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第2章

第104話 決着

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 ムネチカは俺が咄嗟に取った行動で、見られたくないあの姿を見られたのだと悟ったようだ。
 本来の姿を見られた事により、俺に恐れられたのだと理解し、涙を流しながらこの場から逃げ出してしまった。

 俺は追おうとしたが、盗賊の死体に躓いてハッとなった。
 今は先にやらねばならぬ事があるのだったと。それを理由にムネチカの問題について先送りにしてしまった。
 急がないので他の者に任せればよかったのだ。
 ただ単に今はムネチカの顔を見る事が出来ず、他の事をして目を背けたかったのだ。
 気持ちを整理する時間が欲しかった。

「貸しよ!」

 カナロアは1言だけ告げると、ムネチカを追ってくれた。
 【貸しよ?】【貸しだぞ!】じゃなくて、何故【貸しよ!】?なんかやばい気配がしたぞ。

 先ずは生きている奴の治療と、次に死んだ奴を奴隷にしてから死者蘇生をする。

 また、盗賊については全て奴隷にし、怪我の酷い奴から順次治療していく。勿論生き返らせた者、捕えた者問わずにスキルは全て頂いていく。

「相手が悪かったな。今までしてきた事を洗いざらい吐いてもらおう。言っておくが、例え逆らって死んだとしても生き返らせるから、苦しみが続くだけだからな。尤も死ぬところまで抵抗し続ける事が出来る奴は極稀だからな。ククク」

 俺は盗賊達の目の前で頭領の首を刎ね、死体を見せびらかせてから死者蘇生をした。効果は抜群だった。
 特に頭領は自分は1度殺されたと認識していて、生き返させられたのだと理解し、恐ろしさから震えていた。
 さらっと、しかも顔色1つ変えずにかなり酷い事をしているのだが、友安の精神構造はゼツエイの死後まるで別人のように強くなっていた。
 ゼツエイの死はそれだけの影響があったのだ。

「分かったと思うが、死んでも無駄だ。お前達は罪の大きさによるが、奴隷として相応な償いをしろ。死んだ方が楽な筈だが、そうはいかないからな」

 奴らのアジトは村に似つかわしくない豪華な屋敷だった。
 村の奥の木に囲まれた目立たない場所にあり、溜め込んだお宝は、城を建てられる位の価値が有りそうだった。勿論村にはある程度残し、大半は頂く。

 近隣の国を周り好き勝手に荒らしている賞金首だとエルザが大きな声で告げた。

 エルザによれば、ずっと所在のわからない分からなかった謎の盗賊団だった。この村を支配し、隠れ蓑にしていたから今迄分からなかったのだ。
 普段は善良な村人を演じ、畑までやっていた。確認したが、筋力をつけるのに最適な為、カモフラージュにもなるからと、一石二鳥なので畑を耕していた。

 お宝を回収し、フランカの問題に向き合う。
 暫くして戻ってきたムネチカとカナロアには盗賊の見張りをお願いし、エルザに尋問をお願いした。というより、させてくれとお願いされたので了承した。

 フランカの母親は奴隷にされており、隷属の首輪を着けていた。首輪を外すと程なくして正気を取り戻し、フランカを抱き締めて泣いていた。

 また、この男の処遇を聞くと、村の管理奴隷として使役する事を望み、殺さないでと懇願された。

 フランカが母親に抱きついて泣きじゃくっていたので、暫く2人にして俺達は村を見回っていたが、やはり男は盗賊以外いない事が確認できたのであった。
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