得られませんでした。しかし貴方にはその才能があります。ただ惜むらくは貴方に全てを教えるだけの時間がない事です。紹介状をここに書きます。私の元を巣立った弟子がおります。その者は私程とは言いませんが、隣国では賢者と呼ばれている者です。 彼女から魔法の基本を習いなさい。そうすればこの魔導書の中身もいずれは覚えられるでしょう。残念ながら今の貴方には生活魔法と極大魔法、この両極端な魔法しか使えません。後は結界を始め、魔力操作を有効に使いなさい。そして私の我儘です。シャロンを幸せにしてあげて下さい。あの子は厳しく育てた甲斐有って、心の綺麗な女性に育ちました。私の最後の弟子であり、自慢の娘なのです」
太一は有無を言わさず本を渡して来るフローラの態度に違和感があったが
「分かりました」
魔導書を恭しく受け取り、少しページを捲ってみたがさっぱり分らなかった。これを読めるだけの知識がないのだ。今は収納に大事に入れておくしかなかった。また書庫と同じ理由で、色々な物を一時的に預かって欲しいと言われ、太一はそれらも収納に入れて行く。火災の原因について尋ねたが、結局フローラは何も語らなかった。
シャロンが寝ているからと言うので太一の部屋で戦闘や魔法について少しだけだがレクチャーをしてくれた。主に効率的な魔力の回復の仕方や素早さについてのアドバイスだ。素早さの補正が物凄く有るのだが、如何せん体力が無い。短時間だけになるが、スピードを生かして攻撃を避けたり、短期決戦で相手を凌駕し倒す事は可能であろう。但し、多用した場合、今のままでは体力の無さからあっという間に体力が尽き、肩で息をするはめになるであろうと言うのであった。なので体を鍛えなさいと言われた。
太一は純粋な魔法使いだ。ただ素早さがあるので第2職業として魔法戦士となったが、基本的に純粋な魔法使いである。その為、レベルの恩恵を魔力関連と素早さが受けられるのだが、魔法使いの為の補正であり、基本的な体力面は一般人程度しかないと認識をするようにと言われた。確かに城で測ったステータスもそうなのだが、圧倒的に低かった。ただ補正値は少ないのだろうが、体を鍛え筋肉を付ける事により補正に左右されない人間本来の体力が上がる。そうすれば中級般冒険者位であれば凌駕出来る剣の強さを得られるだろうと。
今の速さを生かす、それだけの体力があれば立派に剣も使えるようになるであろうと。そして最後にぎゅっと太一を抱きしめ、
「明日の朝は普通に行ってきますと言いなさい。分かりましたね?これで貴方とはお別れになる筈です。シャロンをくれぐれも宜しくお願いしますね。太一様の未来に希望があらん事を。おやすみなさい」
そう言って太一に返答を言わせず、一方的に引き上げていったのである。色々考え事も有ったのだが、考える事が多過ぎて太一はため息を付いていたが、翌日に備えなければならないので勉強を切り上げ眠るのであった。
翌朝は食事をした後、早々にギルドに採取依頼を受託しに向かう事になっていたのであった。
「ついてきなさい」
その雰囲気に思わず気圧され、太一は頷き後を大人しくついて行く。歩いている時にフローラが太一に謝辞を述べていた。
「ありがとう太一さん。私の最期の時にあの子と過ごす時間をくれて。あの子は弟子では有りますが、私にとって最早娘なのです。それとこれを渡しておきます。私が死んだと分かったその時に開けなさい。それまでは決して開けてはなりません。
太一は黙って頷き収納に手紙を入れる。
やがて目的の場所に着いたのだが、そこは書物が大量に置いてある部屋だった。
「それとこれらを持ってお行きなさい」
手で書庫全体を指し示し
「ここは近いうちに火災に遭ってしまいます。ですので貴重な書物を火災から守る為、暫く太一殿の収納へ保管をお願いしたいのです」
太一は良く分からなかったが、言われるがままに書棚毎に収納に入れて行く。その後かなり重厚な装丁を施された一冊の本を渡された。
「これは私が生涯をかけて集め、作り上げた魔導書です。いつの日か貴方の役に立つ時が来るでしょう。残念ながらこれを引き継げるだけの弟子を今まで得られませんでした。しかし貴方にはその才能があります。ただ惜むらくは貴方に全てを教えるだけの時間がない事です。紹介状をここに書きます。私の元を巣立った弟子がおります。その者は私程とは言いませんが、隣国では賢者と呼ばれている者です。 彼女から魔法の基本を習いなさい。そうすればこの魔導書の中身もいずれは覚えられるでしょう。残念ながら今の貴方には生活魔法と極大魔法、この両極端な魔法しか使えません。後は結界を始め、魔力操作を有効に使いなさい。そして私の我儘です。シャロンを幸せにしてあげて下さい。あの子は厳しく育てた甲斐有って、心の綺麗な女性に育ちました。私の最後の弟子であり、自慢の娘なのです」
太一は有無を言わさず本を渡して来るフローラの態度に違和感があったが
「分かりました」
魔導書を恭しく受け取り、少しページを捲ってみたがさっぱり分らなかった。これを読めるだけの知識がないのだ。今は収納に大事に入れておくしかなかった。また書庫と同じ理由で、色々な物を一時的に預かって欲しいと言われ、太一はそれらも収納に入れて行く。火災の原因について尋ねたが、結局フローラは何も語らなかった。
シャロンが寝ているからと言うので太一の部屋で戦闘や魔法について少しだけだがレクチャーをしてくれた。主に効率的な魔力の回復の仕方や素早さについてのアドバイスだ。素早さの補正が物凄く有るのだが、如何せん体力が無い。短時間だけになるが、スピードを生かして攻撃を避けたり、短期決戦で相手を凌駕し倒す事は可能であろう。但し、多用した場合、今のままでは体力の無さからあっという間に体力が尽き、肩で息をするはめになるであろうと言うのであった。なので体を鍛えなさいと言われた。
太一は純粋な魔法使いだ。ただ素早さがあるので第2職業として魔法戦士となったが、基本的に純粋な魔法使いである。その為、レベルの恩恵を魔力関連と素早さが受けられるのだが、魔法使いの為の補正であり、基本的な体力面は一般人程度しかないと認識をするようにと言われた。確かに城で測ったステータスもそうなのだが、圧倒的に低かった。ただ補正値は少ないのだろうが、体を鍛え筋肉を付ける事により補正に左右されない人間本来の体力が上がる。そうすれば中級般冒険者位であれば凌駕出来る剣の強さを得られるだろうと。
今の速さを生かす、それだけの体力があれば立派に剣も使えるようになるであろうと。そして最後にぎゅっと太一を抱きしめ、
「明日の朝は普通に行ってきますと言いなさい。分かりましたね?これで貴方とはお別れになる筈です。シャロンをくれぐれも宜しくお願いしますね。太一様の未来に希望があらん事を。おやすみなさい」
そう言って太一に返答を言わせず、一方的に引き上げていったのである。色々考え事も有ったのだが、考える事が多過ぎて太一はため息を付いていたが、翌日に備えなければならないので勉強を切り上げ眠るのであった。
翌朝は食事をした後、早々にギルドに採取依頼を受託しに向かう事になっていたのであった。
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