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第2章
街
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太一達が門番の所を離れ、町中に繰り出すと、けたたましく鐘が鳴った。その後は続かなかったので、そのまま行く事にした。門番に言われたのはあくまで3点鐘というものだからだ。今回の鐘の意味が分からなかったが、鐘が鳴った後の変化は、一部の商店などが店終いをゆっくりと始めた位だ。まずは宿の確保をしなければならない。その為、稲垣とノエルを宿の前で降ろし、ノエルに宿の予約を任せ、何かあった場合、ノエルに走って来て貰わなければならない。宿に誰かはいて欲しいので、それを稲垣にお願いした。そして宿で二人を降ろした後、門番に教えられた治療院の所に向かって行く。
治療院と言ってもそんなに大きくはない。宿屋の酒場スペースの方が大きい位だ。一軒家の一部を店舗にした、そんな感じの大きさしかない。
治療院に着くと、そこに一人の老婆がおり、美夏をベッドに寝かせる。稲生がお姫様抱っこで馬車から運んでベッドに運んでいた。美夏は恥ずかしいぞとか言ってはいたが、まんざらではない感じだ。
ベッドに寝かせると、老婆が色々見始めた。男性陣は一旦診察室から追い出され、診察をしていた。
症状から怪しい病気などを探るが、気分が悪く吐き気があるが熱がないので不思議がっていた。太一はふと思い出し
「すみません。熱を冷ます秘伝の薬を既に飲ませており、今は熱が下がっておりますが、意識が朦朧とする位の高熱を出しておりました」
「それほどの熱が下がる薬があるというのかや?」
「はい。これは秘伝の薬でして、製造方法も既に失われ、今ある薬しかないような貴重な物でございます。命に関わる場合以外は使わないのです」
「なる程のう。熱があるとなると、毒を食らった可能性があるのじゃが、何か心当たりは無いのかや?この毒は食らってから2日から5日の間位に発症する類のものですじゃ」
「近隣の国の兵に襲われまして、彼女の腕がないのはその所為です」
「なる程。武器に毒を塗られており、その武器に付いていた毒を腕を切られた時にほぼ間違いなく貰ってしまったのでしょうな」
「この毒は食らった者全員、毒の影響を受けるのでしょうか?」
「いや、そこのお兄さんのように体力のある者は、特に鍛えられた男などはまず大丈夫じゃのう。じゃがこのような細い女子では影響を受ける可能性がありますですじゃ。解毒剤があるでの先ずはこれを飲ませるのですじゃ。だだ、丸1日は安静にする必要が有るのですじゃ。ここで休ませるかえ?」
宿を取っておりますので、宿の方に行きたいと思います」
「ふむふむ。では熱が下がっておる今のうちに宿に行き、安静にさせてやると良いぞよ。これを今飲ませ、こちらは朝昼晩と3日ほど飲ますのじゃ。概ね今飲ませる薬が一番強く、半日もすれば症状が改善し、丸1日で動けるようになる筈ですじゃ。油断してはなりませぬ。渡した薬をきちんと飲み切らねばなりませぬ」
ありがとうございましたとお礼をし、お金を払い宿に引き上げて行く。
宿に着いた時点で、美夏はなんとか自らの足で歩く事が出来る状態でだった。稲生が肩を貸し部屋にて寝かせた。今日の部屋は一番上等な部屋が空いており、やはりスイートだった。部屋が複数有ったので、丁度良い感じで部屋割りが出来そうだった。
美夏をベッドに寝かせた後、今後の話をしなければならなかった。誰か一人は美夏に付いていてあげた方が良いという事になり、由美子が側に付く事になった。
もし奴らが攻めてきたらどうするかという話になる。少なくとも丸1日は宿に缶詰だ。この街に追いつくのは時間の問題であった。本当はとっとと街を出たかったが、足止めを余儀なくされた。
目的地にはまだ3、4日は掛かる筈だ。大きな宿場町と言っても王都の規模からすると半分から1/3位の規模にしかならない筈である。ここは途中通ってきた小さな町と比べると倍以上の規模ではあった。
しかし街の守備隊は2000人もいないのだろうなと太一は考えた。
それに先程の言葉が本当であれば、敵兵は1万から2万人位の軍隊と見た方が良い。その為、いくら自分達が一般の者よりも強いとはいえ、多勢に無勢である。
やはり少なくとも太一は門の所で街の守備軍と一緒に敵兵と戦う方に回った方が良いというこ事になった。次に皆はどうするか?となり、太一以外で宿を守る。最悪町を脱出する事になった場合にどうするかは、今いる町の一つ手前の街に近い所に小道があり、そこを進むと休憩できるポイントがあり、一度休憩した場所だ。そこで落ち合う事になったのである。万が一バラバラになってしまって街から逃れなければならなくなった場合の事ではあるのだが。
その場合宿の裏口の特定の場所に鍵で傷をつけておく事になった。太一が皆と合流するのを諦め、脱出する場合は、街の防壁の上の部分に大きな傷を付けるという事になった。
魔力を込めて会話をできる念話の指輪という物は有るにはあるのだが、ただ人数分ないのだ。その為、全員で皆の行動を考える必要が有った。
お金に困らなくする為、皆に収納に入れているお金を配分して行く。
シャロンもノエルもある程度のお金を常に身に着けている。こんな感じで話を終えるのであった。
治療院と言ってもそんなに大きくはない。宿屋の酒場スペースの方が大きい位だ。一軒家の一部を店舗にした、そんな感じの大きさしかない。
治療院に着くと、そこに一人の老婆がおり、美夏をベッドに寝かせる。稲生がお姫様抱っこで馬車から運んでベッドに運んでいた。美夏は恥ずかしいぞとか言ってはいたが、まんざらではない感じだ。
ベッドに寝かせると、老婆が色々見始めた。男性陣は一旦診察室から追い出され、診察をしていた。
症状から怪しい病気などを探るが、気分が悪く吐き気があるが熱がないので不思議がっていた。太一はふと思い出し
「すみません。熱を冷ます秘伝の薬を既に飲ませており、今は熱が下がっておりますが、意識が朦朧とする位の高熱を出しておりました」
「それほどの熱が下がる薬があるというのかや?」
「はい。これは秘伝の薬でして、製造方法も既に失われ、今ある薬しかないような貴重な物でございます。命に関わる場合以外は使わないのです」
「なる程のう。熱があるとなると、毒を食らった可能性があるのじゃが、何か心当たりは無いのかや?この毒は食らってから2日から5日の間位に発症する類のものですじゃ」
「近隣の国の兵に襲われまして、彼女の腕がないのはその所為です」
「なる程。武器に毒を塗られており、その武器に付いていた毒を腕を切られた時にほぼ間違いなく貰ってしまったのでしょうな」
「この毒は食らった者全員、毒の影響を受けるのでしょうか?」
「いや、そこのお兄さんのように体力のある者は、特に鍛えられた男などはまず大丈夫じゃのう。じゃがこのような細い女子では影響を受ける可能性がありますですじゃ。解毒剤があるでの先ずはこれを飲ませるのですじゃ。だだ、丸1日は安静にする必要が有るのですじゃ。ここで休ませるかえ?」
宿を取っておりますので、宿の方に行きたいと思います」
「ふむふむ。では熱が下がっておる今のうちに宿に行き、安静にさせてやると良いぞよ。これを今飲ませ、こちらは朝昼晩と3日ほど飲ますのじゃ。概ね今飲ませる薬が一番強く、半日もすれば症状が改善し、丸1日で動けるようになる筈ですじゃ。油断してはなりませぬ。渡した薬をきちんと飲み切らねばなりませぬ」
ありがとうございましたとお礼をし、お金を払い宿に引き上げて行く。
宿に着いた時点で、美夏はなんとか自らの足で歩く事が出来る状態でだった。稲生が肩を貸し部屋にて寝かせた。今日の部屋は一番上等な部屋が空いており、やはりスイートだった。部屋が複数有ったので、丁度良い感じで部屋割りが出来そうだった。
美夏をベッドに寝かせた後、今後の話をしなければならなかった。誰か一人は美夏に付いていてあげた方が良いという事になり、由美子が側に付く事になった。
もし奴らが攻めてきたらどうするかという話になる。少なくとも丸1日は宿に缶詰だ。この街に追いつくのは時間の問題であった。本当はとっとと街を出たかったが、足止めを余儀なくされた。
目的地にはまだ3、4日は掛かる筈だ。大きな宿場町と言っても王都の規模からすると半分から1/3位の規模にしかならない筈である。ここは途中通ってきた小さな町と比べると倍以上の規模ではあった。
しかし街の守備隊は2000人もいないのだろうなと太一は考えた。
それに先程の言葉が本当であれば、敵兵は1万から2万人位の軍隊と見た方が良い。その為、いくら自分達が一般の者よりも強いとはいえ、多勢に無勢である。
やはり少なくとも太一は門の所で街の守備軍と一緒に敵兵と戦う方に回った方が良いというこ事になった。次に皆はどうするか?となり、太一以外で宿を守る。最悪町を脱出する事になった場合にどうするかは、今いる町の一つ手前の街に近い所に小道があり、そこを進むと休憩できるポイントがあり、一度休憩した場所だ。そこで落ち合う事になったのである。万が一バラバラになってしまって街から逃れなければならなくなった場合の事ではあるのだが。
その場合宿の裏口の特定の場所に鍵で傷をつけておく事になった。太一が皆と合流するのを諦め、脱出する場合は、街の防壁の上の部分に大きな傷を付けるという事になった。
魔力を込めて会話をできる念話の指輪という物は有るにはあるのだが、ただ人数分ないのだ。その為、全員で皆の行動を考える必要が有った。
お金に困らなくする為、皆に収納に入れているお金を配分して行く。
シャロンもノエルもある程度のお金を常に身に着けている。こんな感じで話を終えるのであった。
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