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第2章
戦い
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程なく戦いが繰り広げられている戦場に辿り着いた。太一は戦場の手前で馬車を降り、収納に入っているファイヤショットを放てる魔法の杖と、アイスショットを放てる杖の2本をノエルに渡し、向かってくる奴にのみ使い、身を守れと馬車に残した。
太一は急ぎ勇者達の馬車の方に向かった。既に馬車が取り囲まれ、攻撃をされていた。どうやら伝令の言っていた通りにどこかの軍隊に攻められたようだ。少なく共こちらの装備と違う。このままではジリ貧だ!そう判断した。太一は力任せに強引に敵を倒しながら中心に入っていった。
由美子が片足を無くした稲生の所で必死に治療魔法を掛けていた。稲垣は必死に剣で戦っていたが、数に押されていた。そして遂に殴り倒された。
また、肘より先を切断された女性の手がころがっており、その傍らには左腕を亡くした弓使いが泣いていた。
「勇者達を殺せ!見つけ次第殺すんだ!一人も逃すな!」
そんな声が聞こえてきた。改めて観察すると装備は皆お揃いで、どう見ても軍隊か、私兵団だ。まず間違いなく他国の兵士達のようだった。
どうやら分岐路を曲がらずにそのまま行った先の国が攻めてきたように思える。しかも勇者を捕らえろではなく殺せと言っているのだ。
太一は由美子に斬りかかろうとしていた敵兵にかなり熱いホットをぶつけてやった。そいつは叫びながらのた打ち回り始めた。
「魔法使いだ!そいつから殺れ」
そんな声が聞こえて来る。
太一はシャロンに
「由美子とあの弓使いを頼む。俺は敵を蹴散らす」
「はい、かしこまりました」
そして太一は稲垣に加勢しに行くが、稲垣の所に辿り着くと、うずくまって左手首を切断され悶絶している稲垣がそこにいた。ほんの10秒位前の事であったが、防戦一方だった稲垣が手を切断されてしまったのだ。そいつはまさに稲垣に止めををさし、確実に殺そうとしていた。そいつを太一はアイスショットを放って仕留め、周りの的に生活魔法をを組み合わせた攻撃魔法を繰り出していた。
そんな様子を見ていて、慌てて駆けつけたノエルが稲垣と弓使いの治療を始めた。太一が現れてからは押されていた戦いもこちらが優勢になりつつある。傷を受け片目を失っていたあの騎士が現れ
「分が悪すぎる。勇者達を守ってやってくれ。どうやらあれは先遣隊だ。その先に本体が来ているのだと思う。逃げるんだ。敵は我々が引きつける。死ぬなよ太一」
「分かりました。ではなんとか致しましょう。バレてたんですね。貴方も死なないで下さい」
勇者達が乗っていた馬車は既に壊されている。太一は指示をした。
「怪我をした勇者達を俺の馬車に乗せ、急ぎ街道を引き返すんだ。そして分岐路の方に向かえ」
そうノエルに叫ぶ。
ノエルは分かったと一言だけ言う。由美子が稲生を、ノエルが弓使いをなんとか立たせ歩かせていく。
先陣にシャロンがついており、なんとか馬車に向かう。太一は殿を務める形だ。魔法を放ちながら馬車の方まで後退していく。勇者の馬車の中にいた他の要人達は既に仲間を見捨てて街道を逆に向かっていたようだ。
太一は街道の巾一杯に炎の壁を出した。そう土魔法に火魔法を混ぜる。火の割合が高ければその石をコアにしそこから炎が吹き出し炎の壁を暫く作り出すような魔法を使えるのが分かっている。そうファイアウォールの代替え品だ。15秒から20秒程だ。それでもそれを街道一杯に広げているから暫くの間だが、敵兵が近づけないようにした。そして馬車に駆け込み、シャロンに馬車を発進させた。馬を潰しかねないが全力に近い走りをさせている。
太一達が退き始めると兵士達も退き始めた。普通であれば勇者達を守る為に兵士が殿を務める筈なのだが、何故か殿が太一になってしまっていた。
「馬鹿な」
と呟いてはいたが、既に分岐路の方に戻るように馬車を走らせていた。分岐路を隣国へ向かう方へ進んだのは結局の所太一達の馬車だけだった。
太一は仕方がないと思いつつ、街道を壊す事を決意した。そう、直径3メートル程の溝を街道に堀る。手前側に土を盛ったのだ。溝+壁だ。これである意味山を越えなければこちら側には来れない。太一が溝を作っていた間馬車はストップして、太一を待った。溝を作ってからは馬の歩調を緩め、10分堀進んだ後、馬を休ませる事にした。強く走らせ過ぎたので休ませてやる必要があるからだ。その間太一はずっと馬車の周辺を警戒しているのであった。
太一は急ぎ勇者達の馬車の方に向かった。既に馬車が取り囲まれ、攻撃をされていた。どうやら伝令の言っていた通りにどこかの軍隊に攻められたようだ。少なく共こちらの装備と違う。このままではジリ貧だ!そう判断した。太一は力任せに強引に敵を倒しながら中心に入っていった。
由美子が片足を無くした稲生の所で必死に治療魔法を掛けていた。稲垣は必死に剣で戦っていたが、数に押されていた。そして遂に殴り倒された。
また、肘より先を切断された女性の手がころがっており、その傍らには左腕を亡くした弓使いが泣いていた。
「勇者達を殺せ!見つけ次第殺すんだ!一人も逃すな!」
そんな声が聞こえてきた。改めて観察すると装備は皆お揃いで、どう見ても軍隊か、私兵団だ。まず間違いなく他国の兵士達のようだった。
どうやら分岐路を曲がらずにそのまま行った先の国が攻めてきたように思える。しかも勇者を捕らえろではなく殺せと言っているのだ。
太一は由美子に斬りかかろうとしていた敵兵にかなり熱いホットをぶつけてやった。そいつは叫びながらのた打ち回り始めた。
「魔法使いだ!そいつから殺れ」
そんな声が聞こえて来る。
太一はシャロンに
「由美子とあの弓使いを頼む。俺は敵を蹴散らす」
「はい、かしこまりました」
そして太一は稲垣に加勢しに行くが、稲垣の所に辿り着くと、うずくまって左手首を切断され悶絶している稲垣がそこにいた。ほんの10秒位前の事であったが、防戦一方だった稲垣が手を切断されてしまったのだ。そいつはまさに稲垣に止めををさし、確実に殺そうとしていた。そいつを太一はアイスショットを放って仕留め、周りの的に生活魔法をを組み合わせた攻撃魔法を繰り出していた。
そんな様子を見ていて、慌てて駆けつけたノエルが稲垣と弓使いの治療を始めた。太一が現れてからは押されていた戦いもこちらが優勢になりつつある。傷を受け片目を失っていたあの騎士が現れ
「分が悪すぎる。勇者達を守ってやってくれ。どうやらあれは先遣隊だ。その先に本体が来ているのだと思う。逃げるんだ。敵は我々が引きつける。死ぬなよ太一」
「分かりました。ではなんとか致しましょう。バレてたんですね。貴方も死なないで下さい」
勇者達が乗っていた馬車は既に壊されている。太一は指示をした。
「怪我をした勇者達を俺の馬車に乗せ、急ぎ街道を引き返すんだ。そして分岐路の方に向かえ」
そうノエルに叫ぶ。
ノエルは分かったと一言だけ言う。由美子が稲生を、ノエルが弓使いをなんとか立たせ歩かせていく。
先陣にシャロンがついており、なんとか馬車に向かう。太一は殿を務める形だ。魔法を放ちながら馬車の方まで後退していく。勇者の馬車の中にいた他の要人達は既に仲間を見捨てて街道を逆に向かっていたようだ。
太一は街道の巾一杯に炎の壁を出した。そう土魔法に火魔法を混ぜる。火の割合が高ければその石をコアにしそこから炎が吹き出し炎の壁を暫く作り出すような魔法を使えるのが分かっている。そうファイアウォールの代替え品だ。15秒から20秒程だ。それでもそれを街道一杯に広げているから暫くの間だが、敵兵が近づけないようにした。そして馬車に駆け込み、シャロンに馬車を発進させた。馬を潰しかねないが全力に近い走りをさせている。
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「馬鹿な」
と呟いてはいたが、既に分岐路の方に戻るように馬車を走らせていた。分岐路を隣国へ向かう方へ進んだのは結局の所太一達の馬車だけだった。
太一は仕方がないと思いつつ、街道を壊す事を決意した。そう、直径3メートル程の溝を街道に堀る。手前側に土を盛ったのだ。溝+壁だ。これである意味山を越えなければこちら側には来れない。太一が溝を作っていた間馬車はストップして、太一を待った。溝を作ってからは馬の歩調を緩め、10分堀進んだ後、馬を休ませる事にした。強く走らせ過ぎたので休ませてやる必要があるからだ。その間太一はずっと馬車の周辺を警戒しているのであった。
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