モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ＆チート持ちだった！カードから美少女を召喚します！強いカード程１癖２癖もあり一筋縄ではない〜

第１章(高校生入学編）

第44話 vs ビッグマンティス

　まだカーヴァント達が戻らない状況で何とかレイラ達が僕達にマンティスを近づけさせないように戦っていた。

　先程のよりひとまわり大きいのと戦っている。
　不思議な事にマンティスを倒してもドロップが殆どない。

　そんな中、僕、愛姉、友里愛がいた所に一際大きいマンティスが現れた。

「そ、そんな！ビッグマンティスだなんて！」

　僕は聞いた事の無い名前になんだろうと思いつつ、２人を守らんと剣を構えて身構える。

　体高は１mほど、長さは３ｍほどだろうか、こちらを視認すると駆け出し、その凶悪な鎌を振るって来た。
　ガキンガキン！ピシッ！
　剣で受け流すけど、僕の腕では華麗に戦う事が出来ない。

　時折僕の方から斬り掛かるも簡単に防がれた。
　ほぼ互角でお互い決め手がない。
　そんな中、マンティスが振るった鎌を剣で受け止めるもパキーン！と剣が折れた。

　僕はなっ！と呻き呆然としていると鎌が目の前に迫っていた。

「死にたいの？」

　友里愛が咄嗟に僕に飛び付き、鎌から庇ってくれた。
　しかし、肩から血を流していた。

「ゆ、友里愛！」

「かすり傷よ！それよりあれどうすんのよ！」

　マンティスが鎌をガチガチさせて威嚇している。

　僕は剣を落としていたが、コンバットナイフを持ち友里愛を庇うように構えた。

「ごめん。僕の所為で怪我を負わせてしまった。命に代えてでも君だけは守る！行くぞ！」

　僕は駆け出し、振られた鎌を避けるようにジャンプした。
　頭の中では頭上で回転しながらバトルナイフを背中か首元に突き立てるつもりだった。
　そりゃあー！とか中学2年生が喜ぶ姿で華麗に決める事にしていた。

　しかし、ゴツッ！
　想定以上にジャンプしてしまい、木の枝に頭をぶつけてしまいそこから反転急落下だった。

　マンティスは僕がジャンプしたのを見て追従し、一瞬の事にも関わらず飛んだんだ。
　いや、こちらもジャンプだ。

　どうやらどうするのか予備動作から読まれたようで、空中で捉えようとしたようだ。
　その為に振るった鎌は空を切る。
　僕は声にはならない苦悶の声を上げながら落下した。
　上からはマンティスが落下してくる。

　咄嗟にコンバットナイフを両手で持ち、頭上に構えた。
　ぐさり！
　マンティス最大の弱点である柔らかな腹が僕に向けられていて、偶然その急所にコンバットナイフが刺さり、しかも?皮膚を貫通した。
　
　プシュー・・・・
　おもいっきり青緑色の体液を浴びる。
　ぐえぇ！汚え！

　マンティスはコンバットナイフが刺さったままヨロヨロと後退り、数秒間青緑色の体液を撒き散らしながらフラフラとしたかと思うと、ドサリと崩れ落ちた。

　勿論コンバットナイフが腹に刺さっているので、深々と食い込む。
　やがて息も止まり霧散してビッグマンティスのカードが残った。

　周りから戦闘の音が消えてきた。

　急いで友里愛の元に行くと、苦悶の表情を浮かべながら肩を押さえていた。

「流石ね！普通はバトルスーツがあっても生身じゃ無理よ。ッ痛。」

「本当にごめん」

「違うでしょ！助けられたら感謝でしょ！あっ！言葉は要らないから行動で示してよね！」

　行動ってどうすれば？
　ムミムナが戻って来たが、友里愛の姿を見ると慌てて駆け寄って来た。

「奥様お怪我を！直ぐに治療しますのでもう少しの我慢ですわ。斗升様！？警戒をお願いします」

　友里愛はムミムナに言われた言葉に真っ赤だ。

　ムミムナが傷口に手を翳すとそこがぽわ～んと光、友里愛の表情が和わらいでいく。

　次にレイラが戻ったが、そこからは続々と戻りはじめた。
　各々急ぎ戻ってきたが、ライカンスロープがドロップを集めて回ってきた。