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第1章(高校生入学編)

第49話 グループ作成

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 教室には早くもなく遅くもない時間に入ったけど、下駄箱に続き驚きが一杯だった。

 まず下駄箱だけど、10通程の手紙が入っていた。
 何故下駄箱なのか分からないけど鍵付きの扉になっており、隙間があるから手紙を投函するポストの代わりに使ったのかな?

 取り敢えず後で(教室)見ようかなと思い、カバンにそれらを入れてから教室に向かう。

 廊下でも女生徒から手紙を渡された。
 渡すだけ渡して「後で読んでください!」それだけ言って普通科の教室に駆けていったな。

 何だろう?
 実は探索者になろうと思い、助けて欲しい系だろうけど、それならラビリンス専攻科を選べば良いのになと思うんだよね。

 これも今は見る時間がないからカバンに。
 妙にお辞儀をしているから、顔が分からず、結局後ろ姿しか分からなかったな。

 ガラガラガラ・・・

 皆思い思いの席で談笑をしている。

 田仲君、中芝君、鮫口君の3人も話し込んでいた。
 早速僕はそこに向かうが、女子から挨拶とにこやかな笑顔を向けられる。
 妙にフレンドリーだな。
 友里愛もいたが、女子4人と談笑中だから怖くていけない。

「田仲君、中芝君、鮫口君おはよう!」

「トーマスおはよう!」

 そう、僕はあの挨拶で自らのニックネームをトーマスだとしたからそうなるんだ。

「またラビリンスに行ったんだって?」

 僕は机にカバンを置いて行くが、3人が取り囲む。

「うん。風曲の森に渚さんと姉と行ったんだ」

「あそこ閉鎖中じゃなかったっけ?」

「姉がギルド職員でさ、再開に向けての調査をするからと、姉の護衛の名目で行ったんだ」

「何がでたの!?」

「これらだよ」

「うわ!これ普通に死亡案件やん!よく生きて帰れたね」

「いやいや、これマンティスのカードだから倒したんだろ?」

「よく見ろよ!これランク6のビッグマンティスだぞ!お姉さんって強いんだな!」

 田仲君に中芝君と鮫口君が突っ込む。

 そうだ!閃いた!悪目立ちしない方が良いから、愛姉のカーヴァントが倒した事にすればよいだろう。

「ちょっと斗升君、君は彼女に挨拶しないのかなぁ?しないのかなぁ!」

 女子4人と系5人で話し込んでいたけど、友里愛が参戦した。

「渚さんおはよう。なんか女子の会話に入っていくのは悪いかなって思って機会を伺っていたんだ」

「トーマス君ごめんね!ゆりっちと夢中になっていたわ」

 取り巻きの女子がペコリとした。

「それなら仕方ないわね。みなさんおはよう!えっと棚元くんでしたったけ?」

「田仲です」

「ごめんね。まだ覚えていなくて。えっと、田仲くん、このビッグマンティスですけれども、斗升君が1対1、しかも剣が折れた後にコンバットナイフで倒したのよ!」

 友里愛がドヤ顔だ。
 それとまだ僕の事を彼氏としてくれた!奇跡だ!

「まじかー!って確かにあの壇上のあれが有れば不思議じゃないな」

「嘘ー!ランク6よね?それをカーヴァントじゃなくて人が倒したの!?ゆりっちの彼氏って凄いわね!流石ゆりっち、男を見る目があるわ!」

「どうやったらきのう最初に見ただけで凄いと見抜けるの?言っちゃなんだけど、見た目はその辺の子と変わんないわよ!?ゆりっちの彼氏ならこうやればもう少しかっこよくなるんだからやればよいのに・・・ごめんなさい」

 僕は取り巻きの子に額の髪を整えられてしまい、額が顕になってしまい酷い傷跡が見えた。

「みーこさん、それ私もやったのよ」

「気にしないで!」

「2号になりるから許して!」
注)なりるからは誤字ではない

 変な事を噛み噛みしながら発したな。

「み~こ大胆!」

「ねぇねぇトーマス君、旋律の乙女とあたし達、トーマス君の連れの田仲君達でグループを作らない?確か男女各々2人以上で6から10人のグループを作らなきゃだよね?」

 僕は友里愛を見るが、ゴメンねのポーズをしているからお願いって事かな?

 基本的に高校の授業等でラビリンスへ入るのはグループ内の者でパーティーを組んで挑む。
 状況に応じて対応するから、2日目となるとグループ結成の動きが活発だ。

「う、うん。田仲君、中芝君、鮫口君、僕は良い話だと思うけど、君達はどうする?」

「お願いしやす!」

 3人は直角にお辞儀をした。

「リーダーは我らがトーマス様で、副リーダーはゆりっちで良いわよね?」

 取り巻きの子が仕切り出した。

「勿論よ。斗升君、お願いしても良いかしら?」

 これはあれだ、表向きのリーダーは男子がしないと舐められ兼ねないから便宜上僕がリーダーで、実際のリーダーは友里愛だよね!
 だって彼女はそこにいるだけで華がある。
 でも嫌われないように受けるしか無いよね。
 しかし、勘違いしてはいけない。
 僕ば表向きのリーダーでしかないと。

「そういえば下駄箱に手紙が入れてあったんだけど、グループの誘いだったのかな?」

「ちょっとそれをここで出すの?」

「うん。駄目だった?」

 取り巻きの子が1通の手紙を取る。

「トーマス様、これ開けても良いのかしら?」

「グループを組むんだから良いよね!?」

 女子が手紙を見てため息をつく。

「うわっ!これラブレターじゃん!しかも2号さんにして下さいって!」

 ヒソヒソ話は聞こえないが、友里愛は次々に手紙を開けて中を見ると握り潰しており、少し怖い表情をした。
 ゾクッとし、唆るなと思ったのは内緒。

「斗升君ごめんね。ちょっと彼女とすれば見過ごせない内容だから。斗升君は見なくても良いわ。み~こさん、下駄箱をチェンジしましょ?私のをみ~こさん、斗升君のを私、み~こさんのを斗升君が使うの」

「なるほどね!制裁(正妻)としたらそうするか!良いわよ!ゆりっち、私の事も考えてね!」

「勿論よ。誰を認めるかは私がするわ。み~こさんは私の親友だし、それを希望するなら良いわよ」

 何やら制裁とか(正妻と言っている)怖い話をしているな。

「そうそう、特に斗升君が女子から受け取った手紙は私達に渡してね!」

「面倒じゃないの?なんか悪いよ?」

「良いのよ。リーダーは忙しくなるのだから、そんな瑣末事は私達が何とかするわ。それと放課後ゼニーズで食事をしてから打ち合わせをしたいけどどうかしら?」

「あっ!今日お財布持ってきていないわ」

「それ位私が出しますわ。きのうの稼ぎは斗升君が殆ど倒したのだから、私の取り分を減らしてと言っても聞いてくれなかったから、私が出すべきなの」

「駄目だよ。その前も稼いだから僕が出すよ!代わりに渚さんは司会とか全体を仕切って欲しかったりするけど駄目かな?」

「もう、仕方がないんだから。分かったわ。でも次のミーティングは私が出すわ!それで宜しくて?」

「う、うん。じゃあ記念すべき1回目は僕が出すって事で」

 そんな話をしていると、担任の先生が教室に来てホームルームが始まった。
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