へなちょこ勇者の珍道記〜異世界召喚されたけど極体魔法が使えるのに無能と誤判定で死地へ追放されたんですが!!

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第2章

異変

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 この世界の地図の精度というのは呆れるばかりの不正確さだった。

 その為、太一の計画は変更せざるを得なくなっていた。今日の昼頃には分岐路につく、そんな位置関係にしか思えなかった地図なのであるが、騎士と話をしていて、今日の宿というのは分岐路から20分程度離れた所に大きな宿場街が有り、朝早く出れば夕方には何とか着く、そういう位置関係だと言っていた。

 その為太一達が向かう方向と、騎士達が向かう方向が一致するかどうかを明日の朝伝えると言われ、状況次第で今日で終わりだというような事を言われたのである。

 ノエル達にきちんと確認しなかった太一も悪い。次の大きな宿場町から更に次の宿場町までの距離を把握するのは地図上での目測で行っており、それでのみ判断していたからである。

 夕方少し前に分岐路に差し掛かった。どうやらこの分岐路ゃり馬車で15分か20分位行った所に本当に騎士の言っていた通りに宿場町があるようだった。

 分岐路を過ぎた後に後方の兵士より、急ぎの伝令が来ていた。そしていつもの騎士が太一の所にやってきて

「確かお前さん達の中にヒーラーがいたよな?」

「はい。このエリカがヒーラーですが、どうかされましたか?」

 兵士の一人が木の枝にぶつかり落馬し、骨を折ったらしいんだ。悪いが治療してくれないか?」

「エリカ、行けそうか?」

「ええ、ーそれ位ならお安い御用ですよ」

「街までも近いから、その兵達の所には10名置いておくから、治療後兵達と一緒に追い掛けて来てくれないか?」

「分かりました。苦しんでいるのでしょうから急ぎ向います」

「よし、案内してやってくれ」

 そんな感じで伝令に案内を指示し、太一達は怪我をした兵士の所に向かった。

 ぼーっとしていたと言うが、落馬した時に右側から落ち、咄嗟についた右腕が骨折していたのだ。

 ノエルが手をかざし、手の先に魔力が凝縮されてきた。それを骨の折れた腕に当て

「我が求む。彼の者の傷を癒やす力を。ヒール」

 そうすると腕が光り、苦悶の顔をしていた兵士の表情が和らいで、段々と平時のそれになって行った。すると

「兵士様治療が終わりました。ゆっくりと動かしてみて下さい」

 そう言うと兵は腕をゆっくりと動かし、やがて剣を抜いて、

「剣がちゃんと握れるな。冒険者様ありがとうございました。まるで女神様だ。俺の嫁さんにしたい位だ。」

「どういたしまして。折角のお話ですが、私は既にこのロイの女ですの。良い方が見付かると良いですね」

 太一はノエルに見惚れていた。対外的な応対をする限り、まさに理想の女性なのだ。普段からこんなだったらなと思う太一だった。

 治療が終わり、出発する時に太一はその兵士に何があったのかを聞いてみた。

「お恥ずかしい話ですが、お腹がかなり減ってしまって、今日の飯は何だろうな?そんな事をなんとなく思って前を良く見ていなかったものですから、飛び出している枝に気がつかずにぶつかってしまったんです。疲れていたからですかね。注意力が散漫になっていました」

 ぽつりと言っていた

 治療の為、本体と5分程離れてしまったが、合流すべく移動していくのであったが、間もなく前方より一人の兵士が慌てて駆けつけて来て叫んだ。

「この先で他国の兵に襲撃をされ、大規模な戦闘になっています。抜剣し急ぎ向かってください。正直不が悪いです。ロイ殿達がどうされるのかは自己判断にお任せします。逃げても誰も文句を言いません」

「あんたの事だからどうせ止めても助けに向かうんでしょ?いいわ付き合うわ」

 ノエル達にもしっかり聞こえており、聞くまでもなく助けに向かう。なのでシャロンを御者席に座らせ、ノエルと入れ替えた。ノエルは馬車の中に待機し、太一も戦闘準備をし御者席に座るのであった。
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