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第77話 エピローグ
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俺たちが巻き込まれた異例のダンジョン攻略。その経験は、冒険者社会全体に波紋を広げ、ダンジョン攻略の常識を覆す大きな一歩となった。
・
・
・
時の人となった俺たち・・・
「お前たちのやったことは、冒険者全員にとっての希望だ。」
ギルド本部で幹部からそう言われた時、正直どう答えればいいか分からなかった。
「俺たちはただ、目の前の問題をどうにかしようと必死だっただけです。」
「まあ、そこが良いところよね」
俺がそう答えると、友理奈が笑ってくれた。
「先輩、またくさいセリフ言ってますよ!ちょっとカッコ良いかも?」
浅香はいつもの調子で茶化してくる。弘美はただ微笑みながら頷いてくれた。
今回の出来事を受け、日本国内でダンジョンの無力化がいくつか成功した。それはやがて海外にも伝わり、世界中で検証が始まった。最難関ダンジョンはまだ遠い存在だが、弱いダンジョンから順に少しずつ消えていく。
「これで、人が安心して暮らせる世界に近づけるかもしれない。」
スルメイラが淡々と語るその声には、どこか誇らしげな響きがあった。
「これで終わりじゃない。まだ始まったばかりよ。」
弘美の言葉に、誰も反論はしなかった。
ダンジョン攻略の新たな道筋が見えたことで、冒険者としての俺たちにも新たな役割が生まれた。危険と隣り合わせの日々は続くが、それでも進まなければならない。
「さあ、次はどんな未知が待っているのか……。」
俺たちはそれぞれの装備を整え、未来に向けて歩き出す。
そしてスルメイラ・・・彼女は俺と寝床を共にしていると浅香に揶揄されたが、彼女は丸一日以上俺と離れられない。ある一定の距離屋を離れるとだんだん苦しくなり、数時間経過すると次第に動きが悪くなり行動不能になることがわかった。。
また、2日に一度は寝床を共にしないと存在が消えそうだと言われ、一緒に寝ている。もちろん添い寝だ。
一度浅香の家に泊まらせたが、その日の夜中に電話で異常を知らせてきて判明した。
ただ、不思議なことにダンジョンが潰される度に状況が改善されるので、ひょっとしたら全てのダンジョンが攻略されたら、本当の意味でスルメイラは俺から解放されるのだろうか?
・
・
・
遠くで鳴く鳥の声と、風に揺れる木々の音が耳に入る。俺たちは新たな冒険の地図を広げながら、その先に続く無限の可能性を感じていた。
人々にとって、ダンジョンは恐怖と絶望の象徴だった。けれど今、そこには希望がある。俺たちが切り開いた道が、これからの世界を変えていくと信じて――。
こうして、俺たちの一つの物語は幕を下ろした。けれど、物語は終わらない。冒険者としての旅路はまだまだ続いていく。
完
あとがき失礼します。
【ダンジョン配信スタッフやります】
新作も宜しくお願いします!
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時の人となった俺たち・・・
「お前たちのやったことは、冒険者全員にとっての希望だ。」
ギルド本部で幹部からそう言われた時、正直どう答えればいいか分からなかった。
「俺たちはただ、目の前の問題をどうにかしようと必死だっただけです。」
「まあ、そこが良いところよね」
俺がそう答えると、友理奈が笑ってくれた。
「先輩、またくさいセリフ言ってますよ!ちょっとカッコ良いかも?」
浅香はいつもの調子で茶化してくる。弘美はただ微笑みながら頷いてくれた。
今回の出来事を受け、日本国内でダンジョンの無力化がいくつか成功した。それはやがて海外にも伝わり、世界中で検証が始まった。最難関ダンジョンはまだ遠い存在だが、弱いダンジョンから順に少しずつ消えていく。
「これで、人が安心して暮らせる世界に近づけるかもしれない。」
スルメイラが淡々と語るその声には、どこか誇らしげな響きがあった。
「これで終わりじゃない。まだ始まったばかりよ。」
弘美の言葉に、誰も反論はしなかった。
ダンジョン攻略の新たな道筋が見えたことで、冒険者としての俺たちにも新たな役割が生まれた。危険と隣り合わせの日々は続くが、それでも進まなければならない。
「さあ、次はどんな未知が待っているのか……。」
俺たちはそれぞれの装備を整え、未来に向けて歩き出す。
そしてスルメイラ・・・彼女は俺と寝床を共にしていると浅香に揶揄されたが、彼女は丸一日以上俺と離れられない。ある一定の距離屋を離れるとだんだん苦しくなり、数時間経過すると次第に動きが悪くなり行動不能になることがわかった。。
また、2日に一度は寝床を共にしないと存在が消えそうだと言われ、一緒に寝ている。もちろん添い寝だ。
一度浅香の家に泊まらせたが、その日の夜中に電話で異常を知らせてきて判明した。
ただ、不思議なことにダンジョンが潰される度に状況が改善されるので、ひょっとしたら全てのダンジョンが攻略されたら、本当の意味でスルメイラは俺から解放されるのだろうか?
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遠くで鳴く鳥の声と、風に揺れる木々の音が耳に入る。俺たちは新たな冒険の地図を広げながら、その先に続く無限の可能性を感じていた。
人々にとって、ダンジョンは恐怖と絶望の象徴だった。けれど今、そこには希望がある。俺たちが切り開いた道が、これからの世界を変えていくと信じて――。
こうして、俺たちの一つの物語は幕を下ろした。けれど、物語は終わらない。冒険者としての旅路はまだまだ続いていく。
完
あとがき失礼します。
【ダンジョン配信スタッフやります】
新作も宜しくお願いします!
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